白ワイン

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白ワインのグラス

白ワインもしくは白葡萄酒は、麦わら色黄緑色、または黄金色を持つワインである[1]。任意の色の皮のブドウを用い、皮を取り除いた非着色の果肉部分のアルコール発酵することによって製造される。白ワインは少なくとも2500年前から存在している。

白ワインのバラエティの広さは、使われるブドウ品種、ワイン醸造の方法、およびの残量の割合などが多種多様であることに由来する。白ワインは、主にシャルドネソーヴィニヨンリースリングなど、緑色または黄色ブドウから作られる。また、色の付いていない果汁を使うことで、有色の果皮のブドウからも白ワインを作ることができる。例えば、黒ブドウであるピノ・ノワールは白のシャンパンの製造に一般的に使用されている。

多くの種類の白ワインの中で、辛口の白ワインが最も一般的である。辛口ワインは果汁中の糖分の完全に発酵させることで作られ、多かれ少なかれ芳香と刺激を合わせ持っている。一方、甘口ワインは、全てのブドウ糖アルコールに変換される前に発酵を中断することによって生産されるが、これには酒精強化(ミュタージュ、仏 : mutage)と呼ばれる手法がある。果汁にもともと含まれる糖分を増加させる方法として、ブドウの樹上での過熟、パスリヤージュ、貴腐の利用がある。ほとんどが白であるスパークリングワインは、発酵で生じた炭酸ガスがワインに溶けており、ボトルを開けると炭酸ガスが発泡するワインである。

白ワインは、食事の前のアペリティフデザートと共に、あるいは食中酒 (テーブルワイン)として頻繁に飲まれている。白ワイン、主だった赤ワインと比べ、スタイル、味ともに、爽やかで軽いと見なされている。加えて、酸味香りがあり、肉を柔らかくできたり、ディグレイズ英語版 (肉類の出汁にワインを加えてソースを作る調理法)に使えるため、調理の際によく使われる。

歴史[編集]

写真は彫刻された岩を示している。濃い灰色の縞模様が陥入した青灰色の岩の上の乳灰色の岩に彫刻が現されている。ヒッタイト王が左に描かれており、彼はひげを生やし、2本のブドウの枝を持っている。彼に面して描かれている神は、経時的な荒廃のため、頭と足の部分が失われている。
シリア・ヒッタイト王国群英語版タバル英語版の王ワルパラワ (Warpalawa)は、タルンタ神 (Tarhunta)にブドウの房を献上している。紀元前0~1,000年代初頭のトルコイヴリスの岩の彫刻英語版より

古代[編集]

世界で最古のワインの痕跡は、現在のイランで、7500年前の記録が発見されている[2]。しかし、考古学的発掘の結果は、どの時点からワインが生産され始めたかを決定することには至らなかった。叙述では、中東のワインの存在が我々に伝えられている。初期のワインは「高原地域」 (アナトリアアルメニアの山岳国境)で生産され、特に紀元前3000年頃からメソポタミアに輸入された。 ハットゥシャ粘土板には、ワインにはヒッタイト語で"ウィヤナ (wiyana)"という単語で、シュメール語で"ゲスティン (GEŠTIN)"、アッカド語で"カラヌー (karânu)"という単語が充てられている[N 1]。赤 (赤ワイン)はSA5 GEŠTIN[N 2]、軽いまたは白 (白ワイン)の意はKÙ.BABBARGEŠTIN、良いワインはDUG.GAGEŠTINハニーワインLÀLGEŠTIN、新しいワインはGIBILワインビネガーGETIN EMSAと表される[3][4]

古代ギリシアでは、ワインは、医師であるヒポクラテスが生まれた紀元前460年頃には既に開発・利用されており、一般的に薬として患者に処方されていた。「白ワイン」や「ビター白ワイン」が彼の治療に用いられており[b 1]、当時の生産の多様性を示している。

ローマ時代ギリシア人によって試行錯誤されたブドウ栽培方法は、長い間、彼らの模範となり、その生産には白ワインも含まれていた。豊かなローマ貴族たちは、食事にかける費用こそが威信の象徴として、盛大な宴会を開催していた。高価な食品の代表として、ワインは主役を果たした。最も豊かな市民は、ナポリ湾に豪華なヴィラを建て、そこでは、ギリシア人による導入でブドウ畑が営まれていた。aminumや古代のブドウは、現代のマデイラ・ワインに似たグリューワインとして生産される甘い白ワインを作り出した[b 2]ローマ帝国によるさらなる北方地域の征服は、ローマ人にブドウの栽培を促し、より軽く甘くないワインを生産することを促した。それはまた、地中海品種がその北限を迎え、それ以北の地域に適応した新しい野生品種の探索に拍車をかけた。実例として、ライン川のほとりに植えられたブドウは、めったに飲むことのできない澄んだ水とは対照的に、ローマ軍に健康的な飲料を提供した。ワインは習慣的に夏には冷やして、冬には温めて飲まれ、21世紀でも続いている[b 3]

中世[編集]

Photographshowing a medieval image (tacuino sanitatis).
中世後期の白ブドウ

ワイン商人は西ローマ帝国の滅亡に生き残れず、ブドウ栽培は破滅的に激減した。ゲルマン族ビールを飲むことを好み、ワイン貿易に価値を見出さなかった。ヴァイキング大西洋の航路を分断すると、ブドウ栽培の減少は深刻化した。南部ではサラセン人聖戦や襲撃を行っていた。南ヨーロッパでのこれらの作戦は、ラングドックプロヴァンス南イタリアドウロ渓谷の貧困化をもたらした。その結果、人々は奴隷にされたり、脅威から逃亡したりした。

ブドウ栽培の文化についての知識は、カトリック教会によって保護されてきた。ワインはミサの祝典に必要であり、修道士は高緯度地域でもブドウを植え、修道院の領地は増えていった。運搬や保管が難しく、ワインは地元の消費のために長く残されていた。ローマ人と同様に、"テーブルの上の芸術"は招待者の評判を反映していたため、ワインの取引は最初に貴族と高位者の豊かさを土台として再確立された[b 4]

河川貿易はブドウ畑の発展において非常に重要であった。ゲルマン諸国は、ライン川とドナウ川水運の恩恵を受け、生産品を輸出することができた。カール大帝は、全地域のブドウ栽培に関する一連の規則を含む彼の法典 (: Capitulare de villis)を制定することによって、この成長に貢献した。ドイツオーストリアにおける白ワイン文化の偉大な発展の時代であった。中央ヨーロッパのブドウ園は10万haに達し、1990年代の3倍半の面積を有した[a 1]13世紀から、商人たちは、裕福な貴族のためのワインであった"ヴィヌム・フランシウム" vinum francium (フランクのワイン)と、大衆によって飲まれた"ヴィヌム・ハンニカム" vinum hunicum (フン族のワイン)を区別した。中世末期には、リースリング[a 2]シルヴァーナー[a 3]の品種が認識されていた。

ヨーロッパの貿易の一部は大西洋沿岸にそって海路で行われた。イギリス人オランダ人、およびスカンジナビア[5]は、彼らのワイン需要から、ボルドーラ・ロシェルの間にブドウを作付けする流行を作り出した。ラ・ロシェルから輸出用に辛口の白ワインはほとんど生産されておらず[b 5]、ボルドーはガロンヌ川沿いの後背地から主にワインを輸出していた。17世紀シャラント川の沿岸にワインの生産が導入された際、シャラントの白ワインはコニャックとして紹介された[5]。同時に、オランダで人気のあった辛口白ワインは、ロワール渓谷ミュスカデAOCとグロ・プランAOC (旧VDQS)の現在の地域のナント港周辺から北で生産された。ロワール渓谷とフランス南西部のブドウ園は、ロワール川ガロンヌ川の水運の恩恵により、販売ネットワークを構築していた。

地中海沿岸では十字軍ヴェネツィアジェノヴァのライバル関係にあった両共和国を大いに豊かにした。豊かなフランクの領主の軍隊を供給するために、これらの共和国はギリシャからのワインを彼らに提供した。多くの白ワインを輸出したモネンバシア港は、マルヴァジア英語版の品種にその名を留めた[b 6]。十字軍はマスカットのワインも発見した。国へ帰ると、王族や裕福な貴族達は東方で楽しんだ甘口ワインを買おうと躍起になった。それらはラングドック=ルシヨンスペインのブドウ園で優勢を占め、これらのブドウから作られた。これらのワインの貿易は、その高いアルコール度数によって促進され、北ヨーロッパへの長い旅路の間の保存性を保証した。

近世[編集]

Colour photo showing the reconstruction of the ancient port of Palos de la frontera: transportation barrels, low buildings bordered by a covered gallery, a chariot at the very edge of the water awaiting the arrival of a boat.
再建されたかつてのパロス・デ・ラ・フロンテーラ

1453年オスマン帝国コンスタンティノープルを領有し、ヴェネツィア人とジェノバ人の立場は悪化した。 地中海東部と北ヨーロッパのワイン取引は急激に減少した[b 7]。時を同じくして、スペインレコンキスタを完成させ、特にイギリスとオランダの消費者に対して地中海ワインを自らのものに置き換えた。サンルーカル・デ・バラメーダ港は、今日のシェリー酒の祖先となる白ワインを大量に輸出し始めた。このワインは"sack (袋)"と呼ばれ、イングランドで大流行を引き起こした。両国間の敵意の高さ (1588年アルマダの海戦イギリス・オランダ連合軍はスペインの無敵艦隊を破っている)にも関わらず、貿易は継続され、時には購入できなかった場合にも海賊によって盗品が提供された。英国とオランダで毎年500リットル樽がの40,000〜60,000本もスペイン沿岸を去った[b 8] (この3000kLという量は現在の生産量の3分の2に相当する)。

16世紀に入り、メキシコペルーボリビアアルゼンチン[6]チリ[7]で最初のヨーロッパブドウアメリカ大陸に植えられた。これらはメキシコで生育されていたネイティブのブドウに加えられたが、この先コロンブス期のブドウは酸度が強すぎるためワインの生産向きではなかった。それは果物と蜂蜜で甘くされた飲み物をacachulで作るために使われた[8]

