タンチョウ

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?タンチョウ
タンチョウ
タンチョウ Grus japonensis
保全状態評価
ENDANGEREDIUCN Red List Ver.3.1(2001)
ファイル:Status iucn3.1 EN.svg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: ツル目 Gruiformes
: ツル科 Gruidae
: ツル属 Grus
: タンチョウ G. japonensis
学名
Grus japonensis
Müller, 1776
英名
Red-crowned Crane
Japanese Crane
Manchurian Crane

タンチョウ丹頂 Grus japonensis)は、ツル目ツル科の鳥類である。丹頂鶴(たんちょうづる)とも呼ばれる。「丹」は「赤い」、「頂」は「頭頂部」の意。 アイヌはタンチョウをサルルンカムイ湿原の神)と呼ぶ。

目次

[編集] 分布

日本
主に北海道東部の釧路湿原などに生息する。大部分が留鳥であるが、一部は北方領土などで繁殖する。江戸時代までは冬季に本州渡りをして越冬する個体群があったが、現在では消滅している。2008年、道北から秋田県男鹿市の隣の大潟村へ飛行した個体が確認され話題となった。
日本以外
ユーラシア大陸東部に生息する。夏季は中国東北部などで繁殖する(英語名 Manchurian Crane の由来)。冬季は中国東部の黄河河口や沿岸部、および朝鮮半島に移動し、軍事境界線で越冬することが知られる。これは軍事境界線が人の立ち入りを著しく制限されていることによる。日本の出水市に非常にまれだが飛来することもあり、2004年12月には37年ぶりに幼鳥1羽が飛来した。

[編集] 形態

全長130-140cm、翼開長2.2-2.3m、体重7-10kg(最大で15kgの記録がある)。白い羽毛で覆われているが、側頭部から頚部にかけてと、次列風切羽、三列風切羽は黒い。嘴と脚は黒っぽい褐色。尾羽は、羽をたたんだとき三列風切羽が尾羽と重なるため黒く見えるが、実際の尾羽は白い。頭頂部は赤く、皮膚が裸出し(ニワトリのトサカと同じ)、興奮するとやや大きく色鮮やかになる。和名の由来は「丹(赤)い頭頂部」である。

ヒナは明るい褐色の綿毛に包まれている。生後1年前後の幼鳥の羽毛は成鳥に似るが、頭の部分が褐色で頭頂部の赤い裸出はない。

[編集] 生態

冬季は人里近くに群れをつくって過ごす。春先にはジャンプ等の動作を組み合わせた「求愛ダンス」「鶴のダンス」と呼ばれる行動を行う。本種のつがいは一生解消されないため、このダンスは互いの絆を確かめるために行うとする説もある。3月になるとつがいは湿原に移り、枯れアシなどを用いて地面に巣をつくる。各つがいは数平方キロメートルにもわたる領域を縄張りとし、仲間を寄せ付けない。

食性は雑食種子、湿原に棲む昆虫類魚類カエル等を食べる。

メスは2つのを産卵し、30日強で孵化する。ヒナは生まれて半日ほどで親鳥について歩くようになり、100日程度で親鳥と同じくらいの大きさまで成長し、飛べるようになる。生まれて1年間は茶色の羽毛をしているが、やがて幼毛も抜け落ち、親鳥と同じ姿になる。

タンチョウの雛たち
天王寺動物園にて

[編集] Sibley分類体系での位置

シブリー・アールキスト鳥類分類
ツル下目 Gruides
ツル上科 Gruoidea
ツル亜科 Gruinae

[編集] 保全状態評価

日本
中国

[編集] 人間との関係

広重「名所江戸百景」に描かれたタンチョウ。江戸末期のこの当時、三河島村(現在の荒川区荒川近辺)に飛来地があり、手厚く保護されていた。

日本国内のタンチョウは1935年から現在まで、特別天然記念物指定種として保護対象となっている。明治時代には乱獲により一時は絶滅したものと考えられたが、1924年、釧路湿原のキラコタン岬で僅か十数羽が生存しているところを発見された。1950年に上阿寒で農業を営んでいた山崎定次郎が給餌に成功して以来、各地で給餌が行われるようになり、徐々に個体数は増加した。特別天然記念物としての手厚い保護が効を奏し、2001年度の生息状況調査では国内約800羽、2006年度の生息状況調査では国内約1,000羽まで生息数が回復した。

その間、土地開発による生息地消失や冬期の給餌など、人間がタンチョウの生活に強く影響を及ぼした。近年は生息域が人間の活動域にまで広がってきており、地域の主要産業である飼育牛用の飼料への依存や、それに伴う酪農業や農作物への加害などが起こっている。以前から人家周辺で電線にぶつかる事故も多く、最近は自動車や列車などとの衝突事故、農薬や鉛などの重金属を摂取した死亡事故も発生している。このように、北海道におけるタンチョウの生息環境や社会的状況が変化してきた中で、今後どのようにタンチョウと接すればよいか、人とタンチョウはどのように共存していくか、といった議論も行われるようになっている。

冬季は釧路市鶴居村の給餌場でデントコーンなどが与えられている。ヒナを飼育する際には、人間に慣れて野生にかえりにくくならないよう、飼育員はタンチョウの着ぐるみを着用する。

[編集] タンチョウが見られる給餌場・動物園等

保護、繁殖、野生化の取り組みがなされている。

[編集] 文化の中のタンチョウ

[編集] 絵画、意匠

白黒赤の清楚な姿は屏風襖や掛軸にもよく映え、鶴類のなかでもとくに好まれて東洋美術に描かれる。日本では伊藤若冲をはじめ多くの画家に描かれ、多様な作品が遺されている。また、「松に鶴」の絵柄は縁起がよいとされ、花札などさまざまな日用品の意匠に使われた。 2004年以前に発行されていた千円札(肖像は夏目漱石)にもタンチョウが描かれている。

[編集] その他

  • 戦後の1970年代頃まで使われていた公衆電話の電話ボックスには、赤い屋根とクリーム色の筐体から「丹頂鶴」のあだ名があった。
  • 2007年に中華人民共和国国家林業局が、同国の国鳥にタンチョウの選定を提案し、国務院も受け入れたが、タンチョウの学名、英名ともに「日本の鶴」を意味することから、後に議論を呼ぶこととなった。とはいえ、中国では春秋戦国時代からタンチョウが意匠として好まれ愛されてきた経緯がある。「鶴は千年」といった長寿の象徴としてのイメージもタンチョウに由来する。選定の際にはインターネットでのアンケートを参考にしており、全510万票のうち65%を獲得するという圧倒的な得票率であった(2位はオシドリ)。

[編集] 写真

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

  1. ^ Grus japonensis (Species Factsheet by BirdLife International)
  2. ^ Grus japonensis (環境省絶滅危惧種情報 by 生物多様性情報システム J-IBIS

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズ