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主人公は[[#原作|原作小説]]と異なり、女性の神戸美和子([[深田恭子]])。原作者の筒井は、自らがレギュラー出演しているテレビ番組『[[ビーバップ!ハイヒール]]』でドラマ版について聞かれた際「(ドラマ化の際、主人公の性別が変わったのは)原作を書いてから長い年月を経て、作品が時代にそぐわなくなった」と語っている。また、第1期のみ筒井自身も出演している。
主人公は[[#原作|原作小説]]と異なり、女性の神戸美和子([[深田恭子]])。原作者の筒井は、自らがレギュラー出演しているテレビ番組『[[ビーバップ!ハイヒール]]』でドラマ版について聞かれた際「(ドラマ化の際、主人公の性別が変わったのは)原作を書いてから長い年月を経て、作品が時代にそぐわなくなった」と語っている。また、第1期のみ筒井自身も出演している。

なお、ABC制作・テレビ朝日系の金曜21時枠に連続ドラマが放送されるのは、1987年9月に終了した『[[ハングマンGOGO]]』以来17年3ヶ月ぶりとなる。


=== 放送データ ===
=== 放送データ ===

2012年3月4日 (日) 06:13時点における版

富豪刑事』(ふごうけいじ)は、筒井康隆の連作推理小説、及びそれを原作としたテレビドラマシリーズ作品。

小説

1978年(昭和53年)、『小説新潮』に発表された。4篇から構成される連作短編小説(新潮社、1978年\新潮文庫、1984年、ISBN 4-10-117116-5)。主人公は神戸大助(かんべ だいすけ)。現役時代は強欲で鳴らした実業家で大富豪の父を持つ刑事・神戸大助が、引退して悔い改めた父から提供された巨万の資産を、難事件の解決に惜しみなく消費する。同作品の挿絵は、作者の筒井康隆と親交があるイラストレーター・真鍋博が描いている。1985年には関口シュン作画により漫画化もされた[1]

ちなみに、1985年の3月から4月にかけて、東宝企画の常務が映画化を打診したという。製作に当たって

  • 映画はオリジナルストーリーにしてそれを筒井に小説化させる
  • 全シーンを海外ロケ撮影する

というプランを提示されたため、筒井は「せめて脚本に手を入れさせてほしい」と要望を出したが、東宝企画が断ったことなど様々な条件で折り合わず、結局映画化の話を筒井は断ることにした。主演俳優には西城秀樹もしくは萩原健一が予定されていたという[2][3]

