キテレツ大百科 (アニメ)

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キテレツ大百科 > キテレツ大百科 (アニメ)
キテレツ大百科
ジャンル SFギャグ
アニメ
原作 藤子・F・不二雄[注 1]
監督 葛岡博(1-43回)→
早川啓二(44回-)
脚本 雪室俊一山田隆司
青島利幸、並木敏、山崎忠昭
音楽 菊池俊輔
アニメーション制作 スタジオぎゃろっぷ
製作 フジテレビASATSU(当時)
放送局 フジテレビ系
放送期間 1988年3月27日 - 1996年6月9日
話数 全331話
木手英一(キテレツ)
コロ助
野々花みよ子
熊田薫(ブタゴリラ)
尖浩二(トンガリ)
藤田淑子
小山茉美杉山佳寿子
荘真由美本多知恵子
大竹宏龍田直樹
三ツ矢雄二
テンプレート - ノート

キテレツ大百科』(キテレツだいひゃっか)は、藤子・F・不二雄[注 1]の漫画『キテレツ大百科』を原作としたテレビアニメ作品。

概要

藤子アニメ作品としては初のキー局となるフジテレビ系列で、1987年11月2日に90分のテレビスペシャル版が放送された。翌1988年3月27日からほぼ同一のスタッフ、キャストでテレビシリーズが正式にスタートした。放送は毎週日曜19:00から、スペシャル版と同じくフジテレビ系で放送された。1996年6月9日の終了まで8年(全331話)に渡る長寿番組となった。

テレビアニメ化に合わせてリメイク漫画の『新キテレツ大百科』が、田中道明の執筆によって『月刊コロコロコミック』で1988年5月号から連載を開始した(詳細は新キテレツ大百科を参照)。

原作の話数が少ないこともあってか、アニメ版はほとんどがオリジナルストーリーである。「毎回不思議な道具を使った物語が展開する」という点でストーリー的に似通っている『ドラえもん』(テレビ朝日版第1期)と差別化をはかる試みが続けられた。原作通りに時間軸が止まっているのではなく、サザエさん時空として国際花と緑の博覧会バブル景気に沸く社会といった時事的なイベントや、クイズ番組の出演をテーマとしたエピソードなど放映当時の世俗を反映させた描写が特徴である。

キテレツたちが住む「表野町」は架空となっているが、勉三の通学先が高尾大学である・293話で近未来都市として多摩センターに赴く・330話で登場する橋の名称が「新多摩玉大橋」である・一戸建ての住宅街と商店街が形成されているなどから多摩をモチーフとしていることが覗える。

ちなみに前出の『ドラえもん』とは異なり、準レギュラーのキャラクター(妙子・五月・君子ら)が遠方に移住する要素があるため、大百科で作り出した発明品あるいは現世の乗り物(車・鉄道など)を使ってタイムスリップを伴わずに遠出するエピソードが複数存在する。そのうち、上越新幹線北斗星山形新幹線などに乗り込むエピソードが存在するが、写実的であるのはその乗物と目的地(仙台・新潟・札幌など)の大まかな風景のみである。また、キテレツが操るパソコンを始め、ゲームボーイミニ四駆といった放送当時のアイテムも多く描かれている。

放送初期はキテレツが作った発明品が中心となって巻き起こるエピソードと、ゲストキャラクターが中心人物となり陰で発明品を使ってストーリーが展開する人情ドラマ仕立てのエピソードが互いに作られていたが、末期(1994年)に入ると、ブタゴリラや熊八の天然ボケさとトンガリのヒステリックな性格描写が強まるようになり、彼らが発端となって展開されるドタバタ・珍騒動的なエピソードも多かった。

1993年頃までは本放送のヒッチハイクとして、電気事業連合会が本作とタイアップしたテレビCM電気エネルギーの現況・家庭内の省エネを啓発する内容)を流していた。

改編期特番プロ野球中継のため放送休止になることが度々あり、1995年11月のフジテレビに至っては「ロミオの青い空」と共に一度も放送されなかった。

放送終了後、フジテレビ(関東ローカル)にて1997年から2000年3月まで断続的に再放送が行われ、現在も独立U局を中心としたローカル局アニマックス再放送が行われている(ただし、その際にはOP・EDは放送されるものの、次回予告と本放送時の提供クレジット画面についてはすべてカットされている)。しかしながら初回の単発スペシャルを除き、スペシャルや長編アニメーション映画は一切作られることはなかった。

