アシアナ航空

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アシアナ航空
아시아나항공
IATA
OZ
ICAO
AAR
コールサイン
ASIANA
法人番号 7700150000045 ウィキデータを編集
設立 1988年2月17日
運航開始 1988年12月23日
ハブ空港 仁川国際空港
金浦国際空港
準ハブ空港 金海国際空港
済州国際空港
焦点空港 清州国際空港
マイレージサービス アシアナクラブ
会員ラウンジ アシアナラウンジ
航空連合 スターアライアンス(脱退予定)
スカイチーム(加盟予定)
親会社 錦湖アシアナグループ
子会社 エアプサン, エアソウル, Asiana Airport, Asiana Sabre, Asiana IDT
保有機材数 83機
就航地 90都市
本拠地 大韓民国の旗 大韓民国 ソウル特別市 江西区 五釗洞 443-83 (空港洞 47) アシアナタウン
代表者 정성권 (Jung Sung-kwon)(代表取締役社長
外部リンク www.flyasiana.com
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アシアナ航空
各種表記
ハングル 아시아나항공
漢字 아시아나航空
発音 アシアナハンゴン
日本語読み: あしあなこうくう
RR式 Asiana Hanggong
MR式 Asiana Hanggong
英語表記: Asiana Airlines
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アシアナタウン(アシアナ航空の本社)看板

アシアナ航空(アシアナこうくう、: 아시아나항공: Asiana Airlines)は、韓国の大手航空会社1988年に設立[1]。韓国の財閥錦湖アシアナグループの一員。韓国の航空業界では最大手の大韓航空に次ぎ、2番目に大きい規模を誇る。

イギリススカイトラックス社による航空会社の格付けで、実質最高評価の「ザ・ワールド・ファイブ・スター・エアラインズ(The World's 5-Star Airlines)」の認定を得ている。

概説[編集]

商号の「アシアナ」は、ラテン語で「アジアの」を意味する語である。航空会社コードの「OZ」はオズの魔法使いに由来[2]し、割引運賃「OZまほうSKY」などのキャンペーンでも用いられている。国営大韓航空民営化仁川を中心とする韓進グループは韓国の航空業界で有利な地位を築いていた。そのため、他の財閥や利害関係者からの圧力で航空会社参入自由化がなされ、1988年2月17日に全羅道を中心とする錦湖グループによってアシアナ航空が設立された。12月には全羅道の光州釜山(金海)のルートで飛行機の運航が始まった[3]2013年7月現在、韓国国内線12都市14路線、国際線(旅客部門)22カ国/67都市/91路線、国際線(貨物部門)23カ国/71都市/23路線に就航。国際線のうち日本は16都市で、主要空港のほか地方空港への直行便もある。2003年3月1日には世界最大の航空連合である「スターアライアンス」に加盟した。

大韓航空とは強烈なライバルであり、ボーイング747エアバスA380などの大型機を両社共に運航。路線網も互いに競合している。

株式は、韓国取引所店頭市場部(旧・コスダック)に上場(証券コード : 20560)。株主構成は、個人投資家 30.05 %、錦湖産業 29.51 %、錦湖石油化学 15.05 %、海外投資家 11.9 %、韓国産業銀行 7.18 %、その他 5.83 %となっている。2007年には同じスターアライアンスのメンバーで日本の大手航空会社の全日本空輸(ANA)と株式を持ち合うことで合意している。2007年に格安航空会社(LCC)の「エアプサン(釜山国際航空)」を設立、筆頭株主となった。2015年にはLCCのエアソウルを設立した。

LCCなどとの競争激化で、アシアナ航空は2015年12月期には負債が8.4兆ウォンに達するなど経営が悪化し、2018年には本社ビルを売却した[4]が、それでも資金繰りに苦しむようになったため、錦湖アシアナグループは2019年4月にアシアナ航空を売却すると発表した[5]。2019年末、現代財閥系列の現代産業開発(HDC)と未来アセット大宇のコンソーシアムがアシアナ航空を買収することが決まった[6]。しかし、その後も新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、2月18日には全役員が辞表を提出し、役員給与の一部返納や全社員の10日間休職など非常経営体制を発表した[7]

