プロノエー
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プロノエー(古希: Προνόη, Pronoē)は、ギリシア神話の女性あるいはニュムペーである。「前もって配慮する女」の意[1]。主に、
の6人が知られている。以下に説明する。
プロメーテウスの母[編集]
このプロノエーは、プロメーテウスの母。神話学者カール・ケレーニイはプロノエーをプロメーテウスと対応関係にある名前とし、『オデュッセイアー』10巻2行の古註に名前が見えるプリュレイエーをプロノエーのことだと考えている[1]。
ポルボスの娘[編集]
このプロノエーは、ポルボスの娘で、アイトーリア地方の王アイトーロスと結婚し、プレウローンとカリュドーンを生んだ。2人の子供はそれぞれ同じ名前の都市プレウローンとカリュドーンを創建した[2]。
オイテ山のニュムペー[編集]
このプロノエーは、ヘーシオドスの『名婦列伝』によるとオイテ山のニュムペーで、アポローン神との間に1子メラネウスを生んだ。メラネウスはポルターオーンの娘ストラトニーケーと結婚し、オイカーリアーの王エウリュトスの父となった[3]。
メラムプースの娘[編集]
このプロノエーは、アルゴスの王メラムプースと、メガペンテースの娘イーピアネイラの娘で、アンティパテース、ビアース、マントーと兄妹[4]。
アーソーポスの娘[編集]
このプロノエーは、河神アーソーポスの娘の1人で、海神ポセイドーンとの間にポーコスを生んだ[5]。
リュキアのニュムペー[編集]
このプロノエーは、リュキアの河のニュムペー(ナイアス)である。ビュブリスの双子の兄カウノスに恋をし、自分と結婚してリュキアかあるいはカーリアの王となることを求めた。2人の間に生まれたアイギアロスは父カウノスの死後に王となった[6]。
その他のプロノエー[編集]
脚注[編集]
参考文献[編集]
- アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
- ディオドロス『神代地誌』飯尾都人訳、龍溪書舎(1999年)
- 『ヘシオドス 全作品』中務哲郎訳、京都大学学術出版会(2013年)
- 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、岩波書店(1960年)
- カール・ケレーニイ『プロメテウス』 辻村誠三訳、法政大学出版局(1972年)
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