話数が長大であり、全話のビデオソフト化が実現したのは2003年である。(それ以前は1990年頃に小学館から発売されたVHSパッケージが最新であった。)2010年7月10日からWiiの間「シアターの間」で第1回は無料・以後は有料で配信されていた。

2015年6月18日からはアニマックスで同作品のHDリマスター版が放送される。

放送時間

90分スペシャル
1987年11月2日:月曜夜7時30分 - 8時54分
1話15分、計6話が放送された。
この枠は『月曜ドラマランド』の枠だが、『月曜ドラマランド』には入っていない。
レギュラー放送
1988年3月27日 - 1996年6月9日
毎週日曜日:夜7時 - 7時30分
初期は1回15分×2話放送していたが、第49話以降は1回30分×1話になった。

アニメ版と原作者

以下、制作者側のコメントを要約したもの。詳細については、それぞれのリンク先を参照。

藤子アニメの中ではキテレツが一番好きで、毎週かかさず見ています。 — 藤子・F・不二雄、アニマックス公式サイト [1]
藤子さんからは制作についての注文はなく、またクレーム等も一切ありませんでした。短い原作をよく長く作ってくれた、と満足して頂いていました。 — 雪室俊一(メイン・シナリオライター)、雪室俊一インタビュー [2]

このアニメが終了した約3ヶ月後に、原作者の藤子・F・不二雄は逝去した。

終了について

度重なる終了延期

アニメ版は放送開始から6年を経た1994年春に終了が決定し、同年初期の時点で最終回が制作・完成している。しかし後番組が決定せず、結局は「後番組の体制が整うまで適宜延長する」という事態となってしまった。ただし、その後も1994年秋・1995年春・秋となるほど!ザ・春の祭典スペシャル、秋の祭典スペシャルにて問題を出題し番宣CMにアニメ→声優つながりなどから野沢雅子を起用して宣伝していることから続投も視野にしていたことが伺える。結局後番組となる『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の制作が決定したのは1996年初頭のことで、同作が放送開始となる同年6月まで、『キテレツ大百科』は2年以上もの間放送延長するという異例の事態となった。

番組の終了

放送は『こち亀』の放送が1996年初夏と決定したことから、既に完成していた最終話を含めて全332話と調整、1996年6月16日終了の予定だった。しかし終了直前、5月26日放送分の枠にバレーボール女子アトランタオリンピック世界最終予選の中継(日本対ルーマニア戦)が入ることが決まったことから、6月2日放送予定だった実質的な最後の制作話「ルルル! 未知からのメッセージ」が制作途中で中止されスタッフは『こち亀』の制作に移行した[注 2]。そして一週間繰り上げて6月9日に2年前に完成していた最終回が放送され、アニメ版は8年の放送にピリオドを打った。

原作との結末の相違

原作では、ママの手違いで大百科がゴミに出されて、くまなく探したものの、焼却され灰になってしまったのを機に「今度は自分が発明品を考えていく番だ」とキテレツが自覚するところで終了するが、アニメ版では以下のように大きく変更された。

大百科を空き巣に盗まれ、それがゴミ収集車に投げ入れられたことを熊八から聞き、愕然となるキテレツ。その後奇天烈斎に大百科を貰うために過去の世界へ行き、キテレツは奇天烈斎と出会う。その際コロ助が奇天烈斎の亡き息子をモデルに設計されたという事実が判明する。結果としてコロ助は過去に残って奇天烈斎と共に暮らす決心をするという、原作にはなかったキテレツとコロ助の別れという展開が描かれた。なお、キテレツが「今度は自分が発明品を考えていく番だ」と自覚する部分は原作とほぼ一緒である。ただし初期のアニメエピソードでキテレツが「大百科のデータは全て(自分の)パソコンに入れてある」と言っているエピソードがあるが、一度パソコンのデータを間違って消去したことがあり、それ以降データを入力したという描写は描かれていない。

