高梨雄平

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高梨 雄平
読売ジャイアンツ #53
170304 Takanashi Yuhei.jpg
楽天時代
(2017年3月4日 倉敷マスカットスタジアムにて)
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 埼玉県川越市[1]
生年月日 (1992-07-13) 1992年7月13日(28歳)
身長
体重
175 cm
81 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 投手
プロ入り 2016年 ドラフト9位
初出場 2017年4月2日
年俸 4,800万円(2020年)[2]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
YouTube
チャンネル
活動期間 2020年4月23日 -
ジャンル 料理
登録者数 約1.96万人
総再生回数 約47.4万回
チャンネル登録者数、総再生回数は2020年9月13日時点。
テンプレートを表示

高梨 雄平(たかなし ゆうへい、1992年7月13日 - )は、埼玉県川越市出身[1]プロ野球選手投手)。左投左打。読売ジャイアンツ所属。2020年からYouTuberとしても活動している[3]詳細後述)。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

川越市立高階南小学校3年時に川越リトルで野球を始めると、川越市立高階西中学校時代には川越シニアへ所属した[1]

川越東高等学校への進学後は、元プロ野球選手だった監督の阿井英二郎の下で、1年春からベンチ入り。3年夏の選手権埼玉大会では、準々決勝で春日部共栄高校を相手に、延長14回を1人で投げ切った。この試合の14回裏にチームがサヨナラ勝ちを収めると、花咲徳栄高校との準決勝でも延長10回を投げたが、決勝には進めなかった[4]

早稲田大学への進学後は、1年生の春から東京六大学野球のリーグ戦で、救援を中心に10試合へ登板。通算投球イニング19回で、防御率0.95という好成績を残した。1年の秋季リーグ戦では、先発投手として5勝1敗、防御率2.21をマーク。2年の春季リーグ戦では、4勝1敗、防御率2.31という好成績で、チームを3季ぶりのリーグ優勝に導いた。この優勝によって出場した第61回全日本大学野球選手権大会では、奈良産業大学との準々決勝に先発すると、3回1/3を無失点に抑えている。しかし、2年の秋季リーグ戦では、通算投球イニングが10回1/3にとどまった。3年の春季リーグ戦では、東京大学打線を相手に、リーグ史上3度目の完全試合を達成[1]。ただし、リーグ戦全体ではその1勝のみで、防御率も4.41にまで達した。4年生の時には左肩痛やイップスで調子を崩したため、春秋通算でも5試合の登板で、通算投球イニング6回2/3、防御率9.45にとどまった[5]。在学中のチームメイトには、有原航平中村奨吾重信慎之介などがいる。リーグ通算41試合に登板、11勝5敗、防御率2.81。

大学卒業後に入社したJX-ENEOSでは、1年目から公式戦に出場すると、2年目の夏場に投球フォームをスリークォーターからサイドスローに転向[6]第42回社会人野球日本選手権大会では、NTT西日本との初戦に登板したが、打者1人を抑えただけで交代した[7]

2016年のNPBドラフト会議で、東北楽天ゴールデンイーグルスから9巡目で指名。契約金2,500万円、年俸800万円(金額は推定)という条件で入団した[6]。背番号は53で、担当スカウトは後関昌彦。この会議では、JX-ENEOSのチームメイトである糸原健斗も、阪神タイガースからの5巡目指名を経て入団している。

楽天時代[編集]

2017年、同期入団の新人投手から、森原康平菅原秀と共に中継ぎ要員として開幕一軍入り。4月6日の対福岡ソフトバンクホークス戦(Koboパーク宮城)5回表に救援で登板すると、1回を無失点に抑えた末にプロ初勝利を挙げた。当日は千葉ロッテマリーンズ佐々木千隼ZOZOマリンスタジアムでの対北海道日本ハムファイターズ戦で初登板・初先発・初勝利を記録。しかし、楽天対ソフトバンク戦が51分早く終了したため、高梨はNPB全球団の新人投手による一軍公式戦の勝利一番乗りを果たした[8][9]。4月26日の対ロッテ戦(Koboパーク)で自責点1ながら1死も取れずに5失点を喫したため、6月上旬までは二軍での再調整を余儀なくされたものの、一軍への復帰後は17登板試合連続で無失点を達成。一時は0点台の防御率を記録するなど、ワンポイント・リリーフやショート・リリーフでチームの4年振りクライマックスシリーズ進出に貢献した。レギュラーシーズン全体では、一軍公式戦46試合に登板。通算投球イニングは43回2/3で、1勝0敗14ホールド、防御率1.03という好成績を残した。CSでは、埼玉西武ライオンズとのファーストステージ(メットライフドーム)全3試合で救援したほか、福岡ソフトバンクホークスとのファイナルステージ(福岡ヤフオク!ドーム)でも第3戦(10月20日)を除く4試合に登板。ファーストステージ第1戦からファイナルステージ第2戦までは5試合連続の救援登板で、通算投球イニングは4回1/3ながら、1点も失わずにシーズンを終えた。このような活躍を背景に、12月8日の契約交渉では、推定年俸3,000万円(前年から2,200万円増)という条件で契約を更改。昇給率は275%で、球団の歴代新人選手としては、2013年則本昂大(400%)、2007年田中将大(300%)に次いで高いとされている[10]