登場人物

神戸大助(かんべだいすけ)
主人公。警察署刑事課捜査1係所属の刑事。大富豪・神戸喜久右衛門の息子。金持ちであることを鼻にかけたりしない常識人の好青年であるが、愛車はキャデラック、吸うのは1本8,500円のハバナ葉巻(それも半分も吸わずに揉み消す)、持っている腕時計は最も安いもので250万円、もらった給料袋をそのまま無造作に車の助手席に放っておく、バーバリーのスーツを着ているのに傘も差さずに雨の中を歩く、1個10万円の高級ライターを始終どこかに置き忘れるなどブルジョワ性もかいま見えることから、警察には彼を「富豪刑事」と呼ぶ者もいる。刑事としての収入は1年と数ヶ月分の給料で500万円とのことで(作品が書かれたのは昭和50年代前半)、彼の金銭感覚はいつまでたっても巨額の財産と公務員としての低収入の両極端、どちらにも落ち着くことができないとのこと。正義漢で、喜久右衛門が他者に圧力をかけたりするのを嫌う。当初は、鈴江から好意を寄せられていることにまるで気づいていなかった。財産を惜しげもなく使った捜査を提案し、難事件を解決に導いていく。第3話では、鶴岡刑事からだいぶ観察眼が鋭くなったと言われたように、刑事としての能力も評価されるようになってきた。正体を隠してのおとり捜査でも、“ボロを出すとすれば金持ちとしてのボロで、やらかせばやらかすほど刑事らしくなくなる”と評される。なお、前述の漫画版ではオールバックの青年の姿で描かれている[1]
神戸喜久右衛門
大助の父で大富豪。若い頃は金のためならなんでもするという非情な人間で、さんざん悪いことをして金儲けをしてきた。妻はそれに心を痛めて亡くなってしまった(それでも当時はなんとも思わなかった)という。今は、刑事となった大助が正しいことのためにその全財産を使ってしまってくれることが唯一の罪滅ぼしと期待している。大助が捜査の協力を申し出るたびに感涙にむせび、喉に痰をつめる発作を起こすが、その息が停まっている間に自分の財産や人脈をどのように使わせるかのアイデアが閃く。それを大助に話す際に、うっかり浮きうきと昔の悪行をしゃべりかけてしまい、大助や秘書の鈴江に睨まれてしまう。誕生日は11月4日。一度言い出したら後へは引かない強情さを持っている。鈴江を孫娘を見るような思いでかわいがっている。
浜田鈴江
喜久右衛門の有能な秘書で清楚な美女。両親は病気で亡くなったのだが、喜久右衛門は自分がその会社を破産に追い込んだせいだと考え、鈴江を東京の女子大に進学させる等の面倒を見て、卒業後は秘書とした。大助に想いを寄せていて、大助のために向こう見ずな行動をとる場合もある。喜久右衛門と同様、一度言い出したら後へは引かない強情さを持っている。
鶴岡
警察署刑事課捜査1係所属の刑事で、大助の同僚。長身痩躯。一見学究肌、または実直な経理課長風。初老で人情味厚く、若い刑事たちへの面倒見もよい。加えて鋭い勘と推理力も持っているので、署内でも人望がある。父親は小さな町工場を経営していたが、破産したという。その独特の風貌を捜査に生かして解決した事件も数多いとのこと。孫が6人いる。
狐塚
警察署刑事課捜査1係所属の刑事で、大助の同僚。最も刑事らしいタイプ。癇癪持ちで、逮捕好き。金持ちに対する嫌悪を露わにし、当初から大助の提案に最も批判的だが、次第に慣れていった模様で、金のあるやつがいくらでも金を出せばいいという考え方に変わったらしい。悪に対しては容赦なく追及し、時にはそれが苛烈すぎて問題になったりする。
布引
警察署刑事課捜査1係所属の刑事で、大助の同僚。前歯が欠落していて、アルフレッド・E・ニューマンそっくり。ずんぐりむっくりの童顔で一番刑事らしくない顔といわれる。狐塚とは名コンビと言われ、その暴走を制御する役割を自ら引き受けた。ふたりが個性をぶつけ合って協力し解決した事件も数多いとのこと。家族は、妻と子供が2人。
猿渡
警察署刑事課捜査1係所属の刑事で、大助の同僚・親友。大助より2歳ほど年上で未婚。推理小説マニア。知能犯相手の捜査に闘志を燃やして名探偵ぶりを発揮し、その活躍によって解決した難事件もいくつかあるとのこと。鈴江が大助の婚約者だと思っている。
福山警視
第1話「富豪刑事の囮」に登場。「五億円強奪事件」の特別捜査本部キャップ。アルフレッド・ヒッチコックそっくりの顔をしている。
鎌倉警部
第2話「密室の富豪刑事」に登場。ジャン・ギャバンそっくり。鋳造会社社長焼死の捜査を担当する班長。「迷宮入り」という言葉が大嫌いで、聞くなり跳び上がる。
飛騨警部
第3話「富豪刑事のスティング」に登場。児童誘拐事件捜査本部のキャップ。誘拐事件捜査のベテランで、グレン・フォードそっくりの顔。
三宅警部
第4話「ホテルの富豪刑事」に登場。県警4課にその人ありと言われた暴力団関係のベテラン。県下の暴力団員で彼の名を知らない者はいなく、その名を聞いた者は皆震え上がる。ハンフリー・ボガードそっくりで、自分の部下にギャング映画俳優そっくりの者たちを意図的に集めたとも噂されている。
署長
いったいどういう人物でどういう経歴なのか、作者にもさっぱりわからないという、大助が所属する警察署の署長。事件が解決されるたびに、その解決された場所がどんなところでも、必ず「おめでとさん、おめでとさん」と躍り出てくる。

