ミーノータウロス

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ミノタウロスと戦うテーセウス

ミーノータウロス古希: Μινώταυρος, Mīnōtauros, ラテン語: Minotaurus, 英語: Minotaur)は、ギリシア神話に登場する牛頭人身の怪物である。クレーテー島ミーノース王の妻パーシパエーの子。長母音を省略してミノタウロスとも表記される。

神話・民俗[編集]

神話によるとミーノース王は、後で返すという約束でポセイドーンに願って海から美しい白い雄牛(一説では黄金)を得る。しかし、雄牛の美しさに夢中になった王は、ポセイドーンとの約束を違え、白い雄牛を生け贄に捧げず、代わりの雄牛を生け贄として捧げ、白い雄牛を自分の物にしてしまう。これに激怒したポセイドーンはパーシパエーに呪いをかけ、后は白い雄牛に性的な欲望を抱くようになる。ダイダロスに命じて雌牛の模型を作らせた彼女は、自ら模型の中へと入り雄牛の身近へと訪れた。結果、パーシパエーはミーノータウロスを産むこととなった。

雷光を意味するアステリオス(Asterios)と名づけられるが、「ミーノース王の牛」を意味するミーノータウロスと呼ばれる。

ミーノータウロスは成長するにしたがい乱暴になり、手におえなくなったミーノース王はダイダロスに命じて迷宮(ラビュリントス)を建造し、そこに彼を閉じ込めた。ミーノース王はミーノータウロスの食料としてアテーナイから9年毎に7人の少年、7人の少女を送らせることとした。3度目の生け贄にアテーナイの英雄テーセウスが混ざり、ラビュリントスに侵入しミーノータウロスを倒した。脱出不可能と言われたラビュリントスはミーノース王の娘アリアドネーからもらった糸玉によって脱出できた。

ダンテの『神曲』では「地獄篇」に登場し、地獄の第六圏である異端者の地獄においてあらゆる異端者を痛めつける役割を持つ。

この怪物の起源はかつてクレーテー島で行われた祭りに起源を求めるとする説があり、その祭りの内容は牛の仮面を被った祭司が舞い踊り、何頭もの牛が辺り一帯を駆け巡るというもので、中でもその牛達の上を少年少女達が飛び越えるというイベントが人気であった。また、古代のクレーテー島では実際に人間と牛が交わるという儀式があったとされる。

逸話[編集]

画家パブロ・ピカソは、1933年頃から作品のモチーフに好んでミーノータウロスを取り上げている。男を嬲り殺し、女を陵辱し快楽の限りを貪るこの怪物に、ピカソは共犯者意識を持ちつつも、倒されねばならぬ絶対悪の役割を与えた。自分の辿った総ての道を集約するなら、それはミーノータウロスに繋がるとの趣旨の言葉すら残している(『ピカソ 愛と苦悩-「ゲルニカ」への道』展図録 朝日新聞社・刊)。

関連項目[編集]