根室本線

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根室本線
根室本線を走行する特急「スーパーおおぞら」 (尺別 - 音別間)
根室本線を走行する特急スーパーおおぞら
(尺別 - 音別間)
基本情報
通称 花咲線(釧路 - 根室間)
日本の旗 日本
所在地 北海道
種類 普通鉄道在来線幹線
起点 滝川駅
終点 根室駅
駅数 69駅(旅客駅:67駅、貨物駅:2駅)[注釈 1]
信号場:9か所
路線記号 A(滝川駅)
T(東滝川 - 落合間)
K(新得 - 釧路間)
B(東釧路駅)
路線記号については当該記事も参照
開業 1900年12月2日北海道官設鉄道十勝線)
1901年7月20日(北海道官設鉄道釧路線)
国有化 1905年4月1日
全通 1921年8月5日
民営化 1987年4月1日
所有者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
運営者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
(全線 第一種鉄道事業者
日本貨物鉄道(JR貨物)
(滝川 - 富良野間・東鹿越 - 釧路間 第二種鉄道事業者
車両基地 釧路運輸車両所
使用車両 使用車両の節を参照
路線諸元
路線距離 443.8 km
軌間 1,067 mm
線路数 全線単線
電化方式 全線非電化
閉塞方式 自動閉塞式
(滝川 - 東釧路間)
特殊自動閉塞式(電子符号照査式)
(東釧路 - 根室間)
保安装置 ATS-DN
最高速度 120 km/h(上落合信号場 - 帯広駅間)
110 km/h(帯広駅 - 釧路駅間)
95 km/h(滝川駅 - 上落合信号場間)
85 km/h(釧路駅 - 厚床駅間)
80 km/h(厚床駅 - 根室駅間[1]
路線図
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根室本線(ねむろほんせん)は、北海道滝川市滝川駅から帯広市および釧路市を経て根室市根室駅を結ぶ北海道旅客鉄道(JR北海道)の鉄道路線幹線)である。このうち釧路駅から根室駅までの区間には「花咲線」(はなさきせん)の愛称が付けられている。

全線単線の非電化路線で、JRの幹線路線としては日本最東端となる。さらに支線部を含めない鉄道路線としてはJR北海道最長路線でもある(支線部を含めた鉄道路線では函館本線がJR北海道最長)。

路線データ

歴史

1896年の北海道鉄道敷設法により北海道内1000マイル(約1600km)の鉄道整備が決まり、北海道庁長官の北垣国道はルート選定のための踏査を帝国大学工科大学教授の田辺朔郎に依頼[注釈 2]。田辺は帝国大学を後にし、北海道庁鉄道敷設部長として踏査にあたった。

十勝ルートの踏査にあたっては、樹木が繁茂し見通しのきかない夏期を避け、初春の堅雪の季節に2名の鉄道技師と数名の荷物運搬人らとともに旭川を出発。ヒグマやオオカミが跋扈する原生林や、蚊やアブや蜂が飛び交う湿地など未開の地を歩き、地形、地質、経済効果、資材の入手方法など細部にわたって釧路までの間を20日間かけ踏査した。当初はサホロ岳の北方が最適かと見当をつけていたが、踏査の結果、現在の国道38号線にほぼ沿う旧狩勝トンネルルートを最適とし、田辺はここに「狩勝峠」と名付けた。後に田辺が完成した鉄路で釧路を訪れた際、「12時間もの間さぞご退屈だったでしょう」との労いの声に「私が以前ここへ来たときは20日かかりました。昔日のことを思えばわずか12時間でこの地を通過するのはなんだかもったいないように思います」と応えたという。

ルート決定後、旭川と釧路を結ぶ幹線鉄道として北海道官設鉄道によって旭川、釧路双方から着工された。旭川側は1899年に旭川 - 美瑛間が、釧路側は1901年に釧路 - 白糠間が開業したのを皮切りに、1907年には狩勝トンネルの完成をもって、狩勝峠を含む落合 - 帯広間が開業、旭川 - 釧路間が全通し、釧路線となった。

1913年に、滝川 - 下富良野(現在の富良野)間の新線が開業し、起点を旭川から滝川に変更。旭川 - 富良野間は富良野線として分離した。

以後は、釧路以東への延伸が行われ、1917年に厚岸、1919年に厚床、1920年に西和田、1921年に根室まで延伸し全通、同時に線路名称を根室本線に改めた。

以来、道央と道東を結ぶ主要幹線としての地位を保っているが、1966年に落合 - 新得間の狩勝峠の区間を新線に切り替え、1981年には短絡ルートとなる石勝線の開業により、道央と十勝釧路を結ぶほとんどの列車運転系統が従来の滝川経由から石勝線経由に変更され、大幅な到達時間の短縮が図られた。この変更により、根室本線においては新狩勝トンネル以北を通過する優等列車はほとんどなくなった。さらに1997年には、釧路市と帯広市の出資による「道東高速鉄道開発」(本社 札幌市、現在の北海道高速鉄道開発の前身)が設立され、石勝線とともに根室本線新狩勝トンネル - 釧路間の高速化改良事業が実施された。