登場人物

スタッフ

特番

テレビシリーズ

主題歌

オープニングテーマ

エンディングテーマ

これらの主題歌はCD『キテレツ大百科 スーパー・ベスト』と『藤子・F・不二雄 生誕80周年 藤子・F・不二雄 大全集』に全て収録(ただし、後者に関しては権利の影響でTOKIOの「うわさのキッス」のみ、収録されていない)。

各話リスト

放送局

系列は放送終了時点(打ち切りの場合は打ち切り時点)のもの。

放送対象地域 放送局 系列 ネット形態 備考
関東広域圏 フジテレビ フジテレビ系列 制作局
北海道 北海道文化放送 同時ネット
青森県 青森テレビ TBS系列 遅れネット
岩手県 テレビ岩手 日本テレビ系列 1991年3月まで
岩手めんこいテレビ フジテレビ系列 同時ネット 1991年4月開局から
宮城県 仙台放送
秋田県 秋田テレビ
山形県 山形テレビ 遅れネット 1993年3月まで[3]
テレビユー山形 TBS系列 1993年4月から
山形テレビのテレビ朝日系列へのネットチェンジに伴う移行[4]
福島県 福島テレビ フジテレビ系列 同時ネット
新潟県 新潟総合テレビ
長野県 長野放送
山梨県 山梨放送 日本テレビ系列 遅れネット
静岡県 テレビ静岡 フジテレビ系列 同時ネット
富山県 富山テレビ
石川県 石川テレビ
福井県 福井テレビ
中京広域圏 東海テレビ
近畿広域圏 関西テレビ
島根県
鳥取県
山陰中央テレビ
広島県 テレビ新広島
山口県 山口放送 日本テレビ系列 遅れネット
岡山県
香川県
岡山放送 フジテレビ系列 同時ネット
愛媛県 テレビ愛媛
高知県 テレビ高知 TBS系列 遅れネット
徳島県 四国放送 日本テレビ系列
福岡県 テレビ西日本 フジテレビ系列 同時ネット
佐賀県 サガテレビ
長崎県 テレビ長崎 遅れネット
→同時ネット[5]
熊本県 テレビくまもと 同時ネット
大分県 テレビ大分 フジテレビ系列
日本テレビ系列
遅れネット[6]
宮崎県 テレビ宮崎 フジテレビ系列
日本テレビ系列
テレビ朝日系列
鹿児島県 南日本放送 TBS系列 1988年9月まで
鹿児島テレビ フジテレビ系列 遅れネット
→同時ネット[7]
1988年10月から
沖縄県 沖縄テレビ 同時ネット

番組購入

番組購入による放送。

日本国外での放送

台湾
衛視中文台東森幼幼台MOMO親子台
香港
亞洲電視本港台
韓国
カートゥーン ネットワーク(2010年5月10日放送開始)
マレーシア
TV3(2007年3月から2014年5月まで放送)
タイ
Channel 5Modernine TV
インドネシア
Trans7(2011年放送開始)

ビデオソフト

小学館発売

  • キテレツ大百科(小学館ビデオ)
    • 1987年放映のスペシャル版と、1989年前半までに放送された本編作品の傑作選集がある。

ファイブ・エース発売

うる星やつら』などのビデオソフト発売を手がけるキティフィルム子会社の「ファイブエース(5-Ace、現在はキティライツ&エンターテインメントへ統合)」がビデオ化権を獲得し、1988年から最終話までの全話が2003年5月から2004年にかけてビデオソフト化された。また、それに先駆けて2002年11月から「よりぬきキテレツ大百科」のタイトルでVHSソフトも発売されている。なお、いずれも映像の修繕はほぼ為されていない。1987年のテレビスペシャルは現在未DVD化である。

  • 「よりぬきキテレツ大百科」(販売元:ポニーキャニオン
    • VHS版で1993年頃までの本編から選り抜いた一部作品を収録(一巻4話:全30巻)
  • DVD(販売元:エイベックス・マーケティング
    • DVD-BOX1(2003年3月26日発売)
    • DVD-BOX2(2004年4月28日発売)
    • 単巻(42巻)2003年5月28日 - 2004年3月31日発売。
  • テーマ別傑作選(「勉三さん編」「あったかいお話編」「キテレツ斎編」など全16巻4話ずつ収録)

