超力ロボ ガラット

半保護されたページ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。贅肉マンボ (会話 | 投稿記録) による 2022年12月1日 (木) 10:28個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎スタッフ)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

超力ロボ ガラット
ジャンル SFロボットギャグ
アニメ
原作 矢立肇
監督 神田武幸
シリーズディレクター 網野哲郎(演出チーフ)
シリーズ構成 星山博之
キャラクターデザイン 芦田豊雄
メカニックデザイン 大河原邦男大畑晃一(ゲスト)
音楽 笹路正徳
アニメーション制作 日本サンライズ
製作 名古屋テレビ、日本サンライズ
放送局 名古屋テレビ他
放送期間 1984年10月6日 - 1985年4月6日
テンプレート - ノート

超力ロボ ガラット』(ちょうりきロボ ガラット)は、テレビ朝日系列で放送された名古屋テレビ製作・日本サンライズ(現:サンライズ)制作のロボットアニメ。全25話。製作局の名古屋テレビでは1984年10月6日から1985年4月6日まで、土曜日17:00 - 17:30(JST)に放送[注釈 1]

概要

1984年9月までJNN系列で放送されていたリアルロボットアニメ『銀河漂流バイファム』のスタッフが制作した作品である。バイファムのリアルロボット路線から一転し、ギャグをメインとしたライト路線への転換を図った。後半は宇宙シンジケートに代わる敵としてドリアル星人を登場させ、本編に関わらないモブと断言していたどすこい姉妹に設定上の意味を与えるなど、ギャグタッチから路線転換が起きている。

主役の声を担当した中川勝彦とヒロインの声を担当した鷹森淑乃の2人は、共に本作が声優デビュー作である。また、スタジオライブ芦田豊雄は『月刊OUT』誌上他で、本格的なギャグアニメの製作に企画から関わったのは本作が初めてで感覚が掴めなかったと告白しているが、本作が『魔神英雄伝ワタル』シリーズや『魔動王グランゾート』といった、後に彼の代表作ともなるギャグアニメの製作をこなして行くきっかけともなった。

ストーリー

地上から戦争が無くなり、一切の兵器の所有が禁じられた未来。地球の地上げをもくろむ悪の宇宙人、宇宙不動産(宇宙シンジケートの一部門)のドーサンが地球に侵略してきた。破壊の限りを尽くすアーモロボイド(巨大ロボット)の前に警察は無力だった。そこへ颯爽と現れた謎のロボット。このロボット(ガラット)は圧倒的な強さで侵略者を蹴散らしていく。

ガラットを操るのは正義の宇宙人であり、彼らに連絡を取って助けを求められるのはキウイ博士ただひとり……、というのはキウイ博士が警察を騙すためについた嘘で、実はガラットはマイケル少年の通学乗用ロボット・ジャンブーを(強引に)改造したものだった。博士は、マイケルには兵器の所有がバレると罰せられると言いくるめて正体を隠すように命じ、一方、宇宙人との仲介役を装うことで警察から金をせしめようと企んでいたのだった。かくしてジャンブーとマイケル、パティーグ(ガラット2号)を駆る少女パティ、カミーグ(ガラット3号)と青年カミルは地球の平和を守るため、そして(本人たちは知らないが)キウイ博士を儲けさせるため、悪の宇宙人たちと今日も戦うのだった。

登場人物

主要人物

マイケル・マーシュ
- 中川勝彦
熱血少年。13歳。ジャンブーの所有者。キウイ博士によってジャンブーを勝手に改造され、口車に乗せられてガラットのパイロットにされる。家は父親が会社勤めをしている普通の中流階級。ガラット変身時はゴーグルで顔を隠し、ツナギ風のプロテクトスーツに身を包む。
パティ・パンプキン
声 - 鷹森淑乃
マイケルのガールフレンド。13歳。パティーグの所有者。活発な性格。ジャンブー・ガラットの活躍を見てパティーグをひっぱり出し、キウイ博士に頼み込んで改造してもらい戦いに参加する。両親が共働き(スーパーマーケット経営)で放任主義のため自由奔放に育った。ガラット変身時はバイザーで顔を隠し、チューブトップ&ボトムのコスチュームに身を包む。
カミル・カシミールJr.
声 - 鈴置洋孝
元大富豪の青年。17歳。キウイ博士のせいで全財産を失い没落する。美形だが言動は三枚目で、よくギャグ顔になる。彼が所有するカミーグは、その詫び代わりに博士から巻き上げたものである。ガラットの秘密を知り、カミーグをガラットに改造するよう博士に強要する。設定作業段階では「ボウイ」という名前を与えられていた。ガラット変身時はアイマスクで顔を隠し、怪傑ゾロ風のコスチュームに身を包む。

