済南市

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中華人民共和国 山東省 済南市
上から時計回り:千仏山から望む市街地、泉城広場、大明湖、芙蓉街、五龍潭
上から時計回り:千仏山から望む市街地、泉城広場大明湖芙蓉街五龍潭
略称:
別称:泉城


山東省中の済南市の位置
山東省中の済南市の位置
中心座標 北緯36度40分0秒 東経117度0分0秒 / 北緯36.66667度 東経117.00000度 / 36.66667; 117.00000
簡体字 济南
繁体字 濟南
拼音 Jǐnán
カタカナ転写 ジーナン
国家 中華人民共和国の旗 中華人民共和国
山東
行政級別 副省級市
成立
市委書記
市長
面積
総面積 8,177 km²
人口
総人口(2010) 681.4 万人
市区人口(2010) 433.59 万人
経済
GDP(2008) 3017億元
一人あたりGDP 49,954.75元
電話番号 0531
郵便番号 250001
ナンバープレート 魯A
行政区画代碼 370100
公式ウェブサイト http://www.jn.gov.cn/

済南市(さいなんし/チーナンし、中国語:济南市英語:Jinan)は中華人民共和国山東省に位置する副省級市。山東省の西部に位置し、省都として省内の通商、政治、文化の中心としての地位を占める。市中を黄河が流れ、南には泰山が控えている。人口のほとんどは漢族であるが、満族回族なども居住している。

言語は北京語に近いが声調がひどく訛る山東方言がある。済南は北京料理のもととなった、やわらかくて塩辛い「魯菜」(山東料理)でも知られている。城内に「天下第一泉」と呼ばれる趵突泉をはじめとする「七十二名泉」と呼ばれる水量の多く美しい泉水があるため、都市の別名を「泉城」という。豊かな自然と歴史資源を持つため、国家歴史文化名城に指定されている。

沿革[編集]

北門と大明湖

もともと河南省済源市を源流とする済水という川がこの地を流れていたため、その南に前漢時代に済南郡が置かれたのが名の始まりである。後に黄河の流れが変わったとき、済水の河川敷はそのまま現在の黄河下流となってしまった。

史記によれば、三皇五帝のひとり、は歴山(現在の千仏山)で耕作と狩猟をしたという。このため市内には舜にちなんだ泉や地名が多い。

実際にもここが黄河文明の中心の一つだったと見られる。1930年、市南部の章丘区龍山鎮から黒陶が発掘され、青銅器文化にいたる直前の龍山文化はこの地から名づけられた。現在の市街の下にある古代の都市跡は、その居住はのはじめ頃に遡ると考えられている。代から次第に繁栄し、西晋時代には仏教が広まるとともに多くの仏教寺院がこの地に集中し、仏教の中心の一つとなった。

北宋時代には章丘に女流詩人李清照と夫の金石家・趙明誠が住み『金石録』を編むなど、済南は詩や書画などの文化の都として知られた。清代にも蒲松齢王士禎などの文人がここで活躍するなど、文人の都としての伝統は長く受け継がれた。また中国のみならず世界最古の広告チラシ印刷用の原版(銅でできた板に『濟南劉家功夫針鋪』とあり、現在上海博物館所蔵)が出土するなど、商業都市としても知られ、王朝の中でも収める租税の額が最高に近かった。代からは山東省の省都となっている。

商業都市としての重要性は代、中華民国時代にも続き、近代以降は日本人を含む多くの外国人が商取引のため居住した. 日本総領事館、日本郵便局、国民学校、華北交通支店、日本陸軍師団本部が置かれ、多くの日本人が住む商都となった。民国の内戦中に日本人居留民が巻き込まれる済南事件が起こっている。日中戦争で破壊をまぬがれ戦前の建物が市内中心部に多く残されており、改革開放後は商工業都市として順調に成長している。

七十二名泉の一つ、漱玉泉。李清照紀念館に隣接する

地理[編集]

済南市は北緯36度40分,東経117度00分に位置している。北側は黄河に沿った沖積平野であり、南側は泰山へと続く丘陵地帯になっており、土地は北が低く南が高い地勢となっている。主要な河川は黄河、小清河、徒駭河の三つ。大明湖、白雲湖、芽荘湖等の湖沼が散在する。長城嶺、跑馬嶺、梯子山、黒牛寨などの山が市域内にある。陸地面積は8,154平方km、うち山地や丘陵が3,000平方km余り、平原が5,000平方kmほどである。 黄河の南に城壁に囲まれた済南の旧市街があり、その北半分が大明湖という面積46万平方mほどの大きな湖になっている。

気候[編集]

済南は温帯の半湿潤大陸性気候に属し、四季がはっきりしている。春は乾燥し雨が少なく、夏は暑く雨が多く、秋はさわやかで、冬は乾燥して寒く平均最高気温は3.9℃ほどしかない。1月の平均気温は-0.5度、7月の平均気温は27.4度、年平均気温は14.7℃、年平均降水量は672.7mmである。


