日高本線

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JR logo (white).svg 日高本線
大狩部駅-節婦駅間を走行する列車(2011年10月)
大狩部駅-節婦駅間を走行する列車(2011年10月)
日高本線の路線図
路線総延長 142.5 km
軌間 1067 mm
最大勾配 25 パーミル
最小半径 250 m

日高本線(ひだかほんせん)は、北海道苫小牧市苫小牧駅から様似郡様似町様似駅を結ぶ北海道旅客鉄道(JR北海道)の鉄道路線地方交通線)である。

路線データ[編集]

  • 管轄(事業種別):北海道旅客鉄道(第一種鉄道事業
  • 区間:苫小牧駅 - 様似駅 146.5km
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:29(起終点駅含む)
    • 日高本線所属駅に限定した場合、起点の苫小牧駅(室蘭本線所属[1])が除外され、28駅となる。
  • 複線区間:なし(全線単線
  • 電化区間:なし(全線非電化
  • 閉塞方式自動閉塞式(JR北海道苫小牧駅 - 苫小牧貨物駅JR貨物)、特殊自動閉塞式(電子符号照査式)(苫小牧貨物駅 - 様似駅間)
    • ただし、日高本線を運転する列車はすべて苫小牧貨物駅を通過するため、下り列車の運転士は同駅ではなく苫小牧駅で出発要求を行う。
  • 交換可能駅:4(鵡川、日高門別、静内、本桐)
  • 最高速度:95km/h

全線が本社鉄道事業本部日高線運輸営業所の管轄である。

歴史[編集]

王子製紙の関連会社であった苫小牧軽便鉄道と日高拓殖鉄道という2つの軽便鉄道を、改正鉄道敷設法別表第133号に規定する予定線の一部として1927年に国有化して改築し、これを1937年に様似まで延長した路線である。計画では、襟裳岬を回って広尾を経て帯広まで結ぶこととされ、帯広側では広尾線が広尾まで開業していたが、広尾線は1987年に廃止されている。未成区間の様似 - 広尾間はジェイ・アール北海道バス日勝線で連絡している。

苫小牧軽便鉄道[編集]

  • 1909年明治42年)6月:王子製紙苫小牧工場で使用するパルプ原料の木材を輸送するために、三井物産が苫小牧 - 鵡川間に専用馬車鉄道を敷設[2][3]
  • 1911年(明治44年)
    • 5月29日:王子製紙と三井物産が共同運営契約締結。
    • (月日不明):蒸気鉄道に変更。
    • 12月:専用鉄道が佐瑠太まで延伸。
  • 1912年大正元年)8月15日:王子製紙が三井物産より当鉄道の一切の施設及び権利を譲受。
  • 1913年(大正2年)
    • 5月21日:鉄道免許状下付(勇払郡苫小牧村大字苫小牧-沙流郡門別村大字佐瑠太)[4]
    • 7月3日:王子製紙が資本金50万円で苫小牧軽便鉄道株式会社を設立。
    • 10月1日:苫小牧軽便鉄道の苫小牧 - 佐瑠太間(軌間762mm、25.1M≒40.4km)が開業(王子製紙専用鉄道を改修)。苫小牧駅、勇払駅、厚真駅(現在の浜厚真駅)、鵡川駅、鵡川貨物所、佐瑠太駅(現在の富川駅)が開業[5]
  • 1925年(大正14年)11月15日:厚真駅を浜厚真駅に改称[6]

日高拓殖鉄道[編集]

  • 1924年(大正13年)9月6日:日高拓殖鉄道の佐瑠太 - 厚賀間(軌間762mm、13.1M≒21.1km)開業。佐瑠太駅、門別駅(現在の日高門別駅)、波恵駅(現在の豊郷駅)、慶能舞駅(現在の清畠駅)、厚賀駅が開業。
  • 1925年(大正14年)2月10日:門別駅を日高門別駅に改称。
  • 1926年(大正15年)12月7日:厚賀 - 静内間(軌間762mm、10.2M≒16.4km)延伸開業。節婦駅、高江駅(現在の新冠駅)、静内駅が開業。

国有化以後[編集]

