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イーアソス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

イーアソス古希: Ἴασος, Īasos[1][2][3][4][5][6][7][8])あるいはイーアシオス古希: Ἰάσιος, Īasios[9][10][11][12][13][14])は、ギリシア神話の人物である。長音を省略してイアソスイアシオスとも表記される。主に、

のほか数名が知られる。以下に説明する。

ダクテュロスの1人

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このイーアソスは、クレーテー島イーダー山の精霊ダクテュロスあるいはクーレースの1人[7]パウサニアースによると他はヘーラクレース(英雄のヘーラクレースとは別[15])、パイオーナイオス、エピメーデース、イーダース[7][8]。彼らはレアーの命で幼児ゼウスを守った[7]オリュムピアのゼウス神殿には彼らの祭壇が設けてあった[8]

アルゴスの子

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このイーアソスは、アルゴリス地方の都市アルゴスを創建した王アルゴスと、河神アーソーポスの娘イスメーネーの子。ゼウスに愛されたイーオーの父[4]。ただしアルゴス王家の系譜は多くの異説がある。パウサニアースによると、イーアソスはアルゴスの孫トリオパースの子で、アゲーノールと兄弟であり、イーオーの父であるという[6]。ヒュギーヌスの系譜ではトリオパースやアゲーノールの名前は現れるが、イーアソスの名はなく、イーオーはイーナコスの娘としている[16]

アムピーオーンの父

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このイーアソスは、ボイオーティア地方の都市オルコメノスの王である。ミニュアースの娘ペルセポネーの子[17]。アムピーオーンの父であり、ピュロスネーレウスと結婚したクローリスの祖父[2][12]。後代の伝承では、アムピーオーンは竪琴の名手として知られるテーバイの王であり、アンティオペーとゼウスの子で、ゼートス双子の兄弟とされる[18]

リュクールゴスの子

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このイーアソスは、アルカディアー地方の王リュクールゴスとクレオピューレー、あるいはエウリュノメーとの子で、アンカイオス、エポコス、アムピダマースと兄弟。オルコメノス王ミニュアースの娘クリュメネーと結婚し[5]女狩人として名高いアタランテーをもうけた[5][13][14]。アタランテーは従兄弟にあたるアムピダマースの子メラニオーン[5][19]軍神アレース[5]、あるいはメレアグロスとの間に[13][14]パルテノパイオスをもうけた[5][19][13][14][20][21]

エレウテールの子

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このイーアソスは、アポローンポセイドーンの娘アイトゥーサの子エレウテールの子で、カイレシレオースの父、ポイマンドロスの祖父。ポイマンドロスはボイオーティア地方の都市タナグラの創建者[11]

スペーロスの子

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このイーアソスは、アテーナイ人ブーコロスの子スペーロスの子。メネステウスの部下としてトロイア戦争で戦ったが、アポローンアイギスを用いてギリシア軍を敗走させた際に、メドーンとともにアイネイアースによって討たれた[1]

その他の人物

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脚注

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  1. ^ a b 『イーリアス』15巻328行-342行。
  2. ^ a b 『オデュッセイアー』11巻281行-297行。
  3. ^ a b 『オデュッセイアー』17巻443行。
  4. ^ a b アポロドーロス、2巻1・3。
  5. ^ a b c d e f アポロドーロス、3巻9・2。
  6. ^ a b パウサニアース、2巻16・1。
  7. ^ a b c d パウサニアース、5巻7・6。
  8. ^ a b c パウサニアース、5巻14・7。
  9. ^ a b パウサニアース、5巻8・4。
  10. ^ a b パウサニアース、8巻48・1。
  11. ^ a b パウサニアース、9巻20・1。
  12. ^ a b パウサニアース、9巻36・8。
  13. ^ a b c d ヒュギーヌス、70話。
  14. ^ a b c d ヒュギーヌス、99話。
  15. ^ 呉茂一『ギリシア神話』新潮社、1994年、104頁。
  16. ^ ヒュギーヌス、145話。
  17. ^ レーロスのペレキューデース断片(『オデュッセイアー』11巻281行への古註による引用)。
  18. ^ アポロドーロス、3巻5・5‐6。
  19. ^ a b クセノポーン『狩猟について』1巻7”. Perseus Digital Library. 2022年7月17日閲覧。
  20. ^ アポロドーロス、3巻6・3。
  21. ^ パウサニアース、3巻12・9。
  22. ^ ウェルギリウス『アエネーイス』3巻168行。
  23. ^ ロドスのアポローニオス、1巻1116行への古註。
  24. ^ ウェルギリウス『アエネーイス』8巻843行。
  25. ^ ウェルギリウス『アエネーイス』12巻391行-392行。

参考文献

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