小氷期は北部のブドウ栽培に死の刻印を綴った。ブドウはドイツ北部とバーデンから消え、最大のブドウ栽培高度は標高220メートルにまで下がった。ハンス=ユルゲン・オットーは、「すべてのブドウ畑が苦しみ、栽培地域が減少した」と語った[9]。イングランドでもまたブドウは消えてしまった[10]。 未熟な赤ブドウは十分な着色を与えず、生々しいタンニンがワインを渋くしてしまうのに対して、たとえ未熟でも白ブドウは少し酸味が強いが何とか消費が可能でワインにすることが出来たため、初期のブドウ栽培者は白品種のブドウを好む傾向があった。寒い冬に発酵が中断することにより、シャンパンの二次発酵のプロセスが発見された[11]

Photograph showing a picture of Dom Perignon, the legendary creator of champagne.
ドン・ペリニヨン (伝説のシャンパン創造者)
Colour photo.  Strongly embedded in the folds of a grassy valley, four small buildings in irregular stone masonry, with flat or sloped roofs, with barred doors, the entrance of the cellars are sunk into the ground.  In the background the bushy land rises gently to the wooded hill which stands against a uniformly blue sky.
ハンガリートカイ地方のワインセラー、工程の秘密が維持されていた

大衆の一部が豊かになることで、希少なワインの流行を引き起こした。この現象は、すでにイギリスのシェリー酒の発展の原因であったが、中央ヨーロッパで再現された。白葡萄の貴腐の効果は1650年頃にハンガリーで発見され、トカイワインの開発に使われた[b 9]。ワイン評論家のヒュー・ジョンソンは次のように宣言した。「3世紀前のトカイは世界でも最高の甘口ワインだった。これは長年にわたって行われてきたワイン造りの伝統から継承された[b 10]。」 格別の成熟度が企業秘密であるブドウで開発されたこのワインは、ワイナリーの地下セラーで長い間秘密にされていたプロセスを通じてその品質を発達させた。ハプスブルク家に賞賛されたトカイは、収益性の高い取引を経験することとなった。模倣が試みられたが全て無駄となり、貴腐の利用は秘密のまま維持された。120年後、ライン川の険しい河岸で非常に遅い収穫方法が実験された。ソーテルヌでのその使用は1836年シャトー・ラ・トゥール・ブランシュ英語版で証明されたが、当時は非常に遅く収穫され、樽で数年を要する非常に豊かなワインだった[b 11]

他の地域も自分達を裕福にする秘密を発見した。そして、ドン・ペリニヨンは伝説的なシャンパンの創作者だった[b 12]。北部のブドウ園では、ワインの成熟度や色彩が十分ではないと予想される気候下で生産されたワインに対して、特別な情熱を生み出す特別なワインを開発した。

安価な辛口白ワインを飲む流行は18世紀パリで始まった。パリの人々は、消費税を免れるために都市の壁の外にある生産者の敷地でワインを飲む習慣を取った。キャバレーは川沿いに店を開くようになり、居酒屋に似たギャンゲットが生まれた。これに因んで、そこで飲酒されたワインは "guinguet"とも呼ばれた。これは、セーヌ川マルヌ川沿いの酸っぱいブドウのワインだが、当時の輸送条件環境は時期尚早で他地域へ運ぶことは出来なかった[12]

現代[編集]

Colour photograph showing a leafy hillside in Champagne, overlooking a river in the distance.
シャンパーニュの丘の風景

シャンパン18世紀に作られたが、次の世紀には世界的な拡大が起こった。欧州の王族たちは、必然的に瓶入り製品の生産のために非常に高価な製品となったが、すぐに彼らの宮廷をこのワインでスタイリッシュにした。ワイン評論家のヒュー・ジョンソンはシャンパンが重要な外交的役割を演じたと認めている[b 13]タレーランウィーン会議の交渉テーブルにこのワインを提供し、議論中に交渉相手をリラックスさせた。1815年ロシア軍によるシャンパーニュ地方の占領により、スパークリングワインがロシアの貴族に広められた。ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン (クリコ未亡人)は「彼らが今日飲んだ分、明日彼らは支払うでしょう...」と言いながら、彼女のワインを彼女の客に予約したと言う[b 14]

ガラス工業の進歩 (特に石炭の使用による)は、ガラス瓶の使用を大衆化するのに役立った。スパークリングワインの生産は劇的に増加し、アメリカ大陸に広がった。 製造技術は工業化され、他の地域も督励されたが、シャンパンの評判は傷ついていた。シャンパンの商業用飛躍は産業革命の賜物であり、中産階級が購入できる金銭的範囲内にあることを可能にした[b 15]

Colour photograph showing the steep slopes of the Moselle in German vineyards.  In the foreground, there are leaves and tendrils of Vitis vinifera; green vines are planted on slopes, alternated with retaining walls and paths in a zig-zag pattern.  In the valley, the Moselle flows under a bridge next to a village
ドイツのシュヴァイヒ市のアンベルクのブドウ園のモーゼル岸の急斜面

フィロキセラが蔓延する前の19世紀の時期は、ワインの黄金時代であった。産業革命は最高のワインのためのブルジョワ階級の顧客を豊かにし、農村部から工場への人口流出が大量生産ワインの大きな市場を作り出した。白ワインでの有名な例は、ドイツのブドウ栽培である。フランス第一帝政時代にフランスの占領下でドイツのワインメーカーに注ぎ込まれた"自由"の感覚は、貴族や聖職者が、彼らが奪われたすべてのブドウ園を回収することを妨げた[b 16]。晩期収穫の習慣は広く普及しており、多かれ少なかれ甘いワインは常に強い酸味とバランスをとっていた。1872年にはガイゼンハイム大学ブドウ育種研究所が創設され、新しい品種を開発するための大量の組合せ交配の源泉となった。これらの中で最もよく知られているものはミュラー・トゥルガウである[b 17]。同時期に、スイスレマン湖沿岸で、主に白ワインを生産するブドウ園を導入した。

20世紀には、未知の国のブドウ栽培が活況を呈した。しかしながら、発酵中の温度が高い場所では不安定であった[b 18]。より大きな発酵槽を使用すると、発酵の問題が生じる。酵母は熱を発生し、逃げることが出来ない酵母は35℃を超えると苦しみ始めて発酵が遅くなり、最終的には停止する。ワインを冷却した後、発酵を再開するために、酵母の新たな添加が必要になる (もちろんワインの香りに悪影響を及ぼすばかりか、乳酸菌汚染の危険性もある)。カリフォルニアでは、発酵中の温度管理の研究が成熟した。この技術は白ワインに適用され、このタイプのワインに革命を起こした。ブドウを粉砕するプロセスによって特徴付けられたヨーロッパワイン[b 19]は、さわやかな活気に満ちた非常にフルーティーなワインとは正反対である。1960年から1990年の間に、これらのワイン製造方法はヨーロッパに移され、今や冷蔵設備の使用は白ワインを生産するほとんどの地域で広く使用されている。

日本の歴史[編集]

日本に最初にワインが伝来した記録は「後法興院記」で、1483年 (文明15年)に、関白近衛家の人物がワインを飲んだという記述があり、おそらくこれが最古の記録である。日本で最初のワイン製造に関する記録は、江戸時代初期の1628年豊前小倉藩主の細川忠利が家臣である上田太郎右衛門にワイン造りを命じたという記述である[13]。しかし、その後の鎖国政策等で日本にワイン製造の文化が根付くことは無かった。

日本で本格的にワイン生産が行われるようになったのは、明治時代に入り、文明開化を受けて洋風文化を積極的に取り入れるようになったことに起因する。山梨県(旧甲斐国)では江戸時代後期には既に勝沼村甲州市勝沼町)の一部地域において、商品作物としての甲州葡萄の栽培が主に生食用として行われていた。これらを元に、甲府在住の山田宥教と詫間憲久の二人の共同出資によってワインの醸造を行ったのが日本の近代的なワイン醸造の先駆けとされている[14]

その後、殖産興業政策の一環として山梨県ではワイン製造が奨励され、1877年 (明治10年)「大日本山梨葡萄酒会社」が設立された。当初は山梨を中心にアメリカ系のブドウ品種 (主にデラウェアアジロン・ダック)の栽培が中心であったが、その後、国策によって味わいがより優れたヨーロッパ品種が全国に導入された。しかし、欧州系品種の導入によって寄生していたフィロキセラ感染による農地荒廃が起き、1885年 (明治18年)に日本のワイン製造の歴史は頓挫した。当時、アメリカ種に拠っていた山梨県だけがこの禍から逃れることができたことが、今日、ワイン製造の文化が最も根付いた地域に成長した礎となった。1939年 (昭和14年)3月に物品税が、1940年 (昭和15年)3月29日に酒税法 (果実酒に関する施行規則)が公布され、徐々に酒造の統制が進んでいった。届出・認可のない自家醸造は「闇酒 (密造酒)」とされ、廃れていった[14]

戦後、生産に適した地域ではある程度の規模をもったワイン醸造が民生用として再開されたが、輸入果汁や輸入ワインに頼る部分も多く、国内需要も伸びないまま、国内ワインは発展途上といわれ評価は低かった。日本人の嗜好としては、当初はワインの酸味や渋味が全く受け入れられず、長らく蜂蜜など糖分を加えた甘口ワインが主流であり、サントリーの「赤玉ポートワイン」や「ハチブドー酒」のような甘味果実酒であった。

その後、東京オリンピック (1964年 (昭和39年))や大阪万博 (1970年 (昭和45年))をきっかけに、本格的なワインに対する一般の認知度が高まった。国内ワイナリーは欧州に倣った垣根式栽培法を取り入れ、害虫に強いヨーロッパ系新種のブドウ栽培を開始した。近年では純国内栽培によるワインも生産されており、国際的な評価も高まっている。洋酒に関する輸入関税の緩和、食文化の多様化、ワインポリフェノール効果によるブームなどもあり、一過性の増減はあるものの、ワイン需要は伸び続けている[15]2002年からは、山梨県が主導して「国産のぶどうを100パーセント使用して造った日本産ワイン」を対象とする国産ワインコンクール2015年からは日本ワインコンクールと改称)が始まった。

地理的分布[編集]

製造[編集]

気候帯[編集]

Photograph showing German vineyards on terraces. The vine has been able to conquer this northern area with a cold climate with terraced masonry vineyards; it is managed with high fences. On top of the hill, a house with a terrace overlooks the vines.
世界で北限の一つであるドイツのブドウ園