済南 (1971-2000)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温 °C (°F) 3.9
(39)
6.9
(44.4)
13.3
(55.9)
21.6
(70.9)
27.1
(80.8)
31.6
(88.9)
31.9
(89.4)
30.6
(87.1)
26.9
(80.4)
21.2
(70.2)
13.0
(55.4)
6.0
(42.8)
19.5
(67.1)
平均最低気温 °C (°F) −3.9
(25)
−1.6
(29.1)
3.9
(39)
11.3
(52.3)
16.8
(62.2)
21.6
(70.9)
23.6
(74.5)
22.5
(72.5)
17.7
(63.9)
11.8
(53.2)
4.5
(40.1)
−1.7
(28.9)
10.6
(51.1)
降水量 mm (inch) 5.7
(0.224)
8.5
(0.335)
15.3
(0.602)
27.4
(1.079)
46.6
(1.835)
78.3
(3.083)
201.3
(7.925)
170.3
(6.705)
58.5
(2.303)
36.5
(1.437)
16.2
(0.638)
8.2
(0.323)
672.7
(26.484)
湿度 53 50 47 46 50 55 72 75 64 58 56 55 57
平均月間日照時間 170.9 172.4 212.8 242.9 275.2 258.2 214.5 219.0 221.1 215.1 177.1 167.6 2,546.8
出典: China Meteorological Administration, National Meteorological Information Center 2009-03-17

行政区画[編集]

7市轄区・3県を統轄する。

歴城区大部・長清区・章丘区は済南の中心市街地から離れており、実質的に済南市の中心市街地を構成するのは市中・歴下・天橋・槐蔭区と歴城区の一部である。

済南市の地図

年表[編集]

大聖堂
旧城内の歴史的地区、芙蓉街
紅葉谷国家森林公園
  • 1949年10月1日 - 中華人民共和国山東省済南市が発足。一区から十一区までの区が成立。(11区)
  • 1950年12月 - 七区から十一区までの区が郊一区から郊五区にそれぞれ改称。(11区)
  • 1951年1月 - 郊一区・郊三区・郊四区の各一部が六区に編入。(11区)
  • 1951年4月11日 - 郊一区の一部が分立し、郊六区が発足。(12区)
  • 1954年12月31日 (10区)
    • 二区が一区に編入。
    • 郊六区が三区・四区・五区・六区・郊一区・郊三区に編入。
    • 三区から六区までの区が二区から五区にそれぞれ改称。
    • 泰安専区歴城県の一部が郊三区に編入。
  • 1955年9月 - 郊五区の一部が三区に編入。(10区)
  • 1955年12月27日 - 一区が歴下区に、二区が濼源区に、三区が市中区に、四区が天橋区に、五区が槐蔭区に、郊一区が黄台区に、郊二区が北園区に、郊三区が段店区に、郊四区が薬山区に、郊五区が玉符区にそれぞれ改称。(10区)
  • 1956年5月18日 - 泰安専区歴城県の一部が段店区・黄台区・玉符区に分割編入。(10区)
  • 1956年7月16日 (5区)
    • 濼源区が天橋区・歴下区・市中区に分割編入。
    • 市中区の一部が槐蔭区に編入。
    • 黄台区・北園区・段店区・薬山区・玉符区が合併し、郊区が発足。
  • 1958年4月18日 - 郊区が泰安専区歴城県に編入。(4区)
  • 1958年11月 - 泰安専区泰山市章丘県長清県泰安県莱蕪県寧陽県歴城県新泰県を編入。(4区1市7県)
    • 新泰県の一部が済寧専区泗水県に編入。
  • 1958年12月20日 (4区1市6県)
    • 泰安県が泰山市に編入。
    • 泰山市が泰安市に改称。
  • 1959年12月7日 (4区1市6県)
    • 歴城県の一部が分立し、市東区が発足。
    • 市中区が歴下区・槐蔭区に分割編入。
  • 1960年2月17日 (5区1市6県)
    • 槐蔭区の一部が分立し、市中区が発足。
    • 歴城県の一部が歴下区・槐蔭区に分割編入。
  • 1960年3月28日 (5区2市6県)
    • 新泰県の一部が分立し、新汶市が発足。
    • 聊城専区東平県の一部が分立し、平陰県が発足。
    • 長清県が平陰県・歴城県、聊城専区肥城県に分割編入。
  • 1960年4月2日 - 聊城専区肥城県を編入。(5区2市7県)
  • 1960年4月21日 - 平陰県が菏沢専区に編入。(5区2市6県)
  • 1961年3月 - 市東区が歴城県に編入。(4区2市6県)
  • 1961年7月1日 - 泰安市・新汶市・章丘県・莱蕪県・新泰県・寧陽県・肥城県が泰安専区に編入。(4区1県)
  • 1961年7月9日 - 歴城県の一部が分立し、泰安専区長清県となる。(4区1県)
  • 1961年10月 - 歴下区の一部が市中区に編入。(4区1県)
  • 1965年8月 (4区1県)
    • 歴下区・槐蔭区のそれぞれ一部が歴城県に編入。
    • 歴城県の一部が市中区に編入。
  • 1966年9月 (4区1県)
  • 1973年 (4区1県)
  • 1978年5月14日 - 歴城県の一部が分立し、郊区が発足。(5区1県)
  • 1978年9月 - 郊区の一部が市中区に編入。(5区1県)
  • 1978年11月17日 - 泰安地区章丘県長清県を編入。(5区3県)
  • 1980年4月 - 市中区の一部が郊区に編入。(5区3県)
  • 1985年3月27日 - 泰安地区平陰県を編入。(5区4県)
  • 1987年4月11日 (5区3県)
    • 郊区の一部が天橋区・市中区・槐蔭区・歴下区に分割編入。
    • 歴城県および郊区の残部が合併し、歴城区が発足。
  • 1989年12月2日 (5区5県)
  • 1990年1月1日 (5区5県)
    • 商河県の一部が徳州地区楽陵市に編入。
    • 歴城区の一部が徳州地区斉河県に編入。
  • 1992年8月1日 - 章丘県が市制施行し、章丘市となる。(5区1市4県)
  • 1996年1月23日 - 平陰県の一部が泰安市東平県に編入。(5区1市4県)
  • 2000年1月4日 - 歴城区の一部が市中区・天橋区に分割編入。(5区1市4県)
  • 2001年6月26日 - 長清県が区制施行し、長清区となる。(6区1市3県)
  • 2016年9月14日 - 章丘市が区制施行し、章丘区となる。(7区3県)

