タマネギ
| タマネギ(APG植物分類体系) | |||||||||||||||||||||
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タマネギ
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| 分類 | |||||||||||||||||||||
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| 学名 | |||||||||||||||||||||
| Allium cepa L. | |||||||||||||||||||||
| 和名 | |||||||||||||||||||||
| タマネギ(玉葱) | |||||||||||||||||||||
| 英名 | |||||||||||||||||||||
| Onion |
| 100 g (3.5 oz)あたりの栄養価 | |
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| エネルギー | 166 kJ (40 kcal) |
| 炭水化物 | 9.34 g |
| - 糖分 | 4.24 g |
| - 食物繊維 | 1.7 g |
| 脂肪 | 0.1 g |
| - 飽和脂肪酸 | 0.042 g |
| - 一価不飽和脂肪酸 | 0.013 g |
| - 多価不飽和脂肪酸 | 0.017 g |
| タンパク質 | 1.1 g |
| 水分 | 89.11 g |
| ビタミンA相当量 | 0 μg (0%) |
| ビタミンB1 | 0.046 mg (4%) |
| ビタミンB2 | 0.027 mg (2%) |
| ビタミンB3 | 0.116 mg (1%) |
| ビタミンB6 | 0.12 mg (9%) |
| 葉酸(ビタミンB9) | 19 μg (5%) |
| ビタミンB12 | 0 μg (0%) |
| ビタミンC | 7.4 mg (9%) |
| ビタミンE | 0.02 mg (0%) |
| ビタミンK | 0.4 μg (0%) |
| カルシウム | 23 mg (2%) |
| 鉄分 | 0.21 mg (2%) |
| マグネシウム | 0.129 mg (0%) |
| リン | 29 mg (4%) |
| カリウム | 146 mg (3%) |
| 塩分 | 4 mg (0%) |
| 亜鉛 | 0.17 mg (2%) |
| %はアメリカにおける成人向けの 栄養摂取目標 (RDI) の割合。 出典: USDA栄養データベース(英語) |
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タマネギ(玉葱、学名:Allium cepa)は、ユリ科(クロンキスト体系)の多年草。(APG植物分類体系ではネギ科に分類される。)
園芸上では一年草もしくは二年草として扱われる。鱗茎は野菜として利用される。学名 cepa はラテン語で「タマネギ」の意味だが、さらに「頭」を意味するケルト語に由来するとも言われる。日本でも、戦前は「葱頭」が正式な和名であった。
目次 |
[編集] 種としてのタマネギ
染色体数は2n=16。生育適温は20℃前後で、寒さには強く氷点下でも凍害はほとんど見られないが、25℃以上の高温では生育障害が起こる。花芽分化に必要な条件は品種や系統によって大きく違うが、一定以上に成長した個体が10℃前後またはそれ以下の低温下に一定の期間以上さらされると花芽が分化する。大きな苗を植えると分球や裂球や抽台しやすく、小さいまま低温に遭うと枯れやすい。
