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PSY

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
PSY
PSY(2013年
基本情報
出生名 パク・チェサン
生誕 (1977-12-31) 1977年12月31日(46歳)
出身地 大韓民国の旗 大韓民国 ソウル特別市江南区
ジャンル
職業
担当楽器 ボーカル
活動期間 1998年 – 現在
レーベル
事務所
PSY
各種表記
ハングル 싸이
発音: サイ
日本語読み: ぼく さいそう
ローマ字 PSY
各種表記(本名)
ハングル 박재상
漢字 朴載相
発音: パク・チェサン
ローマ字 Park Jae-sang
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PSY、バックは『江南スタイル』のロゴ
PSY、2012年
コンサートにて、2013年

PSY(サイ、1977年12月31日 - )は、大韓民国ラッパーソングライター音楽プロデューサーである。本名はパク・チェサンハングル박 재상; ハンチャ朴 載相)。

来歴

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韓国ソウル特別市江南区の出身。祖父のパク・キオクは、半導体検査機器製造会社の「DI(ディアイ)」を創業し、父のパク・ウォンホは、DI社の大株主・代表理事である[2]

1996年にアメリカボストン大学に入学し、経営学を専攻[3]。その後バークリー音楽大学に編入して音楽を学んだと言われているが、卒業したという記録はない[4]。2001年1月、デビューアルバムを発表。同年11月15日大麻問題で警察に検挙され活動を自粛する。偶然、2002年ワールドカップの街頭応援の途中、生放送のインタビューに出たのをきっかけにメディアに再び出演し、9月に発売した『チャンピオン』が大ヒットして再起に成功した。2003年から2005年までの徴兵期間は、軍隊ではなく、兵務庁が指定した企業で勤務する「兵役特例措置」を受けていた。2007年3月、韓国観光広報大使として確実な復帰を果たしたが、2007年5月に、兵役に代わる産業機能要員としての勤務が問題となり、同年12月、兵務庁から入隊通知を受けて、現役として再入隊した[5]。私生活では2006年に結婚、2007年に双子の娘が誕生。

PSYは、デビュー当時から原則として自身で作詞・作曲を手がけてきたが、2006年ごろからは、作曲家のユ・ゴニョン(1996~99年に活動していたヒップホップデュオUntitle』の元メンバー)と一緒に楽曲を共作することが多くなり、『芸能人』(2006年)、『Right Now』(2010年)などの楽曲が生み出された[6][7]

同じくユ・ゴニョンとの共作で作られた、2012年7月にリリースしたアルバム『PSY6甲』のタイトル曲『江南スタイル』は、欧米諸国を中心に世界的大ヒットを記録し、PSYは一躍、韓国を代表するスターとなった。同曲のPVは、YouTube最も閲覧された動画のひとつであり、2021年3月の時点で、再生回数は40億回を突破した[8]アメリカビルボードチャートHot 100では最高2位を獲得し、イギリスオーストラリアオーストリアオランダカナダベルギードイツデンマークフィンランドホンジュラスポルトガルニュージーランドノルウェールクセンブルクの計14ヶ国では、公式チャートで最高1位を獲得した。2012年には大韓民国大衆文化芸術賞で最高褒賞である文化勲章を受章。本人はこれについて「あれはもう事故のようなものなので、そうそう起こることではありません。あんな事故がしょっちゅう起こっていたら人類は滅びてしまいます[9]」と語っている。しかし日本では、『江南スタイル』の世界的ヒットが各マスコミでも取り上げられるものの、セールス的には振わなかった。[10]

2013年4月に江南スタイル以来約9カ月ぶりとなる楽曲「ジェントルマン」のミュージックビデオ(MV)をYouTube上に公開し、公式動画の再生回数の増加ペースは1時間で100万アクセス以上となり[11][12]、わずか1日で2000万アクセス以上[13]に達した。その後、24時間で3840万件という最多再生回数を記録したことによりギネスに登録された[14]

2013年5月26日にイタリアローマスタディオ・オリンピコ・ディ・ローマで行われたコッパ・イタリア決勝戦のASローマSSラツィオの試合前には江南スタイルGENTLEMANを歌唱した。しかし、観客席からは爆竹やチーム応援歌などを使った妨害が起き、焦ったPSYはボリュームを上げて歌った。そしてPSYの顔がビジョンに映し出された時、観客席から盛大なブーイングが起こった。結局PSYはブーイングが鳴り止まぬ中ステージを降りた。[15][16]これは、2002 FIFAワールドカップにおけるイタリア対韓国戦で大韓サッカー協会バイロン・モレノ主審を買収したとされる八百長疑惑がきっかけで、イタリアのサッカー業界やファンの間での韓国に対するイメージ悪化が原因とされている。

