時疾風秀喜
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基礎情報 | ||||
四股名 | 時栄→時疾風 | |||
本名 | 冨栄 秀喜 | |||
生年月日 | 1996年8月25日(27歳) | |||
出身 |
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身長 | 178.0cm | |||
体重 | 129.6kg | |||
BMI | 40.9 | |||
所属部屋 | 時津風部屋 | |||
得意技 | 左四つ、寄り[1] | |||
成績 | ||||
現在の番付 | 西十両11枚目 | |||
最高位 | 西十両11枚目 | |||
生涯戦歴 | 121勝74敗3休(27場所) | |||
優勝 |
幕下優勝1回 序二段優勝1回 | |||
データ | ||||
初土俵 | 2019年3月場所 | |||
備考 | ||||
2023年9月24日現在 |
時疾風 秀喜(ときはやて ひでき、1996年8月25日 - )は、宮城県栗原市(旧栗原郡瀬峰町)出身で、時津風部屋所属の現役大相撲力士。本名は冨栄 秀喜(とみえ ひでき)。身長178.0cm、体重125.0kg、血液型はO型[2]。最高位は西十両11枚目(2023年9月場所)。
来歴[編集]
小学校2年生の時に、同級生より体が大きいという理由で勧誘され、地元の瀬峰少年相撲クラブで相撲を始めた[3]。小学生時代はサッカーとバレーボールもやっていたが、中学校進学後は相撲部の活動日の都合で他のスポーツはやめ、相撲に専念することになった[3]。中学生の頃から小牛田農林高校の合宿に参加しており、中学校卒業後は同高校に進学[3]。3年時にインターハイ相撲競技3位[4]。高校卒業後は、教員になることを志して東京農業大学に進学したが、3年次に全日本選手権でベスト16に進出したことや[5]、同学年に当たる翠富士と錦富士が近畿大学を中退して角界入りしていたことに刺激を受けて[3]、大相撲入りを検討するようになった。4年次は全国選抜十和田大会3位[6]、学生選手権個人32強を経験した後、大学時代最後の大会となった全日本選手権は予選落ちとなったが、このことがかえって大相撲入門への決意を固めるきっかけとなった[3]。
大学卒業後は時津風部屋に入門し、2019年3月場所で初土俵を踏んだ[2]。前相撲には本名で出場したが、新序出世のタイミングで改名し、四股名は部屋の名前と本名の一部を入れた「時栄」になった[2]。初土俵の同期に北の若、吉井らがいる。初めて番付に名前の載った5月場所は2番相撲で北の若に敗れて6勝1敗。序二段に上がった翌7月場所では、4番相撲で前場所敗れた北の若に、7番相撲では幕内経験者の誉富士に勝利して序二段優勝を果たした[7]。三段目も6勝1敗で1場所で通過して、同年11月場所で新幕下に昇進。幕下でも勝ち越しを続けたが、幕下1桁台の東7枚目まで番付を上げた2020年9月場所では幕下上位の壁に当たって、入門以来初の負け越しとなった[3]。翌11月場所からはまた勝ち越しが続いており、東幕下15枚目の2021年3月場所では1番相撲から6連勝として、最後の7番目に勝って7戦全勝とすれば新十両昇進が確実となるところだったが[8]、三役経験者の阿炎に敗れて6勝1敗となり、十両昇進と幕下優勝を逃した[9]。最高位を更新して臨んだ翌5月場所からは負け越しが続き、同年9月場所は左太腿の肉離れにより途中休場[10]。右膝内側靭帯も損傷していたが、翌11月場所で復帰し、5勝2敗と勝ち越した[10]。2022年3月場所から四股名を速い相撲を取れという願いが込められた「時疾風」に改名した[11][12]。同年9月場所は幕下1桁台で初めて勝ち越して、翌11月場所は東幕下3枚目に昇格し最高位を更新、2日目の1番相撲で勝利した後3連敗、その後2連勝で3勝3敗の五分としたものの、7番相撲で敗れ、5場所ぶりの、四股名を改名してからは初めての負け越しとなった。