  • 1927年昭和2年)8月1日:苫小牧軽便鉄道・日高拓殖鉄道を買収し、国有化。苫小牧 - 静内間が日高線となる。
  • 1929年(昭和4年)11月26日:苫小牧 - 佐瑠太間を軌間1067mmに改軌。同時に改キロ(+0.4km)。
  • 1931年(昭和6年)11月10日:佐瑠太 - 静内間を軌間1067mmに改軌。同時に改キロ(+0.8km)。
  • 1933年(昭和8年)12月15日:静内 - 日高三石間(23.7km)延伸開業。東静内駅、春立駅、日高三石駅が開業。
  • 1935年(昭和10年)10月24日:日高三石 - 浦河間(24.5km)延伸開業。本桐駅、荻伏駅、浦河駅が開業。
  • 1937年(昭和12年)8月10日:浦河 - 様似間(16.2km)延伸開業し全通。日高幌別駅、鵜苫駅、西様似駅、様似駅が開業。
  • 1943年(昭和18年)11月1日富内線 鵡川 - 豊城間が開業して当路線から分岐するようになったことにともない、日高本線に改称。
  • 1944年(昭和19年)4月1日:佐瑠太駅を富川駅に、波恵駅を豊郷駅に、慶能舞駅を清畠駅に改称。
  • 1948年(昭和23年)8月1日:高江駅を新冠駅に改称。
  • 1954年(昭和29年)1月15日:ディーゼルカー運用開始。
  • 1957年(昭和32年)4月10日:混合列車廃止により完全客貨分離。当初の運用はディーゼルカー7往復、貨物列車3往復。これにより様似-苫小牧間最大6時間40分が4時間程度に短縮。
  • 1958年(昭和33年)7月15日:大狩部駅、日高東別駅、蓬栄駅、絵笛駅が開業。
  • 1959年(昭和34年)
    • 6月7日札幌 - 様似間を千歳線・日高本線経由で運行する臨時準急「えりも」が運転開始(6月-9月の週末運転)。
    • 12月18日:浜田浦駅、汐見駅が開業。
  • 1960年(昭和35年)4月22日:札幌 - 様似間を千歳線・日高本線経由で運行する準急「日高」が運転開始。
  • 1962年(昭和37年)
  • 1963年(昭和38年)6月1日:準急「えりも」を定期化。
  • 1966年(昭和41年)
    • 3月5日:準急列車制度の改変に伴い「えりも」「日高」を急行に格上げ。
    • 6月1日:「日高」は「えりも」に名称を統合。同時に1往復増便し3往復体制とする。
  • 1977年(昭和52年)9月1日:東町駅が開業
  • 1981年(昭和56年)3月:苫小牧 -(貨)苫小牧間、自動閉塞・CTC化。
  • 1982年(昭和57年)12月15日:静内 - 様似間貨物営業廃止。
  • 1984年(昭和59年)2月1日:苫小牧 - 静内間貨物営業廃止。
  • 1986年(昭和61年)
    • 11月:(貨)苫小牧 - 様似間、特殊自動閉塞(電子閉塞)化。
    • 11月1日:急行「えりも」廃止で日高本線の優等列車全廃(停車駅はすずらんの項目に掲載)。富内線廃止により支線の無い本線となる。
  • 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により北海道旅客鉄道が承継。
  • 1988年(昭和63年)11月3日キハ130形運転開始。
  • 1989年平成元年)
    • 7月1日:一部列車でワンマン運転開始。
    • 8月9日:フイハップ浜駅が開業。
  • 1990年(平成2年)7月1日:日高線運輸営業所開設。全列車ワンマン運転化、全列車キハ130形で運転。
  • 1991年(平成3年)7月20日:(臨)静内海水浴場駅が開業(7月20日から8月18日までの土・日営業)。
  • 1992年(平成4年)8月24日:(臨)静内海水浴場駅が廃止(7月19日から8月23日までの土・日営業)。
  • 1993年(平成5年)9月24日:フイハップ浜駅が廃止。
  • 1998年(平成10年)9月27日:キハ130形の一部がこの日限りで運用離脱。
  • 2001年(平成13年)6月17日:キハ130形全車がこの日限りで運用離脱。
  • 2004年(平成16年)12月13日 - 翌年3月31日:デュアル・モード・ビークルの走行試験を実施[7]

運行形態[編集]

全線を日高線運輸営業所が管轄しており、定期列車は線内のみの普通列車(ワンマン運転)のみである。苫小牧 - 様似間の通しの列車(下り5本、上り6本)のほか、苫小牧 - 鵡川・静内、静内 - 様似で区間列車があるが、3時間以上運行のない時間帯がある。車両はキハ40形気動車(350番台)とごく稀に、苫小牧運転所キハ40形気動車(1700番台)が使用されている。かつては当線限定運用のキハ130形キハ160形が導入されていたこともあった。

土曜日・休日・休校日には、「ホリデー日高」が静内 - 苫小牧間に運行されている。

この路線では年末年始も休日ダイヤを採用せず、臨時列車扱いで鵡川 - 苫小牧間に夕方の列車を追加運行している。

「優駿浪漫」号[編集]

