1988年の映画
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1988年の映画(1988ねんのえいが)では、1988年(昭和63年)の映画分野の動向についてまとめる。
1987年の映画 - 1988年の映画 - 1989年の映画
出来事
[編集]世界
[編集]→「1988年 § できごと」も参照
- 1月22日 - 東宝ロンドン事務所開設[1]。
- 4月11日 - 第60回アカデミー賞授賞式が行われ、『ラストエンペラー』が作品賞を受賞。同作品で作曲を手がけた坂本龍一が作曲賞を受賞した[1]。
- 5月5日 - 日中合作映画『敦煌』(佐藤純彌監督)の中国試写会を北京展覧館劇場で開催[1]。
- 8月3日 - 全米脚本家組合、150日間の長期ストライキが暫定的な合意に至る[2][1][注 1]。このストにより、映画製作面では企画の見直し、配給・興行面では公開延期など、世界の映画産業に多大な影響[1]。詳細は、1988年 全米脚本家組合ストライキ。
日本
[編集]→「1988年の日本 § できごと」も参照
- 1月
- 3月
- 松竹、ビデオ部門のCBS/FOXビデオとの業務提携終了[1]。4月1日、新レーベル「SHV 松竹ホームビデオ」立ち上げ[1]。
- 3月19日 - 東宝不動産経営部が日比谷シャンテ・スター・チャリティー・オークション開催[1]。売上金をTBSカンガルー募金を通じて、交通遺児母の会に寄付[1]。
- 3月31日
- 4月
- 4月1日 - 松竹映像からスタジオ運営業務・美術部門を独立させ、株式会社大船撮影所設立[1]。
- 4月8日 - 第1回東宝スタジオ内「仙川堤お花見の会」開催[1]。
- 4月14日 - にっかつロマンポルノが17年間、1133本を製作・公開し、終了[1]。
- 4月16日 - フジサンケイグループ会議議長・鹿内春雄死去[1]。
- 4月18日 - 東映、洋画番組編成の多様化・流動性に対応するため、新宿・浅草・梅田・名古屋・札幌の直営映画館のうちホール系6館の名称を「パラス」に変更[3]。
- 4月20日 - 自民党税調ヒアリングに映連理事・松岡功と演劇興協副会長・堀内森夫が出席し、税改正に関して意見陳述[1]。
- 4月23日 - シャンテ・シネ2『ベルリン・天使の詩』(ヴィム・ヴェンダース監督)公開[1]。初日動員(入場者数)・興収記録、日計動員・興収記録、週計記録、月計記録などの劇場記録を更新[1]。8月3日、ミニシアター系上映作品の興収新記録を達成[1]。
- 4月26日 - 東京・池袋東急オープン[1]。
- 5月
- 6月
- 7月
- 8月
- 9月
- 10月
- 11月
- 11月1日 - 著作権法一部改正公布[4]。海賊版所持罪が盛り込まれる[4]。
- 11月10日 - にっかつ、本社大改築工事が竣工し、物販店・飲食店・ビデオ店などがオープンする[4]。
- 11月20日 - 東宝、『…これから物語 〜少年たちのブルース〜』/『ふ・し・ぎ・なBABY』前売券発売開始[4]。発売初日新記録達成[4]。
- 12月
周年
[編集]- 創立65周年
日本の映画興行
[編集]- 入場料金(大人)
- 入場者数 1億4483万人[10]
- 興行収入 1619億2100万円[10]
- 家庭用ビデオテープレコーダ(VTR)の普及率 53.0% (内閣府「消費動向調査」)[11]
配給会社 | 配給本数 | 年間配給収入 | 概要 | ||
---|---|---|---|---|---|
新作 | 再映 | 洋画 | 前年対比 | ||
松竹 | 20 | 38億5300万円 | 正月映画の『男はつらいよ 寅次郎物語』(10.5億円)が大台を突破したが、その後は不振続きの1年となった。夏の勝負作『ダウンタウン・ヒーローズ』(8.1億円)が他社の夏作品に押し出され不本意な結果で終わる。人気アニメの久々の登場となった『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(6.2億円)は成功だったが、『山田村ワルツ』と『恋はいつもアマンドピンク』は絶不調。企画の遅れから番組編成を埋めるために、ヒットの可能性のない『橋』や『青い山脈'88』を公開する羽目になる。そのため、翌年は自社製作を減らし、積極的に外部プロ作品を導入する。松竹富士の『マリリンに逢いたい』は配給収入11億円。 | ||