2020年4月29日、HDCはアシアナ買収日程を変更するとKOSPI(韓国総合株価指数)市場に公示し、事実上買収日程が無期限延期となった[8]

2020年9月4日、アシアナの債権を持つ銀行団とHDCとの条件交渉が決裂し買収案は白紙撤回された[9]

従業員数 9,242名(2012年5月現在)。

航空券の座席予約システム(CRS)は、アマデウスITグループが運営するアマデウスを利用している[10][11]

イギリスのスカイトラックス社による航空会社の格付けで、実質最高評価の「ザ・ワールド・ファイブ・スター・エアラインズ(The World's 5-Star Airlines)」の認定を得ている[12]

歴史[編集]

保有機材[編集]

ボーイングの機材をエアバスの機材より多く導入している大韓航空とは対照的に、エアバスの機材を主に導入している。

なお、アシアナ航空が発注したボーイング社製航空機の顧客番号(カスタマーコード)は8Eで、航空機の形式名は747-48E、747-48EM、767-38EER、777-28EERなどとなる。

現在の運航機材[編集]

アシアナ航空 保有機材(2024年3月現在)[14][15]
機材 保有数 発注数 座席数 備考
C+ C W Y
エアバスA320-200 1 - - - - 159 159
エアバスA321-200 13 - - 12 - 162 174
- 195 195
エアバスA321neo 9 16 - 12 - 168 180
8 180 188
エアバスA330-300 15 - - 30 - 260 290
268 298
エアバスA350-900 15 6 - 28 36 247 311 2025年までに投入完了予定
10機のオプション付き
エアバスA350-1000 - 9 No Data
エアバスA380-800 6 - 12 66 - 417 495 大韓航空に統合後、
2026年までに退役予定[16]
ボーイング767-300 1 - - - - 290 290 2024年までに退役予定[17]
ボーイング777-200ER 9 - - 22 - 278 300
24 278 302
貨物機材
ボーイング747-400BDSF 6 - 貨物 旅客機材を改修
ボーイング747-400F 4 - 貨物
ボーイング767-300ERF 1 - 貨物
80 31

過去の保有機材[編集]

ギャラリー[編集]

就航都市[編集]