キウイ研究所

キウイ・グレコビッチ
声 - 龍田直樹
いわゆるマッド・サイエンティスト。58歳。いつでもどこでも騒がしい変人。常に研究資金難に喘いでおり、宇宙人の侵略を利用してひと儲けしようと企む。「シルバー」という馬型ロボットに乗って高速で飛び回る。サラダーユからは時代院咲子の父と誤解されている。設定作業段階では「Dr.エジソング」という名前だった。
時代院 咲子(じだいいん さくこ)
声 - 滝沢久美子
中盤から登場するキウイ博士のおしかけ助手で、マイケルが駆るガラットに恋している。ガラットの正体は知らない。ファッションセンスや考え方が古風(時代錯誤)な大和撫子風美女。メガネがないと誰が誰だか識別できない極度の近眼である。サラダーユを始め、宇宙シンジケートの面々に一目惚れされ、後に対ドリアル星人のための同盟締結のきっかけともなる。

宇宙シンジケート

グラッシュ
声 - 笹岡繁蔵
宇宙規模の巨大マフィア、宇宙シンジケートを一代で築き上げたボス。強面の偉丈夫だが部下思いの所もある。後に本拠地へ侵攻して来たドリアル星人と戦って戦死。
ドーサン
宇宙シンジケート配下の宇宙不動産社長。RX-78-2の携帯武装を持ったアーモロボイド「ビョルボス」を操る。序盤で失敗を重ねたため、後にシンジケートを追い出されて誘拐犯にまで落ちぶれる。
サラダーユ・オイル
声 - 三ツ矢雄二
肩から薬缶を下げた赤いスーツ姿のとっちゃん坊や。見た目は20代の痩せ形の青年で、いいところのお坊ちゃん風。外見に似合わず、宇宙シンジケートのNo.2を務める。
一方で外見通りの生真面目かつ誠実な性格で責任感も強く、それゆえ部下からの人望もあるようである。グラッシュ戦死後はシンジケートの二代目ボスを襲名。
地球で時代院咲子に一目惚れする。名前の由来はサラダ油から[要出典]
ゴマラーユ・オイル
声 - 緒方賢一
サラダーユの弟で厳つい顔にもかかわらず、チョコパフェが好物。ドリアル星人と戦って戦死。名前の由来はゴマ油ラー油から[要出典]
ジバンヤー
声 - 郷里大輔
宇宙シンジケートのメンバーで、ガラット初の対戦相手。見た目はサングラスかけた土方の中年。
コンバース
声 - 速水奨
宇宙シンジケートの一人。恐竜型アーモロボイト「ガンナード」を駆る。見た目は捻りハチマキを巻いたトラック運転手風の青年。後にラッカ星でも再登場する。
ズクラップ
サラダーユの部下。見た目は麦わら帽子を被った農家の男性である。ガラットと対峙するも撃破される。後に対ドリアル星人戦にも駆け付ける。
オカーヤン
声 - 片岡富枝
ズクラップの妻。モンペ姿をした肝っ玉母さん風のふくよかな女性で、ズクラップは「かーちゃん」と呼んでいた。宇宙シンジケートの一員なのかは不明であるが、対ドリアル星人戦でも戦力の一翼に加わっていた。
ズクラップの息子
ズクラップとは似ても似つかない可愛らしい幼児。オカーヤンからは「せがれ」と呼ばれる。強い超能力を持っており感情が昂ると念動力で周囲のものを浮かせたり瞬間移動させたりする。オカーヤンと共に対ドリアル星人戦にも加わり、ドラゴンの子供が孵化するきっかけとなった。
TNT
声 - 竹村拓
サラダーユの部下。組織を邪魔するガラット撃破に送り込まれた刺客だが、マスタースレーブ式に操縦するアーモロボイド「ハカイデン」に搭乗していたため(本人曰く「疲れるメカ」)、ガラット登場前に体力を使い果たした。
コウネッツ
声 - 小原乃梨子
サラダーユの部下。ガラットのメンバーを籠絡すべく送り込まれた女性エージェント。マイケルとカミルを誘惑することに成功するが、キウイ博士はロリコンであったため成功せず。
ナインシュタイン博士
声 - 笹岡繁蔵
キウイ博士の旧友。名前に似合わず和風な印象の老人(推定60代前半)。キウイ博士曰く「戦闘ロボを作るために生まれて来たような男」で、それゆえ戦闘ロボの開発や製造を禁じられたことに反発。そこを宇宙シンジケートに利用される。