年表

十勝線

  • 1899年明治32年)
    • 9月1日北海道官設鉄道十勝線(とかちせん)として、旭川駅 - 美瑛駅間が開業[3]。同区間に辺別駅・美瑛駅を新設[4]
    • 11月15日:美瑛駅 - 上富良野駅間が延伸開業[3]。同区間に上富良野駅を新設[4]
  • 1900年(明治33年)
    • 8月1日:上富良野駅 - 下富良野駅間が延伸開業[3]。同区間に中富良野駅・下富良野駅を新設[4]
    • 12月2日:下富良野駅 - 鹿越駅間が延伸開業[5]。同区間に山部信号停車場・金山駅[6]・鹿越駅[4]を新設。
  • 1901年(明治34年)
    • 4月1日:山部信号停車場を駅に変更[6]
    • 9月3日:鹿越駅 - 落合駅間が延伸開業[5]。同区間に落合駅を新設[6]
  • 1902年(明治35年)12月6日:幾寅駅を新設[6]
  • 1905年(明治38年)4月1日:官設鉄道に移管。

釧路線→釧路本線

  • 1901年(明治34年)7月20日北海道官設鉄道釧路線(くしろせん)として、釧路駅(初代) - 白糠駅間が開業[7]。同区間に白糠・庶路・大楽毛・釧路(初代)の各駅を新設[6]
  • 1903年(明治36年)
    • 3月1日:白糠駅 - 音別駅間が延伸開業[7]。同区間に音別駅を新設[6]
    • 12月25日:音別駅 - 浦幌駅間が延伸開業[7]。同区間に浦幌駅・厚内駅を新設[6]
  • 1904年(明治37年)
    • 8月12日:浦幌駅 - 豊頃駅間が延伸開業[7]。同区間に豊頃駅を新設[6]
    • 12月15日:豊頃駅 - 利別駅間が延伸開業[7]。同区間に利別駅・池田駅を新設[6]
  • 1905年(明治38年)
    • 4月1日:官設鉄道に移管。
    • 12月1日:利別駅 - 帯広駅間が延伸開業[7]。同区間に帯広駅・止若駅を新設[6]
  • 1907年(明治40年)
    • 9月8日:落合駅 - 帯広駅間が延伸開業し、旭川駅 - 釧路駅間が全通[5]。同区間に狩勝給水給炭所および新内・新得・清水・佐念頃・芽室・伏古の各駅を新設[6]。なお、この時点では新内駅は旅客・貨物とも取扱わなかった。
    • 10月25日:直別駅を新設[6]
  • 1909年(明治42年)
  • 1910年(明治43年)
  • 1911年(明治44年)
  • 1913年大正2年)
    • 10月1日:下金山駅を新設[6]
    • 11月10日:滝川駅 - 下富良野駅間 (57.6km) が開業[5][8]。同区間に幌倉[6]・上赤平[6]・平岸[6]・下芦別[6]・野花南[6]・奔茂尻[4]・島ノ下[6]の各駅を新設。滝川駅 - 下富良野駅 - 釧路駅間を釧路本線(くしろほんせん)と改称し[5][7]、下富良野駅 - 旭川駅間 (54.8 km) を富良野線として分離[3]
    • 11月16日:函館駅 - 釧路駅間の直通旅客列車が東滝川経由で運行開始[5]
    • 12月1日:波若信号所を新設。
  • 1916年(大正5年)4月1日:函館駅 - 釧路駅間1・2列車に食堂車(和食)連結開始。
  • 1917年(大正6年)12月1日:釧路駅 - 厚岸駅間が延伸開業 (46.6km)。釧路駅 - 浜釧路駅間 (1.8km) および厚岸駅 - 浜厚岸駅間 (1.2km) の貨物線開業[9]。同区間に上別保[6]・上尾幌[6]・尾幌[6]・門静[6]・厚岸[6]・(貨)浜厚岸[4]の各駅を新設。
    • この時に釧路駅が現在の位置に移転し、同時に(貨)浜釧路駅が開設され[4]、釧路駅 - 浜釧路駅間の貨物線が開業したことになっている。実際は、浜釧路駅は釧路駅(旧)の改称であり[10]、釧路駅 - 浜釧路駅間の貨物線は新規開業ではなく既設線の貨物線化である。
  • 1918年(大正7年)12月28日:(貨)茂尻駅を新設[6]
  • 1919年(大正8年)11月25日:厚岸駅 - 厚床駅間 (42.9km) が延伸開業[9]。同区間に糸魚沢[6]・茶内[6]・浜中[6]・姉別[6]・厚床駅[4]を新設。
  • 1920年(大正9年)
    • 1月16日:上芦別駅を新設[6]
    • 4月1日:(貨)尺別駅を新設[6]
    • 11月10日:厚床駅 - 西和田駅間 (34.7km) が延伸開業[9]。同区間に初田牛・別当賀・落石・西和田の各駅を新設[4]