テレビドラマ

富豪刑事
ジャンル ドラマ
原作 筒井康隆
脚本 長江俊和
常廣丈太
阿部雄一(第1シリーズのみ)
池添博(第2シリーズのみ)
出演者 深田恭子
夏八木勲
市毛良枝
虎牙光揮
山下真司
製作
制作 テレビ朝日
放送
放送国・地域日本の旗 日本
富豪刑事
プロデューサー桑田潔(テレビ朝日)
蒔田光治(東宝)
阿部謙三(東宝)
エンディング愛のメモリー及川光博
放送期間2005年1月13日 - 3月17日
放送時間木曜 21:00 - 21:54
放送枠テレビ朝日木曜ドラマ
放送分54分
回数10
富豪刑事
富豪刑事デラックス
プロデューサー深沢義啓(ABC)
桑田潔(テレビ朝日)
蒔田光治(東宝)
太田雅晴(5年D組
エンディング『トライアングル・ライフ』オオゼキタク
放送期間2006年4月21日 -6月23日
放送時間金曜 21:00 - 21:54
放送枠テレビ朝日・ABC金曜9時枠の連続ドラマ
放送分54分
回数10
富豪刑事デラックス
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テレビドラマは2005年1月から3月までテレビ朝日系列で放送され、2006年4月から6月まで朝日放送(ABC)とテレビ朝日の共同製作による新ドラマ枠(金曜21時)で第2弾『富豪刑事デラックス』が放送された。

主人公は原作小説と異なり、女性の神戸美和子(深田恭子)。原作者の筒井は、自らがレギュラー出演しているテレビ番組『ビーバップ!ハイヒール』でドラマ版について聞かれた際「(ドラマ化の際、主人公の性別が変わったのは)原作を書いてから長い年月を経て、作品が時代にそぐわなくなった」と語っている。また、第1期のみ筒井自身も出演している。

なお、ABC制作・テレビ朝日系の金曜21時枠に連続ドラマが放送されるのは、1987年9月に終了した『ハングマンGOGO』以来17年3ヶ月ぶりとなる。

放送データ

スタッフ

キャスト

神戸家の人々等

神戸美和子(かんべ みわこ):深田恭子
主人公。焼畑署捜査課新人刑事。一代で巨万の富を築いた大富豪、神戸喜久右衛門の孫娘で、浮世離れした性質と、桁外れに狂った金銭感覚が特徴。「たった○○億円ぽっちのために人を殺すなんて…」がお約束のセリフ。また、天然ボケな性格のため、警察学校時代から周囲より疎まれていたらしく、着任した焼畑署でも布引と西島以外の刑事から煙たがれているが、本人は全く自覚がない。いつも事件が解決すると高級リムジンに乗って勝手に帰ってしまう。
捜査会議において、桁外れの金を湯水のように消費する捜査アイデアを提案するため、「あのー、ちょっとよろしいでしょうか?」と彼女が手を挙げると、鎌倉や鶴岡らは反対するが、会議に同席する県警上層部が興味を示すことで、そのアイデアは採用され、祖父喜久右衛門に協力を依頼することになる。
事件を解決すると「では、失礼致します」と立ち去り、鎌倉や狐塚に背後から「勝手に帰るな!」と怒鳴られることが多い。
推理力は焼畑署員の中でもかなり長けているようで、鎌倉などが思いつきもしないようなトリックを暴いたりもする。また、捜査のためだけに急遽設立・買収した会社は大抵美和子が社長として就任しているが、スタッフは皆、金に糸目を付けずにかき集めた極めて優秀な人材ばかりなため、いずれもかなりの業績を挙げてしまい(NASAから業務提携を持ち掛けられたことも)、収益金が神戸家の大金庫に入り切らなくなるほどである。
神戸喜久右衛門(かんべ きくえもん):夏八木勲
美和子の祖父で、孫娘の美和子を溺愛している。一代で巨万の財産を築いた大富豪だが、そのために若い頃はかなりの悪業を行っていた。老齢となった今はそのことを悔やんでおり、美和子が警察の仕事という善行のために自分の資産を使い果たしてくれることが唯一の贖罪だと思っている。そのため、事件解決のためだけに大金をはたいて作った会社やレストラン等で意図に反して美和子が多額の利益を上げてしまうと「このジジイ不孝者!」と怒りを露わにすることも。
そのような事情から、美和子から捜査のことで協力を求められるたびに「お前ももうそんな大きな仕事を任されるようになったか」と勘違いし、泣いて喜ぶが、トリックを暴くために会社を一つ作るなど、財産の話に入ると過去の悪徳時代の自慢話?が止まらなくなり、美和子をおののかせることも。
鈴木松江(すずき まつえ):市毛良枝
喜久右衛門の秘書。一見常識人のように見えるが、実は神戸家一の浮世離れした価値観を持つ人物。喜久右衛門がその顔色をうかがう唯一の人物。時々犯人逮捕に漕ぎ着けるための方法を考え美和子に協力することも。
伊東隆行(いとう たかゆき):虎牙光揮
神戸家の使用人兼運転手。美和子は彼の運転する高級リムジン(美和子曰く「安物のリムジン」)で焼畑署まで通勤している。自動車の他にもヘリコプターや飛行機も操縦可能。基本的に無口でポーカーフェイス。事件が解決した頃、どこからともなく美和子を迎えにやって来る。美和子のボディガードも兼ねているようで、犯人に襲われかけた美和子を護ったことがある。