2018年、3月30日に、ロッテとの開幕戦(ZOZOマリンスタジアム)で一軍公式戦初セーブを記録。この試合を皮切りに、球団史上最多のシーズン70試合登板を果たした。通算成績は、1勝4敗1セーブ16ホールド、防御率2.44で、被本塁打数をわずか1本にとどめた。シーズン終了後の日米野球で、初めて日本代表に選ばれる[11]と、救援で2試合に登板した。

2019年、一軍公式戦の開幕から38試合に登板していたが、7月8日の対オリックス・バファローズ戦(山形市きらやかスタジアム)試合前の練習中に腹痛を訴え、病院で診察を受けたところ、急性の虫垂炎を発症していることが判明したため、翌9日に腹腔鏡下虫垂切除術を受けた[12]。8月中旬から一軍へ復帰[13]すると、10試合に登板。レギュラーシーズン全体では、48試合の登板ながら、2勝1敗14ホールド、防御率2.30の成績を残し、対戦した打者から1本の本塁打も許さなかった。しかしWHIPは1.53と、ランナーを出す場面が多く、不安を残した。

2020年、春季キャンプからオープン戦まで一軍に帯同。新型コロナウイルスへの感染拡大に伴うチームの活動休止期間中に、SNSYouTubeを通じて料理上手の一面を披露したことで一躍注目された(詳細後述)。しかし、二軍監督から一軍監督に昇格した三木肇が、投手の起用に際して相手打者の左右にあまり固執せず、従来の中継ぎ要員に比べて長いイニングを投げられる「第2先発」を重視する方針を提唱[14]。活動休止の影響で調整が遅れたこともあって、入団後初めて開幕一軍入りを逃したばかりか、開幕後も一軍公式戦への登板機会がなかった[15]

巨人時代[編集]

2020年シーズン序盤の7月14日に、髙田萌生との交換トレードで読売ジャイアンツへ移籍することが発表[16]。髙田から背番号を引き継ぐ格好で、楽天時代に続いて背番号53を着用することになった。

楽天の石井一久ゼネラルマネジャーは、このトレードの成立後に、中継ぎで起用できる左投手の補強を急ぐ巨人側から高梨の移籍を先に打診されたことを明言。「僕も選手(左投手)だったので、(今の球団より)出場機会の多い球団に移籍できれば、練習に身が入ることやパフォーマンスが上がることを(経験上)分かっている。高梨は巨人に望まれていたので、(楽天に残るより)一軍(公式戦)での出場機会があるように感じた」とも述べている。ちなみに、楽天は6月25日にも、前年までの主力打者だったゼラス・ウィーラーを左投手の池田駿との交換トレードで巨人に移籍させている[14]

移籍4日後の18日に、楽天時代を含めてシーズン初の出場選手登録[17]。8日後(22日)の対中日ドラゴンズ戦(ナゴヤドーム)で、一軍公式戦におけるシーズンおよび移籍後初登板を果たした[18]。28日からは勝ちパターンの一角を担い、左右とも苦手にしない投球でセ・リーグの打者を抑え続け[19]、8月27日の対東京ヤクルトスワローズ戦(明治神宮野球場)で青木宣親から本塁打を打たれるまで登板15試合連続無失点の活躍を見せた[20]。7月、8月、9月と月別防御率0点台を記録する好投を見せていたが、シーズン終盤の10月には月間防御率4点台と調子を落とし始めた。

人物[編集]