全通以後

  • 1921年(大正10年)8月5日:西和田駅 - 根室駅間 (10.2km) の延伸開業に伴い全通[9]。同区間に花咲駅・根室駅を新設[4]。滝川 - 根室間を根室本線(ねむろほんせん)と改称[9]
  • 1922年(大正11年)
    • 4月1日:狩勝給水給炭所を信号場に、上厚内信号所・波若(廃止時期不明)信号所を信号場に変更。
    • 10月15日:佐念頃駅を御影駅に改称[10]
  • 1923年(大正12年)
    • 9月23日:釧路駅 - 天寧駅間の貨物線 (3.0km) を開業。(貨)天寧駅を新設[4]
    • 12月25日:新富士駅を新設[6]
  • 1925年(大正14年)3月16日:釧網線(現在の釧網本線)との分岐点として別保信号所を新設。
  • 1926年(大正15年)
    • 7月15日:茂尻貨物駅を一般駅に変更。
    • 8月1日:上厚内信号場を駅に変更[6]
  • 1927年昭和2年)12月26日:布部駅を新設[6]
  • 1928年(昭和3年)11月11日:別保信号場を駅に変更し、東釧路駅に改称[6]
  • 1930年(昭和5年)4月1日:尺別駅を貨物駅から一般駅に変更。
  • 1934年(昭和9年)
    • 8月12日:根室駅 - 根室港駅間の貨物支線 (1.2km) を開業[9]。同区間に(貨)根室港駅を新設[4]
    • 11月20日:清水駅を十勝清水駅に改称[10]
  • 1935年(昭和10年)2月:厚岸駅に入換用機関車DB10形を配置。
  • 1940年(昭和15年)
    • 1月15日:釧路駅 - 天寧駅間の貨物支線の起点を東釧路駅に変更 (-1.5km)。この時、天寧駅本屋(構内はそのまま貝塚町)が東釧路駅北方から材木町に移転したとされる。
    • 10月10日:函館駅 - 釧路駅間に急行列車1往復設定(釧路駅 - 根室駅間普通列車)[5]
  • 1941年(昭和16年)
  • 1942年(昭和17年)4月1日:下富良野駅を富良野駅に、下頃部駅を新吉野駅に改称[10]
  • 1943年(昭和18年)6月15日:上赤平駅を赤平駅に改称[10]
  • 1946年(昭和21年)
    • 3月1日:東鹿越信号場を駅に変更[6]
    • 5月1日:下芦別駅を芦別駅に[10]、奔茂尻駅を滝里駅に改称[11]
  • 1949年(昭和24年)6月1日公共企業体日本国有鉄道(国鉄)に移管。
  • 1951年(昭和26年)5月17日:釧路発函館行きの上り急行「まりも」が新得駅を出発後、狩勝峠にさしかかった地点で脱線し、機関士1名が負傷。何者かが故意にレールをずらしたことが原因とされるが、犯人は特定されず(まりも号脱線事件)。
  • 1952年(昭和27年)
    • 3月5日:西庶路信号場を駅に変更[6]
    • 11月15日:上別保駅を別保駅に改称[10]
  • 1954年(昭和29年)
    • 7月1日:古瀬信号場を新設。
    • 11月10日:幌倉駅を東滝川駅に、伏古駅を西帯広駅に改称[5][10]
  • 1955年(昭和30年)12月1日:帯広駅 - 根室駅間で気動車運転開始。
  • 1956年(昭和31年)5月20日:急行「まりも」に三等寝台車復活[5]
  • 1958年(昭和33年)
  • 1959年(昭和34年)
  • 1961年(昭和36年)
  • 1962年(昭和37年)
    • 5月1日:帯広駅 - 釧路駅間に準急「ぬさまい」新設[7]。札幌駅・旭川駅 - 釧路駅間(旭川発着編成は富良野線経由)に急行「狩勝」増発[12]
    • 8月4日:豪雨による道床流失および築堤決壊に伴い、野花南駅 - 新内駅間が不通となる(同年9月2日に復旧)[5]
    • 9月30日:幌岡信号場・高根信号場を新設。
    • 10月1日:函館駅 - 旭川駅間で運転していた特急「おおぞら」を滝川駅で分割併合し、釧路駅まで延長[5]
    • 10月15日:(貨)浜釧路駅移転。これに伴い、釧路駅 - 浜釧路駅間を改キロ (+2.0km)。
  • 1963年(昭和38年)11月1日:止若駅を幕別駅に改称[7][10]。札幌駅 - 根室駅間に気動車急行「阿寒」運行開始[9]
  • 1964年(昭和39年)10月1日:函館駅 - 釧路駅間に特急「おおとり」新設。滝川駅で網走発着編成と分割併合[7]
  • 1965年(昭和40年)
    • 9月30日:平野川信号場・常豊信号場を新設。
    • 10月1日:根室駅 - 根室港駅間の貨物支線廃止 (-2.6km)[9]。(貨)根室港駅廃止[4]
  • 1966年(昭和41年)
    • 3月27日:釧路機関区にDD51形を初めて配置。
    • 9月27日:昭栄信号場・東庶路信号場を新設。
    • 9月29日金山ダム建設に伴い、金山駅 - 東鹿越駅間の線路付替を実施。鹿越駅を信号場に変更[5][4]
    • 9月30日:落合駅 - 新得駅間の新線が開業 (+28.1km)[5][新聞 2]、上落合・新狩勝・広内・西新得・上芽室・常豊の各信号場を新設。
    • 10月1日:落合駅 - 新得駅間の旧線を廃止 (-27.9km)。新内駅[4]・狩勝信号場廃止。
  • 1969年(昭和44年)4月1日:富良野駅 - 釧路駅間、ディーゼル機関車化達成[7]
  • 1971年(昭和46年)5月1日:釧路駅 - 東京駅間に冷蔵コンテナ急行列車運転開始。
  • 1981年(昭和56年)10月1日石勝線の開業に伴い、主要列車を同線経由に変更[5]
  • 1982年(昭和57年)
    • 10月25日:鹿越信号場を仮乗降場に変更。
    • 11月15日:厚岸駅 - 浜厚岸駅間の貨物支線を廃止 (-1.2km)[9]。(貨)浜厚岸駅廃止[4]
  • 1983年(昭和58年)2月15日:滝川駅 - 落合駅間でCTC使用開始。
  • 1984年(昭和59年)2月1日:東釧路駅 - 天寧駅間の貨物支線を廃止 (-1.5km)[9]。(貨)天寧駅廃止[4]。東釧路駅 - 根室駅間の貨物営業を廃止 (-132.5km)[9]。一ノ坂・幌岡・高根の各信号場廃止。
  • 1986年(昭和61年)11月1日:大成臨時乗降場・柏林台臨時乗降場新設[5][6]。鹿越仮乗降場廃止。