18 | 0 | 2 | 73.2% | ||
東宝 | 25 | 158億8200万円 | 年間配給収入は1986年の163億9000万円に次ぐ好成績。ブロックブッキングで配給収入100億円を突破する偉業も達成。配給収入10億円の大台を突破したのは、『敦煌』(45億円)・『優駿』(18億円)・『いこかもどろか』(16億円)・『ドラえもん のび太のパラレル西遊記』(13.6億円)・『マルサの女2』(13億円)・『帝都物語』(10.5億円)の6番組。吉永小百合映画出演100本記念作品の『つる -鶴-』は不調。 | ||
25 | 0 | 0 | 137.6% | ||
東映 | 30 | 90億7800万円 | 正月映画『ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎狂騒曲』(12.5億円)、洋画配給部扱いの『あぶない刑事』(15億円)・『またまたあぶない刑事』(10.5億円)の3番組が大台突破。『ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎音頭』(7.3億円)・『極道渡世の素敵な面々』・『疵』はまずまず。『華の乱』(7.6億円)は平凡な結果、『ラブ・ストーリーを君に』(5億円)は不調。 | ||
22 | 0 | 8 | 100.0% | ||
にっかつ | 44 | 16億1600万円 | 5月28日公開の『ベッド・パートナー』/『ラブ・ゲームは終わらない』でロマンポルノ路線を終了。7月1日からは一般映画の新路線ロッポニカに移行し、5番組10本を製作するが惨敗、にっかつは製作配給から撤退することになる。配給収入1億円以上は『待ち濡れた女』ほか(1.5億円)の1番組のみ。 | ||
37 | 2 | 5 | 71.2% |
各国ランキング
[編集]日本配給収入ランキング
[編集]順位 | 題名 | 製作国 | 配給 | 配給収入 |
---|---|---|---|---|
1 | 敦煌 | 東宝 | 45.0億円 | |
2 | ラストエンペラー | 松竹富士 | 24.5億円 | |
3 | ランボー3/怒りのアフガン | 東宝東和 | 24.0億円 | |
4 | 優駿 ORACION | 東宝 | 18.0億円 | |
5 | 危険な情事 | UIP | 17.4億円 | |
6 | いこかもどろか | 東宝 | 16.0億円 | |
7 | あぶない刑事
七福星 (、ゴールデン・ハーベスト) |
東映 | 15.0億円 | |
7 | ウィロー | UIP | 15.0億円 | |
9 | ドラえもん のび太のパラレル西遊記 | 東宝 | 13.6億円 | |
10 | ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎狂騒曲 はいからさんが通る |
東映 | 12.5億円 |
北米興行収入ランキング
[編集]順位 | 題名 | スタジオ | 興行収入 |
---|---|---|---|
1. | レインマン | ユナイテッド・アーティスツ | $172,825,435 |
2. | ロジャー・ラビット | タッチストーン | $156,452,370 |
3. | 星の王子 ニューヨークへ行く | パラマウント | $128,152,301 |
4. | ビッグ | 20世紀FOX | $114,968,774 |
5. | ツインズ | ユニバーサル | $111,938,388 |
6. | クロコダイル・ダンディー2 | パラマウント | $109,306,210 |
7. | ダイ・ハード | 20世紀FOX | $84,008,852 |
