錦富士隆聖
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基礎情報 | ||||
四股名 | 小笠原→錦富士 | |||
本名 | 小笠原 隆聖 | |||
生年月日 | 1996年7月22日(26歳) | |||
出身 |
青森県十和田市 (出生地は静岡県伊豆の国市) | |||
身長 | 184.0cm | |||
体重 | 150.0kg | |||
BMI | 44.3 | |||
所属部屋 | 伊勢ヶ濱部屋 | |||
成績 | ||||
現在の番付 | 西前頭10枚目 | |||
最高位 | 東前頭4枚目 | |||
生涯戦歴 | 217勝159敗10休(39場所) | |||
幕内戦歴 | 43勝32敗(5場所) | |||
優勝 |
十両優勝1回 幕下優勝1回 序二段優勝1回 序ノ口優勝1回 | |||
賞 | 敢闘賞1回 | |||
データ | ||||
初土俵 | 2016年9月場所 | |||
入幕 | 2022年7月場所 | |||
趣味 | サッカー観戦 | |||
備考 | ||||
2023年3月26日現在 |
錦富士 隆聖(にしきふじ りゅうせい、1996年7月22日 - )は、青森県十和田市出身(出生地は静岡県伊豆の国市[1])で、伊勢ヶ濱部屋所属の現役大相撲力士。本名は小笠原 隆聖(おがさわら りゅうせい)。身長184.0cm、体重150.0kg、血液型はB型[2]。最高位は東前頭4枚目(2023年1月場所)。
来歴[編集]
相撲は十和田市立三本木小学校3年次に始め、6年次にわんぱく相撲全国大会でベスト8の実績を残した[3]。十和田市立十和田中学校在学中も3年次に全国中学校相撲選手権大会で8強入りした[3]。高校は三本木農業高校農業機械科に進み、3年次に全国高校相撲宇佐大会で個人3位入賞するなどの実績を残している[3]。高校卒業後は近畿大学経営学部経営学科に進学した[3]。高校の同期に阿武咲(1年次中退)、大学の同期に欧勝竜、翠富士(2年次中退)がいる。
近大相撲部では2年次にレギュラー入りをしていたが、「大学を卒業した後では形が決まってしまい、直せなくなる」という理由から、大学を中退して大相撲入りすることを決意し、伊勢ヶ濱親方(第63代横綱・旭富士)の熱意もあって伊勢ヶ濱部屋に翠富士とともに入門することになった[4]。入門を仲介したのは、三本木農高相撲部監督と親交があり、当時伊勢ヶ濱部屋所属の現役力士だった安美錦(現・安治川)である[5]。2016年11月場所にて序ノ口[4]、2017年1月場所にて序二段の優勝決定戦にて翠富士と対戦しいずれも勝利し連続優勝を果たした[6]。同年11月場所で幕下に昇進後は幕下の番付に定着した。2018年1月場所は、1番目の相撲で左膝を痛めて2番目から途中休場となったが、靭帯は断裂していなかったとして4番目の相撲から再出場した[7]。
2019年9月場所は自己最高位となる東幕下3枚目の番付で迎えたが、場所前の稽古で左肘の筋を断裂しており、5番目の相撲で負け越しが決定すると、6番目以降は休場となった[8]。9月20日に左肘の手術を受け[9]、翌11月場所は全休[10]。怪我からの復帰2場所目となった2020年3月場所で幕下優勝を果たし[9]、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う5月場所の中止を経て、再び自己最高位の東幕下3枚目に戻った7月場所で5勝2敗とし[11]、場所後に開催された番付編成会議で、9月場所での新十両昇進が決定した[12]。新十両昇進に際して「ケガして苦しい時に師匠や安治川親方、楯山親方、照ノ富士関や翠富士関、照強関とか、たくさんの人に声をかけてもらって頑張ってきた。そのことがよぎって目が熱くなった」と振り返った。伊勢ヶ濱親方は「もっと前に出る相撲を。まだまだ取り切れていない。自分から攻める相撲が取れれば幕内もいけると思う」と期待[13]。
2022年2月4日、協会は錦富士が新型コロナウイルスに感染したと発表[14]。同年7月場所新入幕。入幕会見では高校の同期の阿武咲との対戦を望むコメントを残した[15]。師匠の伊勢ヶ濱は「もう幕内で取れる状態になっている」と太鼓判を押し「とりあえず段階的にいくと、幕内の次は三役」と期待を寄せた[16]。
エピソード[編集]
- 自身と同じ青森県出身であり、伊勢ヶ濱部屋の兄弟子でもある安美錦(現・安治川)は、先述のように入門時から深い関係にある人物であり、安美錦に関するいくつかのエピソードがある。
- 自身の四股名「錦富士」の錦は、安美錦の四股名に由来する[6]。
- 安美錦の付け人を、2017年1月場所から[6]、安美錦が現役を引退する2019年7月場所まで務めた[17]。