多くのワイン生産国で白ワインが生産されているが、、白ブドウは搾汁時にタンニンを抽出しないため、タンニンの成熟度は問題にならず、赤ブドウより熟すのに必要な熱量が少なくて済む。加えて、味のバランスは、酸味に起因する顕著な爽やかさに基づいている。辛口白ワインの生産のためのブドウは完全に熟す直前に収穫される。このような条件で作られるため、辛口の白ワインはより北部または山岳地帯のブドウ園でも生産が可能である。

ヨーロッパでは、スイスのブドウ畑(生産面積の50%以上が白ブドウ)、ルクセンブルグのブドウ園(生産地域の93%が白[16])、ドイツのブドウ園(2006年の生産面積の63.1%[17])で白ワイン生産が主である。フランスでは、ほとんどの白ワイン が北側半分の地域(アルザスジュラ、シャンパーニュ、ロワール渓谷)で生産されている。スペインでは対照的に、カスティーリャ・ラ・マンチャはスペインのブドウ園の50%を占めるが、この熱く広大な地域では主に白ワインが生産されている。カタルーニャ地方では多くの白ブドウが生産され、カバと呼ばれるスパークリングワインに形を変える。カバの生産面積は、カタルーニャ地方の総生産面積65,600ha[18]のうち45,000ha[19]を占める。

アメリカ大陸では白ワインと赤ワインの両方が発展しており、そのうちいくつかは現在世界中で認められている。カナダはワイン生産には明らかに不利な気候であるが、アイスワインついては優れたものが生み出される。。カナダは世界最大のアイスワイン生産国である[20]

暖かい南部地域でも白ワインは生産されるが、生産割合は少ない。また、地中海周辺で作られるミュスカマデイラマルサラなどのように、ヴァン・ド・リキュールやヴァン・ドゥー・ナチュレル[N 3]のような酒精強化ワイン(英:fortified wine, 仏:vin muté)[21]が一般的である。

地質帯[編集]

Colour photograph showing the terrain of Tokay.  The vineyard is backed by a mountain, an ancient extinct volcano, giving a terrain of high quality for growing grapes.
トカイの火山地形

農学者のクロード&リディア・ブルギニヨン夫妻[22]によると、赤ワインは石灰岩を基盤とした土壌によく適しているのに対し、白ワインは変成岩(アルザス、モーゼルアンジュー)や火山岩(ハンガリーとスロバキアのトカイ)の土壌で最も高品質なものが生み出される。

また、白ワインは、シャンパーニュのワイン生産地域の白亜や、シャサーニュ・モンラッシェ珪藻土の表土の下に石灰岩が存在する土壌のような、石灰質土壌を持つ土地でも生産され[23]、これらは世界で最も名高いワインに数えられる。

消費[編集]

国民一人当たり年間7L以上のワインを消費する国での白ワインの比率
国名 比率(%)
世界平均 40.6%[24]
オーストラリアの旗 オーストラリア 60%
チェコの旗 チェコ 60%
ニュージーランドの旗 ニュージーランド 56%
ルクセンブルクの旗 ルクセンブルク 53%
フィンランドの旗 フィンランド 50%
イギリスの旗 イギリス 47%
オーストリアの旗 オーストリア 46.9%
アイルランドの旗 アイルランド 44%
アメリカ合衆国の旗 アメリカ 40%
ドイツの旗 ドイツ 39.8%
アルゼンチンの旗 アルゼンチン 39%
イタリアの旗 イタリア 37%
スウェーデンの旗 スウェーデン 36%
カナダの旗 カナダ 35.1%
スイスの旗 スイス 31%
オランダの旗 オランダ 30%
ロシアの旗 ロシア 30%
ベルギーの旗 ベルギー 28.4%
スペインの旗 スペイン 28%
デンマークの旗 デンマーク 27%
ノルウェーの旗 ノルウェー 25.1%
チリの旗 チリ 25%
ポルトガルの旗 ポルトガル 25%
フランスの旗 フランス 21%[25]
日本の旗 日本 46%[15]

※日本の国民一人当たり年間消費量は3.2L[26]

ブドウ品種[編集]

世界の白ワイン用ブドウ品種[編集]

白ワインを開発するために、数多くの種類のブドウ品種が使用されている。

そのうちいくつかは、ワイン品種のマーケティング努力もあって、高い評価を得ている。

  • シャルドネ :[N 4]ブルゴーニュ産のもので、フランスでは生産地AOCやPremier Cru、Grand Cru等の名の下で長く販売されているが、ブドウの名前で販売する多くの新しい生産国に広がっている。スパークリング、あるいはスティルのどちらでも製造できる。典型的には、他の白ワインと比較して、より広いボディーで豊かな柑橘類の風味がある。このワインの食事とのペアリングの一般的な選択肢は、魚や家禽である。それは、フランスから米国、オーストラリア南アフリカ日本に至るまで、気候と地質の非常に幅広い地域で、その世界への分布を広げている[27]
  • ソーヴィニヨン・ブラン : フランス中心部とボルドーのブドウ園を発祥の地として、南西部からロワール渓谷のブドウ園に広がっている。アングロサクソンの消費者に注目されると、それは米国、オーストラリアニュージーランド、南アフリカの成長地域に広がった。 その典型的な野菜、ミネラルアロマが著しく[a 4]、果物のアロマがフラットで欠けている。優勢なフレーバーはリンゴナシグースベリーなどの新鮮な果実から、メロンマンゴーブラックカラントなどのトロピカルフルーツに至るまで様々である。このワインの一般的な食事とのペアリングは、シーフード、家禽、サラダである。
  • リースリング : ドイツのブドウ園が発祥 (ドイツ、アルザス、スイス)。収量が限られており、気候が大陸性気候になる傾向がある場合でも、様々な土壌で高い品質を維持できるブドウである[a 5]。このタイプは他の白ワインと比較してはるかに軽く、典型的には青リンゴ様のアロマを有する。リースリングと相性の良い一般的な食事は、魚、鶏肉、豚肉である[28]
  • ミュラー・トゥルガウ : ドイツで最も広範に栽培されているブドウで、フルーティーでバランスの良いワインを生み出す反面、長期保管に向かない[a 6]
  • マスカット : 独特の香りを持つ品種群 (作家のピエール・ガレ[29]によると150以上)である。典型的にはイタリアやオーストリアで栽培され、甘くてフルーティーな味わい。食事のペアリングと関係なく最高の状態を表す。
  • プティ・タルヴィン英語版 :スイスのヴァレー州が発祥。歴史的文書では、17世紀初頭の1602年から栽培されていることが示されている[30]。典型的には中程度に辛口な特徴を持つこのワインは、厚手の果実からの抽出物を豊富に含んでいる。控えめなワインメーカーによって高く評価されており、スイスで最も主要なワイン栽培地域で最も頻繁に栽培されたワインとなっている[31]。この品種は、しばしば、中央および北ヨーロッパの料理に組合される。

他のブドウ品種は、AOC規格で販売される以外に、他の品種と混合される場合があるため、あまり知られていない品種もある。:

  • アイレン : あまり知られていない品種だが、390,000haと世界で最も栽培された樽ワイン用品種の一つであり[32]スルタナ英語版に次ぐ第2位である。スペインではほとんど独占的に栽培されており、低密度で植えられ、地元で消費される辛口白ワインを生産している。
  • カタラット・ビアンコ・コムーネ : イタリア南部の葡萄で、香り豊かな高アルコール (14容量%)ワインを製造する。マルサラとマデイラを生産するために使用されるブドウの品種の一つ[33]
  • シュナン・ブラン : ロワール渓谷のフランスのブドウで、南アフリカでも栽培されている。土壌の地質に応じて、時にはミネラル、辛口、または甘口の非常にフルーティーなワインを産出する。晩生で長い間保つことが出来、貴腐ワインにも出来る[a 7]
  • マカベオ : スペインのブドウで、スペインのスパークリングワインのカバを開発に使われている。フランスのラングドック=ルシヨンのブドウ園でも栽培されている。ワインは辛口ながらフルーティーであり、酒精強化ワインを生産する[34]
  • セミヨン : ボルドーのブドウ園発祥のブドウで、貴腐になる性質があるため、ボルドーとベルジュラックの甘口ワインに使われる主要品種である[a 8]。それはイチジクのような香りの特徴を持ち、しばしばソーヴィニヨン・ブランと組合わされて強いベリーのような風味を醸す[35]
  • トレッビアーノ・ビアンコあるいはユニ・ブラン : かなり中性のワインを与えるイタリアのブドウ品種。フランスでは、このワインは通常、コニャックまたはアルマニャックの生産原料として蒸留される[a 9]
  • ヴィオニエ英語版 : フランスのローヌ渓谷のブドウで、2000年代からカリフォルニアに植えられている。非常にフルーティで複雑なワインを産む[a 10]
  • グルナッシュ・ブラン : これはグルナッシュブラックNの白ワイン用タイプである。品質のバラエティーに富んだフルボディーの辛口ワインになる。また、高品質の天然の甘口ワインも提供出来る[e 1]

また、有色皮をもついくつかの品種も白ワインの生産に利用される。:

日本の白ワイン用ブドウ品種[編集]

日本では、日本固有種も含め、いくつかの品種で白ワインの生産が行われている。 :

  • 甲州 : ヨーロッパ原産だがいつ日本に伝わったかは分かっていない。山梨県固有品種で、95%以上を山梨県で生産する[15]。灰色系ブドウで藤色~エビ茶色の皮を持つ。元々は生食用であったが、日本のワイン醸造の発展とともに醸造用に使われるようになった。ややピンクの液色で、酸味と香りは突出した個性がない。
  • ナイアガラ  : アメリカ原産のブドウ品種。1893年 (明治26年)に日本に伝わった。生食用が多く、長野県北海道山形県などで生産されている[15]。フォクシー・フレーバーが強い[38]。粒は小さく、果汁が豊富で風味がよい[39]
  • デラウエア : アメリカ原産のブドウ品種。1872年 (明治5年)に日本に伝わった。主に山形県、山梨県で生産されている[15]。粒は小さく、香りは控えめだが、果汁が豊富で糖度が高いため[39]、甘口で若いうちに飲むワインに適している[38]

この他に、シャルドネ、ケルナー、セイベル9110、竜眼 (善光寺)等の品種が栽培されている。

ブドウおよびムストの成分[編集]