アシアナ航空 就航都市 (2024年1月現在)
都市 空港 備考
東アジア
大韓民国の旗 韓国 ソウル 仁川国際空港 国際線メインハブ空港
金浦国際空港 国内線メインハブ空港
釜山 金海国際空港 焦点都市
済州 済州国際空港 焦点都市
大邱 大邱国際空港
光州 光州国際空港
泗川 泗川空港
務安 務安国際空港
浦項 浦項空港
蔚山 蔚山空港
麗水 麗水空港
日本の旗 日本 東京 東京国際空港
成田国際空港
大阪 関西国際空港
名古屋 中部国際空港
札幌 新千歳空港
旭川 旭川空港 季節限定 エアソウルに移管予定[18]
仙台 仙台空港
福岡 福岡空港
宮崎 宮崎空港 エアソウルに移管予定[18]
沖縄 那覇空港 エアソウルに移管予定[18]
中華民国の旗 中華民国 台北 台湾桃園国際空港
中華人民共和国の旗 中国 北京 北京首都国際空港
上海 上海浦東国際空港
上海虹橋国際空港
長春 長春龍嘉国際空港
長沙 長沙黄花国際空港
重慶 重慶江北国際空港
大連 大連周水子国際空港
広州 広州白雲国際空港
桂林 桂林両江国際空港
杭州 杭州蕭山国際空港
ハルビン ハルビン太平国際空港
黄山 黄山屯渓国際空港
南京 南京禄口国際空港
瀋陽 瀋陽桃仙国際空港
深圳 深圳宝安国際空港
天津 天津浜海国際空港
威海 威海大水泊空港 エアソウルに移管予定[18]
西安 西安咸陽国際空港
延吉 延吉朝陽川空港
煙台 煙台萊山国際空港 エアソウルに移管予定[18]
塩城 塩城空港
済南 済南遥墻国際空港
青島 青島流亭国際空港 エアソウルに移管予定[18]
香港の旗 香港 香港国際空港
モンゴルの旗 モンゴル ウランバートル チンギス・ハーン国際空港 [19]
中央アジア
カザフスタンの旗 カザフスタン アルマトイ アルマトイ国際空港
アスタナ ヌルスルタン・ナザルバエフ国際空港
ウズベキスタンの旗 ウズベキスタン タシュケント タシュケント国際空港
南東アジア
カンボジアの旗 カンボジア プノンペン プノンペン国際空港 エアソウルに移管予定[18]
マレーシアの旗 マレーシア ペナン ペナン国際空港 貨物便
ジョホールバル スナイ国際空港 季節便
フィリピンの旗 フィリピン マニラ ニノイ・アキノ国際空港
セブ マクタン・セブ国際空港
クラーク クラーク国際空港
シンガポールの旗 シンガポール シンガポール・チャンギ国際空港
インドネシアの旗 インドネシア ジャカルタ スカルノ・ハッタ国際空港
タイ王国の旗 タイ バンコク スワンナプーム国際空港
プーケット プーケット国際空港
 ベトナム ハノイ ノイバイ国際空港
ホーチミンシティ タンソンニャット国際空港
ダナン ダナン国際空港 エアソウルに移管予定[18]
ヨーロッパ
 オーストリア ウィーン ウィーン国際空港 貨物便
ベルギーの旗 ベルギー ブリュッセル ブリュッセル空港 貨物便
スペインの旗 スペイン バルセロナ バルセロナ=エル・プラット空港 [20]
フランスの旗 フランス パリ パリ=シャルル・ド・ゴール空港
イタリアの旗 イタリア ローマ フィウミチーノ空港
ヴェネツィア ヴェネツィア・テッセラ空港 [21]
ミラノ ミラノ・マルペンサ空港 貨物便
ドイツの旗 ドイツ フランクフルト フランクフルト空港
ポルトガルの旗 ポルトガル リスボン ポルテラ空港 [22]
ロシアの旗 ロシア モスクワ ドモジェドヴォ空港 貨物便
イギリスの旗 イギリス ロンドン ロンドン・ヒースロー空港
ロンドン・スタンステッド空港 貨物便
トルコの旗 トルコ イスタンブール イスタンブール空港
北アメリカ
カナダの旗 カナダ ハリファックス ハリファックス・ロバート・L・スタンフィールド国際空港 貨物便
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 アンカレッジ テッド・スティーブンス・アンカレッジ国際空港 貨物便
アトランタ ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港 貨物便
ロサンゼルス ロサンゼルス国際空港
ニューヨーク ジョン・F・ケネディ国際空港
サンフランシスコ サンフランシスコ国際空港
シアトル シアトル・タコマ国際空港
ホノルル ホノルル国際空港
ポートランド ポートランド国際空港 貨物便
オセアニア
オーストラリアの旗 オーストラリア シドニー シドニー国際空港
北マリアナ諸島の旗 北マリアナ諸島 サイパン サイパン国際空港
パラオの旗 パラオ コロール ロマン・トメトゥチェル国際空港
休・廃止路線
カナダの旗 カナダ カルガリー カルガリー国際空港 貨物便
 スウェーデン ヨーテボリ ヨーテボリ・ランドヴェッテル空港 貨物便
日本の旗 日本 福島 福島空港 運休中
水戸 茨城空港 運休中
富山 富山空港 エアソウルへ移管[23]
静岡 静岡空港 エアソウルへ移管[23]
米子 米子空港 エアソウルへ移管[23]
広島 広島空港 エアソウルへ移管[23]
高松 高松空港 エアソウルへ移管[23]
松山 松山空港 運休中[24]
熊本 熊本空港 エアソウルへ移管[18]
中華人民共和国の旗 中国 海口 海口美蘭国際空港 運休中
南昌 南昌昌北国際空港 運休中
インドネシアの旗 インドネシア デンパサール ングラ・ライ国際空港 運休中
カンボジアの旗 カンボジア シェムリアップ シェムリアップ国際空港 エアソウルへ移管[18][25]
マレーシアの旗 マレーシア コタキナバル コタキナバル国際空港 エアソウルへ移管[18][25]
ミャンマーの旗 ミャンマー ヤンゴン ヤンゴン国際空港 運休中
インドの旗 インド デリー インディラ・ガンディー国際空港 運休中
ロシアの旗 ロシア ウラジオストク ウラジオストク空港 運休中
ハバロフスク ハバロフスク空港 運休中
ユジノサハリンスク ユジノサハリンスク空港 運休中
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 シカゴ シカゴ・オヘア国際空港 運休中
グアムの旗 グアム グアム グアム国際空港 運休中