その他

どすこい姉妹
声 - 榊原良子
顔面から大きくはみ出したたらこ唇とおさげ髪がトレードマークの双子の姉妹で、幻の「石炭アメ」を探して旅をしている。いきなり画面に登場し前後の話とは無関係に「は〜どすこいどすこい!」と言う。前半はストーリーと全く無関係に独自の世界を展開する。後に『魔神英雄伝ワタル』や『超幕末少年世紀タカマル』などにも脇役として登場した。
州知事
声 - 富田耕生
キウイ博士に言葉巧みに騙されて、ガラットの仲介料を払わされている州知事。アーモロボイドが来襲すると電話で「ガラットの出動」をキウイ博士に要請するのがパターン。
キラーリッジ
声 - 古田信幸
警察長官。警官隊を指揮して前線に赴くこともある。爆発に巻き込まれても、黒こげとなり頭がアフロヘアーになるだけで死なない。
警官隊
地球では、ほぼ毎回モブとして団体で登場。早口で「撃てー、撃てー」と叫びつつ、手にパラライザーピストル(神経麻痺銃)を装備してアーモロボイドに立ち向かうが、相手は生身ではないので歯が立たない。爆風に吹き飛ばされても死なない。
トド
声 - 加藤治
マイケルの同級生。ガキ大将。ラッコとコアラを引き連れたトリオとして登場するシーンが多い。
ラッコ
声 - 田口昂
マイケルの同級生。トドの子分格。
コアラ
声 -
マイケルの同級生。同じくトドの子分格。
海賊キッド
声 - 速水奨
宇宙海賊。マリアンを誘拐したが、それが縁で相思相愛になる。
マリアン
声 - 高田由美
どこかの星の姫。キッドに惚れている。海賊キッド、後にドーサンに誘拐されたこともある。
ドリアル軍司令官ハッヘラ
声 - 富山敬
物語後半に登場。「ドがつくほどリアルな」ドリアル星人の軍を率いて地球侵略を企み、宇宙シンジケートを壊滅させてブラッド星に前線基地を築く。
モアイ君
声 -
モアイ像のような頭をした通行人。どすこい姉妹と同じく、いきなり画面に登場して空を指さし「あ、あれはなんだ?」と言うだけのモブキャラクター。
ナレーター
声 - キートン山田

登場メカ

超力ロボガラット

キウイ博士が製作したAI内蔵人型ロボットで、ジャンブー、パティーグ、カミーグの3体が存在。ジャンブーとパティーグは乗用ロボットである(カミーグは乗用ロボットではない)。2体ともに頭の後ろの座席に人間を乗せ、二足歩行で移動することができる。足の裏に内蔵された車輪である程度高速移動することも可能だが、制限速度遵守のため通常の移動速度は人間と大差なく、ずんぐりしたデザインとも相俟ってお世辞にも格好良いとは言えない。AIを搭載せずに高速で移動する非人型通学用ロボットが主流の中で、このタイプはかなり旧式のようである。

基本形態

ジャンブー
声 - 緒方賢一
マイケルの通学用ロボット兼お目付け役。身長140cm。まじめで頑固な性格。ボディ色は白、赤、青のトリコロール。パティーグとは相思相愛。
パティーグ
声 - 原えりこ
パティの通学用ロボット。元は経営補助ロボットで、ジャンブーの活躍を見たパティはガラットになるために、元々使用していた非人間型通学メカからわざわざ旧式のパティーグへ乗り換えている。身長127cm。ボディ色は赤、白、と薄桃色のトリコロール。ジャンブーとは相思相愛。
カミーグ
声 - 鈴置洋孝
カミルの執事・雑用ロボット。身長115cm。カミーグは乗用ではないために座席は存在せず、カミルはカミーグの頭部に肩車するような格好で乗っていた。カミルのことを「大将」と呼ぶ。ボディは白と緑のツートンカラー。

クルット(中間形態)