[編集]

茎(または果軸)は、ぶどうを支える草本の枝である。これは水分を約80%含み、3%の可溶性ミネラル (うち半分がカリウム)およびポリフェノール等からなる。ポリフェノールは主にタンニンであり、苦味渋味 (収斂味)の原因となる[40]。白ワインの生産では、茎は有用な部分を含んでおらず、その水分がムストの希釈を引き起こす他、ワインにはタンニンの存在も望ましくはない。これが、収穫の後半部分から、振り分けることによって、または圧搾によって、迅速に分離される理由である[41]

ブドウ果実[編集]

Colour photograph of three grains of black grapes.  Two are tied together with a residue of the stalk, the third has been cut in half to show that the berry of the black grape with white juice has a colourless pulp.
白い果汁と有色の皮のブドウ果実の部位

ブドウの果実は皮、肉部(果肉)、種子で構成される。種子は硬く、果実全体の2〜5重量%である。種子は25-45%の水、34-36%の炭水化物、13-20%の脂肪 (グレープシードオイル|ブドウ種子油)、4-6%のタンニン、4-6.5%のタンパク質、2-4%のミネラル、および1%の脂肪酸を含む[42]。種子はプレス時に取り除かれているため、白ワインに関する種子の貢献はゼロであり、加えて、種から何かを抽出するためには圧力が不十分である。

皮は果実全体の6〜12重量%を占める。皮は、ブドウの色に艶消し効果を与え、発酵の要因となる酵母を含んだワックス状の保護物質であるブルーム (果実)で表面をコーティングされている。ブドウの皮には揮発性化合物も含まれている。これらは、ブドウの香りや発酵中のワインの香りとなる分子のためのものであり、「アロマ前駆体」である。赤ブドウでは、薄皮にはアントシアニン類または明るい色から赤紫色の着色物質が含まれている。赤ブドウから白ワインを生産するには、マセレーション (浸漬)をしない、あるいはぶどう果汁にアントシアニンが溶出するのを避けるため、収穫物をあまり強く押さない、などの必要がある。皮にはセルロース、不溶性ペクチン、タンパク質、有機酸 (クエン酸リンゴ酸酒石酸)が多く含まれている。ソーヴィニヨン・ブランBのブドウの皮は、pH約4.15を示す。また、タンニンは2〜3%含まれている[42]

ブドウの果肉は最も重要な部分であり、果実全体の75〜85重量%を占める。非常に薄い細胞壁を持つ大きな多角形の細胞からなる。低い圧力をかけると細胞はその内容物である果汁を漏出する。ブドウの果肉は大半は水分である。有機成分は、発酵性の糖分 (辛口ワインで1Lあたり170-230g、酒精強化ワインでは1L当たり200-300gかそれ以上)および有機酸、特にリンゴ酸および酒石酸である[42]。酸は果実の中心部により多く存在し、一方、糖は周辺部でより高い割合で存在する。果実中の糖、酸および無機化合物の分布におけるこの異方性は、プレス中、特にシャンパンプレスにおいて利用される。この工程では、プレス中最初に得られるキュベ (cuvée)、第1および第2のタイユ (tailles)、および最終的にはAOCワインを製造するには不十分な品質となる残渣 (rebêches)に分離される。

果肉はワインの主要な要素であり、液体の割合が最も高い部分である。フレーバー成分は皮よりもはるかに少ない。

果汁[編集]

白ワイン製造の場合、果汁は単純にブドウ果実を圧力によって搾ったブドウジュースである。

糖類[編集]

Photograph showing crystals of refined sucrose.  A millimetre ruler down the picture shows the scale of the grains is between 0.5 and 1 millimetre.
精製された結晶スクロース (補糖に用いられる糖類)

糖類は光合成に由来する炭水化物である。スクロースは葉の中で作られ、植物の体内に流れ込み、そこでグルコースフルクトースに分解され[43]、ブドウの成熟の特徴である果実に蓄積する。多くの異なる糖が共存するが、最も一般的なものが、嫌気状態の酵母が発酵中にアルコールに変換するために消費するグルコースおよびフルクトースである。 この2つは実質的に等しい量存在する[42]。発酵の完了を確認するために、化学分析 (グルコースおよびフルクトースはフェーリング試薬と呼ばれるアルカリ性銅溶液と反応する還元糖)、酵素法、または赤外分光法によって定量することができる。

その他の糖類は全く発酵性がない。酵母による発酵消費の後、非発酵性糖類 (酵母によって発酵に使われないアラビノースおよびキシロース)の量は0.5〜1.7g/Lである。糖類はまた、酸による刺激とアルコールによる渇きを緩和させるように、味のコントロールを担っている[44]

有機酸[編集]

Diagram showing the structural formula of the form of an "L" of tartaric acid, the major organic acid in wine.
ワインの主要な有機酸であるL型酒石酸の分子式

ワインに含まれる有機酸は、主にリンゴ酸および酒石酸である。酒石酸はブドウ由来の特徴である。葉の中の含有量は5-7g/Lである。リンゴ酸は緑色のブドウに含まれており、その含量は成熟とともに低下し、収穫時には2-7g/Lが含まれる。含有量は品種や土壌の違いによって幅が広く、暑い気候では温度が低下していくにつれて含有量も低くなっていく[45]。その他、クエン酸アスコルビン酸α-ケトグルタル酸フマル酸ガラクツロン酸クマル酸などの多くの酸が少量含まれている。これらの量の変動は果汁のpHを変化させる。白ワインのムストは、一般的にブドウの成熟度があまり進んでいないため、赤ブドウのムストよりも酸性である。

ビタミン[編集]

ビタミンC (アスコルビン酸)はブドウに存在し、ムスト1Lあたり50mg含まれている。ビタミンCは果汁の酸化現象に対する保護作用がある。酸素の存在下で過酸化水素を生成する。 この反応によって、ワインを酸化させるのに必要な酸素を果汁中の酵素から奪う。1962年以来、ワインへのビタミンCの添加は、ワインを安定させるために包装時に最大15g/hLまで許可された。2000年代後半の実験では、それを新鮮な収穫物または果汁に添加する方法を決定しようとした[46]

ビタミンB1 (チアミン)は、0.2-0.5mg/Lの濃度で存在する。このビタミンは、アルコール発酵を確実にし、酵母の増殖を適切な状態に維持するために不可欠である。健康なブドウのムストでは、酵母にとって自然量で十分である。一方、劣化した収穫 (灰色カビによる汚染)の場合、このビタミンの分解が起こり、ワイン製造者はムストが問題のない発酵を確実に行えるためにチアミンを添加する場合が多い。低温で非常に澄んだ果汁を収穫した場合、酵母は限られた範囲でしか働かないため、チアミンの添加は発酵の終了が困難になることを防ぐのに役立つ。フランスでは、法律により添加量は30mg/hLに制限されている[47]

ミネラル[編集]

果汁にはミネラルも含まれている。ナトリウム、カリウム、マグネシウムが最も一般的である。カリウムおよびカルシウムは、酒石酸との塩を形成することができ、ワインのpHによって酒石酸カリウムおよび中性カルシウム酒石酸塩を形成する。そのため、これらの溶解度閾値に達すると沈殿を生じ、果汁を脱酸性化するのに寄与する[48]。酸性度がやや不足している南部地域 (温暖な地域)では、余計な酸性度低下の原因となる可能性がある。

ワイン製造[編集]

白ワインは白や黒のブドウから作られる (ただし、果肉は常に白で、有色の果肉を持つブドウは有色果汁の意味のタンテュリエ品種として区別される)。収穫されたら、ブドウはプレスされ、果汁と呼ばれる液体部分だけを抽出する。果汁は発酵のためのタンクに入れられ、そこでブドウに存在する酵母によって糖類がアルコールに変換される。

ブドウの収穫[編集]

Colour photo showing a harvesting machine that empties its harvest in the yellow bucket into an orange trailer hitched to a tractor.  It is white grapes flowing from one of the buckets.  The grass around the vines is high and yellowed by drought but the vines are still green, although showing some yellowing, a sign of change from summer to autumn.
収穫機で収穫されたブドウはトレイラーに空けられる

ブドウをどこまで成熟させるかは、最終製品であるワインの要求するものに応じて変わってくる。白のスイーツワインの場合、酒精強化であるか否かにかかわらず、糖度は重要な基準となる。白の辛口ワインの場合には、技術的に熟度が計算され、果実は糖度が完熟する前に収穫される (通常、8日間[49])。この時点で、糖類と酸のバランス関係は最適である。さらに、酸度が低いと後々ワインに高すぎるアルコール度と活力の不足を引き起こす。加えて、香りは新鮮さを失い、鮮やかさを無くす。

Colour photo showing a harvester at work in Champagne.  This operator places rows of plastic crates full of white grapes on the trailer of a tractor.  The golden hues of ripe grapes can be seen.  In the background, a wire frame supports the foliage of the vine.
シャンパーニュの手摘み収穫

伝統的な房全体の手摘み収穫は、必ずしも品質的に安定ではないものの経済的な選択によって辛口白ワイン用の収穫機の登場によってますます難しくなっている[49]。ブドウの脆弱性には、ワイナリーへの迅速な輸送[49]、もしくは酸化からの保護のどちらかが必要である。ブドウ園とワイナリーの間の輸送時間が長い場合、収穫物を冷蔵し、窒素またはドライアイスを用いて酸素から遠ざけることができる[50]

しかしながら、いくつかの甘口ワインでは、収穫の成功には、果実が最適な熟度に達したか、もしくは貴腐の曝露を受けた房のみを摘めるよう、手摘み操作と摘み手の訓練が必要である (セレクション・ド・グラン・ノーブル英語版の場合)。 スパークリングワインでは手摘みが推奨されており、有色ブドウからの白ワインを作る場合には必須である[49]

発酵前の調整[編集]

Colour photo showing an Italian winemaker emptying perforated crates of white grapes into a de-stemmer.  The berries are evacuated to the press and stalks fall to the front in a crate.  In the background are stainless steel tanks used for fermentation.
除梗のための小型の振とう機

