財閥 (韓国)
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財閥 | |
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各種表記 | |
ハングル: | 재벌 |
漢字: | 財閥 |
発音: | チェボル |
2000年式: M-R式: 英語: |
Jaebeol Chaebŏl Chaebol |
財閥(チェボル、朝: 재벌、英: Chaebol)は、大韓民国の経済で大きな役割を果たしている大規模産業コングロマリット。
創業者一族の家族経営が特徴である。1997年からのアジア通貨危機とIMFによる韓国救済の中で、当時第2位の財閥だった大宇財閥が解体された。しかし、現在も財閥は韓国経済の中で非常に大きな位置を占めている。
主な財閥[編集]
10大財閥[編集]
一般的に言われる10大財閥は以下の企業グループである[1]。
グループ名 | 創業者 | 中心人物 | 創業年 | 総資産[注 1] | 主な企業 | 備考 | |
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サムスン | 삼성 | 李秉喆 | 李健煕 | 1938年 | 363兆2000億ウォン | サムスン電子、サムスン物産、サムスン生命保険、サムスン火災海上保険 | |
SK | SK | 崔鍾建 | 崔泰源 | 1953年 | 170兆7000億ウォン | SKイノベーション、SKテレコム、SKハイニックス | |
現代自動車 | 현대자동차 | 鄭周永 | 鄭夢九 | 1967年 | 218兆6000億ウォン | 現代自動車、起亜自動車、現代モービス、現代製鉄、現代建設 | |
LG | LG | 具仁会 | 具光謨 | 1947年 | 112兆3000億ウォン | LGエレクトロニクス、LG化学、LGユープラス | |
ロッテ | 롯데 | 重光武雄 | 重光昭夫 | 1948年 | 110兆8000億ウォン | ロッテ製菓、ロッテ七星飲料、ロッテショッピング、ホテルロッテ、ロッテケミカル | |
ハンファ | 한화 | 金鍾喜 | 金升淵 | 1952年 | 58兆5000億ウォン | ハンファ、ハンファケミカル、ハンファ生命 | |
GS | GS | 許昌秀 | 2005年 | 62兆ウォン | GS、GSカルテックス、GSリテール、GS建設 | [注 2] | |
現代重工業 | 현대중공업 | 鄭周永 | 閔季植 | 1972年 | 54兆3000億ウォン | 現代重工業、現代尾浦造船、現代斗山インフラコア、現代オイルバンク | [注 3] |
新世界 | 신세계 | 李秉喆 | 李明熙 | 1963年 | 32兆5173億ウォン | 新世界百貨店、イーマート、ウェスティン朝鮮ホテル | [注 4] |
CJ | CJ | 李秉喆 | 李在賢 | 1953年 | 33兆7797億ウォン | CJ第一製糖、CJ CGV、CJ ENM、CJ大韓通運、CJ建設、CJ重工業、CJライオン、CJ 4DPLEX | [注 5] |
問題点[編集]
財閥のトップは、自グループ内はもちろんのこと政界や経済界にも強い影響力を発揮する。仮に犯罪行為を犯して収監されても、早期に仮釈放させて国の経済に貢献させよという論調が出る社会構造となっている。例えば、1990年から2012年にかけて、しばしば韓国10大財閥のトップが横領や背任、暴力行為等で逮捕されることがあったが、有罪判決を受けても大抵は執行猶予が付くとともに頃合いを見て特赦が与えられ、犯罪行為自体が無かったも同然となっており[2]、「有銭無罪」と批判されている[3]。
また、金升淵、崔哲源、趙顕娥など、財閥一族の横暴な行為(韓国では「カプチル」と呼ばれるパワーハラスメント)が繰り返されて問題になっており、映画(ベテラン)にもなっている。
2014年の大韓航空における、いわゆる「ナッツ・リターン」では、以前から存在した財閥企業の世襲や同族経営の問題点が明るみに出た。
「大韓航空ナッツ・リターン」も参照
関連項目[編集]
脚注[編集]
- ^ “サムスン、LG、ロッテ…韓国経済を支える10大財閥とその行方”. 現代ビジネス (2019年2月2日). 2020年8月24日閲覧。
- ^ “韓国に世界がア然! 財閥経済犯に「釈放」待望論 先進国では考えられない… (3/3ページ)”. 夕刊フジ (2015年1月15日). 2018年8月1日閲覧。
- ^ “[社説]イ・ジェヨンへの“温情判決”は有銭無罪の復活か”. ハンギョレ (2018年2月6日). 2019年8月31日閲覧。