豊昇龍智勝

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豊昇龍 智勝 Sumo pictogram.svg
Hoshoryu 2019 Jan.jpg
基礎情報
四股名 豊昇龍 智勝
本名 スガラグチャー・ビャンバスレン(Сугаррагчаагийн Бямбасүрэн)
愛称 ビャンバ
生年月日 (1999-05-22) 1999年5月22日(21歳)
出身 モンゴルの旗 モンゴルウランバートル
身長 186cm
体重 131kg
BMI 37.87
所属部屋 立浪部屋
得意技 突き[1]、押し[1]、食い下がり[1]、右四つ、寄り、投げ、足技
成績
現在の番付 東前頭13枚目
最高位 東前頭13枚目
生涯戦歴 90勝55敗(16場所)
幕内戦歴 8勝7敗(1場所)
優勝 序二段優勝1回
データ
初土俵 2018年1月場所
入幕 2020年9月場所
趣味 寝ること、ルービックキューブ
備考
2020年10月26日現在

豊昇龍 智勝(ほうしょうりゅう ともかつ、1999年5月22日 - )は、モンゴル国ウランバートル市出身で立浪部屋所属の現役大相撲力士。本名はスガラグチャー・ビャンバスレンモンゴル語キリル文字表記: Сугаррагчаагийн Бямбасүрэн)。好物はかつ丼。嫌いなものは魚介類[1]。最高位は東前頭13枚目(2020年11月場所)。叔父は第68代横綱朝青龍明徳

来歴[編集]

生い立ち[編集]

朝青龍の長兄であるスガラグチャーの次男として誕生。11歳の頃からレスリングを始める。モンゴルの中等教育を卒業後、日本体育大学柏高校(入学当時の校名は柏日体高校。在学中の2016年4月から現校名に改称)からレスリングの選手としてスカウトを受け、日本へ留学した。

高校1年の5月、授業の一環として両国国技館で相撲を見学した際に相撲に興味を抱き、その後朝青龍と相談し、レスリングを辞めて相撲をはじめることを決意する。相撲経験はなかったが、アマチュアの大会で好成績の記録を残し、驚くようなスピードで潜在能力や身体能力の高さを見せていく。高校卒業後は立浪部屋へ入門。入門してからも朝青龍とは何度もメールでやり取りをしており、「自分の力で強くなれ! 引いてはダメ」、「急に太ってはダメ! 怪我をするから」などのアドバイスを朝青龍から受けていた。豊昇龍は、大相撲の力士としての目標として、「叔父さん(朝青龍)みたいに、1番上の横綱になりたい。」と語ったが、その返答として朝青龍は「強くなるには、親方の言うことをちゃんと聞きなさい!」と答えたという。

2017年11月1日に新弟子検査を受検[2]、同月12日に合格が発表された[3]。新弟子検査の際に、対戦したい力士として遠藤を挙げている[1][4]

入門[編集]

2018年[編集]

興行ビザの取得を待って、初土俵は2018年1月場所となった。この場所は、第48代横綱大鵬の孫である納谷と共に前相撲を取った。結果は3勝1敗であったが、この1敗はライバルの納谷である。

同年3月場所は、西序ノ口19枚目という番付で先場所の前相撲のときと同様に2戦全勝同士で東序ノ口18枚目の納谷と対戦し敗れ、6勝1敗で終えた。 尚、この場所の序ノ口優勝は納谷であった。

同年5月場所は、西序二段42枚目で7戦全勝優勝を遂げた。この場所は、納谷との対戦がなく、優勝後のインタビューでは、「納谷は強いですよ。」と、ライバルの強さを認めた。その上で、豊昇龍は、「次は絶対に勝つ。」と、三度目の正直に燃えていた。

7月場所直前の6月29日には、第69代横綱白鵬の所属する宮城野部屋へ出稽古にいき、白鵬に稽古をつけてもらった。稽古を終えた豊昇龍は「横綱にぶつかることができて、うれしいです。去年、稽古してもらった後、自分はバーンと強くなってインターハイも準優勝できました」と語った。また、白鵬は「自分も(朝青龍に)稽古をつけてもらったから、今度は(自分がその甥っ子に)稽古をつけてやってね。不思議だね、歴史は繰り返すね。あとは彼次第。」と、次世代のエースにエールを送った[5]