  • 川越東高校出身のプロ野球選手は、高梨が初めてである。
  • 楽天への入団に際しては、早稲田大学時代のチームメイトで、北海道日本ハムファイターズに在籍する有原投手をライバルに挙げている[21]
  • 早稲田大学時代には、哲学者デカルトの著書を読んだことをきっかけに、イップスを克服した[22]
  • 投手ながら打撃のセンスも高く、早稲田大学時代には、一塁手として東京六大学のリーグ戦に中村・重信と並んでスタメンで出場したこともある[23]
  • 禅語の「日々是好日」という言葉を大切にしている[24]
  • JX-ENEOS時代の都市対抗野球大会では、1年目にバットボーイとして、チームの全国大会へ同行。2年目の予選では、投手としてベンチに入れなかったため、ビデオ係としてチームの予選敗退を見届けた。2年目のドラフト会議で楽天に指名されていなければ、早稲田大学時代に経験のある野手への転向を予定していたという。2年目の夏場にサイドスローへ転向したのも、引退を覚悟したことによる。それでも、楽天スカウトの後関は、他の左投手に比べて投球時に肘を低く出す高梨を熱心に視察。社会人野球の名門チームの選手では珍しく、高梨がドラフト会議での指名球団・順位にこだわらなかったこともあって、9巡目での指名ながら楽天への入団に至った[25]。高梨自身も、楽天への入団後に、後関を初めとする球団関係者を「野球人生の危機を救った命の恩人」と述べている[23]
  • 趣味は料理[26]。料理が趣味になったのは楽天入団1年目からで、JX-ENEOS時代の寮生活から一人暮らしに変わるタイミングでチャレンジし始めたものである[27]。料理のレパートリーは本格的なものから、おつまみスイーツなど幅が広く、2019年12月に開設したTwitterでは多種多様な料理の写真や動画を投稿している[28]。新型コロナウイルスへの感染拡大の影響で楽天がチームぐるみで活動を休止していた2020年4月25日からは、現役のプロ野球選手としては珍しく、YouTube上に「たかなしきっちん」という個人チャンネルを開設。動画内では球団名やプロ野球選手ということを過度に宣伝せず、趣味の料理の工程を披露している[27]。巨人移籍後もチャンネルは閉鎖されずに存続しており、2020年8月17日には、自身のYouTubeチャンネルが収益化したことを明かし、教育関係やフードバンクに寄付する予定であると動画内で述べている[29]
  • 巨人への移籍は急なトレードだったことから、当初は住まいが決まっておらず若手とともに川崎市のジャイアンツ寮で生活している。本人曰く、寮の食堂の野菜炒めがこれまでで三本の指に入るほど美味しいらしい[要出典]
  • 好きな漫画は『嘘喰い』。ギャンブラーが心理戦を行うといった内容だが、「だまし合いの中で人間の本当の部分が見える気がする。打者との駆け引きと似ているところがある」と野球に関連付けている[19]

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2017 楽天 46 0 0 0 0 1 0 0 14 1.000 183 43.2 31 2 17 1 2 48 0 0 13 5 1.03 1.10
2018 70 0 0 0 0 1 4 1 16 .200 212 48.0 38 1 23 4 6 53 0 0 21 13 2.44 1.27
2019 48 0 0 0 0 2 1 0 14 .667 146 31.1 25 0 23 2 4 41 0 0 8 8 2.30 1.53
2020 巨人 44 0 0 0 0 1 1 2 21 .500 141 37.1 17 2 13 0 6 37 1 1 10 8 1.93 0.80
通算:4年 208 0 0 0 0 5 6 3 65 .455 682 160.1 111 5 76 7 18 179 1 1 52 34 1.91 1.17
  • 2020年度シーズン終了時

年度別守備成績[編集]



投手












2017 楽天 46 1 6 1 1 .875
2018 70 9 9 1 2 .941
2019 48 2 6 1 0 .889
2020 巨人 44 3 11 0 1 1.000
通算 208 13 32 3 4 .938
  • 2020年度シーズン終了時

記録[編集]

投手記録

背番号[編集]

  • 53 (2017年 - ) ※野球日本代表でも着用

代表歴[編集]

関連情報[編集]

出演[編集]

