1975年の映画

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1975年の映画(1975ねんのえいが)では、1975年(昭和50年)の映画分野の動向についてまとめる。

できごと[編集]

日本の映画興行[編集]

配給会社別年間配給収入
配給会社 配給本数 年間配給収入 前年対比 概要
新作 再映 洋画
松竹 34 045億4390万円 091.2% 前年の『砂の器』のような大ヒットがなかったため、年間配給収入はややダウン。『男はつらいよ 寅次郎子守唄』(11億円[15])と『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』(9.3億円[15])の2番組が大ヒットし、超ロング・ラン公開。創立80周年記念『同胞』と『友情』は時代とマッチせず、興行的には貢献度小。『再会』 / 『続・愛と誠』(4.4億円[15])は平均の稼動。新作「男はつらいよ」のロング・ラン同士の隙間(すきま)をリバイバルの「男はつらいよ」で埋めるという「男はつらいよ」だけの松竹となっている。
23 10 1
東宝 30 056億5544万円 093.7% 前年の『日本沈没』(16.4億円[16])・『ノストラダムスの大予言』(8.8億円[16])のような話題作は出現しなかった。大作路線では『青春の門』(5.5億円[15])が成功し、また、大映映画金環蝕』は水準以上の稼動となった。パニック映画東京湾炎上』・『動脈列島』は圧倒的な資金力と映画的「力」を有する洋画パニック大作の前に完敗した。山口百恵人気に頼った映画を正月は『伊豆の踊子』(8.3億円[15])、ゴールデンウィークに『潮騒』 / 『お姐ちゃんお手やわらかに』(5.0億円[15])、8月に『花の高2トリオ 初恋時代』(6.0億円[15])とそれぞれ公開したが、予想以上に好稼動で3番組すべて黒字となり、大作路線の損失を補填した。ホリプロとの提携と大映映画の配給によって、大赤字を回避した。
28 1 1
東映 60 086億6082万円 104.0% 東映ブロックブッキングの救世主は、経費の安い春夏の『東映まんがまつり』と8月に公開された『トラック野郎・御意見無用』(4.2億円[15])だった。山口組事件で正月映画が急遽差替えのため出足が悪く、ゴールデンウィークの『県警対組織暴力』は予想を下回り、7月のパニック映画『新幹線大爆破』は洋画との争いに負け、興行的に失敗。数本のポルノ作品も製作したが予想以下の成績。実録路線のエスカレートした、えげつないタイトル・内容に観客は食傷気味だった。そのため、実録路線が軒並み低調のところに、一般アクションの「トラック野郎」シリーズという新たな屋台骨ができた。
59 1 0
日活 82 025億8255万円 0118.8% エマニエル夫人』を真似た『東京エマニエル夫人』が女性客を引き付け大ヒットとなった。ポルノ路線に突然一般映画をはさんでも、客が慣れていないので失敗している。直営館が少ないため、少ない配給歩率となっている点を改善することが急務。累積赤字は71億円。
67 15 0
出典:「1975年度日本映画/外国映画業界総決算」、『キネマ旬報1976年昭和51年)2月下旬号、キネマ旬報社1976年、 111 - 118頁。

各国ランキング[編集]

日本配給収入ランキング[編集]

1975年日本配給収入トップ10
順位 題名 製作国 配給 配給収入
1. タワーリング・インフェルノ アメリカ合衆国の旗 ワーナー・ブラザース/20世紀フォックス ¥3,640,000,000
2. 大地震 アメリカ合衆国の旗 ユニバーサル映画/CIC ¥1,684,000,000
3. エマニエル夫人 フランスの旗 日本ヘラルド映画 ¥1,560,000,000
4. 男はつらいよ 寅次郎子守唄
ザ・ドリフターズ極楽はどこだ!
日本の旗 松竹 ¥1,100,000,000
5. 007 黄金銃を持つ男 イギリスの旗アメリカ合衆国の旗 ユナイテッド・アーティスツ ¥938,000,000
6. 男はつらいよ 寅次郎相合い傘
ザ・ドリフターズのカモだ!御用だ!
日本の旗 松竹 ¥930,000,000
7. 伊豆の踊子
エスパイ
日本の旗 東宝 ¥828,000,000
8. ゴッドファーザー PART II アメリカ合衆国の旗 パラマウント映画/CIC ¥819,000,000
9. ドラゴンへの道 香港の旗 東映洋画 ¥772,000,000
10. エアポート'75 アメリカ合衆国の旗 CIC ¥668,000,000
出典 『キネマ旬報ベスト・テン全史: 1946-2002』 キネマ旬報社、2003年、206-207頁。ISBN 4-87376-595-1

北米興行収入ランキング[編集]