焼畑署員

鎌倉熊成:山下真司
焼畑署捜査課長(警部)。
旧来のタイプの熱血型刑事。口癖も「いいかお前達、刑事は足だ! 汗をかき、靴を摩り減らして……」であり、部下に説教する。学生時代はラグビーをしていた(スクール☆ウォーズ)。ケチな性格で、特別番組で神戸美和子を知るために公費で高級レストラン回りをしたり(くいしん坊!万才)、高級キャビアを何日にも分けて舐める様に食べていたために腐らせて下痢を起こしている。頭が固く美和子の捜査アイデアに対しては非常に冷淡だが、神山署長らの意向に逆らえず嫌々ながら実行することになる。また、美和子の発言が筋が通っている場合は反対せずあっさり同意する。部下の失態の責任は彼に回って来るのがお約束という気の毒な中間管理職。いつも皆からは「課長」でなく「警部」と呼ばれている。
布引幸四郎:寺島進
焼畑署捜査課刑事。階級は巡査部長。強面の上に柄も悪いので、よく容疑者かヤクザと間違われる。その点を逆手に取り、ヤクザのふりをして窮地に陥った美和子を救ったり、昔の悪い恋人役を演じた事がある。顔の怖さは本物のヤクザでさえ認めるほどであり、職務中にヤクザの組長から「君、いい顔してるね。ホテルマンにしておくには勿体無い。どうだ? 私の組に来ないか?」とスカウトされたこともある。ローンが大嫌いらしい。星座は乙女座。趣味は生け花
外見とは裏腹に焼畑署の中でもまともに仕事をする刑事で、美和子に対しても虐めたりせず、頼れる先輩刑事として接している。古美術品密売ルートに詳しく、鎌倉も信頼している。取調べ(「締上げ」と本人は称している)が得意だが、取調べを受けた民間人らから苦情が殺到する。美和子が事件解決後すぐ帰っても気にせず、「お疲れ」と労う言葉を掛けた事がある。射撃の腕前は優秀で、倉庫の梁の上からレーザーポインター狙撃銃で喜久右衛門を狙う殺人犯を、トカレフTT-33の1発で撃ち倒した。
猿渡哲也:鈴木一真
焼畑署捜査課刑事。階級は巡査部長。鎌倉同様、古いタイプの熱血型刑事。狐塚とは仲が悪いらしく、よく捜査報告で馬鹿呼ばわりされて取っ組み合いをし出す。美和子に対して嫌味などを直接言うことはあまりないが、庶民の心情を無視した彼女の発言には常に怒りを露わにして、鉛筆を折ったりしている。だが使命感は強く、彼女が犯人に襲われた際には発砲してピンチから救っている。
鶴岡慶一:升毅
焼畑署捜査課刑事。鎌倉のコバンザメ的存在だが、鎌倉の立場が危うくなると途端に野心が顔を出す。初めの頃は美和子に対して露骨に敵意を見せていたが、後にその様な描写は無くなる。階級は警部補だが、自己紹介する時には「補」を小声で言う。バツイチ。通信講座で英語を勉強していたが、まともに通じた例が無い。目の前で美和子が流暢な英語を話すのを見て悔しがる一面も有る。