3体がキウイ博士の発明品「膨張超合金」を使用して強引に改造され、巨大化・変形機能を追加された姿。中間形態の「クルット」は、各乗用ロボットがそのまま巨大化したものである。乗用ロボット時と形は変わらないが、正体はバレない。ただし、一部パーツの曲面ディテールは変形機能の都合上、若干多面体化するものもある。機体内部にコックピットはあるが、ロボット自身の意識はあり、自律行動も可能。性格は、巨大化前と比べて荒っぽくなる。しかし、あまり強くはない。

ジャンブー・クルット
「気張りポーズ! みなぎる〜!」もしくは「ほ〜と〜ば〜し〜る〜!」の掛け声とともに巨大化しジャンブー・クルットになる。クルット時は身長6.1m。専用武器は「バンザイ剣」。この形態では頻繁に「グチャグチャやったる!」「グチャグチャ命〜!」と叫ぶ。
ジャンブーの改造は、膨張超合金製の改造部品によって施された。その部品は、ランナーの枠に繋がれたどう見てもプラモデルのパーツであり、キウイ博士はレーザーニッパーと接着剤を使って作業を行った。
パティーグ・クルット
クルット時は身長5.5m、「ほとばしポーズ!」または「ほとばしりますワ!」の掛け声で巨大化しパティーグ・クルットになる。専用武器は「やったねトンカチ(トンカチの両打面に「チョキ」のイラストが描かれている)」で、一人称が「わらわ」になる。
カミーグ・クルット
「いきりポーズ!」または「いきりたつ〜!」の掛け声で巨大化しカミーグ・クルットになる。クルット時は身長5.3m。専用武器は「きりふだスティック(スティックの両端には、握りコブシのオブジェが取り付けられている)」。

クルット形態およびガラット形態時のコックピット・システムには、「コスミック・スタビライザー・システム」が採用されている。ボディ中央部に球形の空間が存在し、その内部にコックピット・ブロックが浮いた状態で内蔵されている。浮く原理は不明。これにより、ロボットがどのような体勢の時でもパイロットは常に平衡を維持し、さらに外部から受けた衝撃がパイロットに伝わるのを緩和するショックアブソーバーとしての役割も果たす。これは3体共通である。

ガラット

ロボットアニメの主役メカのような「格好良い」姿になる「ガラット」は、クルット形態から「ひっくり返って」変形したものである。この際に、各パイロットがコクピット内で変形用レバーを引くと同時に「チェンジング・ガラット!!」(カミルのみ「チェンジング・ヒーロー!!」)と叫ぶ。また、変形開始時にジャンブーは「やらいでか〜!!」(江戸っ子言葉で「やらずにいられるか!!」の略語)、パティーグは「ガラットしや〜れ〜」と叫ぶ。ガラットに変形する際、各パイロットはコスチュームがヒーローっぽく変化する(姿はキャラクターの項参照)。その衣装はメカごとに固定されているらしく、巨大化したジャンブーに搭乗したパティーグも、ガラット変形時にはマイケル同様のツナギ風プロテクターに身を包んでいた。

この形態への変形後はロボットの意識は封印され、パイロットの操作のみによって動作する。そのため、ジャンブーたちはガラット形態になった時の記憶は無い(AIを改造すればガラット形態時の記憶を失うことはないが、今まで蓄積された記憶全部を消去しなければならないため、マイケルやパティとの思い出を大切にしたいジャンプーとパティーグはAIの改造を断っている)。ジャンブーとパティーグは腕が脚に、脚が腕になる。カミーグのみパターンが異なり、腕は両形態で共通で、脚は背中に折り畳まれていた脚が伸び、元の脚は入れ違いに背中に畳まれてバックパックとなる。

物語後半、ブラッド星へ転送装置を使って移動した際に超空間を通り抜けた副作用としてガラット形態に時間制限が生じるようになり、ガラットとなって3 - 4分で巨大化が解除されパイロットは放り出されるようになる(カミルはその際ズボンがカミーグの中に引っかかって脱げる)。その後、ガラット形態への変形に時間制限があることに気づいたキウイ博士により、コックピット内に「特殊装備」と称したタイマーが取り付けられたが、見た目はただの砂時計である。