同年7月場所は、東三段目42枚目で6勝1敗だった。

同年9月場所は、東幕下56枚目という番付で3連勝スタートから3連敗、その後、3勝3敗同士で、前相撲での対戦を含めると同年春場所以来3場所振り3度目となるライバルの東幕下60枚目の納谷と対戦し、勝利し勝ち越しを決め、三度目の正直を果たした。これは、豊昇龍の納谷戦初勝利となった。この取組により、納谷は自身初の負け越しとなり、次の場所では、三段目へ番付を落とす結果となった。

同年11月場所は、東幕下49枚目で6勝1敗だった。この場所は、初土俵以来初めて納谷のいない番付で相撲をとる場所となった。さらに、この場所は、朝青龍と並ぶ初土俵(前相撲を除く)から5場所連続勝ち越しとなった。

2019年[編集]

2019年1月場所では、西幕下21枚目で5勝2敗とし、幕下上位への昇進が濃厚となった。また、初土俵(前相撲を除く)から6場所連続勝ち越しとなり、叔父の朝青龍を超える記録となった。

同年3月場所では、初の幕下上位となり西幕下7枚目という番付で臨み、徳真鵬に勝ち1勝0敗としたが、前場所敗れた木﨑海に敗れ、その後、第53代横綱・琴櫻の孫であり、現・佐渡ケ嶽親方の元関脇琴ノ若の子供である琴鎌谷、琴鎌谷と同じく佐渡ケ嶽部屋琴太豪に敗れ3連敗となり、1勝3敗となる。しかし、その後3連勝とし4勝3敗となり、初土俵(前相撲を除く)から7場所連続勝ち越しとなった。

同年5月場所では、2連勝した後3連敗したが、その後2連勝し、4勝3敗で勝ち越し。初土俵(前相撲を除く)から8場所連続勝ち越しとなった。

同年7月場所では、十両昇進を目指す西幕下2枚目という番付で臨み、6番目の相撲までで3勝3敗。7番目の相撲では、前場所で勝った玉木(後の朝玉勢)戦で敗れてしまい、自身初の負け越しとなり、序ノ口デビューからの連続勝ち越しは8場所でストップした。7番相撲で負けた際に右の拳を土俵に叩き付けており、朝日新聞の記事で「叔父譲りの勝利への執着心」について触れられた[6]

同年9月場所では2連勝した後3連敗。しかし、その後2連勝し4勝3敗とし2場所振りの勝ち越しを決めた。場所後の番付編成会議で、翌11月場所での十両昇進が決定した。外国出身では史上68人目、モンゴル出身では史上35人目の十両昇進となった[7]。十両昇進会見では「しこ名に『関』と付くのでうれしい。すごく気持ちいい」と話した。10月3日にモンゴルに帰国して朝青龍主催の昇進パーティーに出席する予定が示され、豊昇龍は「『上に上がればお前にあげる物がいっぱいある』と言われた」と贈り物に期待を寄せた[8]。また、「叔父さん(元横綱・朝青龍)のいったところまでいく。稽古をして強くなる」と、末は横綱に昇進すると意欲を見せた[9]

十両[編集]

新十両として迎えた11月場所は7勝8敗で終えた。千秋楽の取組後、豊昇龍は、「負けても勝っても自分の相撲を取ろうと思っていた。負け越したけど、今日の一番は嬉しい。」と語った。また、負け越しが決まった14日目の取組後に叔父の朝青龍からメールで怒られたことを明かした。さらには、43度目の幕内最高優勝を決めた横綱・白鵬に「優勝おめでとうございます。」と直接伝えた際に、白鵬から「また来場所だな。」と声をかけられた。初めての15日間を終え、豊昇龍は、「勉強になった。十両は甘くないことが分かった。来場所はしっかりと頑張りたい。」と決意を固めた[10]

2020年[編集]

十両2場所目となる1月場所は8勝7敗で自身初めてとなる関取としての勝ち越しを決め、先場所の雪辱を果たした。

十両3場所目となる3月場所は勝ち越しを決め2場所連続勝ち越しとなったが、千秋楽は腰痛症により休場し8勝7敗で終えた。

5月場所は新型コロナウイルス感染拡大により中止された。

十両4場所目となる7月場所は1月場所以来の観客を入れての開催となった。関取昇進以降自身初の初日から連敗スタートとなったが、結果的に千秋楽で十両優勝争い先頭の一人である四敗の水戸龍を破り、十両優勝へ望みを繋ぎ、さらに自身初の2桁勝利を記録した。十両優勝決定戦は6人で争うことになり、1回戦目は旭大星を破り巴戦に進出した。巴戦では立浪部屋力士、明生天空海との同部屋優勝決定戦となった。しかし、初戦で明生に敗れそのまま明生が天空海を破り優勝を決めたため、惜しくも優勝を逃す結果に終わった。

