機動戦士ガンダム サンダーボルト

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機動戦士ガンダム サンダーボルト
ジャンル SF、ロボット、戦記もの
漫画
作者 太田垣康男
原案:矢立肇富野由悠季
出版社 小学館
掲載誌 ビッグコミックスペリオール
レーベル ビッグスペリオールコミックススペシャル
発表期間 2012年3月 -
巻数 既刊3巻
テンプレート - ノート

機動戦士ガンダム サンダーボルト』(きどうせんしガンダム サンダーボルト)は、太田垣康男によるガンダムシリーズの漫画作品。

概要[編集]

小学館の青年漫画雑誌「ビッグコミックスペリオール」2012年No.8(4月13日号、3月23日発売)より連載を開始した。

テレビアニメ機動戦士ガンダム』の世界観を元にした作品であるが、登場する人型ロボット兵器モビルスーツ(以下MS)や艦艇などのメカは、独自の設定やデザインを盛り込んで大幅にアレンジしている。これらのデザインに対し、太田垣自身は「あえて変えようと思わず、「自分がメカをデザインするうえこだわる部分やラインをMSに入れ込んだらどうなるか?」を考えながらデザインした」「人型でこだわったときにどこまで合理的にできるか」「『MOONLIGHT MILE』で現実に近い宇宙開発メカを描いた経験を、MSに反映させている」とコメントしている[1]

月刊ホビージャパン』(HJ)の2012年5月号から連載中のコラボレーション企画「サンダーボルトメカニクス」にて、アレンジされたMSのデザイン画と模型作例が掲載されており、それをまとめたムック本も2013年05月30日に発売された。また、バンダイから市販されている「ガンプラ(ガンダムのプラモデル)」でも、本作専用のカテゴリ「HIGH GRADE GUNDAM THUNDERBOLT(HGTB)」シリーズが展開されている。 なお、このシリーズは他シリーズよりも突起やエッジ部分が鋭く造形されており、ST基準に適合しない対象年齢15歳以上向けの商品となっている。商品のパッケージアートは太田垣自らが描き下ろしている。

連載に至るまでの経緯[編集]

本作の連載は、神保町[1]の寿司屋で『スペリオール』編集長から持ちかけられ、二つ返事で承諾したとのことである[2]。太田垣は以前はガンダムのアンチだと思われていたが、Twitter上でガンダムのイラストを公開するようになってからはガンダム好きと知られるようになったと回想している[1][2]。「黒澤明が映画好きだが、オリジナルを作れなくなるため封印している。それと同じように好きだけどモノマネになるのは嫌で封印し、1st映画3部作も10年以上観ていない。連載のために観ようとも思ったが、我慢した」と語っている[1]。本作を連載する以前の作品は、「ガンダム最大の敵、SFやるならガンダムをやらなかったことをやろうと、ガンダム的な要素を排除していた時期がある」と明言している[1]

あらすじ[編集]

第1部
宇宙世紀0079年12月、一年戦争末期、ジオン公国軍の拠点はア・バオア・クーを残すのみ[3]地球連邦軍は、ジオンにとって重要な補給路となっている「サンダーボルト宙域」の制宙権を奪還すべく幾度もMS部隊を派遣するが、スナイパーMS部隊「リビング・デッド師団」によってことごとく退けられていた。連邦内の、旧サイド4「ムーア」の再興を悲願とする一団[3]「ムーア同胞団」も貢献度アピールのため、艦隊を派遣する。
壮絶な戦いの末、双方の艦隊は壊滅。双方の生存者はリビング・デッド師団の救援に駆け付けた「セイレーン機動艦隊」に救助され、ムーア同胞団の生存者は捕虜となる。
第2部
宇宙世紀0080年7月、一年戦争終結から7か月後、連邦軍のホワイトベース級強襲揚陸艦「スパルタン」が地球へ降下していった。戦争による連邦の支配力低下を機にインド洋周辺地域「南洋同盟」が連邦からの独立を目論んでおり、スパルタンの任務は南洋同盟制圧作戦「サンダーボルト作戦」を行うためであった。
一方、クライバー大佐らジオン軍残党は南洋同盟がリユース・P・デバイスの開発データを入手していることを知り、これを奪取するために部隊を派遣していた。

登場人物[編集]

地球連邦軍 ムーア同胞団[編集]

