愛のメモリー (曲)

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愛のメモリー
松崎しげるシングル
B面 フライング・バード
リリース
ジャンル J-POP
レーベル ビクターレコード
作詞・作曲 たかたかし(作詞)、馬飼野康二(作曲)、小野崎孝輔(編曲)
チャート最高順位
  • 週間2位(オリコン
  • 1977年度年間18位(オリコン)
  • 1978年度年間87位(オリコン)
松崎しげる シングル 年表
夕陽の歌
(1977年)
愛のメモリー
(1977年)
偽りのバラード
(1978年)
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愛のメモリー」(あいのメモリー)は、歌手松崎しげるの楽曲。1977年の8月にビクターレコードからシングル盤が発売された。

解説[編集]

1976年、ビクターレコードのディレクターがスペインマジョルカで開催される「マジョルカ音楽祭」を知り、音楽祭参加のために楽曲を制作することを決意する。同音楽祭は、当時注目をされていたヨーロピアン・ポップス界の登竜門的存在であり、審査員はフランシス・レイポール・モーリアミシェル・ルグランなどの作曲家である。[1]

ディレクターの意向により、それまでにないスケールの大きな楽曲が製作されることとなり、歌手として松崎に白羽の矢が立った。フランク・シナトラの「マイ・ウェイ」を念頭においた、ラブ・バラードが最適とディレクターは判断し、作詞をたかたかし、作曲を馬飼野康二に依頼する。たかは『万葉集』から、藤原鎌足采女安見児を得たときに詠んだ歌「われはもや安見児得たり皆人の得難にすとふ安見児得たり」を元に[2]、また馬飼野は、ヘンリー・マンシーニの「ひまわり」を念頭に置き楽曲を完成、「愛の微笑み」と名づけられた。

音楽祭では、より曲を印象付けるため、サビをスペイン語にするなどの手直しが施された。本番では松崎の圧倒的な歌唱力とステージ・パフォーマンスにより、松崎自身に最優秀歌唱賞を、総合では第2位を記録する。しかし、日本での対応は冷ややかであった。各種メディアも、音楽関係者も松崎の受賞を気にも留めなかった。また、楽曲そのものに関しても注目が集まることはほとんどなく、松崎自身がテープを持参して曲の売込みを行うこととなるが、売り込み自体も困難を極めた。

やがて、松崎はかつて仕事をした関西のCMプロデューサーの元を訪ねる。その際に、サビの部分に興味を抱いたプロデューサーの意向により、江崎グリコのアーモンド・チョコレートのコマーシャル・ソングとして起用されることが決まった。1977年、話題のカップルであった三浦友和山口百恵の共演するコマーシャルソングとして登場した「愛の微笑み」は注目を集め、同年8月に、歌詞を一部改変して「愛のメモリー」としてリリースした。

同年暮れの『第28回NHK紅白歌合戦』に初出場。また、翌1978年春の第50回選抜高校野球大会の行進曲にも起用され、開会式のゲストに呼ばれた松崎は、かつて高校球児の頃に怪我のため断念した甲子園球場へ、楽曲での出場をも果たしたのだった。

再評価[編集]

2005年8月、音楽配信サイト『iTunes Music Store』日本版開始時に最高3位にランクインしたことをきっかけに、ネットを中心にした新たなブームが起きた。

新曲が重視される配信サービスにおいて、過去の優れた楽曲に対する関心の大きさを示し、過去に廃盤となった楽曲が配信によってよみがえるといった新展開を迎えることに対しての期待も高まりつつある。なお、『iTunes Music Store』で懐かしの曲を買うことが、この曲の影響から「シゲる」と呼ばれている。このことが話題となり、『週刊ポスト』やラジオ番組『サントリー・サタデー・ウェイティング・バー』などでも取り上げられた。

2007年に登場したパチンコ「愛と誠」でテーマソングとして採用され、大当たり中にはこの歌がホールに鳴り響いている。

アイドルグループももいろクローバーZのライブでは松崎しげるがこの曲に乗って登場し、ももいろクローバーZの今後の活動を替え歌に乗せてメンバーと観客に知らせるのが恒例になっている。かなりの重大発表であるにも関わらず、当のももいろクローバーZのメンバーは事前に内容を知らされておらず、ライブの場でそれを知ることになる。

収録曲[編集]

全作詞:たかたかし

  1. 愛のメモリー
    (作曲・編曲:馬飼野康二)
  2. フライング・バード
    (作曲・編曲:釘崎哲郎)

35周年記念シングル[編集]

2012年6月6日、メガボリュームのマキシシングル「愛のメモリー 35th Anniversary Edition」が発売された。全14トラックすべてが「愛のメモリー」で[3]、オリジナルの他、それまで複数のアルバムに収録されてきたものや、新録音バージョンなどを含んでいる。値段は1000円。「同一歌手・同一曲の最多収録記録」を「ギネス・ワールドレコーズ」に申請するという[4][5]。オリコンでは初登場79位を記録、個人名義では25年ぶりのシングルTOP100入り[6]。翌週は52位にランクアップ、「愛のメモリー」としては34年ぶりのTOP60入りとなった[7]

愛のメモリー 猫侍バージョン[編集]

2015年公開の映画『猫侍 南の島へ行く』の主題歌として新たに録音されたもの。松崎による猫の鳴き真似が挿入される、歌詞の一部が「にゃー」に変えられる、といった変更がされている。

カバー[編集]

  • 1991年、フジテレビの1or8という番組内で『ハゲのメモリー』という替え歌を自ら歌い上げた。
  • 水原弘、アルバム『絶唱 最後の録音盤』に収録。
  • 2005年、テレビドラマ富豪刑事」の主題歌として及川光博がカバーし、さらには同ドラマ内のクライマックスで、松崎しげるが及川光博とともにデュエットで歌った。
  • 2009年、ミトカツユキがアルバム『LOVE MESSENGER 〜COVER SONG〜 』にてカバー。
  • 2010年、秋川雅史がアルバム『ファンタジスタ〜翼をください〜 』にてカバー。
  • 2012年、松原健之がアルバム『こころの歌 訪ね旅』にてカバー。
  • 2013年、島津亜矢がアルバム『SINGER2』にてカバー。
  • PENICILLINが2015年に発売したアルバム「Memories〜Japanese Masterpieces〜」の中でカバー。

脚注[編集]

  1. ^ 1975年、「第1回マジョルカ音楽祭」でしばたはつみが準優勝。優勝者には「東京音楽祭世界大会」へのエントリーが優先される。
  2. ^ 『月刊ミュージック☆スター』(株式会社エクシング・ミュージックエンタテイメント)2018年5月号、44頁。
  3. ^ 新録音バージョンのカラオケ(2トラック)を含む。
  4. ^ 「再ブレーク盤」松崎しげる『愛のメモリー(35周年アニバーサリーエディション)』 - 琉球新報、2012年6月6日配信、同年6月10日閲覧
  5. ^ 「同一曲の最多収録記録」は2017年4月5日にTM NETWORKの『GET WILD』だけを33曲(予定)収録したアルバムを発売予定で、本作を上回る。こちらは他アーティストの歌唱も含まれる。
  6. ^ 【オリコン】松崎しげるの「愛のメモリー」35周年記念盤が52位に上昇、ORICON NEWS、2012-06-23 07:00。
  7. ^ 【オリコン】「愛のメモリー」再ヒットの兆し 34年4ヶ月ぶりTOP60、ORICON NEWS、2012-06-19 04:00。

外部リンク[編集]