教育[編集]

省都のため、多くの高等教育機関が済南に集まっている。

経済・交通[編集]

古くから商工業が発達し、1904年には開港地となった。同年、膠済線青島~済南)がドイツ資本によって開通し、さらに津浦線(天津上海、現在の京滬線)が開通すると二つの鉄道がクロスする交通の要所となった。1992年、邯済線(邯鄲~済南)が開通した。現在でも済南駅は全国の旅客列車が通過する駅で、大きな貨物ターミナル施設を備えている。2011年6月30日に開業した北京上海を結ぶ京滬高速鉄道済南西駅を通っている。また、市内の交通網として済南地下鉄が建設中である。

近年は全国的な高速道路ネットワークの中心となり、済南と青島を結ぶ済青高速公路、北京と福州を結ぶ京福高速公路、北京と上海を結ぶ京滬高速公路など、中国の南北軸と東西軸の交点となり、これらを結ぶ市内環状高速道路もできている。 G104国道中国語版G220国道中国語版G308国道中国語版G309国道の4本の国道が交差する。

物流では高速道路や鉄道を使って青島港が使えるほか、内陸コンテナターミナルも済南にできている。済南遥墻国際空港は国内各地を結んでいる。

市内では重工業や軽工業の企業が多数操業し、改革開放によって大きく成長した。済鋼集団(2008年まで社名は「済南鋼鉄集団総公司」)の傘下にある済南鋼鉄股份有限公司(済南鋼鉄)は中国有数の鉄鋼メーカーである。また、現在は保険情報技術通信観光など、高度なサービス業やハイテク産業に力を入れている。また大型商業施設や高級商業施設が多く、市内の繁華街には日系百貨店伊勢丹も進出していた。

古跡・観光地[編集]

趵突泉公園
七十二名泉の一つ、五蓮泉
五龍潭。多くの泉からの水が流れ込む

済南は雄大な黄河と、湖や柳の木々の景観の美しさで知られている。その美しさは杜甫ほか、清代まで1000年以上にわたり数多くの詩人や文人にたたえられてきた。

済南の三大名勝と呼ばれるのは以下の三つである。

  • 趵突泉(しゃくとつせん):良質な水が大量に湧き出している。古代より「濼」などの名で有名で、『春秋』にも「公(桓公)及び斉侯(襄公)は濼に於いて会う」とある。乾隆帝の「天下第一泉」の額が飾られている。
  • 千佛山:仏教の聖地。古くは帝が耕作をしていた場所とされる。代以降、山の各地の岩に仏像が彫られ、千仏山の名で呼ばれるようになった。唐代の大寺・興国寺が中心になっている。
  • 大明湖:旧城内にあり、市内各地の泉からの水が流れ込む湖。多数の柳に囲まれており、楼閣や亭台が散在し古来多くの詩や文の舞台となった。

その他の名所には以下の様なものもある。

スポーツ[編集]

友好都市[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]