結球には日長条件が大きく関与し、短日・中日・長日それぞれに品種系統で分化している。大まかに、日本で栽培されているものは、春まきが14時間以上の長日条件下、秋まきの早生種で12時間程度の中日条件下で結球する。長日条件・温度上昇で肥大が促進される。玉が成熟すると葉が倒伏し、数ヶ月の休眠に入る。ヨーロッパなどで栽培される品種の中には16時間以上の長日でなければ結球しない品種があり、それらは日本では収穫できない。
ネギの花は花ビラが開くが、タマネギは花ビラが開かない点で区別できる。
ヤグラネギや野草のノビルと同じように、花の咲く所から芽が伸びる品種がありヤグラタマネギとよぶ。
[編集] 栽培種としてのタマネギ
[編集] 栽培の歴史
原産は中央アジアとされるが、野生種は発見されていない。栽培の歴史は古く、紀元前のエジプト王朝時代には、ニンニク等と共に労働者に配給されていた。ヨーロッパの地中海沿岸に伝わったタマネギは、東ヨーロッパ(バルカン半島諸国やルーマニア)では辛味の強い辛タマネギ群、南ヨーロッパ(イタリア、フランス、スペイン)では辛味の少ない甘タマネギ群が作られた。これらの両系統は16世紀にアメリカに伝えられ、さまざまな品種が作られた。
その一方、原産地から東のアジアには伝わらなかった。日本では江戸時代に長崎に伝わったが、観賞用にとどまった。食用としては、1871年(明治4年)に札幌で試験栽培されたのが最初とされ、1878年(明治11年)、札幌農学校教官のブルックスにより本格的な栽培が始まった。その後の1880年(明治13年)に、札幌の中村磯吉が農家として初めて栽培を行った。
品種の系統としては、アメリカから導入された春まき栽培用の「イエロー・グローブ・ダンバース(Yellow globe danvers)」という品種が「札幌黄」という品種に、秋まき栽培用は1885年(明治18年)、大阪に「イエロー・ダンバース(Yellow danvers)」という品種が導入され「泉州黄」に、フランス系の「ブラン・アチーフ・ド・パリ」が「愛知白」に名を変えて、それぞれ地域に定着化した。さらに農家や農協単位で自家採種・選抜を行い、農家や地域ごとに特徴のある品種が作られた。
現在では、大手種苗会社によるF1品種が殆どを占めている。特に、七宝による一連の品種は乾腐病に対する抵抗性を持ち、長期貯蔵性などにも優れ、平成16年度民間部門農林水産研究開発功績者表彰の農林水産大臣賞を受賞した。
[編集] 日本における生産と流通
日本での生産量は115万4千t、作付面積は2万4千haである。そのうち北海道が生産量約66万t、作付面積12,500haと、全国生産量の約5割強を占める。(以上、統計値は農林水産省 平成21年産春野菜、夏秋野菜の作付面積、収穫量及び出荷量(速報)による) 北海道に次いで佐賀県、兵庫県(主に淡路島)、愛知県、長崎県、静岡県、大阪府(主に府南部の泉州地区)が主な産地である。 北海道は春まき栽培、他府県では秋まき栽培が行われるため、季節ごとに産地の異なるものが小売されている。
また、近年、特に加工用では中国やタイ、アメリカからの輸入品も多く使われている(輸入量約20万8千t/ジェトロ2009年(平成21年)年計)。国産品はそれに対抗するために、価格面の対策として生産・流通コストの低減化、端境期対策としてマルチング・トンネル栽培による極早生の早期化や貯蔵技術の向上、極早生品種・高貯蔵性品種の開発、品質面の対策として高機能性品種の開発等を行っている。
[編集] 栽培体系
大きく分けて春まき栽培と秋まき栽培がある。致命的な病気や害虫は少なく栽培の容易な野菜である。
[編集] 春まき栽培
- 主な産地は北海道
- 品種は7月以降に収穫できる晩生。本州の秋播きタマネギが品薄になる時期まで保存できる品種。
- 2月末から3月にビニールハウス内で播種し、育苗する。
- 4月下旬から5月にかけて畑に定植する。現在は、「みのる式」と呼ばれる成型苗を自動移植機で定植するのが一般的である。
- 定植後1ヶ月ほどは苗の活着に要する。