1975年北米興行収入トップ10
順位 題名 スタジオ 興行収入 出典
1 ジョーズ ユニバーサル映画 $260,000,000 [17]
2 ロッキー・ホラー・ショー 20世紀フォックス $112,892,319 [18]
3 カッコーの巣の上で ユナイテッド・アーティスツ $108,981,275 [19]
4 狼たちの午後 ワーナー・ブラザース $50,000,000 [20]
5 シャンプー コロンビア映画 $49,407,734 [21]
6 ピンク・パンサー2 ユナイテッド・アーティスツ $41,833,347 [22]
7 ファニー・レディ英語版 コロンビア映画 $39,000,000 [23]
8 チビッ子ギャング台風(タイフーン)英語版 ウォルト・ディズニー $36,853,000 [24]
9 雨のロスアンゼルス英語版 コロンビア映画 $35,000,000 [25]
10 あの空に太陽が英語版 ユニバーサル映画 $34,673,100 [26]

日本公開映画[編集]

1975年の日本公開映画を参照。

受賞[編集]

誕生[編集]

死去[編集]

日付 名前 国籍 年齢 職業
2月 7日 香山滋 日本の旗 70 小説家
3月 8日 ジョージ・スティーヴンス アメリカ合衆国の旗 70 映画監督
14日 スーザン・ヘイワード アメリカ合衆国の旗 57 女優
30日 中村英子 日本の旗 24 女優
4月 14日 フレドリック・マーチ アメリカ合衆国の旗 77 俳優
15日 リチャード・コンテ アメリカ合衆国の旗 65 俳優
5月 2日 富永美沙子 日本の旗 41 女優
9月 1日 杉狂児 日本の旗 72 歌手・俳優
20日 沢村いき雄 日本の旗 70 俳優
10月 5日 清水将夫 日本の旗 67 俳優
31日 ジョゼフ・キャレイア マルタの旗 78 俳優
11月 2日 ピエル・パオロ・パゾリーニ イタリアの旗 53 映画監督
5日 アネット・ケラーマン オーストラリアの旗 88 水泳選手・女優
12月 9日 ウィリアム・A・ウェルマン アメリカ合衆国の旗 79 映画監督
24日 バーナード・ハーマン アメリカ合衆国の旗 64 作曲家

脚注[編集]

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出典[編集]

  1. ^ 斉藤 2009, p. 56.
  2. ^ 「1975年度日本映画/外国映画業界総決算」、『キネマ旬報1976年昭和51年)2月下旬号、キネマ旬報社1976年、 111頁。
  3. ^ a b c 斉藤 2009, pp. 82 - 83.
  4. ^ 斉藤 2009, p. 79.
  5. ^ 『戦後値段史年表』 週刊朝日朝日新聞出版〈朝日文庫〉、1995年、23頁。ISBN 4-02-261108-1
  6. ^ 第14作 男はつらいよ 寅次郎子守唄”. 『男はつらいよ』公式サイト. 松竹映画. 2016年12月27日閲覧。
  7. ^ 第15作 男はつらいよ 寅次郎相合い傘”. 『男はつらいよ』公式サイト. 松竹映画. 2016年8月5日閲覧。
  8. ^ 斉藤 2009, pp. 84 - 85.
  9. ^ 斉藤 2009, pp. 85 - 86.
  10. ^ 斉藤 2009, pp. 86 - 87.
  11. ^ 小売物価統計調査(動向編) 調査結果”. 統計局. 2016年8月3日閲覧。
  12. ^ 主要品目の東京都区部小売価格:昭和25年(1950年)〜平成22年(2010年) (Excel)”. 統計局. 2016年8月3日閲覧。
  13. ^ a b c 過去データ一覧”. 一般社団法人日本映画製作者連盟. 2016年8月2日閲覧。
  14. ^ 「1975年度日本映画/外国映画業界総決算」、『キネマ旬報1976年昭和51年)2月下旬号、キネマ旬報社1976年、 111頁。
  15. ^ a b c d e f g h キネマ旬報ベスト・テン85回全史 2012, p. 332.
  16. ^ a b キネマ旬報ベスト・テン85回全史 2012, p. 322.
  17. ^ Jaws, Box Office Information”. Box Office Mojo. 2012年1月22日閲覧。
  18. ^ The Rocky Horror Picture Show, Box Office Information”. Box Office Mojo. 2014年5月26日閲覧。
  19. ^ One Flew Over the Cuckoo's Nest, Box Office Information”. Box Office Mojo. 2012年1月22日閲覧。
  20. ^ Dog Day Afternoon, Box Office Information”. Box Office Mojo. 2012年1月22日閲覧。
  21. ^ Shampoo, Box Office Information”. Box Office Mojo. 2012年1月22日閲覧。
  22. ^ The Return of the Pink Panther, Box Office Information”. Box Office Mojo. 2012年1月22日閲覧。
  23. ^ Funny Lady, Box Office Information”. Box Office Mojo. 2014年5月26日閲覧。
  24. ^ The Apple Dumpling Gang, Box Office Information”. Box Office Mojo. 2012年7月7日閲覧。
  25. ^ Aloha, Bobby and Rose, Worldwide Box Office”. Worldwide Box Office. 2012年1月22日閲覧。
  26. ^ The Other Side of the Mountain, Box Office Information”. The Numbers. 2012年7月7日閲覧。

参考文献[編集]

  • 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』 キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月ISBN 978-4873767550