民営化以後

  • 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、滝川駅 - 根室駅間を北海道旅客鉄道(JR北海道)が、釧路駅 - 浜釧路駅間を日本貨物鉄道(JR貨物)が第一種鉄道事業者としてそれぞれ承継。また、JR貨物が滝川駅 - 富良野駅間および東鹿越駅 - 東釧路駅間の第二種鉄道事業者となる。富良野駅 - 東鹿越駅間の貨物営業廃止。大成・柏林台の各臨時乗降場を駅に、稲士別仮乗降場を駅に、古瀬信号場を駅に変更[7][6]
  • 1988年(昭和63年)
  • 1989年平成元年)8月1日:釧路駅 - 浜釧路駅間の貨物支線を廃止 (-3.8km)[9]。(貨)浜釧路駅廃止[4]
  • 1990年(平成2年)12月10日:厚内トンネル(新ルート)使用開始。
  • 1991年(平成3年)
    • 7月1日:釧路駅 - 根室駅間に「花咲線」の愛称を設定[9]。同区間のワンマン運転を開始。
    • 10月22日滝里ダム建設に伴う線路付替のため、野花南駅 - 島ノ下駅間を改キロ (-3.0km)。滝里駅廃止[4]
  • 1993年(平成5年)3月18日:滝川駅 - 釧路駅間で全普通列車ワンマン運転開始。
  • 1994年(平成6年)2月22日:西新得信号場 - 広内信号場間(石勝線との重複区間)で、釧路発札幌行きの上り特急「おおぞら」10号が強風にあおられて脱線転覆し、28名が負傷する事故が発生[新聞 3][新聞 4][新聞 5]
  • 2001年(平成13年)
    • 7月7日:花咲線全通80周年記念式典。
    • 7月20日:白糠駅 - 釧路駅間開通100周年記念式典。
  • 2002年(平成14年)4月1日:JR貨物が釧路駅 - 東釧路駅間の第二種鉄道事業廃止 (-2.9km)。
  • 2006年(平成18年)4月1日:JR貨物が新富士駅 - 釧路駅間の第二種鉄道事業廃止 (-2.7km)。
  • 2007年(平成19年)10月1日:滝川駅 - 東釧路駅間で駅ナンバリングを実施[報道 4]
  • 2011年(平成23年)3月12日:JR貨物の帯広駅を帯広貨物駅に、同じく新富士駅を釧路貨物駅に改称。
  • 2013年(平成25年)6月1日 - 7月31日:花咲線 厚岸駅 - 糸魚沢駅間で国の天然記念物であるタンチョウと列車の衝突事故を回避するため、花咲線を走行する一部の列車で減速運転を試行[報道 5]
  • 2016年(平成28年)3月26日:花咲駅が廃止。また、快速・普通列車の大幅な減便・区間廃止を実施[報道 6]

運行形態

広域輸送

上落合信号場 - 新得駅 - 帯広駅 - 釧路駅間は、石勝線と合わせて道東への主要幹線を形成しており、2014年3月15日現在、札幌駅発着の特急列車が数多く運転されている。札幌駅 - 釧路駅間の特急「スーパーおおぞら」が6往復、札幌駅 - 帯広駅間の「スーパーとかち」が5往復運転されている。滝川駅 - 富良野駅間については、札幌駅との間を直通で結ぶリゾート特急(「フラノラベンダーエクスプレス」など)が不定期で運行される。

石勝線が全通するまでは、函館駅・札幌駅 - 帯広駅・釧路駅間の特急・急行列車も滝川駅・富良野駅経由で運転していた。

地域輸送

快速を含むすべての普通列車ワンマン運転となっている。

滝川駅 - 新得駅間

帯広駅まで運行される快速「狩勝」2往復とそれに接続する快速以外は、各駅に停車する普通列車のみの運転で、1 - 3時間に1本程度運行されている。4時間ほど運行のない時間帯がある。1往復は落合駅で折り返すため、新得駅発着の部分は4時間45分 - 5時間20分ほど間隔が開く。この区間では富良野線直通列車を除くと滝川駅が起点になっており、新得・帯広方面に運行される列車のほか、滝川駅 - 芦別駅・富良野駅・落合駅間の区間列車がある。22時台(富良野発新得行きは21時台)まで列車が運行されている。

沿線からは大雪山連峰や十勝岳が望め、無人地帯を貫く石勝線と違って穏やかな丘陵地帯と農村が広がる。また空知川金山ダム滝里ダム建設により一部の区間が滝里トンネル金山トンネル・鹿越鉄橋経由の新線に付け替えられている。

上落合信号場・新得駅 - 帯広駅 - 釧路駅間

地域輸送に使用されるキハ40形700番台(尺別 - 音別)

上落合信号場で石勝線と結び、札幌駅 - 釧路駅間の幹線ルートを形成する区間である。高速化改良が実施されており、特急列車が最高速度130km/hで駆け抜ける。ただし、広内信号場 - 西新得信号場間は、山脈から吹き下ろす風の通り道となっており、1994年の特急おおぞら脱線事故以前もたびたび脱線や転覆事故が起きてきた。対策として、防風柵を設置しているほか、「早め規制区間」とし、風速20m以上で45km/hに減速、25m以上で運転を中止する措置をとっている。