日本の地方空港へ乗り入れる外国の航空会社として、乗り入れ地点数が最大である。このため、日本の地方から外国へ向かう旅行者がソウル・仁川国際空港を経由し外国へ向かうことが非常に多い。大韓航空と比較して、長距離国際線は少なくアジア内重視の傾向である。

提携航空会社[編集]

2015年8月現在、アシアナ航空は以下の航空会社と提携してコードシェア便を就航させている[26]スターアライアンス加盟以外の航空会社とも多く共同運航している。

子会社[編集]

スターアライアンス加盟航空会社[編集]

スターアライアンス加盟航空会社以外[編集]

◎はワンワールド加盟航空会社、△はスカイチーム加盟航空会社。

サービス[編集]

機内マジックショーやメークアップイベント等の差別化されたサービスを行うとともに、新しい概念のビジネスクラス「オズ・クアドラ・スマーティウム[27]」等の最先端の機内設備を通して、サービス面において他社との差別化を図っている。

機内サービス[編集]

長距離路線で使用しているエアバスA380と一部のB777には、ファーストクラス(一部のみ「ファーストスイートクラス」を設置)・ビジネスクラス「ビジネススマーティウム」・エコノミークラス「トラベルクラス」の3クラス制で、中・近距離国際線と韓国国内線ではビジネスクラスとエコノミークラスの2クラス制で構成される。ファーストスイートクラスの搭載機材には、航空業界でも例を見ない大きさの32インチ高画質個人用モニターが搭載されている。 なお、ファーストクラスはコスト削減のため2019年9月以降廃止される予定で、座席はそのままにビジネスクラスの一部として運航される。

機内食ビビンバカルビ・栄養サムパブなどの韓国伝統料理のほか、日本発着路線には京懐石料理、また誕生日や結婚などのお祝いケーキなどといった特別機内食が提供される。なお、特別機内食利用の際は機内食がある区間で、お祝いケーキはソウル仁川ソウル金浦プサン(釜山)発便のみ提供ができるものの、出発の24時間前までに予約営業センターへ注文する必要がある[28]

アシアナクラブ[編集]

  • アシアナクラブとはアシアナ航空のマイレージプログラムである。スターアライアンスメンバーのフライトで貯めることもでき、ホテルや親会社である錦湖アシアナグループが運営するレンタカー会社でもためることができる。また子供用にマジックマイルズというサービスもある。
  • また、日本ではUCカード提携した「アシアナUCカード」もしくはJCBと提携した「アシアナクラブJCBカード」を使う事でマイレージを加算する事が出来る。
  • 大韓航空と同様に加算したマイルに有効期限がないのが特徴であった。2008年10月から、マイルの有効期限を設定することとなった[29][30]