ワイナリーでブドウを処理する最初の段階は、必要とされている果汁の成分を不要な部分から分離することである[49]。この段階で行われる工程は、後工程のワインの品質を大きく左右する。そのため、ブドウの房は通常揺らされて踏み潰される。適度な踏み潰しの動作は、果実を破裂させ、ジュースとパルプを放出させる (黒系果実から白ワインを製造する場合には、果実の早すぎる粉砕はムストが着色する原因となるため、この工程は使用出来ない)。破砕や除梗 (茎の除去)の動作では、茎をブドウの房から切り離すという利点があり、プレス時にワインに草の匂いが着くのを防ぐことが出来る。皮は磨砕されず、透明な黄色が保持される。

ワインメーカーは白ブドウの皮を浸し、ブドウの品質が良ければマセレーション (浸漬して軟化させる工程)を行うことができる。発酵前のマセレーションは発酵の開始を遅らせるために一般に制御された温度で行われる。この技術は、主に皮に含まれるブドウ品種に固有なアロマおよびそれらの前駆物質の抽出を改善する。酸度は、コロイド (大きなペクチン型分子)の比率とブドウの成熟期間に応じて低下する。マセレーションの最適な実行のためには、果汁が酸化することを防ぐために、完全な除梗化、中程度の破砕、および亜硫酸塩の添加を必要とする。継続時間 (典型的には18 °Cで5-18時間[51])は、ブドウ品種、マセレーション温度、ブドウの成熟度、および土壌の性質に依存する。

Colour photo showing a battery of five screw presses in a cooperative.  Above, an endless stainless steel screw used to bring the harvest in the press.  The selection of each unit is done by means of an automatic door.  The winery is very clean: white walls, machines and media access in painted steel and concrete floor gallery and coated with a washable paint.
ワイン圧搾機のバッテリー

踏み潰され茎を除去された収穫物は、次に圧搾される。ワインプレスの種類もワインの潜在的な品質に影響する。1980年代以降、空気式プレスは作業改善が行われ、気密状態で作業し、ブドウを傷付けないように果汁を抽出する圧力を細かく制御するようになった[52]moût de goutte (ムー・ド・グート)は、圧搾する前 (圧搾の過程)に粉砕された果実から自重で自然に流れでる果汁のことを指す。踏み潰しはその比率を増やし、同時により高いt数のブドウを処理することによって流出量が増加する。moût de presse (ムー・ド・プレス)は、ブドウをプレスによって圧搾してから流れる果汁のことを指す。これにより、ブドウのよい品質であれ欠陥であれ、濃縮することになり、アロマ、コロイド、あるいはフェノール化合物を豊富に含む。しかし、腐敗したブドウに付着した菌の臭いまたは成熟が不十分だったブドウによる野菜の臭いのような異臭等も際立たせることにもなる。モット・デ・グートとモット・デ・プレッセのムストとろ液をブレンドするか否かは、ブドウの健康状態、プレスの方法、および計画されたワインのスタイルに依存する。プレス前にブドウを操作すると、搾り粕、澱の量が増え、プレスが複雑になる。高品質のワインの開発には、プレスの使用は除外されるか、または非常に限られている[51]

セトリング (沈降化)[編集]

沈降は、果汁から澱を除去することによって果汁を清澄化することを意図している。澱は、懸濁液中のコロイド、外皮またはパルプ由来の破片、および外因性の破片 (土壌)を含む。

静的沈降とは、破片を沈降させムストから除去することからなる。プレス後、ムストは空気に触れないようにタンクに残される。懸濁した粒子はタンクの底に沈殿する。これは、ペクチン化合物を構成する長鎖有機化合物を分解するペクチン分解酵素の添加によって促進される。これらのペクチンは果汁に高い粘度を与えるため、ペクチン分解酵素によって懸濁したペクチンをより短い鎖に切断し、粘度を低下させることによって沈殿を加速する。もし発酵が始まると、二酸化炭素の泡の放出が果汁の中に懸濁した粒子を広げ、その沈殿を邪魔してしまうため、果汁の冷凍が必要である。 果汁が清澄化された後、発酵のためにデカントされる[53]

動的沈降とは、果汁と澱との分離を促進する機械で行われる分離を言う。遠心分離機は大きい粒子を除去するが、高レベルな透明性は得られない。

浮選によるセトリングは、タンクの底部からガスを導入して泡を形成することによって、粒子を液面に上昇させ、スクレイパーによって除去させる技術である。ロータリー真空フィルタによる濾過は、比較的遅いが効果的である。これは、遠心分離機から出る澱から果汁を再回収するためによく使用される[53]

さらに、酵素処理は、清澄剤英語版による沈降を改善することができる。ベントナイトは、コロイドを沈降させるためのバラストとして機械的役割を果たし、沈降速度を加速させる[54]ゼラチンはまた、プレスによって抽出された懸濁タンニンを凝集させるためにも使用される。しばしば苦い味に関連するが、その除去は一般的に白ワインにとって有益である[55]ポリビニルポリピロリドン (PVPP)は、ポリフェノールの固定および除去を可能にする。これらの分子はワインの褐変に関与しており、これらを除去することは将来の飲料中の安定性要素を与える[56]

「澱の安定化」 (液体冷却安定化)では、ワインメーカーは定期的に休止状態を数日間追加するが、沈降はすぐには進行しない。その後、上記のような従来の沈降工程に進む。この技術は、果汁中で天然に非常に可溶性である"チオール" (パッションフルーツ柑橘類など)の前駆体で果汁を充たすことを可能にし、ソーヴィニヨンやコロンバード英語版のようないくつかの品種に特に適している。「澱の沈降」では、静的沈殿からの澱を冷蔵タンクに集め、数日間攪拌する。ろ過と発酵の後、チオールが豊富な白ワインが得られる。冷却による沈降の促進は、エグ味の原因となる酒石酸の除去にも用いられる。冷却によって酒石酸はミネラル等と結合して析出しやすくなり、沈殿化する。

ワインの仕込み[編集]

Colour photo showing stainless steel fermentation tanks in the UK.  The tanks are located on both sides of an aisle at the bottom of which oak barrels for aging, stacked on a bracket against the wall can be seen.  The floor is painted and pitched to a drainage channel in the middle of the winery.
イギリスにおけるステンレスタンクでの発酵

次いで、麦汁を発酵槽に入れて発酵させる。 これらの発酵タンクは、オーク、エポキシでコーティングされたセメント、ステンレス鋼またはエナメル鋼、またはエポキシ樹脂のいくつかのタイプがある[57]。大容積のタンクの場合、一般に温度を赤ワインよりやや低い約18℃に制御する必要がある[51]。香りの芳香成分 (アルコールの酢酸エステルおよび脂肪酸エチルエステル)の大部分は、18℃未満に制御された果汁の上層部で発酵中に酵母によって合成される。しかしながら、透明性および低温は発酵を遅らせる要因でもある[49]。これらの過酷な培養条件のため、十分に吟味した酵母を選択、添加することは重要である。対照的に、一部の生産者は有機栽培またはバイオダイナミック農法でブドウを栽培しており、澱成分が酵母に有害な合成化学物質を含まない良質のものであるため、それらはワイン中に含まれたままである。ムストの濁りは、小さなタンクや樽での酵母や発酵に対して良好な供給を保証し、低温に耐える必要はなくなる。

発酵はブドウに付着している天然酵母の働きによって自然発酵から始まる。ワインメーカーは、市販の活性乾燥酵母を選択することもできる。それは、品種の特徴や製造方法を表現するのに役立つ。辛口白ワインの場合、糖類が消失するまで発酵を続ける。ワインは通常、澱を取り除くためにデカントされる。発酵が樽で行われる場合、温度はしばしば20℃を超え、時には25℃を超えることさえある[51]

発酵終了後、ワインはマロラクティック発酵英語版 (FML)を行うこともできる。この2回目の発酵は、2つのカルボキシル基を持つリンゴ酸を乳酸に変換する。この操作は、ワインの鋭い酸味を低減させる効果があるが、必ずしも望ましい訳ではなく、いつも実施される訳ではない。温暖な地域では、ワインの爽やかさを生き生きとさせ、ワインの香りを与える酸味は慎重に保持される。品種物のブドウの発酵中に、香り成分はオーク樽で熟成している間のワインを口に含んだ時の丸みとボリューム感の増加に対する恩恵を減少させる。これによりシャンパンワインの生物学的安定性が向上する[51]

甘口ワインの場合、発酵は、糖類の一部を保った状態で止められる。これはミューテージ英語版 (強化)と呼ばれる。発酵は、二酸化硫黄 (SO2)によるワインの滅菌、急速冷却による酵母の麻酔、非常に細かいメッシュフィルターで酵母を捕捉する、またはこれらのいくつかの方法の組み合わせによって停止することができる[51]。獲得したアルコールと残留糖類との最適なバランスをとることができるミューテージの変異点を決定するための大まかな目安は、取得したアルコール度数が10%を超えるあたりで、潜在的な度数を糖類として残すことである[N 5]。より甘いデザートワインでは、発酵は過剰な糖類とアルコールによって自発的に停止する。アルコールは酵母にとっては廃棄物であり、大量にあれば毒である。甘口ワインの場合、ワインアルコールの添加は発酵を停止させる。FMLは、添加した乳酸菌が乳酸発酵 (甘酸っぱいワイン)を供与するために優先的に糖類を消費してしまうため、甘口ワインについては行われない。加えて、ワイン中の酸と糖類のバランスは、ワインの勢いを支えている。

「還元」または「技術」と呼ばれるワイン製造技術が開発されている。オーストラリアやニュージーランドでは非常に流行っているが、この技術は非常に芳香の強い白ワインを得ようとしており、ソーヴィニヨン・ブランB、コロンバードB、リースリングBなどの香り豊かな品種では非常に興味深いが、シャルドネBなどの品種は興味をひかない。この方法は開発のすべての段階でムストやワインに予期せぬ酸化を制限することで機能する。二酸化炭素 (CO2)のような不活性ガスの使用がブドウを空気中の酸素から隔離し、冷却がムスト中の酸化酵素の作用を部分的に阻害する。ブドウ中の天然酵素であるチロシナーゼと、灰色カビから混入する酵素であるラッカーゼは、酸化作用が非常に強い。ラッカーゼはブドウを選別することで排除することができる。収穫からプレスの時間を短縮することによるワイン中のポリフェノール量に強い制限は、ワインを黄変から保護し、非常に軽いワインを作ることを目指す別の技術である[58]