2016年には、『ダイスの神』とコラボし、彼をモデルにした「ダディPSY」が登場した。

2018年5月、所属していた事務所YGエンターテインメントと8年におよぶ専属契約を終了[17]。2019年1月、新たに個人で総合エンターテインメント会社「P NATION」を設立した[18]

YouTubeのPSYに関連した動画(ミュージックビデオ・ユーザー生成コンテンツ・歌詞動画)は、2021年4月21日~2022年4月22日の1年間に8億3100万回再生された。この期間、PSYの曲の国別再生回数は、ベトナム(7480万)、韓国(5860万)、アメリカ(5760万)、インド(4400万)、メキシコ(4290万)の順に多かった。最も多く再生された曲は、やはり代表曲の「江南スタイル」で、同上期間では4億7700万回再生された。「江南スタイル」の、YouTube公式MVにおける累計再生回数は、発表から10年が経過した2022年4月25日時点で約44億回である[19]

ディスコグラフィ

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アルバム

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No. タイトル 収録曲
1st PSY FROM THE PSYCHO WORLD!
(2001年2月12日)
  1. Intro
  2. Lady
  3. Bird
  4. The End
  5. Leave it to me
  6. Life
  7. Living and Enjoying Together
  8. Freedom
  9. The Little Match Girl
  10. No.1
  11. I Love Sex
  12. Shocking! Modest Lady
  13. The Mother of Success
  14. Let's Play
  15. 2nd Generation Wife
  16. Adultery
  17. Bitch
  18. Upskail Phenomenon
  19. Morden Times
  20. Outro
2nd 成人用
(2002年1月1日)
  1. Intro
  2. Report This Expression
  3. Dilemma
  4. Hooray
  5. Yes, I am
  6. If They Become
  7. Deep Waters
  8. In a Sauna Bath
  9. 1 Back
  10. The New 2
  11. Bad Year
  12. Controversy Over Her
  13. Basica 2.0
  14. Living
3rd 3マイ
(2002年9月19日)
  1. Intro
  2. やがて
  3. チャンピオン
  4. パンパラ
  5. 話しましょう
  6. 楽園
  7. クイーン
  8. 混乱 Blues
  9. ふざけた
  10. Night
  11. Bitch
  12. 捧げる
  13. ロイヤルファミリー
  14. いいえ
  15. Back to the PSYcho World!
4th デジタルディスク
(2006年7月28日)
  1. Alarm
  2. インスタント(Feat.キム・テウ)
  3. 芸能人
  4. 大人(Feat.チョ・ドッペ)
  5. ワンマンショー
  6. 友だちよ
  7. 美しい別れ2(Feat.イ・ジェフン)
  8. Jump(Feat.イ・ハヌル)
  9. 愛酒家(Feat.リサン)
  10. We Are The One
  11. 死んだ詩人の社会(Feat.ダイナミックデュオ)
  12. ノック(Feat.Ivy)
  13. 雨が降るから
  14. サイコパーティー   
5th PSYFIVE
(2010年10月27日)
  1. サグン
  2. RIGHT NOW
  3. 今日は一晩中
  4. 僕の目には(Feat.イ・ジェフン)
  5. THANK YOU(Feat.ソ・イニョン)
  6. 芸術だ
  7. ワクワクする
  8. ソウルの夜の街(Feat.YDG)
  9. それでよかった(Feat.ジョンヨプ)
  10. 狂ったように
  11. 率直に言って
  12. 僕のWANNA BE
6th PSY6甲
(2012年7月21日)
  1. アマガエル(Feat.G-DRAGON)
  2. 熱いさよなら(Feat.ソン・シギョン)
  3. 江南スタイル
  4. 77ハクゲロン(Feat.Leessang、キム・ジンピョ)
  5. どうだろう(Feat.リナ・パーク)
  6. NEVER SAY GOODBYE(Feat.ユン・ドヒョン)
7th 七集サイダー
(2015年12月19日)
  1. ダンスジョッキー
  2. I Remember You(Feat.Zion.T)
  3. ベルボトム
  4. DADDY(Feat.CL of 2NE1)
  5. Dream(Feat.XIA of JYJ)
  6. ROCKnROLLbaby(Feat.will.i.am)
  7. いい日が来る(Feat.Jeoningwon)
  8. Mr.SWAG(Feat.Baboons of Dynamic Duo)
  9. SING (PSYmix) (with Ed Sheeran)
8th PSY 8th 4X2=8
(2017年5月20日)
  1. I LUV IT
  2. New Face
  3. 最後の場面 (ft. イ・ソンギョン)
  4. LOVE (ft. TAEYANG)
  5. BOMB (ft. B.I, BOBBY)
  6. We Are Young
  7. ファクト暴行 (ft. G-DRAGON)
  8. Rock will never die
  9. 頼るところ
  10. オートリバース (ft. TABLO)
9th PSY 9th
(2022年5月9日)
  1. 9INTRO
  2. That That (prod.&feat. SUGA of BTS)
  3. Celeb
  4. You Move Me (feat. Sung Si Kyung)
  5. Sleepless (feat. HEIZE)
  6. GANJI (feat. Jessi)
  7. Now (feat. Hwa Sa (MAMAMOO))
  8. Happier (feat. Crush)
  9. Hello Monday
  10. Everyday
  11. forEVER (feat. TABLO)
  12. Dear Me