イオ・フレミング
連邦サイドの主人公。男性。階級は少尉。軍の検閲を抜けた海賊放送を任務中でも聴取することが趣味。ジャズ音楽を愛好し、戦闘中もMSのコクピット内に小型のラジオとドラムスティックを持ち込んでいる。コクピット内でもポケットティッシュで鼻をかむなど、鼻炎持ちであることがうかがえる。ジオン系MSのシミュレーター訓練を受けており、第2話で乗機のジムを撃破されるも脱出に成功し、リック・ドムを鹵獲して帰艦する。部隊内で自分より上位階級であったベテランパイロットが全員戦死したため、最新鋭のフルアーマーガンダムを与えられる。
ムーア首長の子息だが、自身の経歴や肩書きを気にするような素振りは見せない。むしろ上官には不遜だったり反抗的。自分が死ぬことを望まれているなどの状況を理解しているが、それに従わず最大限抗う。高機動高火力で様々な兵装を持つフルアーマーガンダムを乗りこなし、リビングデッド師団のスナイパーを次々と撃破。更に師団をほぼ壊滅に追い込み、ダリルとの決戦に挑むが僅差で敗れる。
リビング・ デッド師団の救援に駆け付けたジオン軍セイレーン機動艦隊に大破したフルアーマーガンダムごと捕らえられ、師団壊滅の恨みから(南極条約違反の)暴行を受ける。
クローディア・ペール
空母ビーハイヴ艦長代理。女性。階級は中佐。「ムーア」上流階級の出身で、イオやコーネリアスとは幼馴染。コーネリアスからは「クロちゃん」と呼ばれている。
前任者の戦死を受けて部隊指揮官を引き継ぐが、部下たちからは「リーゼントのお飾り艦長」と揶揄されている。自分の命令で部下たちが戦死していくことに耐えられず、薬物注射を行いイオに激怒される。
空母ビーハイヴから退艦指示を出した際にグラハム副長を抱えて脱出しようとするも、そのグラハムに腹部を銃撃されMIA(行方不明兵)となる。
コーネリアス
ビーハイヴのメカニック。男性。割合お気楽な性格であるが、しっかり人物や状況を観察しており、イオやクローディアの相談を受けることも多い。
仲間と共に奸計を用いてドライドフィッシュの制圧に成功するも、セイレーン機動艦隊の前に投降し捕虜となる。
グラハム
ビーハイヴ副長。男性。妻と娘を「ムーア」とともに亡くしている。ムーアの支配者層であったフレミング親子やクローディアらを「国を滅ぼした無能」として憎悪している。空母ビーハイヴが破損し(自身も重傷を負う)、退艦指示が出た際にそれを拒否してクローディアを銃撃。宇宙空間に吸いだされMIAとなる。

ジオン公国軍[編集]

リビング・デッド師団[編集]