TCエンタテインメント発売

2010年に藤子・F・不二雄ミュージアム開業記念企画として発売された「藤子・F・不二雄TVアニメアーカイブス」シリーズ(発売元:TCエンタテインメントテレビ朝日 販売元:スーパービジョン)に選り抜き形式で収録されている。

備考

  • 前述の通り、韓国ではカートゥーン ネットワークで放送されているが、登場人物はコロ助を除いて全て韓国人名に変更されている。また、日本語で書かれている所の表示画面は全てハングルに書き換えられている。
  • 2012年にサンテレビジョンで放送されていた再放送分は番組改変期に打ち切りになる予定だったが、翌日以降にサンテレビジョンの視聴者センターに「なぜ途中で終わらせたのか?」といった視聴者からの問い合わせが殺到し、同局は仕方なく時間帯を変更し継続して放送する事態になった(事実として変更前の回で「次回から時間帯を変更して放送します。」というテロップはなかったうえ、放送までにある程度期間も空けられた)。

参考文献

  • 『キテレツ大百科 アッとおどろくからくり道具大図解』小学館〈コロタン文庫〉115、1990年

脚注

注釈

  1. ^ a b 当初は藤子不二雄Ⓕ名義。
  2. ^ 上野にある西郷隆盛像が盗まれて、八百八の前に置かれるという話になる予定であった(藤子FCネオ・ユートピア|雪室俊一インタビューより)。また、この話は雑誌等に放送予定として既に掲載されていた。のちにスタッフが「未完成で放棄した」旨を明らかにしている。
  3. ^ 放送時のクレジットは「スイミン不足」だったが、CDなどでは「すいみん不足」の表記も見られる。
  4. ^ 夕方枠であったにも拘わらず高視聴率を記録し、スポンサーがついていた。
  5. ^ 2008年4月2日で全話の放送が終了した。
  6. ^ 2012年8月1日で、水曜17:30 - 18:00に週1回放送していた、全話の放送が終了した。その後、視聴者のリクエストなどを受け、2014年10月7日より2周目の放送を開始。同年12月までは平日17:00 - 17:30で、2015年1月より現在の放送時間。
  7. ^ 2008年2月28日で全話の放送が終了したが、2012年4月2日から再び第1話から放送。なお従来放送していた17:15 - 17:45は5時に夢中!の同時ネット開始に伴い朝に移行して、2013年8月22日に再び全話の放送が終了した。
  8. ^ 2008年3月までは火曜 7:15 - 7:45で放送。
  9. ^ 2016年3月30日で全話の放送が終了した。

出典

  1. ^ キテレツ大百科(アニマックス公式サイト)
  2. ^ 雪室俊一インタビュー(NU SPECIAL INTERVIEW)”. 藤子不二雄FCネオ・ユートピア. 2014年3月10日閲覧。
  3. ^ 放送当時、当該時間帯では日本テレビ系列の番組を同時ネットしていた関係で、数週遅れの月曜19:30に放送されていた。
  4. ^ ただしネットチェンジによる放映権移行後も、近隣のフジテレビ系列局(新潟総合テレビ・福島テレビ・仙台放送・秋田テレビ)をケーブルテレビなどで受信できた場合は同時ネットで視聴できた。
  5. ^ 1990年9月までは遅れネットだったが、同年10月以降は同時ネットとなった。
  6. ^ 3局のうち、大分・宮崎は当該時間帯では日本テレビ系列の番組を同時ネットで放送。
  7. ^ 日本テレビ系列とのクロスネット局だった1994年3月までは当該時間帯は大分・宮崎同様日本テレビ系列の番組を同時ネットしていた関係で遅れネットだった。その後1994年4月の鹿児島読売テレビ開局に伴うフジテレビ系列マストバイ化に伴い、同時ネットとなった。

関連項目

外部リンク

フジテレビ系列 日曜19時台前半枠
前番組 番組名 次番組
キテレツ大百科