- 6月から7月中旬にかけては葉の生育が盛んな時期で、その後7月下旬から鱗茎の肥大が始まる。鱗茎の肥大期以降はボトリティス菌、軟腐病菌、ネギアザミウマによる被害を受けやすいため、定期的に農薬による防除を行う。
- 7月から8月にかけ地上部が倒伏する。倒伏が順調に進まない場合には、人為的に地上部を倒伏させることもある。
- 倒伏がそろった後、収穫の前には株を土から引き抜く作業を行う。これは「根切り」と呼ばれ、着色を促したり貯蔵性を高める効果がある。
- 収穫直前には枯死した葉を切り落とす。収穫後、コンテナに入れ、乾燥させる。
[編集] セット栽培
春播き栽培と秋播き栽培の中間的な栽培方法。
- 品種は極早生
- 主な産地は関東より西の地域で、冬に作付できる地域。
- 2月末から3月にビニールハウス内に播種しそのまま結球させ、直径が2cm程度の小タマネギ(種球根)を作る。
- 春に収穫した種球根を秋に植え付けて、本州の秋播き早生タマネギよりも早く収穫する。
[編集] 秋まき栽培
- 主な産地は関東より西の地域で、冬に作付できる地域。
- 品種は極早生~入梅前に収穫できる程度の晩生品種。
- 9月に播種し、育苗する。
- 10月下旬から11月にかけて定植。極早生から早生にかけては、マルチ栽培やトンネル被覆を行うところもある。
- 春一番や温かい雨により細菌が繁殖しやすくなるため、倒伏前までこまめに消毒を行う。
- 倒伏は3月から5月にかけて。50~80%程度が倒伏したら天気がよく、乾燥した日に収穫する。早生や極早生では倒伏前に収穫して、葉付きで出荷する事もある。
- 中生や晩生では、風通しのよい日陰で貯蔵する。数個のタマネギを葉のところで紐で縛り、吊るして貯蔵する事もある。
[編集] 重要病害虫
- 乾腐病 病原菌:Fusarium oxysporum f. sp. cepae
- 軟腐病 病原菌:Erwinia carotovora subsp. carotovora
- ボトリティス菌による葉枯れ(白斑葉枯病):Botrytis squamosa、B. cinerea、ほか
- ボトリティス貯蔵腐敗:Botrytis allii、B. byssoidea、ほか
- ネギアザミウマ Thrips tabaci
- タマネギバエ Delia antiqua
- タネバエ Delia platura
[編集] 栽培上の注意点
- タマネギは高温に弱く、しかも日長(長日)に対して非常に厳密に反応するため栽培目的にあった品種を選ぶ必要がある。
- 例えば北海道の春播き品種(晩生品種)を関東より西の地域で栽培すると結球に必要な日長になる前に入梅してしまい腐敗が多くなる。反対に秋播き品種(早生や中生)を北海道で栽培すると冬の寒さで枯れる。また春播きにした場合も、葉が十分に成長する前に日長に反応して結球を始めてしまうので十分な収穫を得られない。これは6月下旬から7月上旬が一番日長が長くなるからである。海外など緯度の異なる地域の品種を導入する際は何時間の日長に反応するのかよく確認する必要がある。
- 品種や栽培する地域ごとの播種適期がかなり限られている。極端な早播きや晩播きでは十分な収穫が得られない。
- 秋播き栽培では大苗を植えると抽台率が極端に上がるので、茎の太さが4〜5mm(およそ鉛筆の太さ)程度の苗を利用するのが良い。大苗は薬味ネギの代用に使えばよい。
- 元肥えが効き過ぎると冬が来る前に大きく育ち抽台の原因となる。
- 晩生品種は入梅前に収穫を終えないと腐敗が多くなる。
- 栽培の終盤まで窒素肥料が効くと貯蔵性が悪くなる。貯蔵目的であれば春以降は肥料を与えない。
[編集] 食材としてのタマネギ
主に鱗葉を食用とするが、強い辛味・香味がある。生のタマネギはイチゴ位の甘みを持っているが、これはタマネギが光合成産物をでんぷんではなく糖の形で貯蔵するためである。従って通常の植物と異なりタマネギの鱗茎からはデンプンが検出されない。糖度は高いが辛さが強いため辛く感じる。辛味は加熱するとなくなり、甘みが出る。一般的に食べられているタマネギは『イエローオニオン(Yellow onion)』とも呼ばれる。