受賞歴[編集]

  • 2007年以来、英国の航空サービスリサーチ会社「スカイトラックス」より「5つ星航空会社」の認定。
  • 2009年 - 米エア・トランス・ワールド(ATW)誌の「エアライン・オブ・ザ・イヤー2009」[31][32]
  • 2010年5月 - スカイトラックスの業界評価の最高峰「エアライン・オブ・ザ・イヤー 2010」[33]
  • 2011年 - 「スカイトラックス」による「世界最高乗務員(World's Best Cabin Staff)賞」等7部門。
  • 2011年12月 - 米グローバルトラベラー(Global Traveler)誌「エアライン・オブ・ザ・イヤー」。
  • 2012年 - 米エア・トランス・ワールド(ATW)誌による「広告大賞(Ad of the year)賞」。
  • 2012年12月 - Premier Traveler誌「エアライン・オブ・ザ・イヤー」。

事故・トラブル[編集]

事故[編集]

詳細はCategory:アシアナ航空の航空事故を参照

  • 1993年7月26日 - アシアナ航空733便墜落事故 - ボーイング737-500木浦空港へ進入中に墜落、66人が死亡した。
  • 2009年10月28日 - 関西国際空港で着陸の際に機体後部を滑走路に接触させる事故を起こした[34][35]
  • 2011年7月28日 - アシアナ航空991便墜落事故 - 貨物便のボーイング747-400Fが済州島沖で墜落し、2人が死亡。
  • 2012年8月21日 - アシアナ航空231便機体動揺事故 - 同日午後3時20分頃、ハワイ・ホノルル発ソウル行き231便のエアバスA330-300が、島根県上空40,000フィート付近で乱気流に巻き込まれ乗客2人が骨折などのけがをした[36]。事後調査で同機操縦室の気象レーダーの電源が切られていた上、運航乗務員はそれに気付いていなかったことが明らかになった。さらに、乱気流遭遇後の管制機関への通報もICAOによって定められた国際ルールに基いておらず、用語の使用が適当ではなかったため管制官が認識できなかったと指摘されている[37]
  • 2013年7月6日 - アシアナ航空214便着陸失敗事故 - ボーイング777-200ERがサンフランシスコ国際空港で着陸に失敗。3人が死亡、約180人が負傷した。2014年2月25日にアメリカの運輸省は同社に対し50万ドルの罰金を課した。同年6月にはNTSBが操縦士の過失や判断の遅れが事故の主因だとする見方を示し、2014年11月14日韓国の国土交通部は同社に対し仁川=サンフランシスコ線の運航を45日間運航停止処分を科する決定を下した。同決定に対し同社は反発し、異議申し立てをした[38][35]
  • 2014年4月19日 - アシアナ航空603便エンジントラブル - 仁川からサイパンへ向かっていたアシアナ航空603便(ボーイング767-300)が飛行中、福岡上空付近でエンジンの警告ランプが点灯し異常を通知されていたにもかかわらず、飛行を継続し目的地まで飛行していた。後日、韓国国土交通部は運航乗務員に30日の資格停止、アシアナ航空には同路線の7日間の運航停止、または課徴金1,000万ウォンなどの処分を行政処分審議委員会で審議し、確定した[39][40]。その後、ソウル/仁川 - サイパン線を7日間の運航停止と課徴金2,000万ウォンを課すことが明らかにされた。運航停止処分については既に航空券を購入している利用者が存在するため、検討がなされていた[41]が、韓国国土交通部が同年7月11日に同社のサイパン便を同年10月14日から1週間運航停止とする処分を下した[42][43]
  • 2015年4月14日 - アシアナ航空162便着陸失敗事故 - エアバスA320が広島空港にて着陸時に滑走路を逸脱し、27人が負傷した[44]。また、事故機によって滑走路の計器着陸装置が破損した。
  • 2016年6月24日 - アシアナ航空222便エンジン出火 - 現地時間24日午前11時30分ごろ、ニューヨーク仁川から222便で到着したA380-841(登録番号:HL7634)型機が、折返し仁川向け221便(出発定刻午後1時25分)として出発準備中にエンジンから出火した。消火活動により軽微な損傷で済んだが、調査・修理のため24日の221便は午後1時に「航空機の欠陥のため午後4時30分に出発が遅れる」と案内され、午後4時には「本日の出発をキャンセルし、明日午後4時30分に出発する」と再度案内された。乗客からの不安の訴えに対し、アシアナ航空は「韓国から到着した代替機材に乗っていく」と案内していた。翌25日、出発は更に遅れ案内は午後6時30分となったが、前日の案内に反して同じ機体であることに気付いた一部の乗客が騒ぎ始めたため、空港警察が出動した。アシアナ航空は釈明の上、該当機で運航することで乗客を説得し、25日午後7時20分に2217便へ便名変更した上で約1日半遅延で出発。翌26日午後10時05分に仁川へ到着した[45]ただ、乗客が400名程度いて同社の保有機材で輸送可能機材はA380しか無く、同機は4機しか保有していなかったので他機材への変更は実施できても遅延が更に長くなった可能性も高い。[要出典]
  • 2019年4月9日 - 金浦発のアシアナ航空8703便(エアバスA320-232 登録番号:HL7772)が光州空港に着陸した際に前輪が90度回転するインシデントが発生。死傷者は出なかったものの、タイヤとフランジに重大なダメージが発生した[46]
  • 2023年5月26日 - 済州発大邱行きの8124便(エアバスA321-200 登録番号:HL8256)[47]が最終アプローチを行っている最中に乗客の33歳男性[48]が飛び降りようと非常ドアを開け、乗客や乗員に取り押さえられた。機体はドアが開いたままの状態でそのまま着陸。乗客10人ほどが呼吸困難で救急搬送された[49]他、ドアを開けた男性は駆けつけた大邱警察に航空保安法違反容疑で逮捕された[50][48][51][52]