幕内[編集]

9月場所に新入幕を果たした。初土俵から15場所でのスピード昇進だが、叔父の朝青龍は所要12場所で幕内に駆け上がったため、東京都内で行われたリモート会見で師匠の立浪は「常におじさんの影を追っているので、もっと早く上がりたかったのでは」と弟子の心中を察していた。新入幕場所の目標は「2桁勝って三賞を取る」と明確に掲げた。叔父が新入幕で9勝止まりだったことについては「それは知らなかった」と笑顔で反応[11]。成績は8勝7敗で終え勝ち越したものの、叔父の朝青龍の新入幕9勝には一歩届かなかった。

著名な親族[編集]

エピソード[編集]

  • 四股名は師匠の立浪(元小結・旭豊)の現役時代の四股名の「豊」と叔父である朝青龍の「龍」を一字づつ採り、「しょう」は、『横綱まで昇り詰めたい』という豊昇龍の意思を踏まえ、師匠の立浪が「もっと良い字がある。」と豊昇龍に言い、「青」ではなく「昇」を豊昇龍に教えたところ、豊昇龍が気に入ったことから「豊昇龍」と名乗ることになった。
  • 叔父の朝青龍は豊昇龍にとって師匠よりも厳しく怖い存在であり、ある時Twitterで朝青龍から「戦うなら殺すつもりで行け!!出来ないならちゃんこ番やれ!!」と過激なエールを送られた[12]

アマチュア記録[編集]

  • 第64回関東高等学校相撲大会 重量級 優勝(2016年6月)
  • インターハイ 個人 2位(2017年8月)
  • 愛媛国体少年の部 個人 3位(2017年10月)

主な成績[編集]

通算成績[編集]

2020年9月場所終了現在

  • 通算成績:90勝55敗(16場所)
  • 通算勝率:.621
    • 幕内成績:8勝7敗(1場所)
    • 幕内勝率:.533
      • 前頭成績:8勝7敗(1場所)
      • 前頭勝率:.533
    • 十両成績:33勝27敗(4場所)
    • 十両勝率:.550
    • 幕下成績:30勝19敗(7場所)
    • 幕下勝率:.612
    • 三段目成績:6勝1敗(1場所)
    • 三段目勝率:.857
    • 序二段成績:7勝0敗(1場所)
    • 序二段勝率:1.00
    • 序ノ口成績:6勝1敗(1場所)
    • 序ノ口勝率:.857

各段在位場所数[編集]

2020年9月場所終了現在

  • 通算在位:16場所
    • 幕内在位:1場所
      • 平幕在位:1場所
    • 十両在位:4場所
    • 幕下在位:7場所
    • 三段目在位:1場所
    • 序二段在位:1場所
    • 序ノ口在位:1場所
    • 前相撲在位:1場所

各段優勝[編集]

2020年9月場所終了現在

  • 序二段優勝:1回(2018年5月場所)

場所別成績[編集]

2020年9月場所終了現在

豊昇龍 智勝
一月場所
初場所(東京
三月場所
春場所(大阪
五月場所
夏場所(東京)
七月場所
名古屋場所(愛知
九月場所
秋場所(東京)
十一月場所
九州場所(福岡
2018年
(平成30年)
(前相撲) 西序ノ口19枚目
6–1 
西序二段42枚目
優勝
7–0
東三段目42枚目
6–1 
東幕下56枚目
4–3 
東幕下49枚目
6–1 
2019年
(平成31年
/令和元年)
西幕下21枚目
5–2 
西幕下7枚目
4–3 
西幕下4枚目
4–3 
西幕下2枚目
3–4 
東幕下5枚目
4–3 
西十両13枚目
7–8 
2020年
(令和2年)
東十両14枚目
8–7 
西十両9枚目
8–7[13][14] 
新型コロナウイルス
感染拡大により中止
東十両6枚目
10–5[15][16] 
西前頭16枚目
8–7 
東前頭13枚目
[17] 
各欄の数字は、「勝ち-負け-休場」を示す。    優勝 引退 休場 十両 幕下
三賞=敢闘賞、=殊勲賞、=技能賞     その他:=金星
番付階級幕内 - 十両 - 幕下 - 三段目 - 序二段 - 序ノ口
幕内序列横綱 - 大関 - 関脇 - 小結 - 前頭(「#数字」は各位内の序列)

