プリアーポス

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プリアーポス
プリアーポス

プリアーポス古希: Πρίαπος, Priāpos)とは、ギリシア神話における羊飼い、庭園および果樹園の守護神で生殖と豊穣を司る、男性の生殖力のである。

日本語では長母音を省略してプリアポスとも表記される。

概要[編集]

ディオニューソスアプロディーテーまたはニュンペーの間に生まれたとされるが、他にもゼウスまたはアドーニスとアプロディーテー[1]ヘルメースとアプロディーテーの間に生まれたという説もある[2]。プリアーポスの誕生についての別伝ではゼウスとアプロディーテーとの間に生んだ子ともいわれ、嫉妬したヘーラーが計略によって妊娠したアプロディーテーの腹に手を触れ、その中の胎児を畸形・醜さに呪いをかけたり、グロテスクな巨根の持ち主に生まれた。アプロディーテーがそれを山に投げつけ、羊飼いはそれを育てた。[3]また、ディオニューソスの従者でもある[2]

アトリビュート果物と巨大な陰茎

信仰[編集]

もとはアナトリア半島のラムプサコスという地方で豊穣の神として崇められていたが、アレキサンダー大王の遠征を機にギリシア世界やイタリアに信仰が広まる[1]

古代ローマでも「プリアープス」(Priapus)の名で信仰されるが、プリアーポスの名はしばしば陰茎の隠喩として使われ、さらに侮辱語としても用いられることがあった。カリグラ帝はしばしば、部下のカッシウス・カエレアを「プリアーポス」と呼んで侮辱したと伝えられる。

ギリシアに伝わってからは、葡萄園や庭園の守り神として信仰され、豊かな実りを嫉妬する者からの邪視を防ぐと考えられた[1]。また、羊飼いの守護神ともなった[1]

この神の神像はしばしば陰茎そのものの形であらわされることがある[4]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 高津 (1960)、218-219頁。
  2. ^ a b グラント&ヘイゼル (1988)、438頁。
  3. ^ Suidas s.v. Priapos
  4. ^ 神の事典、151頁。

参考文献[編集]

  • 高津春繁 『ギリシア・ローマ神話辞典』 岩波書店、1960年2月。ISBN 4-00-080013-2
  • グラント, マイケル、ヘイゼル, ジョン 『ギリシア・ローマ神話事典』 西田実ほか訳、大修館書店、1988年7月。ISBN 978-4-469-01221-7
  • ツイン☆スター編著 『神の事典』 ジャパン・ミックス〈ファンタジー・ファイル 3〉、1997年8月。ISBN 978-4-88321-396-2

関連項目[編集]