池田駅を過ぎると厚内川沿いの蛇行した区間と、太平洋岸の丘陵や湿地、河口を避けた区間は、距離は短いものの当線中最も線形が悪く、これを克服するためにキハ283系の仕様が詰められた。カーブ区間はすべてPC枕木化されているものの、他の一部区間では枕木に木材を使用した軌道も残っており、最高速度130km/hで走行できる区間は少ない[注釈 3]。また、この区間ではエゾシカの線路侵入が多い(詳細は後述)。

上記2区間の地域輸送は、普通・快速列車が新得駅 - 帯広駅間・滝川駅 - 帯広駅間・帯広駅 - 釧路駅間に運行されており、どちらの方向も朝夕の一部の列車を除き、帯広駅折り返しとなっている。車両は通しで運転されるが、帯広駅での20 - 30分程度の停車の後、列車番号が変わる列車もある。

帯広駅・釧路駅周辺は1 - 2時間に1本程度の運転頻度で、帯広圏では芽室駅・池田駅・浦幌駅発着、釧路圏では厚内駅・音別駅・白糠駅・大楽毛駅発着の区間列車もある。滝川駅 - 釧路駅の直通列車も1日1往復あり、2015年3月14日現在、所要時間は上り6時間41分、下り8時間27分を要する。この下り普通列車2429Dは、普通列車としては日本最長の308.4kmを走行する(後節も参照)。この区間を運転する上り列車は帯広駅 - 滝川駅間が快速「狩勝」となる2522D - 3430Dであり、釧路駅の始発列車を兼ねている。2001年6月30日までは5時台に始発があった。

過去には帯広駅 - 池田駅間にふるさと銀河線乗入れ列車が設定され、この区間で併結運転があったが、2006年4月21日のふるさと銀河線の廃止によって消滅した。羽帯駅・大成駅・稲士別駅・古瀬駅は普通列車でもかなりの数が通過するが、大成駅については通過列車がある駅の中では停車本数が多い。

滝川発釧路行普通2427D列車

普通2427D列車は、2016年3月26日現在、滝川駅9時40分発釧路駅18時01分着で日本一運行時間(8時間27分)が長い普通列車である。

運行距離は 308.4km である。かつては岡山駅から下関駅新山口駅までを走っていた山陽本線の多数の普通列車の方が長い距離を走っていたが、ダイヤ改正の度にこれらの列車の運行距離が短縮され、2015年3月のダイヤ改正の時点で当列車より長い距離を走る普通列車は全滅し、運行距離最長普通列車ともなった[注釈 4][新聞 6][新聞 7]

2010年から、この列車(当時の列車番号は2429D)で滝川駅 - 釧路駅間を1日で乗り通した人に釧路駅有人改札口で完全乗車証明書を発行しており、2012年10月26日までで2860人に発行されている[新聞 8]

2012年10月27日のダイヤ改正でこれまで特急を待避する都合で通過していた羽帯駅稲士別駅にも停車するようになり、滝川駅 - 釧路駅間のすべての駅に停車することになった。

2016年3月26日のダイヤ改正で大幅な快速・普通列車の減便が行われる影響で、この滝川発釧路行き普通列車の列車番号が2429Dから2427Dに変更され[報道 6]、同時に山陽本線に岡山駅から下関駅までの普通列車が復活したため、運行距離最長普通列車の称号については返上した[新聞 9]

毎月第2・第4土曜日は国鉄色といわれる朱色5号の車両で運転されるが、変更されることもあるので、運転日はJR北海道のホームページに掲載されている。

釧路駅 - 根室駅間(花咲線)

2006年まで車両に張られていたマーク(2005年6月)

花咲線」の愛称を名乗るこの区間は、釧路駅以西とは運転系統が完全に分離されている。快速2往復(「ノサップ」・「はなさき」)のほかは普通列車のみの運転で、釧路駅 - 根室駅間直通列車のほか、釧路駅 - 厚岸駅間と厚床駅 - 根室駅間(ただし後者は登校日のみ)の区間列車があり、2 - 3時間に1本程度が運行されている。普通列車の中には、厚床駅 - 根室駅間の一部の駅を通過するものもある。1991年7月1日に発足した「花咲線運輸営業所」がこの区間の管理運営を行っている。

釧路駅・根室駅の最終は22時過ぎで、日付変更後に終着駅に到着する。昔は釧路発21時台・根室発20時台であったが、2007年10月1日に根室発も21時台となった。そして2014年8月30日に、特急の時刻が見直された影響で、現行の時刻となった。

夏の一時期は夜行列車「まりも」が根室駅まで延長運転されることがあったが、札幌駅 - 根室駅間を通して乗る旅客が減少しているため、2006年以降は延長運転されないことになった。