Colour photo showing an aging cellar for Sauternes (sweet white wine).  The barrels are aligned in three rows against the walls and they are stacked on two levels with a row in the middle one barrel high.  The light coloured barrels are newer barrels.  The floor is tiled, the walls are stone, covered in grey mould, and the ceiling is white supported by dark coloured beams.  The wall lighting is reminiscent of medieval torches.
ワイン倉庫の熟成甘口白ワイン (ソーテルヌ)
Photo showing a barrel with a glass bottom revealing the layer of yeast on the surface under which the yellow wine is ageing. This yeast is in the form of an irregular white layer – it forms small stalactites that sink a few millimetres into the wine which is already dark yellow wine.  The wall in the background is grey, probably coated in grey mould.
非常に特別なワインの熟成: 酵母の層の下の黄色いワイン

熟成[編集]

発酵の後、全てのワインは消費に適した絶え間のない管理が必要である。ボトリング前のこれらの実施は全て「エルヴァージュ (élevage)」または「熟成」として知られている[59]

熟成は大桶で行うことができる。ワインの清澄化とパッケージング (瓶詰またはバッグインボックス英語版)の準備にはほとんど時間がかからないが、これは澱の成熟によっては延長される可能性がある。この種の熟成は、定期的にワインの懸濁液中に微細な粕を加えることからなる。死んだ酵母は、微細な澱を使ってそれ自体を消化し (自己消化)、果実感を支えるボリュームとボディ感を与える。この操作はバトナージュ (Bâtonnage)または攪拌と呼ばれ、伝統的には樽の底にある澱を棒でかき混ぜる操作が行われる[60]。しかし、そうしないと、酵母由来の亜硫酸レダクターゼの活性に起因して、グー・ド・レデュー (味の減少)が起こる可能性がある[61]。この操作は、ミュスカデのようにバットで、ブルゴーニュのように樽で、シャルドネ、その他の多くのシャルドネまたはボトル)で行うことができる[61]

熟成は樽でも行うことができる。ワインは発酵後に樽に入れられるが、樽内で発酵自体が起こることもある。樽には2つの役割があり、1つはワインにトースト、バター、バニラの香りを与えることだが、木製の壁を通して非常に微量の酸素をゆっくり供給することで熟成を助けることにも役立っている。この酸素は、積極的ではないが、ワインの成分を重合させてバランスのとれたものにするのに役立っている。

ブレンディング[編集]

ブレンディングは、意図する最終的なブレンドを得るために異なるワインを混合することからなる[62]。この混合は、品種 (ボルドーワイン[63]またはラングドック=ルシヨンのワインの場合)、またはビンテージものと品種(シャンパーニュの場合)をブレンドすることができる。

このブレンドは、純粋に定量的なものであってもよく、意図する体積に達するまで様々なビンテージをブレンドすることができる。それは定性的なものでも可能で、利き酒役または利き酒役のチーム (セラーマスター、ワインメーカー、農園のオーナーなど)は、最適な品質を得るために最終ブレンドで一緒に混合する各ワインの量を決定する。ワイン造りのブレンディングは常に経験的であり、2つ以上のヴィンテージの組合せがどのような期待される製品を生み出すかは予測できない。唯一の安全な指標は、分析値 (アルコール度数、酸度、pHなど)である[64][65]

清澄化[編集]

Colour photo showing the deposit of lees in barrel through a transparent bottom.  Lees looks like a layer of mud a few millimetres thick of a creamy white colour.  The light that passes through the wine is still cloudy suggesting that light should be placed against another background.  The barrel rests on metal industrial shelving.
樽の底に澱を溜める

清澄化は、ワインすなわち水 - アルコールの懸濁液中から不溶性粒子を除去することからなり、安定化は、ボトル内の保管期間中からテーブルで消費されるまで、ワイン中に溶解した成分の溶解性を維持することである。

ワインを清澄にするには、ワインコンテナの底に粒子が沈着するのを待つ必要があるが、これはワイン学上の結着剤の使用によって加速される。これらの添加剤は、不溶性粒子に結合し、底部に落下しやすくする。

タンニン酸 (またはガロタン酸)C76-H52-O46は、カゼインゼラチン、またはアイシングラスを用いた白ワインの清澄化に使用される。

安定化[編集]

ワインの成分の大部分はワインに溶けている。しかし、特定の成分はワインの熟成や貯蔵中に不溶性の形をとることがあり、例えば酒石酸の場合がある。カリウム、酒石酸カリウムを含む塩は、ボトルの底に結晶の形で存在する。これは自然な現象だが、多くの生産者は、ディーラーや知識のない消費者がこれらの結晶を欠陥として捉えるため、これを除去しようとする。これらは低温で溶解性が低下する。白ワインを清涼にする習慣は、白ワインをこの現象に特に敏感にする。

ワインを安定させるために、いくつかの解決策がある。

最初の方法は、ワインを数週間、凍結近くのマイナスの温度に冷やすことである[N 6]。酒石酸カリウムは結晶として沈殿し、ボトルまたはバッグインボックスに包装する前にろ過によって除去することができる。この解決法は、冷凍エネルギーに費用がかかり、ワインの感覚刺激性に悪影響を及ぼすことがある。

2つ目の解決策は、酒石酸ポリマーであるメタ酒石酸をワインに導入することである。その作用機序は不明であるが、微結晶の成長を妨げるが、その効果は、長期間 (6〜18ヶ月間)持続することはできない。なぜなら、温かくなると加水分解するからである。

第3の方法は電気透析である:2つの電極プレート間の電流がワインイオンを引き付け、それらを除去する。しかしながら、この溶液は、酒石酸だけでなく、他の化合物、特に不溶性酒石酸塩の形成に関与するカリウムも作用し、感覚刺激性を改変してしまう。一方でこの方法は決定的な安定化を可能にする。澱が成熟した白ワインの酒石酸の安定性が高い報告は、この分野の研究につながっている。酵母の加水分解物 (マンノプロテイン)からのタンパク質は、酒石酸塩がそれらの溶解性を保つことを可能にする。このタンパク質の工業的添加は、良好な品質安定化を可能にする。この解決法は、エネルギーおよび冷凍設備にとって最も安価であり、ワインの芳香に対する知覚を変えないとされている[66]。にもかかわらず、ラングドック=ルシヨンのワイン協同研究所が実施した試験では、決定的な有効性は示されなかった[67]

最後の方法として、近年実施されたセルロースガムまたはカルボキシメチルセルロース (CMC)の添加に関する研究[68]は、2009年に承認された (EC規制606/2009[69])。

消費者に自社の製品を直接販売する一部の生産者は、これらの自然現象を顧客に説明して、ボトルの底に結晶が液中に舞わないように、ワインを静かに提供している。

ワイン中の視覚的な問題 (タンパク質分解)を生じさせる不安定なタンパク質の存在も、安定化を必要とする。ベントナイト処理は、不安定なタンパク質の沈殿を容易にし、その後、濾過および抽出によって除去することができる[70]。タンパク質はまた、酒石酸の沈殿を防ぐためにワインに添加されたメタ酒石酸と反応することができ、その際、ワインはその輝きを失い、ホエーのように乳白色になる。いくつかの品種は自然にタンパク質が多い (マスカット等)が、そのレベルはヴィンテージと熟成度合いによっても異なる。

最後に、いくつかの白ワインはローズメント (ピンク化)の犠牲になる可能性がある。この現象はワインの液色が明るいローズ色になって現れ、赤ワインに存在するアントシアニンの汚染によって「染まった」ワインのような外観を示す。しかし、この原因はそうではない。この現象は、酸化によってピンク色に変わる通常は無色透明の溶解ポリフェノールの存在によるものである。ポリビニルポリピロリドン (PVPP)の添加は、一般に、酸化の基質を除去する。 ソーヴィニヨン・ブラン、ヴィオニエ、グルナッシュBなど、いくつかの品種はピンク化に特に敏感である。

二酸化硫黄の使用[編集]

SO2、二酸化硫黄は、収穫から包装までのすべてのワイン製造作業に使用される。 添加は亜硫酸塩の形で添加され、ワイン中で二酸化硫黄と水に分解する。それは、ワインの酸化現象、オキシダーゼ酵素作用 (ワイン中のポリフェノールを酸化する酵素)、酵母および細菌の微生物制御 (防腐効果)に対する保護的役割を果たす[71]

最大添加量は、ワインの糖含量に依存し、国ごとに規制がある。残留糖分は微生物の汚染により発酵の再開を引き起こしやすい。フランスでは、最大添加量はヴァン・ド・ペイ (カントリーワイン)では150 mg/L、スパークリングワインでは185 mg/L、酒精強化ワインでは200 mg/L、辛口白ワインでは200 mg/L、 残留糖分が5 g/L以上の白ワイン (モワリー (Moelleux)・ワイン)では250 mg/L、リコレックス (liquoreux)ワインでは300 mg/Lと定められている[71]

日本では、ワインの製法や成分に関する明確な規定は無く、食品衛生法の食品添加物の基準に倣って基準内であることと定められており、厚生省告示第370号「食品、添加物等の規格基準」に準じて、酸化防止を目的とした亜硫酸塩の使用基準は350 mg/kgと定められている[72]。ワインの種類による区別は無い。

ろ過および調整[編集]

個人またはレストランへの販売のために、ワインは必要に応じてろ過され、調整される。 ろ過は、ワイン中に懸濁した微粒子を保持するためのフィルターエレメントにワインを通すことからなる。それは、細かい土 (珪藻土)、ダンボールシート、メンブレンフィルター、またはクロスフローろ過であってもよい。

パッケージングは、それが販売される容器にワインを入れる作業である。熟成の間、ワインは樽または大桶に保管され、取引後はワイン市場にピッチャーや瓶に満たして提供されていた。ガラス瓶の登場はワインの世界に革命をもたらした。移し変えによる空気中の酸素との接触を無くすことにより、製品の品質が大幅に向上した。その後、テトラパックブリックパックポリエチレンテレフタラート (PET)のボトル、飲料、バックインボックスなどの容器が出現した。これらの品質は、ワインとの関係で化学的不活性であり、酸素に対する気密性がある。

ワインボトルにはワイン専用の形が与えられている。 最も象徴的なのは、スパークリングワインのボトルであり、内圧に耐えるためかなり厚めのガラスで出来ている。多くの国で白ワインのボトルにこの形が採用されており、赤ワインのボトルよりも合理的な形である。