ジャンブー・ガラット
クルットから上下逆転(後転)してジャンブー・ガラットに変形。ガラット時は身長9.8m。変形武器「ガラット・アームド・バリアンティ」を使用。ガラットディバイダー(ビーム剣)、ガラットブラスター(熱線銃)、ガラットジャベリン(槍)に多段変形する。
ガラット3体のデザインは大河原邦男の手によるものであるが、放送が急遽決まった作品であるために作り込む時間が無く、ガラット形態時の顔に関しては企画スタッフに丸投げしている[1]
パティーグ・ガラット
上下逆転(側転)でパティーグ・ガラットに変形。ガラット時は身長9m。変形武器「パティーグ・アームド・バリアンティ」を使用。パティーグスライサー(ビーム剣)、パティーグショット(ビーム銃)、パティーグボーガン(矢状のエネルギーを発射するクロスボウ)に多段変形する。
決定稿では女性型ロボットらしいスマートさを備えたデザインであるが、設定作業の段階ではカミーグ・ガラット並みに男性的なフォルムのデザインも存在しており、当時のアニメ誌にもラフデザインが掲載されていた。
カミーグ・ガラット
脚部とバックパックとが入れ替わることでカミーグ・ガラットに変形。ガラット時は身長8.8m。変形武器「カミーグ・アームド・バリアンティ」を使用。AパーツとBパーツで構成され、Aパーツはシャフト & チェーン(なぎなたと鎖分銅)、ライフル(長射程ビーム銃)に多段変形する。また、AパーツにBパーツ(弾倉)を合体させてバズソーカノン(バズーカ)になる。なおシャフト&チェーンのチェーン部分とライフルは本編未使用。
カミーグ・ガラットの顔はバイファムを彷彿とさせるデザインに仕上がっている。

アーモロボイド

宇宙人たちはガラットを含む巨大ロボットを「アーモロボイド」と呼称する。劇中に登場するのは主に宇宙シンジケートの機体だが、宇宙海賊や軍、民間人も使っている。機能や形態は様々である。

マキジャック
宇宙不動産が使用したアーモロボイド。ジバンヤーが搭乗。上下が刃になっているツインスピアを装備。
カナジャック、カナジャック改
マキジャックの姉妹機。量産型。戦闘用ではあるが、手が解体用の鉄球や破砕クローになっており建設重機兼用である。カナジャック改は整地用のローラーを引いている派生機。
ガンナード
ティラノザウルスを模した恐竜型アーモロボイド。主なパイロットはコンバース。口から火を吐き、「あんぎゃあ!」と叫ぶ。胸に複座式コクピットを持つが、これがない無人タイプもある(ラッカ星で登場)。
ビョルボス
ドーサン専用機。宇宙船に変形する大型アーモロボイド。胸部からガンダムが携帯していたビームライフルとガンダムシールドを取り出せる。劇中には2機登場したが、内1機はドリアル星人に破壊された。
ドーティアス
ズクラップ専用アーモロボイド。肩部に釣瓶竿(肥やし、いわゆる人糞肥料を入れる天秤桶)を載せるハードポイントがある。
バルブ
ズクラップの双子の子分が搭乗するアーモロボイド。
ウィベロ
宇宙の殺し屋キラー専用機。脚部、腕部および肩部にブレードを装備した近接戦闘型のアーモロボイド。
アーミギャッツ
宇宙海賊キッド専用機。モノアイと頭頂部のトサカが特徴のアーモロボイド。
ハカイデン
TNTとその指揮下の部隊が搭乗したアーモロボイド。右肩に大砲を装備した左右非対称な外観が特徴。TNT専用機は左腕部にシールドを配し、脚が左右とも異なる。長距離移動時にはシャボン玉のような透明な球体に載って浮遊する。
ギルティック、ギルティックS
ナインシュタイン博士がガラットに対抗して制作したアーモロボイド。ガラットと同じく膨張超合金製で、通常時は等身大のSD形態だが、戦闘時には巨大化しリアル形態となる。ギルティックSは指揮官機で、無人機であるギルティック2機を制御する。
ゴーギャッツ
コウネッツとその配下が搭乗する女性型アーモロボイド。を武器とする。
ギャザラード
ゴマラーユ専用アーモロボイド。背部に本体に対して非常に大型なスラスターを搭載した飛行型。
マッケンジー
サラダーユが搭乗する超A級アーモロボイド。騎士を髣髴とする外観で、両刃剣とビーム砲を兼ねた盾を装備する。
アーバRS-Λ
ドリアル星人主力アーモロボイド。単眼の軍事用量産機。大楯とビーム砲を構え、重装歩兵の様に横一列に並んだ集団戦闘が得意。しかし単機でも充分強く、その大楯は大抵の攻撃を防ぐ。ドリアル星人の尖兵として大量に登場した。
ジェノGRS-Τ
ドリアル星人司令官ハッヘラ専用機。アーバの上位機種で、より大型のスラスターとバーニアを多数搭載した機体。