ほとんどの列車が釧路駅で札幌からの特急列車と接続しているが、朝・夜の1往復は特急とは接続しない(かつては特急「まりも」と接続していた)。

この区間は釧路駅以西と比べてもエゾシカの線路侵入が著しく多い(後述)。

貨物輸送

貨物列車は、滝川駅 - 富良野駅間と上落合信号場 - 帯広貨物駅 - 釧路貨物駅間で運転されている。

滝川駅 - 富良野駅間
滝川駅 - 富良野駅間の列車は、コンテナ車で組成された最高速度95km/hの高速貨物列車で、札幌貨物ターミナル駅 - 富良野駅間に秋冬限定の臨時列車が2往復設定されている。
上落合信号場 - 帯広貨物駅 - 釧路貨物駅間
上落合信号場 - 帯広貨物駅 - 釧路貨物駅間の列車は、石油輸送用のタンク車で組成された専用貨物列車とコンテナ車で組成された高速貨物列車で、石勝線直通で運転されている。
専用貨物列車は定期列車(土日運休)として本輪西駅 - 帯広貨物駅間に1往復設定され、室蘭製油所からの石油輸送を行っている。東室蘭発帯広貨物行きが1本と帯広貨物発本輪西行き1本の片道1本ずつの臨時専用貨物列車も設定されている。いずれも最高速度は75km/hである。
高速貨物列車は、札幌貨物ターミナル駅 - 帯広貨物駅間に臨時1往復を含めて4往復、札幌貨物ターミナル駅 - 釧路貨物駅間に下り3本(うち1本は苫小牧駅経由)と上り1本、釧路貨物駅 - 帯広貨物駅間に上り2本が設定されている。札幌貨物ターミナル駅 - 釧路貨物駅間の列車は、いずれも帯広貨物駅でコンテナ車の増解結を行い、うち1往復は音別駅で増解結を行い、大塚製薬の製品輸送コンテナを扱う。本州方面への直通列車も設定され、帯広貨物駅から隅田川駅梅田駅にそれぞれ片道1本運転されている。これらの列車には釧路貨物駅から別列車で帯広貨物駅に到着したコンテナ車の一部も連結される。本州直通列車にはコキ100系貨車が使用される。最高速度は帯広貨物発隅田川行きが100km/hのほかはすべて95km/hである。
列車の牽引機関車は、ディーゼル機関車である。高速貨物列車及び専用貨物列車はDF200形を使用する。

エゾシカによる運行支障

花咲線列車内から見たエゾシカの群れ(落石駅付近、2010年2月)

エゾシカは本州のニホンジカと同種だが、ニホンジカより大きく(ベルクマンの法則)、体重200kgを超えるものもおり、列車と衝突した場合、看過できない問題となる。

JR北海道全体において、エゾシカとの衝突や、衝突に至らないまでも急制動を強いられるなどにより報告される運行支障件数は、近年著しく増加を続けている。その原因は禁猟などによるエゾシカの個体数激増にあると見られている。1990年代前期に年間200 - 300件程度だったものが、2004年度に年間1,000件を超え、2007年度は1,474件にのぼっている。衝突時の衝撃としては300kgを超えるヒグマの方が大きいものの、ヒグマは臆病な性格のため線路周辺に現れることはほとんどなく、列車衝突事故の件数はエゾシカにくらべ極めて少ない。

根室本線は、北海道の中でもエゾシカの線路侵入が目立って多い。2007年度の全道1,474件中、752件が釧路支社管内で、そのうち463件は落合以東の根室本線で占めている[報道 7]

落合 - 釧路間
落合 - 釧路間の2007年度支障件数は128件で、減速して警戒するほか、特に出没が多い浦幌 - 直別間ではエゾシカ侵入防止フェンスの設置を進めている。
釧路 - 根室間(花咲線)
花咲線区間での2007年度支障件数は335件にものぼる。これは絶対数であり、釧路以西と比較すると、特急・急行も貨物列車もなく、列車本数や営業距離も勘案すれば、列車営業キロあたりでは釧路以西の10倍以上エゾシカの影響を受けているといえる。警笛によりシカに注意を促すために、花咲線用のキハ54はタイフォンをホイッスル(通称「シカブエ」と呼ばれる。JR北海道の車両にはキハ283系など広く用いられている)に換えている。

輸送密度

新得 - 帯広間の輸送密度は、実質的に一体化した運用を行っている石勝線の南千歳 - 新得間と総合して計算したものが公表されている[報道 8]

滝川 - 新得間
南千歳 - 帯広間
帯広 - 釧路間
釧路 - 根室間

営業係数

前者が管理費を除いた場合、後者が管理費を含めた場合の営業係数である[報道 8]。なお、新得 - 帯広間のは、実質的に一体化した運用を行っている石勝線の南千歳 - 新得間と総合して計算したものが公表されている[報道 8]

滝川 - 富良野間
富良野 - 新得間
南千歳 - 帯広間
帯広 - 釧路間
釧路 - 根室間

使用車両

現在の使用車両

すべて気動車で運転されている。

特急列車

普通列車

  • キハ40系(滝川 - 釧路)
    滝川 - 釧路間で使用される。また、かつてはふるさと銀河線(池田 - 足寄間のみ)にも朝の1往復のみ乗り入れていた。
  • キハ54形(音別 - 根室)
    基本的に花咲線区間の釧路 - 根室間で使用されるが、一部の音別・白糠 - 釧路間の区間列車にも使用される。
  • キハ150形(富良野 - 帯広)
    快速狩勝」の旭川直通列車で使用される。また、間合い運用で帯広近辺で運転されることもある。

過去の使用車両

国鉄時代はキハ22形気動車も全線で運用されていた。

2006年4月にふるさと銀河線が廃止されるまでは、ふるさと銀河線の気動車(CR70形またはCR75形)も池田 - 帯広間に2往復乗り入れていた。

特急列車

急行・準急列車

駅一覧

滝川 - 東釧路間において駅ナンバリングが設定されているが、駅ナンバリング順ではなく、滝川駅から下り方向に記述。駅ナンバリングの詳細については「北海道旅客鉄道の駅ナンバリング」を参照。