優駿浪漫号として使用されるニセコエクスプレス(2005年5月)

臨時列車としては、千歳線直通で札幌駅まで乗り入れる「優駿浪漫」号がある。

運行は毎年5月の観光シーズンの数日のみで、ここ数年はニセコエクスプレスを担当する特急形気動車が使用されている。かつては、当線で通常使用されているキハ40形気動車(350番台)学園都市線用のキハ141系ヘッドマークを変えるだけで使用されたこともあった。なお、運転開始から一貫して臨時快速列車の扱いだったが、2011年度からは臨時普通列車扱いとなり、全席自由席での運転となった。

当線内は定期普通列車の置き換えであるため、各駅停車である。線路配線の都合で苫小牧駅で列車の進行方向が変わる。千歳線内の停車駅は同線を走行する昼行特急と同じだが、ダイヤの編成の都合で運転停車を行い後続列車に追い抜かれる場合もあり、同線内での所要時間は快速「エアポート」よりも遅くなる。

停車駅
札幌駅 - 新札幌駅 - 南千歳駅 - 苫小牧駅 - (各駅停車) - 様似駅

輸送密度[編集]

  • 2012年度 320人[8]
  • 2013年度 312人[8]

駅一覧[編集]

  • 普通列車はすべての旅客駅に停車。ただし、一部列車は▽印の駅を通過する。
  • 線路(全線単線) … ◇・∨:列車交換可、|:列車交換不可
  • 全駅北海道内に所在
駅名 駅間営業キロ 累計営業キロ 接続路線 線路 所在地
苫小牧駅 - 0.0 北海道旅客鉄道室蘭本線千歳線[* 1] 苫小牧市
(貨)苫小牧貨物駅 3.4 3.4
勇払駅 9.7 13.1  
浜厚真駅 9.6 22.7   勇払郡厚真町
浜田浦駅 4.3 27.0   勇払郡
むかわ町
鵡川駅 3.5 30.5  
汐見駅 4.0 34.5  
富川駅 9.1 43.6   沙流郡
日高町
日高門別駅 7.7 51.3  
豊郷駅 5.0 56.3  
清畠駅 4.8 61.1  
厚賀駅 4.5 65.6  
大狩部駅 5.5 71.1   新冠郡
新冠町
節婦駅 2.0 73.1  
新冠駅 4.1 77.2  
静内駅 4.9 82.1   日高郡
新ひだか町
東静内駅 8.8 90.9  
春立駅 6.1 97.0  
日高東別駅 2.4 99.4  
日高三石駅 6.4 105.8  
蓬栄駅 4.0 109.8  
本桐駅 3.2 113.0  
荻伏駅 7.2 120.2   浦河郡
浦河町
絵笛駅 4.9 125.1  
浦河駅 5.2 130.3  
東町駅 2.1 132.4  
日高幌別駅 4.5 136.9  
鵜苫駅 4.2 141.1   様似郡
様似町
西様似駅 2.5 143.6  
様似駅 2.9 146.5  
  1. ^ 千歳線の正式な起点は室蘭本線沼ノ端駅だが、運転系統上は全列車が苫小牧駅に乗り入れる

廃駅[編集]

過去の接続路線[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
  2. ^ 王子製紙社史 昭和34年発行 第4巻 P184、P191では1907年(明治40年)に敷設となっている。
  3. ^ 三井物産運用時代の写真は、函館市中央図書館デジタル資料館の以下の外部リンクで見ることができる。
    三井物産株式会社軽便鉄道 勇払橋近傍
    三井物産株式会社軽便鉄道 御召列車
    なお、写真内の記述によれば鉄道の名前は特に定まっていなかったようで、「苫小牧-鵡川線」「鵡川線」とまちまちである。
  4. ^ 「軽便鉄道免許状下付」『官報』1913年5月23日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  5. ^ 「軽便鉄道運輸開始」『官報』1913年10月6日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  6. ^ 「地方鉄道駅名改称」『官報』1925年11月19日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  7. ^ 〜道路とレールを自在に行き来できる「デュアル・モード・ビークル Dual Mode Vehicle (DMV)」の営業線区における冬期走行試験を実施します〜 (PDF) - JR北海道、2004年11月16日
  8. ^ a b 平成26年3月期決算について (PDF) - 北海道旅客鉄道、2014年5月9日

参考文献[編集]

  • 星良助「道産品愛用精神から生まれた 小樽の機関車メーカーものがたり2」、『鉄道ファン』No. 501(2003年1月号、2003年、 pp. 108-109。

関連項目[編集]