2013年7月に発生したアシアナ航空214便着陸失敗事故をうけて、アシアナ航空は安全管理体制を強化するため、安全保安室長を担当する副社長として2013年12月1日付に全日本空輸(ANA)出身の山村明好を招聘したが、以降も事故が発生している。

事故以外のトラブル[編集]

2018年7月以降、同社の日本中国方面など国際線の一部の便で、機内食が提供できないトラブルが相次いだ。従来は同じアライアンスのドイツルフトハンザ航空系列ケータリング会社「LSGスカイシェフ・コリア」から1日30,000食の供給を受けていたが、7月からスイス・チューリッヒに本社を置く機内食大手のゲートグループホールディングス(中国・海南航空系列)と合弁の「ゲートグルメ・コリア」から調達する予定であった。ところが、同年3月に建設中の同社工場が火災に遭い、供給開始が7月に間に合わないことが判明し、LSG側に供給延長を申し入れたが折り合えなかった。このため、2016年に韓国で設立されたオーストリア航空系列のケータリング会社「DO & CO」と韓国の航空サービス大手「シャープアビエーションK」の合弁新興会社「シャープDO & CO」と契約したが、同社は日3,000食の供給実績しかなく[53]、全くの供給能力不足であった。7月1日にはこのトラブルが元で、国際線のうち53便に遅延が生じる事態となった[54]

脚注[編集]