映画[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d 2016年プロ野球ドラフト ◇楽天9位指名 高梨雄平”. スポーツニッポン. 2016年12月11日閲覧。
  2. ^ 楽天 - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2019年12月21日閲覧。
  3. ^ https://www.youtube.com/channel/UCASpzgB2H5UjfUaePwyGrpQ
  4. ^ 痛みに耐え力投も…川越東・高梨、涙の敗戦 スポニチアネックス 2010年7月28日配信
  5. ^ リーグ戦・選手個人通算成績 髙梨 雄平
  6. ^ a b 【楽天】ドラフト9位高梨「目指す」森福2世!中継ぎで40試合以上期待 スポーツ報知 2016年11月11日配信
  7. ^ 11月2日 京セラドーム大阪 第2試合 1回戦
  8. ^ 楽天ドラフト9位高梨 12球団新人白星一番乗り 千隼より51分早く”. スポーツニッポン (2016年4月7日). 2017年6月8日閲覧。
  9. ^ 楽天ドラフト9位高梨雄平が12球団新人一番星「まさか」
  10. ^ 楽天・高梨 球団新人3番目275%UP 則本、マー君に次ぐ評価”. スポーツニッポン (2017年12月8日). 2017年12月11日閲覧。
  11. ^ 楽天から3投手が代表入り 初選出の高梨「代表はテレビの中の舞台」” (2018年10月20日). 2018年11月19日閲覧。
  12. ^ 楽天高梨が急性虫垂炎で手術、今季38試合に登板”. 日刊スポーツ (2019年7月9日). 2019年7月11日閲覧。
  13. ^ 【楽天】虫垂炎手術の高梨、約1か月ぶりに復帰「おなかが痛くなったら病院へ行きましょう!」”. スポーツ報知 (2019年8月12日). 2019年10月25日閲覧。
  14. ^ a b “【野球】楽天 石井GMが積極的にトレードを行う理由「請われて行く」イメージ定着へ”. デイリースポーツ. (2020年7月23日). https://www.daily.co.jp/opinion-d/2020/07/23/0013534110.shtml 2020年7月23日閲覧。 
  15. ^ “楽天は高田獲得で競争 高梨も巨人でチャンス/解説”. 日刊スポーツ. (2020年7月14日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202007140000343.html 2020年7月21日閲覧。 
  16. ^ “高梨雄平と高田萌生がトレード 楽天と巨人で今季2例目”. 共同通信. (2020年7月14日). https://this.kiji.is/655647540939244641 2020年7月14日閲覧。 
  17. ^ “巨人・高梨が出場選手登録 楽天からトレードで加入”. サンケイスポーツ. (2020年7月18日). https://www.sanspo.com/baseball/news/20200718/gia20071816250004-n1.html 2020年7月21日閲覧。 
  18. ^ “巨人移籍高梨が完璧“デビュー”火消し&3者連続K”. 日刊スポーツ. (2020年7月22日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202007220000972.html 2020年7月23日閲覧。 
  19. ^ a b “巨人高梨1勝「嘘喰い」ばり心理戦で15戦連続0封”. 日刊スポーツ. (2020年8月27日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202008270000001.html 2020年8月28日閲覧。 
  20. ^ “巨人・高梨の〝無失点神話〟途切れた…登板16試合目に痛恨被弾”. 東スポWeb. (2020年8月27日). https://www.tokyo-sports.co.jp/baseball/npb/2117676/ 2020年8月28日閲覧。 
  21. ^ 2016年楽天9位高梨雄平は早大同期ハム有原にライバル心”. 日刊スポーツ. 2016年12月1日閲覧。
  22. ^ 楽天高梨、ドラフト9位“哲学者”が新人一番星
  23. ^ a b 「命の恩人」への恩返し「自分くらいのポテンシャルなら命をかけて投げないと」”. FullCount. 2017年11月7日閲覧。
  24. ^ 【楽天好き】道具に記された「言葉」の理由(投手編)
  25. ^ バット引き、ビデオ係…引退覚悟した社会人時代、才能を見出した楽天スカウト”. FullCount. 2017年11月7日閲覧。
  26. ^ 料理男子の楽天高梨「免疫力アップ」メニュー公開
  27. ^ a b 中田康博 (2020年5月2日). “【野球】楽天・高梨 料理チャンネルで新しいファンとの交流”. デイリースポーツ online. https://www.daily.co.jp/opinion-d/2020/05/02/0013313131.shtml 2020年6月25日閲覧。 
  28. ^ 田端あんじ (2020年4月18日). “楽天の高梨雄平選手のツイッターが「飯テロ」アカウントに! スイーツからガッツリ系まで参考になる手作り料理が満載だよ”. Pouch[ポーチ]. https://youpouch.com/2020/04/18/661773/ 2020年6月25日閲覧。 
  29. ^ “高梨雄平投手が巨人移籍後初の動画”. ナリクリ. (2020年8月18日). https://clip.narinari.com/2020/08/18/5647/ 2020年8月20日閲覧。 
  30. ^ “「インクレディブル・ファミリー」で中田翔、柳田悠岐らパ・リーグ選手が声優初挑戦”. 映画ナタリー. (2018年6月21日). https://natalie.mu/eiga/news/287580 2018年8月10日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]