ダリル・ローレンツ
ジオンサイドの主人公。男性。物語開始時の階級は曹長だったが、後に軍の命令で右手を切断された際に二階級特進して少尉となる。敵を驚異的なほどの遠距離で認識できる能力を持っている、リビング・デッド師団のエーススナイパー。おもな乗機は狙撃任務のザクIIやザクIだったが、その後はリユース・P・デバイスを装備した実験機サイコ・ザクに乗る。
サイド3出身だが、商人だった父の仕事の関係で幼少時には地球に居住していた。反ジオン世論の高まりからサイド3に疎開するが、難民としてしか扱われず、父の病気を治療するためと母・妹の生活を良くするため、家族が市民権を得られるようにジオン軍へ入隊。開戦初期の歩兵戦で両脚を失い、以降は義足を身に付けている。イオにフーバーのリック・ドムを奪取された際に通信を交わしたことがきっかけで、互いに面識を持つ。イオと同じく、コクピット内に小型ラジオを持ち込んでいる。好きな音楽ジャンルはラブソング。
サンダーボルト宙域での戦闘で、艦内待機中に左腕を失い、無事な右腕も「リユース・P・デバイス」実験と艦隊を守るために軍の命令で切断されるが、絶望することなくカーラや同僚たちを励ます。その他にもフィッシャーの苦労を労うなど、非常に仲間思い。
僅差でイオの乗るガンダムを大破させるも、サイコ・ザクは爆発して失われる。
フーバー
ダリルの上官。階級は少尉[注 1]。おもな乗機はリック・ドム。「ジオン十字勲章受賞間近」と豪語する手練れのパイロットだったが、ダリルいわく「プレイボーイ気取りで嫌い」の通りかなりの女たらしだったらしく、婚約者がいながら同僚であるカーラと付き合っていた。
優勢な状況に油断した結果、ノーマルスーツで接近したイオに射殺される。奪われたリック・ドムは連邦軍によって解析され、ジオン軍がサンダーボルト宙域に配置したスナイパーの場所を割り出された。遺体の艦への収容時には、霊安室に運ばれる前に義手からのデバイスデータ回収を優先され、実験動物のようにあつかわれた。
ショーン・ミタデラ
ダリルの仲間。階級は曹長。目を覆い隠すほどの長い前髪が特徴的。肩から下の両腕を失っている。おもな乗機はザクII→グフ・カスタム(『砂鼠のショーン』)。イオのフルアーマーガンダムとの戦いで死亡したかに見えたが、『砂鼠のショーン』では脱出ポッドで地球へ降下し、戦後は一年戦争での使用兵器などを回収・転売するジャンク屋集団「砂鼠」の用心棒として生計を立てていることが明らかとなる。
フィッシャー・ネス
ダリルの仲間。階級は曹長。おもな乗機はリック・ドム。両脚の大部分を失っている。ムーア同胞団のガンキャノン・ジムキャノン部隊との激戦を繰り広げ、機体を中破させながらも自機のみで敵部隊をほぼ全滅させ、後方のセイレーン機動艦隊に合流してリビング・デッド師団の苦境を伝える。
レイトン
ダリルの仲間。階級は伍長。リビング・デッド師団旗艦「ドライドフィッシュ」からビッグガンへパイロットを送る定期便で、送迎を担当している。ダリルと協力し、ビッグガンを利用してのムーア同胞団艦隊への砲撃を敢行するも、その直後に同胞団艦隊からの反撃の集中砲火を浴びる。ダリルは、運転手に扮したレイトンに「子供一枚」「料金は学割で頼む」とジョークを飛ばしていた。
カーラ・ミッチャム
女性技官。肩書きは教授。「リユース・P・デバイス」の開発者。父親はジオン大学の教授だったが、現在は反戦運動の思想家として投獄中。父親を思想も含めて敬愛しているが、義肢の研究でジオンに貢献すれば父の死刑回避と恩赦がされると軍に告げられ、不本意ながらも協力している。ギレン・ザビ総帥から直接勲章を授与されるほどの優秀な技術者であるが、戦争に対するささやかな抵抗として勲章を付けていない。
軍の命令とはいえ、ダリルの唯一無事だった右手を切断したことに罪の意識を抱いている。
ドライドフィッシュを自爆させようとした際にコーネリアスらの説得を受けて投降に傾いたときに、ビーハイヴ残存兵による攻撃を受けて他の仲間が戦死したことを受け、カーラ自身も精神的ショックから幼児退行を起こす。
J・J・セクストン
男性技官。カーラの助手としてリビング・デッド師団に同行している。出世欲にまみれた自己中心的な男で、「リユース・P・デバイス」の有効性を軍上層部に知らしめることと、研究データを持ち帰ることを理由に挙げ、ダリルの無事だった右腕を切断するよう進言する。艦が損傷した際にもほかの兵士を押しのけ、リユース・P・デバイスの開発データと共に逃げた。
バロウズ
リビング・デッド師団旗艦「ドライドフィッシュ」艦長。男性。右手は海賊を思わせるフック状の義手となっている。

セイレーン機動艦隊[編集]

チベ級を中核とする艦隊。MS-14 ゲルググを多数配備している。

クライバー大佐
艦隊司令。リビング・デッド師団の苦境を知り、艦隊を率いてサンダーボルト宙域に急行する。

登場メカニック[編集]

登場するMSに共通するおもな特徴として、関節部分やジオン機の動力パイプ、連邦機のバックパックが防塵カバーで覆われている(シーリング)。これは、スペースシャトルなどに使われているカナダアームの関節部分をイメージしてデザインされたもの[1]。また、バックパックなどに弾倉交換、武装保持用のサブアームを装備していることが多い。

地球連邦軍のメカニック[編集]