ワインの試飲 (テイスティング)[編集]

色調[編集]

白ワインの色はワインの種類と同じようにバラエティに富む。最も一般的に引用される用語は黄色である。しかし、語彙の豊かさは、実際の色と色相の間の視覚的分析のために自由な余地を残している (色の範囲は、しばしばワインとガラスの接液によって異なる)。

20世紀終わりには、色をつけたワインの成分はまだ明確に特定されていなかった。 長年にわたり、ブドウのフラボンは黄色の原因であると考えられてきたが、短時間の浸漬によるワイン中への非常に低い溶解によった、他の分子の探索につながった。1995年のBiauの論文[73]では、多糖類、タンパク質、およびいくつかのフェノール酸の影響を示唆した。

レグリーズ英語版では次のように規定している: 「見た目が非常に明るく、反射に満ちていれば、金属に特有のさまざまなニュアンスの定義として"金"という用語が使われる。 (中略)適切な明瞭さでワインが光を放たず、反射光を放射しなければ、我々は"黄色"の用語だけを与える[73]。」。カラースケールでは白ワインはほぼ無色の白と言うことができる。ワインが若い場合には、通常、淡い緑色または薄い黄色の色合いを帯びる。その黄色は年をとって暗くなり、熟成して金色になり、銅色になり、最終的に琥珀色になる。世界で最も暗い白ワインの1つは、ペドロ・ヒメネス英語版である[73]。ブドウ品種の性質に応じて、糖度もまたブドウの色に影響する。ボルドー、ソーヴィニヨン・ブラン、ミュスカデ、ムロン・ド・ブルゴーニュなどは緑がかっているが、シャルドネやゲヴュルツトラミネールは同等の条件で栽培されると黄色になる[73]

香り (アロマ)[編集]

果実の香りには、レモングレープフルーツなどの柑橘類の果物、リンゴマルメロモモアプリコットなどの白い果実、クルミヘーゼルナッツなどのナッツが含まれる。パイナップルマンゴーライチのようなエキゾチックな果物もある。 さらに、芳香パレットには、リンゴ、ジャム、果物の砂糖漬けなどの調理後の香りも含まれている。また、白ワインは、アカシアスイカズラバーベナスミレなどの花の香りで表現されることがある (その花の蜂蜜の香りも同様である)。

熟成はまた、ワインに別の風味をもたらす。樽熟成は、バニラバターブリオッシュトーストカラメルなどの香りを作り出す。黄ワインやシェリーのような長続きするワインは、新鮮なクルミ、アーモンド、ヘーゼルナッツの典型的な香りを含んでいる[74][75]

最後に、土壌はある領域の特色を与えることができる。 したがって、シャルドネref>Chardonnay, Oovin.com, consulted on 28 April 2010 </ref>やソーヴィニヨン・ブラン[76]では燧石 (フリントやライトストーンの臭い)のミネラルアロマで表現され、古いアルザスのリースリング[77]では典型的に油のアロマで表現される。

白ワインには赤ワインに限定されていると考えられがちなアロマも見ることができる。これは、特に黒系ブドウと赤い実を連想させる果物[78][79] (イチゴラズベリー[80]ブルーベリー[81]グースベリー[80]など)から作った一部の白ワイン (シャンパン)の場合に見られる。

[編集]

口に入れた時、白ワインはタンニン構造が除去されており、赤ワインとは異なるバランスを有する。 バランスはもはやアルコールと酸度だけに基づいておらず、これが白ワインを作ることの難しさを説明する要因である。

甘口ワインや酒精強化の白ワインの場合、糖類の存在はアルコールと酸度のバランスにさらに要因を加える。

樽熟成はワインに木のような食感を与え、オークからのタンニンはそれに構造を与える。ソーテルヌ (ワイン) (例えばシャトー・ディケム[82])のグラン・クリュのように、最も強いワインは新しい木の樽での熟成をサポートする。

白ワイン用のグラス[編集]

ガラス容器が登場して以降、ワインの種類ごとに特化したグラスが作られた。白ワインに特有な多くのグラスが多くのワイン生産地域に存在している[83]。ワインの色を正しく把握するには、ガラスは完全に無色透明でなければならない。しかし、デザイナーや食器メーカーは、緑色または青色の足を持つ白ワイン用グラスを作成している。 これらの色はワインの見た目を高め、- 彼らは陰の部分に人工的な色 (グラスとワインの間の分離を強調する反射障壁)を与える - 感知されるワインの印象を若返らせる効果がある。

スパークリングワインでは、フリュートやクープなどのグラスで提供される。フリュートはプロのテイスターのためのグラスで、細い形はテイスターの鼻にアロマを集中させ、その高さは表面に浮かぶ細かい気泡を見せることが出来る。一方のクープはあまりにも広がった形状のために泡の層を保存出来ず、ガスとアロマが逃げすぎてしまい、現在は推奨されていない[84]。伝説によると、このタイプのガラスはポンパドゥール夫人の形に基づいて開発された[85]。クープは主にワインが甘く香りが弱い時代からのものである。1930年代以降、より辛口なスパークリングワインを消費する傾向があり、フリュートはクープに置き換わった[84]。クープはまた、泡立つカクテルにオリーブを入れたものや、王族の祭典等で壮大なシャンパンピラミッド (シャンパンタワー)にも使われている。

これらのグラスの他に、フランスのINAO (原産地呼称委員会)のJules Chauvetをはじめとするテスターチームの活動は、1970年にINAOグラスの創設につながった[86]。 このグラスは薄いガラスの壁と曲線を持ち、すべてのワインを味わうことが出来るように計算されている。このガラスは、とりわけ、AOC認可テイスティングの際に使用される。これは、ワインがフランスの原産地呼称統制 (AOC)の称号を得るための関門である。 このシンプルでエレガントなガラスは、テーブルでワインを提供するために使用することもできる。

ワインのタイプ[編集]

辛口白ワイン[編集]

辛口白ワインは、糖分を含まないワイン (糖含量は4 g/L)である。それはワインのバランスがたった2つの要因 (酸度とアルコール度数)で決まるため、開発が非常に難しいワインである。一方でこれは、詳細な情報を与えなくても、消費者が白ワインを話すときに参照できるワインである。

1950年代まで、伝統的なヨーロッパのワインは、温度が発酵を妨げるのに十分に高くならないよう小さな容器で作られたが、このワインの製造方法ではワインに骨格や丸みを与えたが、香りは弱いものであった[b 19]。カリフォルニア州とオーストラリアでは、発酵中にブドウやワインを冷やす必要があり、ワインメーカーは、セラーに冷蔵庫、液体冷媒を運ぶ配管、および容器の壁に這わせたコイルや熱交換プレート (熱交換能力の高い平板状の薄い溶接板)で温度調節されたタンク等の十分な設備を備えさせた。この生産様式は、必須の治療の新しい技術(セトリングの加速、選択した酵母の使用、グルーと酵母酵素の添加、マセレーションの実行)と同時に、ヨーロッパで起こった。ワインの隠語では、これらの実践すべてが "技術的なワイン"を生み出す。この方法は非常に香りがあり、口唇に鮮明で、熟成を必要としない。"古い"タイプのヨーロッパの白ワインは、この生産様式によく適しており、この方法でソーヴィニヨン・ブラン品種が初めて使用され、セミヨンとブレンドすることができた。また、過去30年間にブドウ栽培面積は減少している。ブルゴーニュではこれらの実践は早期酸化英語版の現象に直面する可能性がある[87]。シャルドネは昔ながらの方法で作り出すことができる素晴らしいワインの原型と言える。

下の写真は、2つのシュナン・ブランの色調を比較し、南アフリカの "技術的"ワインとロワール渓谷の "古典的な"フランスワインとの視覚的な違いを示す。

甘口白ワイン[編集]

甘口ワインには弱めの甘いワインからシロップの調和した濃縮ワインまで、多種多様な種類がある。

糖類の由来はブドウからのものであり、発酵が完全に終了する前に意図的に停止されているが、補糖を実施するかどうかで、特定のワイン地域での習慣は変わっている。糖類を濃縮するための多くの技術が存在する。

  • "萎縮を伴うパスリヤージュフランス語版"あるいは "晩期収穫"ブドウをブドウの木に放置してひたすら日光に晒すことからなる。糖分はもはや成熟に達するまで蓄積しないが、水分が蒸発することにより、収量は低下するものの糖濃度は高くなる。これは最も古く、最も一般的な方法である。この方法は茎を毟ることによって改善することができる。ワインメーカーは樹液が房に到達するのを防ぎ、実をより早く乾燥させる。熟練された環状切開では、房の下の枝の樹皮部分だけを環状に取り除くことにより、甘い樹液は降下することができずブドウに集中し、水分を含んだ樹液は上枝に供給され続ける。別の簡便な方法は、茎の一部を切り取ることであり、ブドウは上昇する流れでは乾燥されるが、加工する流れの部分は正常に進行する。2種類のブドウの樽またはプレスでのブレンドは最終性状を改善する[88]
  • "萎縮を伴わないパスリヤージュ" はプレスする前にブドウを濃縮する方法である。ブドウは屋根裏部屋やトレイに吊り下げられ、その中に含まれる水分の一部が蒸発するのに時間がかかる。この方法はストローワインの原料となる。
  • 「貴腐」は、気候条件に応じた濃縮方法である。ボトリティス・シネレア (Botrytis cinerea)は、他の成分を維持しながら水が蒸発することを可能にするブドウ皮の微細な穿孔を作成する。ボトリティスの作用は、果実内で起こる化学反応と関連してブドウに異なる風味を誘発する。ブドウの品種と土地の早熟性やブドウの木の低い活力は貴腐の感染には好ましい条件であり、灰色の腐敗を防ぐのに役立つ[89]。このタイプのブドウは、ハンガリーのトカイ、アキテーヌの強化ワイン (ソーテルヌバルサックルピヤックモンバジャックAOCなど)、アルザスとドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ等にいくつかの選択された貴腐果実のワインが知られている。
  • "ブドウの凍結"とコールドプレスは、果実の液体部分を絞るために使用される。凍った水のフレークはプレスに残り、甘い果汁だけが流れ出る[90]。これがアイスワインの原理である。低温抽出は、寒さが十分でない地域で貴腐現象を再現するために発明された最近の技術である。ブドウはプレスされる前に人為的に凍結される。この方法は気候を克服し、収穫作業は霜 (気象事故や飢えたスズメによる捕食によってブドウが失われるリスク)を待つことなく継続することができるが、成熟を短くしても同じ風味はない。