- 自身が幕下優勝をした2020年3月場所では、取組の無い日は自身が、取組のある日は安治川が、差し入れのカレーライスを食べるというゲン担ぎをしていた[8]。幕下優勝を果たした後には、同年10月4日に予定されていた安治川の引退相撲までには関取になるという目標を掲げた[9]。安治川の引退相撲は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となったが[18]、当初予定されていた日程より前の9月場所で新十両に昇進することになり[12]、目標を達成した形となった。
- 2020年6月に日本相撲協会の公式YouTubeチャンネルに公開されたトレーニング動画に、安治川が紹介するストレッチの実演担当者として出演した[19][20]。
- 2020年3月場所では、前年5月場所限りで引退した兄弟子・駿馬の名前が書かれたサガリを使用した[9]。なお、駿馬のサガリは、直前の1月場所では翠富士が、さらに前は照ノ富士も使用していた[21]。
- 相馬勇紀は友人。2022年9月場所中に錦富士本人は「僕が(左肘を)手術するときにビデオメッセージをくれた」と勇気づけられたことを感謝している。2022 FIFAワールドカップ日本代表入りを決めた際には「テレビでしか応援できないけど頑張ってね」と激励のメッセージを送ったという[22]。
主な成績[編集]
2023年3月場所終了現在
- 通算成績:217勝159敗10休(39場所)
- 幕内成績:43勝32敗(5場所)
各段優勝[編集]
- 十両優勝:1回(2022年5月場所)
- 幕下優勝:1回(2020年3月場所)
- 序二段優勝:1回(2017年1月場所)
- 序ノ口優勝:1回(2016年11月場所)
三賞[編集]
- 三賞:1回
- 敢闘賞:1回(2022年7月場所)
場所別成績[編集]
一月場所 初場所(東京) |
三月場所 春場所(大阪) |
五月場所 夏場所(東京) |
七月場所 名古屋場所(愛知) |
九月場所 秋場所(東京) |
十一月場所 九州場所(福岡) |
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2016年 (平成28年) |
x | x | x | x | (前相撲) | 東序ノ口21枚目 優勝 7–0 |
2017年 (平成29年) |
東序二段10枚目 優勝 7–0 |
東三段目19枚目 3–4 |
西三段目38枚目 5–2 |
東三段目13枚目 4–3 |
西三段目2枚目 4–3 |
西幕下52枚目 6–1 |
2018年 (平成30年) |
西幕下23枚目 1–5–1 |
西幕下47枚目 5–2 |
西幕下30枚目 4–3 |
東幕下23枚目 2–5 |
西幕下37枚目 5–2 |
西幕下24枚目 5–2 |
2019年 (平成31年 /令和元年) |
西幕下13枚目 3–4 |
西幕下17枚目 5–2 |
東幕下11枚目 4–3 |
西幕下8枚目 5–2 |
東幕下3枚目 1–4–2 |
西幕下18枚目 休場 0–0–7 |
2020年 (令和2年) |
西幕下58枚目 4–3 |
東幕下49枚目 優勝 7–0 |
感染症拡大 により中止 |
東幕下3枚目 5–2 |
西十両13枚目 7–8 |
西十両13枚目 3–12 |
2021年 (令和3年) |
西幕下5枚目 6–1 |
西十両12枚目 7–8 |
西十両12枚目 8–7 |
東十両11枚目 8–7 |
東十両9枚目 10–5 |
東十両4枚目 5–10 |
2022年 (令和4年) |
東十両9枚目 10–5 |
西十両5枚目 7–8 |
西十両6枚目 優勝 11–4 |
東前頭17枚目 10–5 敢 |
東前頭10枚目 10–5 |
西前頭5枚目 9–6 |
2023年 (令和5年) |
東前頭4枚目 4–11 |
西前頭10枚目 10–5 |
x | x | x | x |
各欄の数字は、「勝ち-負け-休場」を示す。 優勝 引退 休場 十両 幕下 三賞:敢=敢闘賞、殊=殊勲賞、技=技能賞 その他:★=金星 番付階級:幕内 - 十両 - 幕下 - 三段目 - 序二段 - 序ノ口 幕内序列:横綱 - 大関 - 関脇 - 小結 - 前頭(「#数字」は各位内の序列) |
合い口[編集]
- いずれも2023年3 月場所現在。
(以下は最高位が横綱・大関の現役力士)
- 最高位が関脇以下の力士との幕内での対戦成績は以下の通りである。
力士名 | 勝数 | 負数 | 力士名 | 勝数 | 負数 | 力士名 | 勝数 | 負数 | 力士名 | 勝数 | 負数 |