  • 駅名 … (貨):貨物専用駅、◆・◇:貨物取扱駅(貨物専用駅を除く。◇は定期貨物列車の発着なし)
  • 停車駅
  • 線路(全線単線) … ◇・∨:列車交換可、|:列車交換不可
  • 全駅北海道内に所在
駅番号 駅名 駅間営業キロ 累計営業キロ 普通 快速 接続路線 線路 所在地
A21 滝川駅 - 0.0 北海道旅客鉄道函館本線 空知管内 滝川市
T22 東滝川駅 7.2 7.2  
T23 赤平駅 6.5 13.7   赤平市
T24 茂尻駅 3.5 17.2  
T25 平岸駅 3.5 20.7  
T26 芦別駅 5.9 26.6   芦別市
T27 上芦別駅 3.9 30.5  
T28 野花南駅 4.7 35.2  
T29 島ノ下駅 13.9 49.1   上川管内 富良野市
T30 富良野駅 5.5 54.6 北海道旅客鉄道:富良野線
T31 布部駅 6.3 60.9  
T32 山部駅 5.8 66.7  
T33 下金山駅 8.0 74.7   空知郡
南富良野町
T34 金山駅 6.9 81.6  
T35 東鹿越駅 13.2 94.8  
T36 幾寅駅 4.0 98.8  
T37 落合駅 9.4 108.2  
  上落合信号場 - 112.2 根室本線と石勝線との実際の分岐点
  新狩勝信号場 - 117.8   十勝管内 上川郡 新得町
  広内信号場 - 124.0  
  西新得信号場 - 129.5  
K23 新得駅 28.1 136.3 北海道旅客鉄道:石勝線(営業上の分岐点)
K24 十勝清水駅 9.1 145.4   清水町
  平野川信号場 - 151.6  
K25 羽帯駅 7.5 152.9  
K26 御影駅 3.0 155.9  
  上芽室信号場 - 160.6  
K27 芽室駅 10.6 166.5   河西郡芽室町
K28 大成駅 2.1 168.6  
K29 西帯広駅 4.8 173.4   帯広市
  (貨)帯広貨物駅 2.6 176.0  
K30 柏林台駅 0.6 176.6  
K31 帯広駅 3.5 180.1  
K32 札内駅 4.8 184.9     中川郡 幕別町
K33 稲士別駅 3.6 188.5    
K34 幕別駅 5.8 194.3    
K35 利別駅 6.5 200.8     池田町
K36 池田駅 3.5 204.3    
  昭栄信号場 - 208.5    
K37 十弗駅 8.5 212.8     豊頃町
K38 豊頃駅 5.4 218.2    
K39 新吉野駅 7.1 225.3     十勝郡浦幌町
K40 浦幌駅 6.4 231.7    
  常豊信号場 - 236.0    
K41 上厚内駅 11.8 243.5    
K42 厚内駅 6.6 250.1    
K43 直別駅 7.2 257.3     釧路管内 釧路市
K44 尺別駅 4.0 261.3    
K45 音別駅 3.8 265.1    
K46 古瀬駅 9.7 274.8     白糠郡白糠町
K47 白糠駅 6.3 281.1    
K48 西庶路駅 5.4 286.5    
K49 庶路駅 2.1 288.6    
  東庶路信号場 - 293.8    
K50 大楽毛駅 10.4 299.0     釧路市
K51 新大楽毛駅 1.8 300.8    
K52 新富士駅 4.9 305.7    
  (貨)釧路貨物駅    
K53 釧路駅 2.7 308.4  
B54 東釧路駅 2.9 311.3 北海道旅客鉄道:釧網本線[* 1]
  武佐駅 1.2 312.5  
  別保駅 4.5 317.0   釧路郡釧路町
  上尾幌駅 14.7 331.7   厚岸郡 厚岸町
  尾幌駅 9.2 340.9  
  門静駅 9.2 350.1  
  厚岸駅 4.9 355.0  
  糸魚沢駅 10.6 365.6  
  茶内駅 9.6 375.2   浜中町
  浜中駅 7.0 382.2  
  姉別駅 10.1 392.3  
  厚床駅 6.6 398.9   根室管内 根室市
  初田牛駅 7.1 406.0  
  別当賀駅 8.5 414.5  
  落石駅 10.3 424.8  
  昆布盛駅 4.0 428.8  
  西和田駅 4.8 433.6  
  東根室駅 8.7 442.3  
  根室駅 1.5 443.8  
  1. ^ 釧網本線との分岐は東釧路駅だが、列車はすべて釧路駅へ乗り入れる
  • 上落合信号場 - 新得駅間は根室本線との重複区間
  • 武佐 - 根室の各駅には、駅番号が付番されていない。

廃止区間

1966年10月1日廃止区間
落合駅 - 狩勝信号場 - 新内駅 - 新得駅 (27.9km)
日本新八景鉄道省が選定した日本三大車窓の一つでもある狩勝峠を含んでいた。残る二つの篠ノ井線姨捨駅肥薩線矢岳越えは現存する。
峠は最大勾配25‰、最小半径180mのカーブが連続する難所で、峠のすぐ落合側の狩勝信号場はスイッチバックとなっていた。峠付近のS字大カーブ築堤や橋梁、隧道などの鉄道施設群は2003年土木学会選奨土木遺産に選定されている。
廃止後の新内 - 新得間は、1967年 - 1979年の間鉄道事故の原因究明、及びその対策に関する実験を行う、通称・狩勝実験線として使われていた。
貨物線(1989年8月1日廃止)
釧路駅 - (貨)浜釧路駅 (3.8km)
貨物線(1984年2月1日廃止)
東釧路駅 - (貨)天寧駅 (1.5km)
貨物線(1982年11月15日廃止)
厚岸駅 - (貨)浜厚岸駅 (1.2km)
貨物線(1965年10月1日廃止)
根室駅 - (貨)根室港駅 (2.6km)