8. | 裸の銃を持つ男 | パラマウント | $79,756,177 |
9. | カクテル | タッチストーン | $78,897,753 |
10. | ビートルジュース | ワーナー・ブラザース | $73,707,461 |
- 出典:“1988 Domestic Yearly Box Office Results”. Box Office Mojo. 2015年12月24日閲覧。
日本公開映画
[編集]1988年の日本公開映画を参照。
受賞
[編集]- 第61回アカデミー賞
- 作品賞 - 『レインマン』
- 監督賞 - バリー・レヴィンソン(『レインマン』)
- 主演男優賞 - ダスティン・ホフマン(『レインマン』)
- 主演女優賞 - ジョディ・フォスター(『告発の行方』)
- 第46回ゴールデングローブ賞
- 作品賞 (ドラマ部門) - 『レインマン』
- 主演女優賞 (ドラマ部門) - ジョディ・フォスター(『告発の行方』)、シャーリー・マクレーン(『マダム・スザーツカ』)、シガニー・ウィーバー(『愛は霧のかなたに』)
- 主演男優賞 (ドラマ部門) - ダスティン・ホフマン(『レインマン』)
- 作品賞 (ミュージカル・コメディ部門) - 『ワーキング・ガール』
- 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - メラニー・グリフィス(『ワーキング・ガール』)
- 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - トム・ハンクス(『ビッグ』)
- 監督賞 - クリント・イーストウッド(『バード』)
- 第41回カンヌ国際映画祭
- パルム・ドール - 『ペレ』(ビレ・アウグスト)
- 監督賞 - フェルナンド・E・ソラナス(『スール/その先は…愛』)
- 男優賞 - フォレスト・ウィテカー(『バード』)
- 女優賞 - バーバラ・ハーシー、リンダ・ムブシ、ジョディ・メイ(『ワールド・アパート』)
- 第45回ヴェネツィア国際映画祭
- 金獅子賞 - 『聖なる酔っぱらいの伝説』(エルマンノ・オルミ)
- 第31回ブルーリボン賞
- 作品賞 - 『敦煌』
- 主演男優賞 - ハナ肇(『会社物語 MEMORIES OF YOU』)
- 主演女優賞 - 桃井かおり(『木村家の人びと』『噛む女』『TOMORROW 明日』)
- 監督賞 - 和田誠(『快盗ルビイ』)
- 第43回毎日映画コンクール
- 日本映画大賞 - 『となりのトトロ』
誕生
[編集]- 1月19日 - 山本裕典、日本の俳優
- 2月1日 - 東出昌大、日本の俳優
- 2月8日 - 佐々木希、日本の女優
- 2月12日 - 榮倉奈々、日本の女優
- 2月19日 - 入野自由、日本の声優
- 3月4日 - 細田よしひこ、日本の俳優
- 4月10日 - ハーレイ・ジョエル・オスメント、アメリカの俳優
- 5月18日 - 瀬戸康史、日本の俳優
- 5月28日 - 黒木メイサ、日本の女優
- 6月3日 - 三浦翔平、日本の俳優
- 6月11日 - 新垣結衣、日本の女優
- 6月30日 - 中尾明慶、日本の俳優
- 7月11日 - 井口裕香、日本の声優
- 7月13日 - 渋谷飛鳥、日本の女優
- 7月22日 - 吉高由里子、日本の女優
- 8月6日 - 窪田正孝、日本の俳優
- 8月17日 - 戸田恵梨香、日本の女優
- 8月24日 - ルパート・グリント、イギリスの俳優
- 9月16日 - 多岐川華子、日本の女優
- 9月23日 - 木村了、日本の俳優
- 10月6日 - 堀北真希、日本の女優
- 10月17日 - 大島優子、日本の女優
- 10月17日 - 松坂桃李、日本の俳優
- 10月28日 - 菜々緒、日本の女優
- 11月14日 - 大野拓朗、日本の俳優
- 12月17日 - 高梨臨、日本の女優
死去
[編集]日付 | 名前 | 国籍 | 年齢 | 職業 | |
1月 | 7日 | トレヴァー・ハワード | 74 | 俳優 | |