辛みの強さは、品種によって違いがある。一般に早生の方が辛みが少なく、晩生になるにつれ辛みが強くなる。しかしそれは、日本で栽培される品種を開発する過程で早生品種の親に甘い品種を使い、晩生品種の親に辛い品種を利用したためである。つまり早晩性と辛味には直接の関係は無い。またストレスによって辛味が強くなるため、晩生の貯蔵用品種であっても葉が青いうちに収穫してすぐに利用すれば比較的辛味が少ない。
多様の料理に使われる。例えばカレーやグラタン、肉じゃがなどの煮込み料理に用いるほか、サラダならばマリネなど、そしてデミグラスソース、トマトソース類、タルタルソース、サルサ類など、各種洋風ソース類の素材としても欠かせない。ネギと同様に鍋料理や味噌汁の具としても用いられる。新たまと呼ばれる極早生のタマネギは、生で薄切りにしてもおいしく食べられる。日持ちがするため、大航海時代ニンジンやジャガイモと共によく食べられていた。
タマネギを切ると涙が出るのは、タマネギにアリルプロピオンが含まれているからである。タマネギを切った時に硫黄化合物(硫化アリル)が気化し、目・鼻の粘膜を刺激し涙が出る。これを防ぐにはゴーグル等で目を覆ったり鼻をつまむ。ほとんどにおいては鼻から侵入してくるため、目を洗い流すだけでは痛みを緩和することは難しい。換気扇を回した状態でコンロの火を着け、そのすぐ横で調理すると刺激成分が上昇気流に乗って換気扇から排出される。また、水につけながら切ると硫化アリルが水に溶けて気化しなくなる。あらかじめ冷蔵庫で数時間冷やしておくのも良い。反対に、電子レンジで加熱することでも硫化アリルの効果を弱められる。ただし、これらの方法でアリルプロピオンの効果を弱めた場合、多少味が落ちてしまう。
タマネギの種は黒ごまに姿が似ており、インドやヨーロッパにおいてスパイスの一種としてそのまま、あるいは他のスパイスと合わせて料理の香り付けなどに用いられる。
タマネギを加熱し、黄色、あめ色、茶色と褐変が進行するに従ってDPPHラジカル消去能が上昇する、との報告がある[1]。タマネギを炒めることによってメイラード反応がおこり褐色物質のメラノイジンが生成する[2]。メラノイジンは、in vitroでは抗酸化作用、活性酸素消去活性、ヘテロ環アミノ化合物(発癌物質)に対する脱変異原活性などを有するとされている[3]。
ウサギ、イヌやネコなどのほとんどの動物が食べた場合、成分に含まれる硫黄化合物が中毒を引き起こし、血液中の赤血球が破壊され死亡することがある。ペットにはタマネギを含む食品を摂取させない様、注意が必要である。(→タマネギ中毒)
[編集] その他
- 玉葱の名産地、北海道の北見市(収穫量は全国の約25%)では、街を挙げて玉葱を大量に使用した食品や料理(北見ラーメン・玉葱ジャム・オホーツク北見塩やきそばなど)の考案、試作に努めている。
- 栄養的に優れ、多産で、常温で保存可能であり、どんな国の料理にも利用できる(日本食も例外ではない)ことから、軍隊や長期間の航海に出る船舶での利用が世界各地への普及に大きく貢献した。
- 作家椎名誠がキャンプに最適の野菜と評している。その理由としては味がよいこと、常温で保存する事が可能であること、水で洗う必要がないこと(キャンプの場所によっては水の確保が困難である)などを挙げている。椎名は「タマネギ教」という宗教があったら宣教師になってもいいといっているらしい。[4]
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
[編集] 脚注
- ^ http://ci.nii.ac.jp/naid/110004678454
- ^ メイラード反応
- ^ http://www.isc.meiji.ac.jp/~maillard/hayase/hayase.html
- ^ 椎名誠『でか足国探検記』新潮文庫 186頁
- ^ 獣医師広報板 タマネギ中毒