中島 (愛媛県)
中島 | |
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所在地 | 日本(愛媛県) |
所在海域 | 瀬戸内海 |
座標 | 北緯33度58分0秒 東経132度37分0秒 / 北緯33.96667度 東経132.61667度座標: 北緯33度58分0秒 東経132度37分0秒 / 北緯33.96667度 東経132.61667度 |
面積 | 21.17 km² |
海岸線長 | 30 km |
最高標高 | 296.2 m |
最高峰 | 大里山 |
プロジェクト 地形 |
中島(なかじま)は、愛媛県松山市に属する離島。同県の北西沖合にある忽那諸島(くつなしょとう)にある一島で、その中では最も面積の広い有人指定離島である。
概要
釣島海峡を隔てて、松山港の沖合い約10kmに位置する。みかんとトライアスロンの島として知られる。国土地理院による正式名称は中島(なかじま)。ただし、島としての中島と旧中島町域との意味で区別するために、中島本島(なかじまほんとう)、または本島(ほんとう)と呼ばれることが多い。同島と興居島・釣島とを隔てる釣島海峡は瀬戸内海の東西航路で、多くの船が行き交う。
自然
島のほとんどが瀬戸内海国立公園に属しており、その内の大半は山であり、山頂近くまで果樹園として利用されている。
山
- 泰ノ山(たいのやま) - 289.2m
- 大里山(おおさとやま) - 296.2m
歴史
骨奈諸島を開拓した始祖は藤原親賢とされる。奈良時代には、法隆寺の寺領(荘園)となり骨奈嶋の名が記されている。平安期には牛馬牧がおかれ、「忽那嶋」と記されている。豪族忽那氏の本拠となり、瀬戸内海西部に勢力を伸ばしていたが、豊臣秀吉の天下統一により力を削がれ、衰退していった。かつては15,000人ほどの人口であったが、過疎化が進行している[1]。
行政
全島域が松山市に属している。2005年(平成17年)1月1日に旧松山市へ編入合併される前は温泉郡中島町に属した。
地理
島全体が一つの山の形をしており、島の海岸沿いに集落は点在している。
面積21.27km2、周囲30km。人口2,294人[注 1]、世帯1,346戸[注 2]、高齢化率64.4%。
行政区分は、全島域が松山市。以下、郵便番号順で住所を列挙する。
- 791-4501 中島大浦 なかじまおおうら
- 791-4502 小浜 おばま
- 791-4503 長師 ながし
- 791-4504 宮野 みやの
- 791-4505 神浦 こうのうら
- 791-4506 宇和間 うわま
- 791-4507 熊田 くまた
- 791-4508 吉木 よしき
- 791-4509 饒 にょう
- 791-4510 畑里 はたり
- 791-4511 中島粟井 なかじまあわい
経済
近代、商品作物の栽培が試みられ、ショウガ、除虫菊、たまねぎなど、主力作物は移り変わったが、今日では、柑橘類の栽培が主たる産業である。柑橘類で本島で栽培できない品種はないともいわれる。しかしながら、台風による塩害により、立ち枯れが多数発生し、また改植の意欲も盛り上がらず、近年は芳しくない。まつやま農林水産物ブランドであるカラマンダリンの松山市内の主産地である[3]。
かつてはみかんのブランド名も丸中、マルの中に「中」の字として通っていたが、農業協同組合の合併により、えひめ中央農業協同組合と一体化し、丸中のブランドはなくなり、販路開拓にも支障があるとの声もある。また、台風による塩害を受け、改植が必要な園地が多いが、手元資金がある程度必要で、柑橘類の性質上、商品になる実をつけるまでに何年か要するが、その間のつなぎ資金の必要性など、困難は多く、再出発もなかなかままならない状況にある。
製造業としては、造船所が大内造船所と岡島造船所[4]の2社、その他、鉄工所や縫製業等が若干ある。
瀬戸内海のメイン航路に接している関係で、規模は大きくはないが、船主も何軒かある。海運等で財をなした人々は、旅客航路で接している旧・松山市の三津浜地区で不動産購入等に投資しているなど、蓄積がある。
社会
島の中心集落は島の東部にある大浦地区であり、支所、郵便局、高等学校、農業協同組合の選果場がある。小規模ながらスーパーマーケット、商店街、金融機関もある。東回り航路の終着点であり、交通の中心である。中島本島のみならず忽那諸島全体の中心でもあり、大浦にはなかじま中央病院があり、津和地島、怒和島、野忽那島、二神島、睦月島各島にある診療所に医療スタッフを派遣している。
学校
- 小学校
- 中学校
- 松山市立中島中学校
- 高等学校
交通
道路
航路
中島汽船が高速船とフェリーを運航している。松山港(高浜港)と本島を結んでおり、東線と西線がある。東線は大浦港に、西線は神浦港・西中港に寄港する。
西中港と釣島港はフェリーのみ。また西中港からは二神・津和地・怒和島への運賃のみが設定されており、その他の港への運賃は設定されていない。
島内交通(バス)
中島汽船の運営による「中島汽船バス」があり、大浦港を拠点に、島を一周する路線と、トンネル経由で島を横断する路線とがある。中島汽船の船便に接続しており、例えば西線の神浦港から大浦方面に乗り継ぐことができる。
観光・文化
観光地
- アミアゲ・ビーチ - 大浦港近くの人工の海水浴場[1]。堤防は釣りスポットとしても知られる[1]。
- 姫ヶ浜海水浴場 - トライアスロン中島大会の出発地点。500m程の砂浜がある[1]。
- 大串キャンプ場(大浦海水浴場) - 沖合に久兵衛小島という島があり干潮時には歩いて渡れることが出来る。
- 桑名神社 - 1104年に地頭だった藤原(忽那)兼平が社殿を建てたとされる[1]。
- 泰ノ山城跡 - 標高289メートルの泰ノ山の山頂に忽那兼平によって1189年に築城された城跡[1]。
名産
祭り・イベント
- トライアスロン中島大会 - 毎年8月下旬の日曜日に開催され、500人ほどの参加者がある[1]。
- やっこ振り - 秋祭り(10月初旬)に行われている。
宿泊施設
- 島内に民宿が数軒。
- 姫ケ浜荘 - 2020年(令和2年)7月18日に『ほしふるテラス姫ケ浜』としてリニューアルオープン。
関連図書
- 角川日本地名大辞典編纂委員会編『角川日本地名大辞典38 愛媛県』角川書店、1981年、468-469頁、908-912頁