FA-78 フルアーマーガンダム
イオの乗機。機体各部のカバーを除き、上半身は通常のフルアーマーガンダムのイメージを踏襲している。両腕にシールドを装備し、その裏にロケットランチャーと2連装ビームライフルを装備している。上段左右にミサイルランチャーとビームキャノン、その間に予備のエネルギーパック数基を取り付けた大型バックパックを背負う[4]
増加装甲部は従来のMSV設定と同様離脱可能だが、カラーリングは従来の深緑色ではなく、濃い青と白になっている。また機動性についても、高機動型ザクベースのサイコザクと同等程度とかなり高い。作中ではサブアームにも1枚ずつ盾を持って出撃し、高速で敵狙撃圏内に突撃して多数の戦果を挙げる。
RGM-79 ジム
コア・ブロック・システムが採用されているが、デザインはRXシリーズのコア・ファイター方式ではなく、近年のプラモデルの設定に準じた脱出ポッド方式であり、脱出時には機体本体に折りたたまれた4基のスラスターで推進する。バックパックに2基のサブアームが取り付けられており、ガンダムと同タイプの盾を持って出撃するほか、メインアームが届かない部分に取り付けられた予備の武器や弾薬を取り出すために用いられる[5]
RB-79 ボール
左右のアームにマシンガンと着地用のソリが装着されている。また、トップの大砲がクレーンに換装された機体も登場。作中では、帰艦したMSの収容や破損したジムの組み換えなど、作業用としての運用が目立つ。戦闘にも使用されているが、その用途は従来の遠距離砲撃による支援ではなく、艦隊防護などが多く交戦距離もMSと大差無い。
RGC-80 ジム・キャノン
基本的にはジムと同じだが、右側のサブアームの代わりにキャノン砲を装備しているほか、側頭部や各部に追加装甲が取り付けられているうえ、バックパックのブースターが角型になっている。全体的なイメージやカラーリングは、MSVのジム・キャノンを踏襲したものとなっている[6]が、キャノン砲がバックパックに装備されていたり、右肩の切り欠け部がないなどの差異もある。
RX-77 ガンキャノン
デザインは基本的にオリジナルを踏襲しているが、キャノン砲は機体本体ではなく、ジムキャノン同様バックパックの他機サブアーム部分両方に装備されており、サブアームはバックパック背面側に1基取り付けられている。頭部には追加装甲が増設されている[7]。原典機同様にコア・ブロック・システムに対応しているが、コアファイターは上記のジムと同型である。
空母ビーハイヴ
ムーア同胞団の母艦。コロンブス級補給艦を2つ重ねたような形状である[3]
ただの輸送艦という訳ではなく、大型のメガ粒子連装砲を4機装備し砲撃戦にも参加し、艦隊旗艦としての役割も持つ。

ジオン公国軍のメカニック[編集]

MS-05 ザクI
小型のバックパックが取り付けられており、1基のサブアームを持つ。足裏には、機体固定用の爪が収納されている[8]
MS-06 ザクII
型番はMS-06のみ。ザクIよりも大型のバックパックを装備し、そこに2基のサブアームとプロペラントタンクが取り付けられている[9]
MS-09R リック・ドム
バックパックの形状はザクIIと共通で、肩アーマーはドム・トローペンを髣髴とさせるデザインや配色になっている[10]
MS-14 ゲルググ
当初はストーリー初期のニュース映像に登場し、その後、リビング・デッド師団の救援に駆け付けた「セイレーン機動艦隊」の所属機として再登場する。スラスターがX字状に展開したバックパックを持ち、肘に装着されているサブアームでシールドを保持する。先述のニュース映像で装備していたビームライフルは原典と同デザインだが、セイレーン機動艦隊の機体は、バックパックに増設されたビッグガンと同形状のジェネレーターから有線で結ばれた大型ビームライフルを装備する。
MS-06R リユース・P・デバイス装備高機動型ザク
ダリル専用機としてリビング・デッド師団に配備された、リユース・P・デバイスを搭載した実験機。名称が長いため、バロウズの発案により「サイコ・ザク」と呼称される。本来なら高い操縦技術が必要な機体で、狙撃兵だったダリルが操縦するにはある程度の訓練期間が必要だが、リユース・P・デバイスにより訓練期間が短期間か皆無で実戦投入される。性能を完全に引き出すにはパイロットの四肢の義肢化が必要であるため、ダリルは無事であった右腕を軍の命令で切断される。多数の姿勢制御用ブースターが取り付けられており、バックパックも通常のザクのものより大型である。2本のロケットブースターを装備し、そこに多数の武器をマウントしている[11]。ダリルの力量と相まってムーア同胞団艦隊を単機のみで壊滅に追い込み、イオのフルアーマーガンダムとの決戦に挑む。
ガトル
宇宙戦闘機ではなく兵員輸送や、探知機の散布などを行う多目的宇宙艇として登場。
ビッグガン
リビング・デッド師団が運用する長距離狙撃ビーム砲。外見はMSサイズの三脚固定銃座であり、運用もMSを介して行われる。使用限界が存在する砲身には独自のジェネレーターが内蔵されているため、ゲルググ以前のビーム兵器非対応MSでも運用が可能で、ガトルなどMS以外の機体でも有線接続することで発砲が可能である[注 2]。MSとセットで固定されるため、乗員は定期的に交代する。
空母ドライドフィッシュ
リビング・デッド師団の母艦。パプア級補給艦

