ゴルゴーン

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愛馬ブケパロスに騎乗したアレクサンドロス。鎧にメドゥーサの首(拡大図)

ゴルゴーン古希: Γοργών, Gorgōn)、またはゴルゴー古希: Γοργώ, Gorgō)は、ギリシア神話に登場する醜い女の怪物である。その名は「恐ろしいもの」の意。

長母音記号を省略し、ゴルゴンゴルゴともいう。英語読みはゴーゴンGorgon)。

概要[編集]

ポルキュースとその妻ケートーの子で毒牙を持ち、髪の毛の代わりに生きているが生えている。「ヘスペリデスの園」の近くの世界の果ての島に住んでおり、グライアイ3姉妹の姉でもある。

しばしば黒い牡牛黄金の羽、真鍮イノシシのようなを持つとして描かれており、壷絵には下半身がの腹から下になっている姿で描かれる事もある。神話によると、ゴルゴーンの顔を見たものはになってしまう。顔を見たものを何でも石に変えてしまう怪物であるが、この怪物を攻略する方法は目を瞑ると同時に鏡でゴルゴーンの顔を映し出させることで、この方法により逆にゴルゴーンを石化させることができるとされている。

ホメーロスは『イーリアス』の中で、ゼウスの盾アイギスに固定されているゴルゴーンの首について描写している。このゴルゴーンの首はペルセウスに退治された際に切り取られたものを、のちにペルセウスが助力した神々に捧げたものである。

オデュッセイア』ではゴルゴーンは下界の魔物とされる。ヘーシオドスは『神統記』でゴルゴーンをステンノーエウリュアレーメドゥーサからなる3姉妹であり、海神の娘達であるとしている。さらにメドゥーサが自分の美貌を女神アテーナーに自慢したため、その怒りに触れて醜い姿にされたとする説も唱えられた。

ゴルゴーンの首は古代ギリシャにおいてはしばしば魔除けゴルゴネイオン、Gorgoneion)に用いられた。イスタンブルの元システィン礼拝堂礎石には、そのような魔除け用のゴルゴーンの浮き彫りを彫った石が使われている。

ギリシア美術では「真正面を向いた」人物描写は少ないが、ゴルゴーンに限ってはほとんどが真正面を向いた形で描かれている。同様に「真正面」の描写が少ないメソポタミア・エジプト美術において常に真正面を向いて描かれるフンババ(同じく魔除けに使われた)やエジプトの神ベスとの共通点も指摘されている。正面を向いているのはゴルゴーンの持つ邪眼を機能させるためだとされている。また、ゴルゴーンのような魔除けはビザンツ帝国でも使われていた。

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