ミシェル・オークレール | 65 | 俳優 | |||
9日 | 宇野重吉 | 73 | 俳優 | ||
18日 | ジャン・ミトリ | 80 | 映画批評家 | ||
30日 | ホーマー・ブライトマン | 86 | 脚本家 | ||
2月 | 1日 | ヘザー・オルーク | 12 | 子役 | |
5日 | エメリック・プレスバーガー | 85 | 脚本家・プロデューサー | ||
17日 | 千葉順二 | 62 | 声優 | ||
3月 | 1日 | 加藤嘉 | 85 | 俳優 | |
7日 | ディヴァイン | 42 | 俳優・歌手 | ||
4月 | 23日 | 小沢栄太郎 | 79 | 俳優 | |
5月 | 21日 | I・A・L・ダイアモンド | 67 | 脚本家 | |
30日 | エラ・レインズ | 67 | 女優 | ||
6月 | 8日 | 青木日出雄 | 61 | 航空・軍事評論家 | |
25日 | ジャン・ポフェティ | 62 | 撮影監督 | ||
7月 | 2日 | 荻昌弘 | 62 | 映画評論家 | |
3日 | 井手俊郎 | 78 | 脚本家 | ||
6日 | 東八郎 | 52 | コメディアン、 | ||
12日 | ジョシュア・ローガン | 79 | 映画監督 | ||
22日 | ラリー・クレモンズ | 81 | 脚本家 | ||
25日 | ジュディス・バーシ | 10 | 子役 | ||
8月 | 1日 | フローレンス・エルドリッジ | 86 | 女優 | |
5日 | コリン・ヒギンズ | 47 | 映画監督・脚本家 | ||
7日 | ウィルフレッド・ジャクソン | 82 | 映画監督 | ||
10日 | 木村荘十二 | 84 | 映画監督 | ||
11日 | アン・ラムジー | 58 | 女優 | ||
9月 | 5日 | ゲルト・フレーベ | 75 | 俳優 | |
13日 | 堀江しのぶ | 23 | 女優・タレント | ||
20日 | 馬淵威雄 | 82 | 東宝相談役 | ||
10月 | 1日 | ルシアン・バラード | 80 | 撮影監督 | |
13日 | メルヴィン・フランク | 75 | 脚本家、映画監督、映画プロデューサー | ||
25日 | エリック・ラーソン | 83 | アニメーター | ||
12月 | 27日 | ハル・アシュビー | 59 | 映画監督・映画編集者 | |
26日 | 信欣三 | 78 | 俳優 |
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap 東宝 2010b, p. 239.
- ^ “WRITERS STRIKE CHRONOLOGY” (英語). ロサンゼルス・タイムズ (1988年8月4日). 2022年8月25日閲覧。
- ^ a b c d e 東映 1992, p. 84.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 東宝 2010b, p. 240.
- ^ 斉藤 2009, p. 114.
- ^ “第39作 男はつらいよ 寅次郎物語”. 『男はつらいよ』公式サイト. 松竹映画. 2016年8月6日閲覧。
- ^ 「1988年度日本映画・外国映画業界総決算 日本映画」『キネマ旬報』1989年(平成元年)2月下旬号、キネマ旬報社、1989年、172 - 173頁。
- ^ “小売物価統計調査(動向編) 調査結果”. 統計局. 2016年8月3日閲覧。
- ^ “主要品目の東京都区部小売価格:昭和25年(1950年)〜平成22年(2010年)” (Excel). 統計局. 2016年8月3日閲覧。
- ^ a b “過去データ一覧”. 一般社団法人日本映画製作者連盟. 2016年8月2日閲覧。
- ^ “主要耐久消費財等の普及率(全世帯)(平成16年3月末現在)” (XLS). 内閣府公式サイト. 統計表一覧:消費動向調査. 内閣府 (2004年3月31日). 2022年5月3日閲覧。