用語[編集]

ムーア同胞団
一年戦争最初期に壊滅したサイド4「ムーア」の戦災難民で組織された一団、および「ムーア」難民からの志願兵によって構成される部隊。「ムーア」再建を悲願とし、連邦軍への貢献度をアピールするため、過酷な「サンダーボルト宙域」奪還作戦に艦隊を派遣する[3]。部隊の作戦立案と物資、兵員の調達は、同胞団上層部によって行われている。
ガンダムを調達できるほどの資金力を持ち、「ムーア」政権首長の息子であるイオが華々しく戦死して連邦への貢献の象徴となることを期待し、彼をガンダムのパイロットに指名した。
戦力は空母ビーハイヴを中心にマゼラン級が2隻、サラミス級が4隻から5隻。MSはジムやボールを多数有するが、損耗率が高くパイロットではイオが最高階級となる。終盤の戦力補充でガンキャノンやジムキャノンも多数加わるが、そのパイロットは学徒動員同然であったりなど練度はかなり問題がある。
リビング・デッド師団を壊滅寸前まで追い込むも、サイコ・ザク1機に艦隊は全滅。脱出したランチもドライド・フィッシュに乗り込むしかない状況となり、そのドライド・フィッシュも崩壊し大破。結局はセイレーン師団に回収される。
リビング・デッド師団
ジオン軍のMS部隊。過去の戦闘によって身体の一部が欠損し、義手や義足などによってサイボーグ化された隊員で構成されている。
戦力は空母ドライド・フィッシュを中心にムサイ級数隻だが、MSは数機程度と少ない。しかし、サンダーボルト宙域の残骸の多さを利用した、ビッグ・ガンによる待ち伏せ狙撃戦術で連邦の侵攻部隊を撃退し続けていた。それもフルアーマーガンダムにより崩され、サイコ・ザクによる乾坤一擲の作戦もムーア同胞団と刺し違える格好となり、ほぼ全滅した。セイレーン師団に回収された残存兵力は、兵員のみで5%程度である。
リユース・P・デバイス(リユース・サイコ・デバイス)
義手や義足などを通して脳の思考によるMSの操作を可能にした技術。リビング・デッド師団は同システムの実験部隊としての側面を持つ。
脳が本来の手足を動かそうとする信号を、そのままMSの動作に変換できる。装着している義手や義足もある程度の動作が可能で、データバックアップの機能も有する。
本来は熟練が必要な操縦だが、この技術ならば文字通り自分の手足のように、新兵や不慣れな機動でも熟練兵以上に動かせる。ただし、その手足が義手や義足でないと有効とならないため、有効性が立証された暁には多数の兵士の健全な手足が切断されることになると、フィッシャーは危惧していた。
研究施設のあったドライド・フィッシュとデバイスを搭載したサイコ・ザクは喪われ、開発者のカーラは精神に重大なダメージを負い、主だった開発データと能力は失われる。残っているのはダリルの義肢に残されたデータと行方不明のセクストンが持ち出している開発データだけで、以降の研究開発ができたかは不明。
サンダーボルト宙域
一週間戦争で破壊されたサイド4「ムーア」が存在した宙域。コロニー残骸が密集し、帯電した残骸から頻繁に雷のような放電現象が発生することから、「サンダーボルト宙域」と呼ばれる。
ジオン軍の宇宙要塞「ア・バオア・クー」への補給路であり、連邦軍によるア・バオア・クー攻略が迫る状況下のため、双方の軍にとって重要度が増している。
サンダーボルト放送局(サンダーボルト ステーション)
戦争によって検閲されている音楽を流す海賊ラジオ。

砂鼠のショーン[編集]

ビッグコミック」2013年第11号・第12号に前後編で掲載された外伝。『天才たちの競演』第2巻(小学館ビッグコミックススペシャル、2014年3月28日発売、ISBN 9784091861634)に収録。