その他

シルバー
声 - 小野健一
キウィ博士の乗用メカ。二脚もあるが、普通はホバー駆動で移動していた。意志を持っており、博士に対する突っ込み役でもあった。
複葉機
「実家から持ってきた」と称する、時代院咲子の愛機。文字通り時代物。咲子はこれで戦場へ乱入し「ガラット様〜」と連呼して、戦闘に割り込むこともしばしば。

スタッフ

主題歌

発売元はビクター音楽産業(現:JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント)

オープニング歌詞テロップに玩具とすべきところを頑具となっているのは誤表記である。当時は手作業でフォントをはめていたのでこうしたミスはたまに見られた。

オープニングテーマ - 『Welcome! ガラット - ガラットのテーマ』
作詞 - 麻生圭子 / 作曲・編曲 - 笹路正徳 / 歌 - 村田有美
エンディングテーマ - 『不思議なトワイライト - パティのLOVE SONG』
作詞 - 麻生圭子 / 作曲・編曲 - 笹路正徳 / 歌 - 村田有美

各話リスト

  • サブタイトルの頭文字は、五十音順になっている。
話数 放送日
(テレビ朝日)
サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督
第1話 1984年
10月5日
悪がはびこりゃガラット参上!! 星山博之 横山裕一郎 関田修 芦田豊雄
第2話 10月12日 犬が吠えれば怪獣(メカ)があんぎゃ〜! 伊東恒久 網野哲郎 渡辺浩
第3話 10月19日 美しきライバル カミル登場! 平野靖士 義野利幸 三浦将則 松下浩美
第4話 10月26日 笑顔で誕生! わたしはパティーグ!! 遠藤明吾 富沢雄三 殿勝秀樹 富沢雄三
第5話 11月2日 おっと危ない! 晴れ時々粗大ゴミ 星山博之 藤原良二 関田修 村中博美
第6話 11月9日 海賊キッド キッスはだめよ! 伊東恒久 網野哲郎 佐々門信芳
第7話 11月16日 気分はもう大泥棒 ジャンブーを捜せ!! 遠藤明吾 義野利幸 浜津守 渡辺浩
第8話 11月23日 空前絶後 天から卵が降ってくる? 平野靖士 網野哲郎 松下浩美
第9話 11月30日 激戦!! 障害レースは殺しの合図 並木敏 どん茂 根岸弘 石黒めぐむ
第10話 12月7日 古代へのロマン? 博士の異常な欲望 小山高男 貞光紳也 殿勝秀樹 冨沢雄三
第11話 12月14日 さすらいのヒーロー 宇宙編I 星山博之 関田修 佐々門信芳
第12話 12月21日 死闘,恐竜牧場の決闘 宇宙編II 伊東恒久 網野哲郎 浜津守 村中博美
第13話 1985年
1月11日
スタントマンは危険な香り 宇宙編III 遠藤明吾 義野利幸 石崎すすむ 伊東誠
第14話 1月18日 正義の使者は賞金稼ぎ? 宇宙編IV 呉田重穂 篠幸裕 松下浩美
第15話 1月25日 そんでもってやっとこさ帰ってきた三人 星山博之 網野哲郎 根岸弘 石黒めぐむ
第16話 2月1日 たいしたタマげた念力ボーズ?! 平野美枝 義野利幸 関田修 富沢雄三
第17話 2月8日 小さな悩み ジャンブー踊れば記憶がガチョ〜ン? 伊東恒久 石崎すすむ 大貫健一
第18話 2月15日 ツンツンしよう! 博士のオシリ 小山高男 殿勝秀樹 佐々門信芳
第19話 2月22日 出会いはドキドキ!! 美女軍団は雲の上? 遠藤明吾 網野哲郎 篠幸裕 村中博美
第20話 3月1日 どーすりゃ会えるの? 愛しのガラット様 星山博之 遠藤克己 関田修 松下浩美
第21話 3月8日 なんてこったい! マリアンさらってドーサンぐったり 伊東恒久 網野哲郎 伊東誠
第22話 3月15日 ニャンとびっくり! どすこい姉妹のヒ・ミ・ツ 星山博之 石崎すすむ 冨沢雄三
第23話 3月22日 ぬかるなマイケル、ガラットの危機 篠幸裕 佐々門信芳
第24話 3月29日 ネバーギブアップ、逆襲の花火大作戦! 平野靖士 網野哲郎 殿勝秀樹 村中博美
第25話 4月5日 のどちんこ、からして叫べどすこいパワー! 星山博之
伊東恒久
遠藤克己
網野哲郎
芦田豊雄 松下浩美