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関脇 | |||||||||||
阿炎 | 1 | 0 | 逸ノ城 | 1 | 0 | 隠岐の海 | 1 | 0 | 隆の勝 | 2 | 0 |
玉鷲 | 0 | 1 | 豊昇龍 | 0 | 1 | 妙義龍 | 1 | 3 | 明生 | 1 | 1 |
若隆景 | 1 | 1 | |||||||||
小結 | |||||||||||
遠藤 | 1 | 0 | 阿武咲 | 0 | 2 | 琴ノ若 | 1 | 0 | 千代大龍 | 2 | 0 |
翔猿 | 1(1) | 1 | 北勝富士 | 2(1) | 2 | 竜電 | 1 | 1 | 若元春 | 1 | 0 |
前頭 | |||||||||||
一山本 | 1(1) | 1 | 宇良 | 0 | 1 | 王鵬 | 2 | 1 | 琴恵光 | 1 | 0 |
琴勝峰 | 1 | 0 | 佐田の海 | 1 | 1 | 大奄美 | 1 | 0 | 千代翔馬 | 2 | 0 |
千代丸 | 1 | 0 | 剣翔 | 1 | 0 | 錦木 | 1 | 1 | 平戸海 | 0 | 1 |
豊山 | 1 | 0 |
(カッコ内は勝数、負数の中に占める不戦勝、不戦敗の数、太字は2023年3月場所終了現在、現役力士)
改名歴[編集]
- 小笠原 隆聖(おがさわら りゅうせい)2016年9月場所 - 2016年11月場所
- 錦富士 隆聖(にしきふじ りゅうせい)2017年1月場所 -
関連項目[編集]
脚注[編集]
- ^ 「新入幕◎錦富士隆聖[伊勢ケ濱]」『相撲』2022年7月号、ベースボール・マガジン社、18頁。
- ^ 伊勢ヶ濱部屋ホームページ
- ^ a b c d 「全新弟子名鑑」『相撲』2016年10月号、ベースボール・マガジン社、106頁。
- ^ a b 「十両以下各段優勝者」『相撲』2016年12月号、ベースボール・マガジン社、69頁。
- ^ 「9月場所花の新十両データバンク」『相撲』2020年9月号、ベースボール・マガジン社、15頁。
- ^ a b c 「十両以下各段優勝者」『相撲』2017年2月号、ベースボール・マガジン社、69頁。
- ^ 「相撲部屋聞き書き帖」『相撲』2018年2月号、ベースボール・マガジン社、90頁。
- ^ a b 「十両以下各段優勝者」『相撲』2020年4月号、ベースボール・マガジン社、68頁。
- ^ a b c d 「錦富士「狙ってた」幕下V、助言の元安美錦に恩返し」『日刊スポーツ』、2020年3月20日。2020年8月3日閲覧。
- ^ 「相撲部屋聞き書き帖」『相撲』2020年4月号、ベースボール・マガジン社、93頁。
- ^ 錦富士5勝で十両昇進確実、兄弟子照ノ富士に刺激 日刊スポーツ 2020/8/1 20:16(2020年8月3日閲覧)
- ^ a b 「新十両昇進の錦富士「次は勝ち越して上にいくこと」」『日刊スポーツ』、2020年8月5日。2020年8月5日閲覧。
- ^ 新十両昇進の錦富士「次は勝ち越して上にいくこと」 日刊スポーツ 2020年8月5日14時11分(2020年8月6日閲覧)
- ^ 照ノ富士、貴景勝ら17人コロナ陽性 元関脇嘉風・中村親方の引退相撲は開催へ デイリースポーツ 2022.02.05 (2022年3月7日閲覧)
- ^ 【名古屋場所新番付】新入幕の錦富士「しっかり当たってスピードのある相撲を」 日刊スポーツ 2022年6月27日11時41分 (2022年6月27日閲覧)
- ^ 【名古屋場所新番付】伊勢ケ浜親方「次は三役、鋭い立ち合いができるように」新入幕錦富士に期待 日刊スポーツ 2022年6月27日12時18分 (2022年6月30日閲覧)
- ^ 「安美錦元付け人の錦富士勝ち越し十両昇進で恩返しを」『日刊スポーツ』、2019年7月16日。2020年8月3日閲覧。
- ^ 「元安美錦の安治川親方 引退相撲は来年5月に延期」『日刊スポーツ』、2020年7月15日。2020年8月3日閲覧。
- ^ 【自宅で簡単!相撲トレーニング】安治川・井筒・中村親方がオススメの運動を紹介! - YouTube
- ^ 「相撲部屋聞き書き帖」『相撲』2020年7月号、ベースボール・マガジン社、84頁。
- ^ 「翠富士が5勝目 照ノ富士のさがりで新十両昇進決めた」『デイリースポーツ』、2020年1月25日。2020年8月3日閲覧。
- ^ 錦富士3場所連続勝ち越し 左肘手術時激励のサッカー日本代表相馬勇紀は友人「テレビで応援」 日刊スポーツ 2022年11月22日20時37分 (2022年11月22日閲覧)
外部リンク[編集]
- 伊勢ヶ濱部屋ホームページ
- 錦富士 隆聖 - 日本相撲協会