狐塚虎彦:相島一之
焼畑署捜査課刑事。陰険な性格で毒舌家。階級は巡査部長。美和子を忌み嫌って嫌味を言うが、美和子本人は全く気がついていない。猿渡とはいつも馬鹿げた理由で喧嘩して、鎌倉や布引から怒られる。上司に取り入るのが上手く、鎌倉の立場が危うくなると真っ先に鶴岡に媚びる。頭部に秘密がある模様。
いつも事件が解決するとすぐに帰ってしまう美和子への怒号「こらー! 勝手に帰るなー!」がお約束の台詞。この叫びで各話を締め括るのが彼の役目である。ただ、鎌倉に先に言われてしまうこともある。第1期最終回では、珍しく美和子に対して協力的な態度を見せた。
西島誠一:載寧龍二
焼畑署捜査課の若い刑事。焼畑署の中で美和子を虐めない貴重な人物。
美和子の初仕事で彼女を危機から救ったことから密かに想いを寄せられているが、全く気付いていない。他人の心情に疎い所があるようで、狐塚達が捜査に敢えて呼ばなかった美和子をわざわざ呼んでしまったり、県警の上層部を前に捜査本部の無策ぶりを笑顔で報告したりする。そのためよく同僚達に小突かれる。
樋口純子:野波麻帆
焼畑署交通課婦警。美和子を嫌っているが、美和子本人はそれに気付いていない。いつも玉の輿を狙って美和子の作戦に無理矢理参加するが、成功した例がない。菊池裕美と共に、知らない内に捜査を攪乱している一方、重要な人物や手掛かりの目撃者になることも多い。
菊池裕美:中山恵
焼畑署交通課婦警。比較的美和子には露骨な態度を示す方ではないが、彼女の生活には嫉妬している。純子同様、金持ちの男に目がない。仕事をさぼってカラオケボックスへ行ったり、酔って暴れて店の備品を壊すことが有る。
神山郁三:西岡徳馬
焼畑署長。上層部からの権威に弱い、典型的な中間管理職タイプの人間。面倒な事や責任はいつも鎌倉に押し付け、手柄は独り占めする。美和子のアイデアに対しては、当初難色を示すが、県警上層部が興味を示すと途端に態度が豹変する(最初から賛同する事もある)。

その他(第1期)

瀬崎龍平:筒井康隆
政財界を裏で牛耳っているらしい謎の男。神戸喜久右衛門を激しく恨みライバル視しているが、その真相は中々明らかにされない。美和子の活躍を聞く度に喜久右衛門のことを思い出して腹いせの行動に出るが、必ず裏目に出て酷い目に遭う。その度に、自分のせいなのに喜久右衛門に怒りを向ける。最終回では喜久右衛門が自分の事を覚えていなかった事に腹を立て、「もう帰る!」と吐き捨て、ロールスロイスで倉庫から逃げる様にして帰った。
宮島洋子:能世あんな
瀬崎の秘書。美和子の活躍を瀬崎に報告している。