この場所は1勝1敗で迎えた3番相撲で初めて大銀杏を結って十両の土俵に上がったが、欧勝馬に敗れた。西幕下6枚目に番付を下げた続く2023年1月場所は7番相撲に勇み足で敗れたが5勝2敗と勝ち越した。自己最高位タイの東幕下3枚目で迎えた3月場所は4勝3敗と幕下5枚目以内で初めて勝ち越した。3月29日、3月場所後の番付編成会議にて5月場所の新十両昇進が決定した[13]。宮城県出身の新十両昇進は、1995年7月場所の五城楼以来およそ28年ぶり、同県出身の関取は2005年5月場所の同じ五城楼以来18年ぶりとなる[14]。この場所は10日目までは6勝4敗と白星先行だったが終盤5連敗を喫し最終的に6勝9敗に終わり、1場所で幕下に逆戻りすることとなった。7月場所は東幕下筆頭の地位で1番相撲から4連勝し、7日目の4番相撲終了時点で十両復帰が濃厚となった[15]。13日目の7番相撲に勝利し幕下優勝[16]。
人物[編集]
- 同部屋の大畑は小・中・高校の同級生である。大相撲入門後は、同部屋で同学年の将豊竜や、2020年7月に中川部屋から移籍し同部屋の所属となった同期生の吉井らへのライバル意識を持っている[3]。
- 出身中学の先輩にタレントの狩野英孝が居て、狩野の実家の神社にもよく行ったという[17]。
- 中学の卒業式を翌日に控えて準備をしている時に実家は東日本大震災の被害を受けており、本人は「あらゆるものが倒れて電気、水道が1カ月ダメだった」「震災後、しばらくしてそれまでよく行っていた海岸地域に行ったら、何もなくなって更地になっていた。中学生ながら(被災者を)元気づけられるかな。テレビに出るようになれば元気づけられるかと。(大相撲を目指すきっかけに)なりましたね」と語っている[1]。
- 新十両としては異例となる5本の化粧廻しが贈られており、それだけ地元・宮城県からの期待は高い[18]。
取り口[編集]
左四つの相撲が得意だが、2023年1月場所中の本人のコメントによると、四つになって我慢できず上手投げに出る癖があるという[19]。新十両昇進時点では体重が130kgと軽量で、当面の目標を140kgまで増やすことと掲げた[1]。同年5月場所で十両の壁に阻まれた際の相撲については「土俵際の甘さ、立ち合いで突き放される相撲が多かった。そこを反省して、自分の相撲をとれば勝てる」と分析していた[20]。
主な成績[編集]
通算成績[編集]
2023年9月場所終了現在
- 通算成績:121勝74敗3休(27場所)
各段優勝[編集]
- 幕下優勝:1回(2023年7月場所)
- 序二段優勝:1回(2019年7月場所)
場所別成績[編集]
一月場所 初場所(東京) |
三月場所 春場所(大阪) |
五月場所 夏場所(東京) |
七月場所 名古屋場所(愛知) |
九月場所 秋場所(東京) |
十一月場所 九州場所(福岡) |
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2019年 (平成31年 /令和元年) |
x | (前相撲) | 東序ノ口15枚目 6–1 |
西序二段44枚目 優勝 7–0 |
東三段目44枚目 6–1 |
東幕下56枚目 5–2 |
2020年 (令和2年) |
西幕下39枚目 5–2 |
東幕下24枚目 4–3 |
感染症拡大 により中止 |
西幕下17枚目 5–2 |
東幕下7枚目 2–5 |
西幕下23枚目 4–3 |
2021年 (令和3年) |
西幕下18枚目 4–3 |
東幕下15枚目 6–1 |
東幕下4枚目 3–4 |
東幕下6枚目 3–4 |
東幕下10枚目 0–4–3 |
東幕下45枚目 5–2 |
2022年 (令和4年) |
東幕下30枚目 3–4 |
西幕下41枚目 4–3 |
西幕下31枚目 5–2 |
東幕下20枚目 6–1 |
西幕下7枚目 5–2 |
東幕下3枚目 3–4 |
2023年 (令和5年) |
西幕下6枚目 5–2 |
東幕下3枚目 4–3 |
東十両14枚目 6–9 |
東幕下筆頭 優勝 7–0 |
西十両11枚目 8–7 |
x |