廃駅・廃止信号場

廃止区間上にあるものは除く。括弧内は滝川駅からの営業キロ。

過去の接続路線

脚注

注釈

  1. ^ a b 根室本線所属駅に限定する場合、起点の滝川駅(函館本線所属[2])が除外され、68駅となる。
  2. ^ 北垣は京都府知事在職中に琵琶湖疏水建設を計画し、工部大学校を卒業したばかりの田辺を主任技師として京都府へ招聘した関係にあった。
  3. ^ その後、段階的であるものの、PC枕木化・ロングレール化された区間も一部ある。高速化改良される前は池田以西は最高速度95km/h、池田以東は最高速度85km/hでしか走行できなかった。
  4. ^ 同時に唯一の運行距離が300kmを超える普通列車にもなった。

出典

報道発表資料

  1. ^ "安全性向上に向けた輸送サービス抑制へのご理解について" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 4 September 2013. 2013年9月21日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2013年9月21日閲覧
  2. ^ "11月以降のダイヤについて" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 20 September 2013. 2013年9月21日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2013年9月21日閲覧
  3. ^ "平成26年8月ダイヤ改正について" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 4 July 2014. 2014年7月14日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2014年8月30日閲覧
  4. ^ "駅番号表示(駅ナンバリング)を実施します" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 12 September 2007. 2007年9月30日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2007年9月30日閲覧
  5. ^ "減速運転の試行について" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 23 May 2013. 2013年6月13日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2013年6月13日閲覧
  6. ^ a b "3月26日以降の普通列車時刻について" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 8 February 2016. 2016年2月9日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2016年2月9日閲覧
  7. ^ "路線別の支障発生件数及び個体数指数の推移" (PDF) (Press release). 北海道庁. 2014年8月21日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2014年8月21日閲覧
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q "平成26年度 線区別の収支状況等について" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 10 February 2016. 2016年2月14日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2016年2月14日閲覧
  9. ^ a b c d "平成26年3月期 連結決算概況について" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 9 May 2014. 2014年8月19日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2014年8月19日閲覧
  10. ^ "平成26年度決算について・平成26年度決算のポイント" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 8 May 2015. 2015年12月3日閲覧
  11. ^ a b c d e f "平成27年度第2四半期決算について" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 6 November 2015. 2015年12月3日閲覧

新聞記事

  1. ^ “JR北海道:一部特急を減速・減便 11月ダイヤ改正発表”. 毎日新聞毎日jp (毎日新聞社). (2013年9月20日). オリジナルの2013年11月3日時点におけるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20131103204155/http://mainichi.jp/select/news/20130921k0000m040081000c.html 2013年11月3日閲覧。 
  2. ^ “狩勝新線開通”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1966年10月1日)
  3. ^ “強風の下 検分再開*根室本線*復旧作業は難航*特急脱線事故”. 北海道新聞(フォト海道) (北海道新聞社). (1994年2月23日). オリジナルの2015年7月26日時点におけるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20150726131137/http://photodb.hokkaido-np.co.jp/detail/0090166023 2015年7月26日閲覧。 
  4. ^ “根室本線特急脱線*JR、故障放置*昨年8月に発見…未修理*風速データ分からず*釧路支社”. 北海道新聞(フォト海道) (北海道新聞社). (1994年2月24日). オリジナルの2015年7月26日時点におけるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20150726131350/http://photodb.hokkaido-np.co.jp/detail/0090166044 2015年7月26日閲覧。 
  5. ^ “おおぞら脱線事故*監視装置の点検を指示*JRに道運輸局”. 北海道新聞(フォト海道) (北海道新聞社). (1994年2月27日). オリジナルの2015年7月26日時点におけるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20150726131441/http://photodb.hokkaido-np.co.jp/detail/0090166061 2015年7月26日閲覧。 
  6. ^ “JRダイヤ改正で「日本最長距離普通列車」山陽本線371Mが岡山〜徳山間に短縮”. マイナビニュース (マイナビ). (2015年3月9日). オリジナルの2015年3月17日時点におけるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20150317151052/http://news.mynavi.jp/news/2015/03/09/299/ 2015年3月17日閲覧。 
  7. ^ “3月改正から距離も日本一…根室本線の「長〜〜い」鈍行に乗ってみた”. Response. (株式会社イード). (2015年3月11日). オリジナルの2015年3月11日時点におけるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20150311023103/http://response.jp/article/2015/03/11/246269.html 2015年3月11日閲覧。 
  8. ^ 北海道新聞 (北海道新聞社). (2012年10月27日)
  9. ^ “北海道の「長〜〜い」普通列車、距離は2位に転落…1位は再び山陽線”. Response. (株式会社イード). (2016年3月21日). http://response.jp/article/2016/03/21/271898.html 2016年3月22日閲覧。 
  10. ^ a b c “留萌―増毛間、経費4161円で収益100円 JR北海道が収支公表”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2015年11月6日). オリジナルの2015年11月6日時点におけるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20151106102552/http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0198978.html 2015年11月6日閲覧。 

参考文献

書籍

雑誌

  • 鉄道ジャーナル社「列車追跡シリーズ394 〝望郷の岬〟を恋うる旅路(おおぞら13号)〜(はなさき)」『鉄道ジャーナル』通巻323号(1993年9月号)、鉄道ジャーナル社、1993年、85頁、ISSN 0288-2337 

関連項目

外部リンク