シングル

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楽曲提供

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ミュージックビデオ

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  • お兄さんはぴったり私のスタイル PSY Feat.HyunA
  • Ice Cream - キム・ヒョナ

映画

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  • 『高校教師、恋の教育実習』(原題:몽정기 夢精期 2002年)
  • 『高校教師、恋の教育実習2』(原題:몽정기2 夢精期2 2005年)

日本公演

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関連項目

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脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ a b c Cherrie, Chrysta. PSY | Biography & History - オールミュージック. 2020年12月16日閲覧。
  2. ^ PSY、父の会社の株価が再び上昇…時価総額4000億ウォン突破 2012年10月16日
  3. ^ “Psy vows topless show if ‘Gangnam Style’ hits No. 1”. NY Daily News.com. (September 25, 2012). http://articles.nydailynews.com/2012-09-25/news/34086640_1_psy-fame-dance November 7, 2012閲覧。 
  4. ^ PSY”. KBS World. 2012年8月7日閲覧。
  5. ^ KBS WORLD
  6. ^ 「江南スタイル」作曲家ユ・ゴニョンのグループ「Untitle」を知っていますか?Kstyle、2012年10月2日
  7. ^ 「江南スタイル」誕生させたユ・ゴニョン“実はとても不安だった曲”Kstyle、2012年11月29日
  8. ^ PSY「江南スタイル」MV、再生回数19億回突破!今年上半期に20億回達成かKstyle、2014年2月10日
  9. ^ P『江南スタイル』の大ヒットが私に何をもたらしたか PSYが語るスターとの共演と一発屋問題logmi、2015年11月18日
  10. ^ 日本の「江南スタイル」への無関心、韓国では「怒り」の声AFP、2012年10月23日
  11. ^ 【魚拓】”. (日本語).ウェブ魚拓.
  12. ^ 【魚拓】”. (日本語).ウェブ魚拓.
  13. ^ 【魚拓】”. (日本語).ウェブ魚拓.
  14. ^ ジェントルマン、24時間の最多再生回数でギネス登録韓流wowkorea 2013年4月30日
  15. ^ [1]>芸能 韓国の英雄・PSYがイタリアで大ブーイング!
  16. ^ [2] PSY、イタリアで大ブーイング......"人種差別"にファン怒り
  17. ^ “【公式】PSY、YGエンタと8年間の専属契約に終止符 「美しい別れ」”. wowKorea. (2018年5月15日). https://www.wowkorea.jp/news/read/212702.html 2021年4月29日閲覧。 
  18. ^ “歌手PSY、総合エンターテインメント会社「P NATION」を設立”. wowKorea. (2019年1月14日). https://www.wowkorea.jp/news/read/228245.html 2021年4月29日閲覧。 
  19. ^ なぜまだ見ているの? 10年前の『江南スタイル』依然として毎年再生回数4億回(1)「中央日報日本語版」2022年4月26日
  20. ^ “多少ぽっちゃりした初めまして”のPSYに3万5000人が熱狂。<YG Family Concert in Japan>最終日
  21. ^ アシアナ航空、歌手PSY氏と広報大使委嘱協約締結
  22. ^ 世界に韓国の魅力を伝える「PSYのWiki Korea」

外部リンク

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