ゲストキャスト

第1シリーズ

第1話
  • 須田順温水洋一): 不法投棄反対派の建設会社社員
  • 幡野鉄也甲本雅裕): 発明好きのカメラ店店員
第2話
第3話
第4話
  • 高森陽一吹越満): 小さな玩具工場の経営者
  • 高森歌子星野光代): 陽一の妻
  • 謎の男(???): 少年・英一を誘拐した男
第5話
第6話
  • 塚越浩一篠井英介): 安定企業に勤務するサラリーマン
  • 塚越智子高橋睦美): 浩一の妻
  • 橋本孝夫マギー): 浩一を見かけて、マスコミに通報した男。
  • 日向栄子川俣しのぶ): 智子の友人
第7話
第8話
  • 大蔵健吾古田新太): 市議会議員で、産業廃棄物処理場建設の反対派。ライフル射撃の名人だった。
  • 大蔵芳美濱田マリ): 大蔵の妻
  • 吉村志穂池津祥子): 大蔵の秘書
  • 栗田厚雄大倉孝二): 犯人をおびき寄せるためにやってきた謎の男
第9話
  • 熊谷雄司松村雄基): 南条高校ラグビー部のコーチ
  • 小栗幸輔内田朝陽): 南条高校ラグビー部員
  • 八木信平鈴木ヒロミツ): 焼畑のラグビー界の周りをうろつく男
  • アユミ岩崎良美): バーのママ
第10話(最終話)
  • 大谷重男及川光博): 若くして神奈川県警刑事部長になった男。喜久右衛門が昔から目を掛けていた。
  • 川村春雄松崎しげる): 神奈川県警の元刑事で、小さなバーの経営者。大谷刑事部長の部下だった。
  • 市川正道安藤一夫): 大谷刑事部長の腹心の部下。階級は警視。
  • バーの客長井秀和): 川村の経営する小さなバーにやってきた男。

第2シリーズ

第1、2話
第3話
第4話
  • タロット重田秋本奈緒美): よく当たると評判の占い師。
  • 片山隆三神山繁): 大手スーパーチェーンの社長。
  • 小池武雄モロ師岡): 大手スーパーチェーンの専務。
  • 西田文恵筒井真理子): 主婦。
  • 北山美紀佐藤寛子): 人気アイドル。
  • 菊地裕二坂本真): 眼鏡屋でアルバイトしている美紀の恋人。
第5話
  • 北条貴子喜多嶋舞): 北条の妻。誕生日は5月18日。
  • 南田利彦岡田浩暉): 政財界にも影響のある実業家。
  • 北条秀正若杉宏二): 貴子の夫でIT会社社長。
第6話
  • 黒崎明彦西村和彦): 大型レストランチェーンのオーナー。
  • 北田弁護士入江雅人): 黒崎の顧問弁護士。
  • 臼井久夫おかやまはじめ): 大型レストランチェーンの関西地区担当社員。神戸ウェディングプランニングでは副社長。
第7話
  • 大河内洋輔手塚とおる): 三ツ星レストランo-kouchiのシェフ
  • 佐々岡利一朗峰岸徹): 一流の料理評論家。
  • 久留米義隆田中要次): 神戸家の元料理人で、フランスで修行中だったが事件の為呼び戻された。後に美和子が創立した「地球倶楽部」の会長に就任。
  • 司会者石井正則): 美和子と大河内が対決した料理番組(厨房の超人と言う料理の鉄人のパロディ)の司会者。
  • 塚原浩二正名僕蔵): 若手No.1のカリスマシェフ。
  • 栗原松永博史): 三ツ星レストランo-kouchiの従業員(ギャルソン)。
  • 中村真由美堀内敬子): 塚原が殺された時の目撃者。
  • 小倉北山雅康): 三ツ星レストランの覆面調査員。
  • 土屋代議士唐沢民賢): 食事に来た代議士。
  • 島崎浜田晃): 県警上層部。美和子の意見に賛成する。
  • 早川須永慶): 県警上層部。美和子の意見に賛成する。
  • 中山平野稔): 県警上層部。美和子の意見に賛成する。
  • 審査員田崎真也): 美和子と大河内が対決した料理番組の審査員。
  • 執事北原汎):
  • 高田澤田有里): 三ツ星レストランの覆面調査員
  • レポーター荻野志保子):
  • 実況アナウンサーボンバー森尾):