  1. ^ 錦湖アシアナグループ、アシアナ航空を売却へ 業績不振で”. 共同通信社 (2019年4月15日). 2019年4月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月26日閲覧。
  2. ^ <空港ラウンジ>アシアナ便名OZは魔法使い‘オズ’に由来? - 中央日報日本語版(2008年7月3日付、2014年1月8日閲覧)
  3. ^ 「旅客機と空港のすべて 完全保存版 」p80
  4. ^ 韓国アシアナ航空、本社ビルを売却 410億円日本経済新聞 2018年5月9日 2019年4月26日閲覧)
  5. ^ 韓国財閥傘下のアシアナ航空 売却へ 資金繰り悪化でNHK 2019年4月15日 2019年4月26日閲覧)
  6. ^ 韓経:HDC、27日にアシアナ航空買収契約中央日報韓国経済新聞 2019年12月16日 2019年12月18日閲覧)
  7. ^ アシアナ航空、新型肺炎でコスト削減策 「危機克服」日本経済新聞 2020年2月19日 2020年2月29日閲覧)
  8. ^ アシアナ買収無期限延期…現代産業開発、日程変更”. 中央日報. 2020年5月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月11日閲覧。
  9. ^ アシアナ航空、売却交渉破談へ コロナで暗礁日本経済新聞 2020年9月4日 2020年9月4日閲覧)
  10. ^ 日本発着路線をもつアルテア利用航空会社 (2015年6月現在)”. 2015年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月26日閲覧。
  11. ^ Airlines using Amadeus” (英語). アマデウスITグループ. 2015年9月27日閲覧。
  12. ^ 5-Star Airline Rating SKYTRAX
  13. ^ 韓国のアシアナ航空を売却へ”. 共同通信社 (2019年4月15日). 2019年4月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月26日閲覧。
  14. ^ アシアナ航空-航空機に関するご案内
  15. ^ Asiana Airlines Fleet Details and History
  16. ^ “Asiana And Korean Air To Retire Their Airbus A380s Within Five Years” (英語). Simple Flying. (2021年10月11日). https://simpleflying.com/asiana-korean-air-a380-retirement/ 
  17. ^ “현대家 새식구 '아시아나' 약점 지우고 오명 벗는다” (朝鮮語). (2019年11月12日). https://news.mt.co.kr/mtview.php?no=2019111215165866339 
  18. ^ a b c d e f g h i j k アシアナLCCのエアソウル 来月就航=秋には日本線も - 聯合ニュース 2016/06/29
  19. ^ アシアナ航空、ソウル/仁川〜ウランバートル線を開設 7月9日から週3便 Traicy 2019年6月17日
  20. ^ アシアナ航空、バルセロナ就航 8月30日から週4便 Traicy 2018年2月11日
  21. ^ アシアナ航空、ソウル/仁川~ヴェネツィア線に来年5月1日就航 日本から往復5万円 Traicy 2017年12月24日
  22. ^ アシアナ航空、ソウル/仁川〜リスボン線を10月28日開設 日本からの同日乗り継ぎ可 Traicy 2019年9月17日
  23. ^ a b c d e アシアナ航空、10月7日からエアソウルに日本路線を移管 長崎・山口宇部線に新規就航 Traicy 2016年7月15日
  24. ^ アシアナ航空、1995年に開設した松山空港初の国際線 松山/仁川線を運休 FlyTeam 2016年7月19日
  25. ^ a b アシアナ航空、10月に仁川発着シェムリアップ、コタキナバル線を順次運休 FlyTeam 2016年8月24日付
  26. ^ 共同運航(コードシェア)”. アシアナ航空. 2015年8月30日閲覧。
  27. ^ 【サービス】ワンランク上の贅沢な空の旅を - スターアライアンスへのアシアナ航空による投稿
  28. ^ 特別機内食 機内食-お飲み物 機内で サービスに関するご案内 アシアナ航空のホーム(HOME)
  29. ^ 新しいアシアナクラブ会員制度のご案内 - アシアナ航空
  30. ^ アシアナ航空もマイレージに有効期限、10月から - 聯合ニュース 2008/06/24
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  32. ^ アシアナ航空が「エアライン・オブ・ザ・イヤー」に=ATW Archived 2009年2月1日, at the Wayback Machine.
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関連項目[編集]

外部リンク[編集]