一年戦争終結から3か月後のアフリカ大陸の砂漠を舞台に、『サンダーボルト』本編で死亡したと思われるも「砂鼠」の用心棒として生きていたショーンが、腐敗にまみれた地球連邦軍の強盗団「砂漠の鷹旅団」と戦う姿を描く。

登場人物
モニカ・エル・ビアンキ
「砂漠の鷹旅団」に撃墜されたGアーマー内のガンダムに搭乗していた、女性パイロット。左足は、リビング・デッド師団の面々よりも旧式とうかがえる義足になっている。気絶していたところを「砂鼠」と「砂漠の鷹旅団」の激戦中に覚醒し、ガンダムでビッグトレーを狙撃して「砂鼠」を助ける。その後は駆け寄ってきたショーンたちに怯えて自決を考えるが、説得に応じて彼らと行動を共にする。
親分、ボウゴ、ミント
「砂鼠」のメンバー。ショーンの雇い主である親分をはじめ豪快で金や女に目ざとい荒くれ者たちであるが、助けられた恩義を重んじる義理堅さも持ち合わせていたため、モニカが説得に応じる理由となった。なお、親分は8人の妻と32人の子供、ボウゴは3人の妻と7人の子供、ミントは6人の妻と15人の子供をそれぞれ持っており、戦後の地球人口の少なさが彼らの台詞からうかがえるようになっている。
団長
「砂漠の鷹旅団」の団長。地球連邦軍に所属していながらモニカのGアーマーすら強奪対象と見なして撃墜するほどの卑劣であるが、長としての能力は高く、ビッグトレーで「砂鼠」を苦しめる。しかし、最後はモニカによってビッグトレーごと撃破された。なお、ビッグトレー内でペットとして飼っていたタカは撃破時に脱出し、「砂鼠」に拾われる。
登場メカニック
RX-75 ガンタンク
腕部が通常のマニピュレーターであるなど、ガンタンクR44やロトの戦車形態に近いデザインとなっている。
Gアーマー
格納されていたガンダムはそのデザインから、陸戦型ガンダムの流れを汲むことがうかがえる。
ビッグトレー
「砂漠の鷹旅団」の母艦。
MS-07B グフ
バックパックにホバーユニットを装備し、ドムのように地表滑走が可能となったカスタム機。武装やカラーリングは『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場するグフ・カスタムに似ており、ショルダーアーマーのスパイクが取り払われている。本編の宇宙用MSと同じく、関節部分がカバーで覆われている[12]

刊行一覧[編集]

単行本[編集]

  1. 2012年11月4日発行 ISBN 978-4-09-184810-9
  2. 2013年6月4日発行 ISBN 978-4-09-185307-3
  3. 2014年3月5日発行 ISBN 978-4-09-186080-4

ムック[編集]

  • 機動戦士ガンダム サンダーボルト 立体作品集 2013年05月30日発行 ISBN 978-4-7986-0607-1

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 第4話では仲間から「中尉」と呼ばれているが、単行本第1巻第2刷以降では「少尉」に修正されている。
  2. ^ この時はダリルがMS-06Rでロックオン作業を行っているため、ガトルでロックオンが可能かは不明。
  3. ^ プラモデル「1/144 ボール(ガンダムサンダーボルト版)」が付属する。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f 「月刊ホビージャパン」 2012年5月号 第24 - 25項インタビュー
  2. ^ a b コミックナタリー - Power Push 太田垣康男「ガンダム サンダーボルト」
  3. ^ a b c d 「月刊ホビージャパン」 2012年9月号 第122項
  4. ^ 「月刊ホビージャパン」 2013年2月号 第74項
  5. ^ 「月刊ホビージャパン」 2012年5月号 第16項
  6. ^ 「月刊ホビージャパン」 2013年4月号 第76項
  7. ^ 『機動戦士ガンダム サンダーボルト立体作品集 サンダーボルトメカ二クス』ISBN 978-4-7986-0607-1
  8. ^ 「月刊ホビージャパン」 2012年9月号 第123項
  9. ^ 「月刊ホビージャパン」 2012年5月号 第17項
  10. ^ 「月刊ホビージャパン」 2012年7月号 第121項
  11. ^ 「月刊ホビージャパン」 2013年2月号 第71-73項
  12. ^ 「月刊ホビージャパン」 2013年8月号 第75項

外部リンク[編集]