菊地真之 島ひろ子 長克巳 松山尚子 藤崎桐子  

第8話
  • 大崎春堂石丸謙二郎): 元公爵の系譜を引く華族出身者。高級会員制クラブ「無限倶樂部」の主要メンバー。
  • 小坂高橋長英): 大崎家の執事
  • 稲尾幸三山田明郷): IT企業社長。華族出身ではないが無限倶樂部のメンバー。
  • 長岡悟佐渡稔): 無限倶樂部の主要メンバー。
  • 垣内真一顔田顔彦): ネット証券社長。華族出身ではないが無限倶樂部のメンバー。
  • 井出川京一山崎満): 元公爵の子息で、無限倶樂部の会長。
  • ニュースキャスター飯村真一(テレビ朝日アナウンサー))
  • 芸能デスク梨元勝): 事件のヒントを教えている。
  • ニュースキャスター赤江珠緒): 芸能デスクの聞き手。第9話にも登場。
第9話
最終話
  • 有栖川奇一郎マギー): マジックユニット「有栖川魔術団」を率いる有栖川兄弟の兄。
  • 有栖川奇二郎田口浩正): 奇一郎の弟。
  • アマテラス三上団時朗): かつて喜久右衛門の詐欺の片棒を担いでいた天才マジシャン
  • 黒河内篤梅津栄): 有栖川魔術団のパトロン。

放映リスト

第1期

太字表記の回は原作小説にも存在する。それ以外はドラマオリジナルである。但し、原作があるものに関してもあらすじ・内容は必ずしも一致しない。特記しない限り原題は放映リストと同一である。

各話 放送日 サブタイトル 脚本 演出 視聴率
第1話 2005年1月13日 富豪刑事の囮 蒔田光治 長江俊和 16.2%
第2話 2005年1月20日 美術館の富豪刑事 11.1%
第3話 2005年1月27日 密室の富豪刑事 常廣丈太 12.6%
第4話 2005年2月3日 富豪刑事のキッドナップ
(原題:富豪刑事のスティング)
12.6%
第5話 2005年2月10日 ホテルの富豪刑事 福田卓郎 長江俊和 13.2%
第6話 2005年2月17日 富豪刑事の遺体捜索 蒔田光治 11.6%
第7話 2005年2月24日 富豪刑事の古美術品騒動 常廣丈太 10.6%
第8話 2005年3月3日 富豪刑事の要人警護 福田卓郎 阿部雄一 12.3%
第9話 2005年3月10日 学園の富豪刑事 常廣丈太 11.7%
最終話 2005年3月17日 絶体絶命の富豪刑事 蒔田光治 長江俊和 12.3%
平均視聴率 12.4%(視聴率関東地区ビデオリサーチ調べ)

第2期

各話 放送日 サブタイトル 脚本 演出 視聴率
第1話 2006年4月21日 豪華客船の完全犯罪
死を呼ぶダイヤと密室トリック
蒔田光治 長江俊和 15.3%
第2話 2006年4月28日 豪華客船の完全犯罪~解決篇
密室殺人と巧妙トリック
11.4%
第3話 2006年5月5日 偽装結婚の富豪刑事
ワナに落ちた大富豪サギ軍団VS偽装結婚
常廣丈太 12.8%
第4話 2006年5月12日 占星術の富豪刑事
美人占い師の完全犯罪! 的中率100%の(秘)トリック
池添博 10.3%
第5話 2006年5月19日 富豪刑事と魔性の貴婦人
魔性の貴婦人の巧妙トリック~超セレブの恋愛犯罪
長江俊和 12.6%
第6話 2006年5月26日 ウエディングプランナーの富豪刑事
イケメン社長の華麗なる犯罪!謎の遺言と衝撃の密室
常廣丈太 11.6%
第7話 2006年6月2日 富豪刑事の三ツ星レストラン
三ツ星シェフvs富豪レシピを巡る完全犯罪(秘)トリック
福田卓郎 長江俊和 11.5%
第8話 2006年6月9日 富豪刑事の社交倶楽部
(秘)貴族クラブの密室犯罪!絵画に残された暗号を暴け
蒔田光治 常廣丈太 12.7%
第9話 2006年6月16日 富豪刑事の時効捜査
時効寸前…盗まれた10億円の金塊!アメとムチ(秘)作戦
福田卓郎 9.9%
最終話 2006年6月23日 美和子危機一髪!
一億円の秘密と脱出マジックの謎
蒔田光治 長江俊和 11.4%
平均視聴率 12.0%(視聴率関東地区ビデオリサーチ調べ)