幕内対戦成績[編集]

2020年9月場所終了現在

力士名 勝数 負数 力士名 勝数 負数 力士名 勝数 負数 力士名 勝数 負数
石浦 1 0 逸ノ城 1 0 炎鵬 0 1 魁聖 0 1
1 0 旭大星 0 1 琴奨菊 1 0 琴勝峰 0 1
佐田の海 1 0 志摩ノ海 0 1 松鳳山 1 0 千代大龍 1 0
德勝龍 0 1 翔猿 0 1

(カッコ内は勝数、負数の中に占める不戦勝、不戦敗の数、太文字は2020年9月場所終了現在、現役力士

合い口[編集]

2020年9月場所終了現在

現役力士(横綱・大関)[編集]

  • 元大関・琴奨菊には豊昇龍の1勝。琴奨菊の大関陥落後における対戦成績である。

引退力士(横綱・大関)[編集]

改名履歴[編集]

  • 豊昇龍 知勝(ほうしょうりゅう ともかつ):2018年1月場所 - 2018年5月場所
  • 豊昇龍 智勝( - ともかつ):2018年7月場所 -

主なメディア出演[編集]

TV出演[編集]

  • 「密着!すもう部屋物語~第四幕~」(BS日テレ、2019年1月10日)

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e 朝青龍そっくり!新弟子おいビャンバスレンに珍金言 日刊スポーツ 2017年11月2日10時17分 紙面から(2019年12月17日閲覧)
  2. ^ 元朝青龍おいが新弟子検査をパス「一番強い力士になりたい」」『SANSPO.COM』、2017年11月1日。2019年9月25日閲覧。
  3. ^ [大相撲]/元朝青龍おいら 10人の合格発表/九州場所新弟子検査」『沖縄タイムス』、2017年11月13日。2019年9月25日閲覧。
  4. ^ 遠藤は朝青龍のファンであり、朝青龍の甥である豊昇龍はその点遠藤と縁があると言える。
  5. ^ “朝青龍のおい豊昇龍、白鵬と手合わせに「うれしい」”. ニッカンスポーツ・コム. 日刊スポーツ新聞社. (2018年6月29日). https://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/201806290000573.html 2019年10月28日閲覧。 
  6. ^ 朝青龍のおい豊昇龍、土俵たたき涙 十両昇進は持ち越し 朝日新聞DIGITAL 2019年7月23日18時29分(2019年11月13日閲覧)
  7. ^ 若隆景が新入幕、荒汐部屋から2人目の幕内力士誕生 日刊スポーツ 2019年10月28日6時0分(2019年12月17日閲覧)
  8. ^ 朝青龍の甥・豊昇龍が十両に昇進 おじより「上に行く」…番付編成会議 2019年9月26日 7時51分スポーツ報知(2019年9月27日閲覧)
  9. ^ 元朝青龍おい・豊昇龍が新十両「叔父さんのいったところまでいく」 SANSPO.COM 2019.9.26 05:01(2019年9月27日閲覧)
  10. ^ 豊昇龍勝って十両残留、叔父の朝青龍からゲキ 来場所への決意 日刊スポーツ 2019年11月24日15時05分
  11. ^ 朝青龍のおい豊昇龍、新入幕での三賞でおじ超え狙う 日刊スポーツ 2020年8月31日20時39分 (2020年9月4日閲覧)
  12. ^ 新入幕、豊昇龍 親方より怖い?おじさん朝青龍「殺すつもりで行け!!」(1/2ページ) zakzak 2020.9.1 (2020年9月2日閲覧)
  13. ^ 腰痛症のため千秋楽は休場により不戦敗
  14. ^ 無観客開催
  15. ^ 明生天空海旭大星水戸龍千代ノ皇と6人による優勝決定戦
  16. ^ 東京開催
  17. ^ 東京開催

関連項目[編集]

外部リンク[編集]