放送局

※放送日時は朝日放送、青森放送、山形放送、テレビ熊本以外は1985年2月時点、放送系列は放送当時のものとする[2]

放送地域 放送局 放送日時 系列局 備考
中京広域圏 名古屋テレビ 土曜 17:00 - 17:30 テレビ朝日系列 キー局
宮城県 東日本放送
広島県 広島ホームテレビ
近畿広域圏 朝日放送 木曜 17:00 - 17:30
北海道 北海道テレビ 金曜 7:15 - 7:45
静岡県 静岡けんみんテレビ 金曜 7:30 - 8:00
関東広域圏 テレビ朝日 金曜 17:00 - 17:30
福島県 福島放送
新潟県 新潟テレビ21
岡山県・香川県 瀬戸内海放送
福岡県 九州朝日放送 金曜 17:30 - 18:00
鹿児島県 鹿児島放送
青森県 青森放送 土曜 6:00 - 6:30[注釈 2] 日本テレビ系列
テレビ朝日系列
山形県 山形放送 火曜 16:30 - 17:00[注釈 3]
長野県 テレビ信州 木曜 17:00 - 17:30
山口県 山口放送 火曜 17:15 - 17:45
熊本県 テレビ熊本 木曜 17:30 - 18:00[注釈 4] フジテレビ系列
テレビ朝日系列
秋田県 秋田放送 月曜 19:00 - 19:30 日本テレビ系列
鳥取県島根県 山陰放送 金曜 17:30 - 18:00 TBS系列
愛媛県 テレビ愛媛 金曜 7:30 - 8:00 フジテレビ系列

立体物

放映当時、バンダイから主役メカ3体のプラモデルおよび完全変形の玩具「DXハイコンパクトモデル」[3]が発売された(同社の主力ブランド「超合金」としては発売されていない)。

プラモデルはノンスケールで400円ながら、一部差し換えでクルットからガラットへの変形が可能。

2013年8月、メガハウスのヴァリアブルアクション・Hi-SPECシリーズからジャンブー・ガラットが発売された。プラモデルやハイコンパクトモデルと同様、クルットからガラットへの変形が可能。2018年には、リニューアルバージョンが発売された。

漫画版

原作:神田武幸 / 絵」笑夢ジェイ 講談社コミックボンボンKC、1985年3月刊行 ISBN 4-0610-0456-5

脚注

注釈

  1. ^ キー局のテレビ朝日では名古屋テレビよりも1日早く放送されていた。そのため、サンライズの公式サイトでは1984年10月5日から1985年4月5日までと表記されている。
  2. ^ 1985年2月時点ではまだ『魔法の妖精ペルシャ』を放送していた。
  3. ^ 1985年2月時点ではまだ『ルパン三世』の再放送を放送していた。
  4. ^ 1985年2月時点ではまだ『チックンタックン』を放送していた。

出典

  1. ^ 角川書店ニュータイプ 100%コレクション 34 スーパーロボットジェネレーション』P137に掲載されたインタビュー記事より。「ガラットの顔は変形前は見えないのでどうでもよかった」とある。
  2. ^ アニメージュ 1985年3月号』1985年、徳間書店、全国放映リスト(126 - 127頁)
  3. ^ 「超合金魂 ポピー・バンダイキャラクター玩具25年史」徳間書店刊、1998年3月10日発行、p.54

参考文献

  • ニュータイプ 100%コレクション 34 スーパーロボットジェネレーション SUNRISE 1977〜1987(1999年、角川書店)

外部リンク

名古屋テレビ 土曜17時台前半
前番組 番組名 次番組
再放送枠
超力ロボ ガラット
(1984年10月6日 - 1985年4月6日)
お笑いワンマンショー
(日曜23:25枠から移動)
テレビ朝日 金曜17時台前半
前番組 番組名 次番組
再放送枠
超力ロボ ガラット
(1984年10月5日 - 1985年4月5日)
TV瓦版
(金曜17:30枠から移動)