主題歌

第1期
第2期

その他

  • 鎌倉警部役の山下真司はBS-iで放送された『ケータイ刑事 銭形零』に五代刑事役で出演していたが、2005年1月30日放送分の「銭形零」では「富豪刑事」の鎌倉警部役としても出演した。本放送中のドラマに他局でも本放送しているドラマのキャラが出演することは異例である。
  • 第1期の第9話は、所轄内の高校ラグビー部のコーチが連続して襲撃される事件が発生する(背景にはラグビー賭博があった)というもの。美和子の提案および出資により、急遽犯人をおびき寄せるための高校(及び運営者の学校法人)を作り、ラグビー部の監督に鎌倉警部を据えた。対戦相手の監督は松村雄基が演じ、『スクール☆ウォーズ』のパロディであることが前面に押し出されている(BGMも、主題歌「HERO」を微妙に変えたものになっている)。また、襲われたコーチ役の一人は、本家川浜高校ラグビー部員・内田治男を演じた岩本宗規であった。
  • 第1期の最終話において、主題歌『愛のメモリー』を歌った及川光博と、原曲を歌った松崎しげるがゲスト出演した。2人はクライマックスシーンにおいて、この曲の一節を織り交ぜたセリフのやり取りもしている。
  • スタッフのうちプロデューサーの桑田潔、蒔田光治、音楽の辻陽が『トリック』と共通であるが、第2期の第9話で『トリック』の山田奈緒子がマジックを行う舞台と同じ舞台が出てくる。また、『トリック』新作スペシャルでは、信者が上田次郎を煽る場面で「デカプリオ! デカメロン! 富豪デカ(刑事)!」という台詞がある。
  • 原作者である筒井康隆の出演は第1期のみだが、第2期でも第3話で振り込め詐欺の被害にあった家の人物の名前が『時をかける少女』の登場人物「深町一夫」であったり、第7話では雑誌に筒井が(写真で)出ているなど、筒井ネタは2期でも健在である。
  • 第1期5話に出てくる焼畑市の地図に“時掛旅館”という旅館が名前だけ出てくる。
テレビ朝日 木曜ドラマ
前番組 番組名 次番組
松本清張・黒革の手帖
(2004.10.14 - 2004.12.9)
富豪刑事
(2005.1.13 - 2005.3.17)
アタックNo.1
(2005.4.14 - 2005.6.23)
ABC・テレビ朝日 金曜9時枠の連続ドラマ
枠設立前につき無し
富豪刑事デラックス
(2006.4.21 - 2006.6.23)
レガッタ
〜君といた永遠〜

(2006.7.14 - 2006.9.8)
テレビ朝日系列 金曜21時台
笑いの金メダル
【日曜20時台に移動して継続、ここまでABCの単独制作】
富豪刑事デラックス
【これよりABC・テレビ朝日共同制作による連続ドラマ枠】
レガッタ
〜君といた永遠〜

出典

  1. ^ 講談社コミックノベルス27
  2. ^ 筒井康隆『日日不穏』(西城案)中央公論社、1987年、pp.77、96-97、126。
  3. ^ 筒井康隆「『富豪刑事』はなぜ映画化されなかったか」『笑犬樓よりの眺望』(萩原案 本文中は『ショーケン』と表記)新潮社、1994年、ISBN 4-10-314522-6\新潮文庫、1996年、ISBN 4-10-117136-X )。初出は『噂の眞相』1987年11月号。

関連項目

外部リンク