各欄の数字は、「勝ち-負け-休場」を示す。 優勝 引退 休場 十両 幕下 三賞:敢=敢闘賞、殊=殊勲賞、技=技能賞 その他:★=金星 番付階級:幕内 - 十両 - 幕下 - 三段目 - 序二段 - 序ノ口 幕内序列:横綱 - 大関 - 関脇 - 小結 - 前頭(「#数字」は各位内の序列) |
改名歴[編集]
- 時栄 秀喜(ときさかえ ひでき)2019年3月場所 -2022年1月場所
- 時疾風 秀喜(ときはやて ひでき)2022年3月場所 -
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ a b c 宮城出身の新十両時疾風「ドキドキもあり、ここからだという気持ち」夢と地元復興への思い後押し 日刊スポーツ 2023年3月29日16時43分 (2023年3月29日閲覧)
- ^ a b c 「春場所全新弟子名鑑」『相撲』2019年4月号、ベースボール・マガジン社、101頁。
- ^ a b c d e f g 「大銀杏が待っている」『相撲』2021年5月号、ベースボール・マガジン社、41頁。
- ^ “第92回全国高等学校相撲選手権大会”. 公益財団法人 日本相撲連盟 (2015年5月26日). 2020年8月27日閲覧。
- ^ 「十両以下各段優勝力士喜び詳報」『相撲』2019年8月号、ベースボール・マガジン社、69頁。
- ^ “第53回全日本大学選抜相撲十和田大会”. 公益財団法人 日本相撲連盟 (2018年8月14日). 2020年8月27日閲覧。
- ^ 「時栄「やばいと思ったけど」序二段優勝、十両目指す」『日刊スポーツ』、2019年7月19日。2021年5月4日閲覧。
- ^ 「幕下は阿炎と時栄が全勝、三段目は西川ら3人の争い/春場所」『SANSPO.COM』、2021年3月25日。2021年5月4日閲覧。
- ^ 「元小結の阿炎 復帰場所で7戦全勝の幕下優勝 「相撲を取ったという気持ちになれた」」『日刊スポーツ』、2021年3月26日。2021年5月4日閲覧。
- ^ a b 「相撲部屋聞き書き帖」『相撲』2021年12月号、ベースボール・マガジン社、85頁。
- ^ 「【春場所新番付】狼雅力が狼雅外喜義に 丹治大賀が大賀孝治に改名」『日刊スポーツ』、2022年2月28日。2022年2月28日閲覧。
- ^ 「花の新十両データバンク」『相撲』2023年5月号、ベースボール・マガジン社、11頁。
- ^ “藤青雲、時疾風が新十両 大相撲夏場所番付編成会議”. デイリースポーツ. (2023年3月29日) 2023年3月29日閲覧。
- ^ “栗原出身 時疾風が新十両昇進 県出身で28年ぶり”. NHK宮城NEWS WEB (NHK仙台放送局). (2023年3月29日) 2023年3月29日閲覧。
- ^ “幕下筆頭の時疾風、4連勝で十両返り咲き濃厚に「自分の相撲をとれば勝てる」”. 日刊スポーツ. (2023年7月15日) 2023年7月15日閲覧。
- ^ “時疾風が幕下優勝=大相撲名古屋場所”. 時事通信. (2023年7月21日) 2023年7月21日閲覧。
- ^ “僕イケメン!新十両時疾風はタレント狩野英孝の中学の後輩「神社もよく行きました」”. 日刊スポーツ (2023年5月5日). 2023年5月5日閲覧。
- ^ 僕イケメン!新十両時疾風はタレント狩野英孝の中学の後輩「神社もよく行きました」 日刊スポーツ 2023年5月5日17時18分 (2023年5月6日閲覧)
- ^ 時疾風、幕下付け出しの落合に完敗「悪い癖ですぐ上手投げに」寄り切られ、無念さにじます 日刊スポーツ 2023年1月16日15時53分 (2023年1月18日閲覧)
- ^ 幕下筆頭の時疾風、4連勝で十両返り咲き濃厚に「自分の相撲をとれば勝てる」 日刊スポーツ 2023年7月15日15時40分 (2023年7月16日閲覧)
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 時疾風 秀喜 - 日本相撲協会