スパークリングワイン[編集]

祝祭用のワインが優秀かどうかはシャンパンで伝えられる高名なイメージだが、スパークリングワインは非常に異なる習慣から来る。スパークリングワインとは対照的に、泡のないワインは「スティルワイン」と呼ばれる。

スパークリングワインはほとんどが白く、発酵ガス (二酸化炭素)を含んでいる。最初のスパークリングワインは、最初のワイン造りまでさかのぼる。すべてのワインのアルコール発酵中、酵母は二酸化炭素を生成するので、発酵中はすべてのワインが発泡する。ほとんどの場合、ガスは逃げ出し溶解しない。したがって、スパークリングワインの製造方法は、発泡の要因となるCO2をワインに溶解した状態で維持することを目的としている[91]

  • かつてはメドー・シャンペニュースと呼ばれていたシャンパーニュ製法 (伝統的製法)は、白ワインまたはロゼワインをスティルワインから作ることから成っている。リキュール・ド・ティラージュ (瓶詰め時に添加する添加物)として砂糖をワインに加えてボトルに入れる。次いで、リキュール・ド・ティラージュによって加えられた酵母と砂糖から、二次発酵がボトルの中で起こる。ワインは、その後、デゴルジュ (澱除去)され、リキュール・デ・ドサージュ (補糖)されるか、もしくは両方を施される (所望の最終生成物 (ブリュット (すっきり)、ドミ・セク (超甘口)、またはドゥー (甘口))に応じて多かれ少なかれ甘味のある酒類を提供する)。
  • 農村製法工芸的製法は、寒さによって発酵が止められたワインの製法 (過去には冬は発酵停止の合図であった)である。残存している糖は、ボトル内で発酵して溶解ガスを生成する。 これはガヤックAOC[92]とブランケット・ド・リムー[93]のプロデューサーが開発した方法である。
  • トランスファー製法はシャンパーニュの伝統的な製法を使用しているが、発酵後にボトルを開封し、ワインを密閉した圧力容器でブレンドします。その後、ろ過されてからボトルに戻される。
  • ディオイズ製法 :標準的な農村製法を用いた発酵の後、ワインはトランスファー製法と同様にバットでろ過される。
  • クローズバット製法もしくはシャルマ製法 :二次発酵は密封されたバットで行われる。 ワインはろ過され、次に圧力下で瓶詰めされる[94]
  • 発酵継続製法もしくはロシア製法 :ワインは1つの密閉されたタンクから別のものに移される。以前は、酵母はオークチップに固定されていた。濾過後、ワインは圧力下で瓶詰めされる。
  • 炭酸ガス注入製法 :リキュール・デ・ドサージュをワインに加え、二酸化炭素をバットに注入する。ワインは圧力下で瓶詰めされる。これは風味のあるスパークリングワインの製造方法である。
世界のスパークリングワイン生産国トップ10
国名 ×百万バレル (出典[95])
フランスの旗 フランス 480-510
ドイツの旗 ドイツ 400-430
スペインの旗 スペイン 190-220
イタリアの旗 イタリア 180-210
ロシアの旗 ロシア 170-200
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 85-110
タイ王国の旗 タイ 70-80
ウクライナの旗 ウクライナ 50-70
ポーランドの旗 ポーランド 40-54
オーストラリアの旗 オーストラリア 40-52

大型船の進水時に洗礼を施すことに使われるシャンパンで有名になったスパークリング白ワインは、ほぼすべてのワイン生産国で生産されており、イベントにお祝いや記念の精神を提供するベンチマークとなっている。このユニークな側面は、ボトルのラベルにも記載されている。まず、ガス圧力はより重いボトルを必要とし[96]きのこ形状の栓はミュズレによって保持されなければならず、最後にボトルの上部が金箔または金色の金属箔で覆われる。

酒精強化ワイン[編集]

酒精強化されたワインは、アルコールが加えられたワインである[97]。このカテゴリーには、強化が行われた発酵段階に応じて3種類のワインが含まれています。

料理と白ワイン[編集]

白ワインの給仕

給仕の温度は、飲酒にとって最高の状態でワインを注ぐための基準である。ワインは冷やされなければならないが、氷で満たされてはならない[d 1]。8〜9℃の間では、冷たさが気泡の活発さを強調し、甘口ワインや強化ワインの甘さを減少させる。10〜12℃の間では、香りの強い辛口ワインの給仕は、生き生きとした刺激をもたらし、フレーバーに新鮮さをもたらす。最後に、偉大な白ワインは、12〜14℃の温度で最高の状態を示し、これにより、フレーバーと構造が明らかになる。

白ワインと料理の調和[編集]

辛口白ワインの酸度は、少し塩辛い、もしくは甘い料理によって減少するが、ワインは食べ物の塩味のある側面を強調し、重い脂肪の食品を和らげる。甘口ワインは、甘く香ばしい料理と相性がよく、重い糖分を和らげ、フルーツ感を刺激する[98]

食前酒には、風味の良い辛口ワインまたはスパークリングワインがすべての食事と協調する。テイスティングのスペシャリスト[d 2][99]は、いくつかのワインの糖分やアルコールは味蕾に飽和効果があると考えている。対照的に、フルーティーな活力は来るべき食事に味蕾を目覚めさせる。

ムール貝と白ワイン

ミネラルの少ない非常に辛口なワインは、食事時には牡蠣魚介類と合わせることが推奨され、酸味が貝の塩分を明確にする。最も香りの良いワインは、貝、魚、または茹でた鶏肉と良く合う[d 1]シチューでは、白ワインの酸度が脂肪の重みを相殺する。ソースが強烈な成分 (レモンジュースやマスタード)とバランスが取れている場合は、樽熟成した甘口もしくは辛口ワインのような、より贅沢なワインが推奨される。甘いスパイス (シナモンバニラなど)を使ったエキゾチックな料理には、甘口ワインか甘い強化ワインが合う。フォアグラには高級白ワインが推奨される[d 2]。スパークリングワインは食事中のいつでも飲むことができ、その多様性がこれを可能にしている。スパークリングワインの選択はまた、食事の最初から最後まで同じワインを飲み続けることを可能にする。

グルメは一般に乳製品脂肪と酸味がよく合っているので、白ワインを赤ワインに変えてチーズに合わせることを好む[d 3]。シャルドネやソーヴィニヨン・ブランなどのミネラルアロマを持つ辛口ワインは、ヤギチーズの乳の味を引き出す。 ゲヴュルツトラミネールやいくつかのスパークリングワインなどの香りの強いワインは、ウォッシュチーズ (マロリーズ (チーズ)英語版エポワスマンステール (チーズ)英語版など)の強い味を支持する。ニュートラルな白ワイン (カスティーリャ=ラ・マンチャ、イタリアのトレッビアーノ)は、のチーズによく適しており、また、ケソ・マンチェゴペコリーノ・ロマーノは少しスパイシーである。調理されたプレスチーズは骨太なワイン、ウッドランドが必要である。 コンテチーズジュラ黄ワインとの間には完璧な合致が見られる。強化されたワインは、青かびチーズ (ブルーチーズまたはロックフォールチーズ)が推奨される。この場合、チーズのカビ (ペニシリウム・ロックフォルティ英語版)とワインのカビ (貴腐)が全体的な調和を形成する。

白ワインはまた、デザートワインでもある。甘口および強化ワインがこれに最も適しているが、すべての選択肢が許される。香り豊かな白ワイン (ゲヴュルツトラミネール、マスカット)、スパークリング、そして甘口ワインは、フルーツデザート (サラダタルト)とよく合う。強化されたスパークリングワインは、クリームバターで作られた豊富なデザートを支持する[d 3]。砂糖とクリームを混ぜ合わせたクリームブリュレまたはカラメルは、ジュランソン (ブドウ)英語版や晩期収穫ワインなどの甘くて活気のあるワインで食べられる。チョコレートは非常に強力なワインを必要とするので、白ワインの選択はかなり制限される。天然のアンバーワインが最高の妥協といえる。

他のワインよりも、白ワインは食事の間に消費されるワインである。アングロ・サクソン人とドイツ人の習慣には、甘口ワインや辛口でフルーティーなワインが必要である。

食品の材料としての白ワイン[編集]

白ワインは料理の材料として日常的に使用されている。その酸度は、脂肪の過剰な重さを取り除き良いバランスを保つ[98]。この酸度はまた、肉や魚を洗練させ、柔らかくするために肉の繊維を分解するのに役立つ[100]。白ワインの役割は、同じ条件で使用されたレモン汁の役割に似ており、ヴェルジュもこの機能を果たした。は酸味と刺激の感覚を兼ね備えており、ほろ苦い特徴を使ったレシピが得られる。

脂肪とのバランスをとる手段として、白ワインはラビゴットソースベアルネーズソースマリナラソースなどのソースの調整に含まれている。調理で出る汁にもまた白ワインを使用することができ、甘口白ワインで甘酸っぱいまたは甘い塩のソースを与える。チーズフォンデュでは、辛口白ワインの活気はチーズの脂肪とバランスがとれる。テーブルドリンクとしてのワインの新鮮さは、フォンデュの熱さとは対照的である。

マリネでは、タンパク質繊維を軟化させる力が用いられる。イタリア風のマグロカルパッチョのような料理でも起こることがある[101]

白ワインは、ゆっくりとした調理のための湿潤剤としても使用される。このタイプの料理では、肉の柔軟性の向上と、ソースからの脂肪のバランスを取る。キャベツベッコフ (料理)英語版リゾットの場合はこの役割を果たし、オッソ・ブーコ仔牛のクリーム煮英語版、チキンのアミガサタケ添えとそのバリエーション、コンテ風チキンとイエロー・コッコーヴァンウサギ肉、またはディオ (料理)英語版トライプのようなシャルキュトリ英語版などに調理した肉の下ごしらえをすることにある。 また、ブルゴーニュワインのポシューズ、アンコウシチュー[102]カレイのシチュー[103]ムール貝の白ワイン煮、シーフードポトフ[104]などの魚料理やシーフード料理の下ごしらえにも使用できる。

グルメによる共通のルールは、調理に使用されたものと同じワインをテーブルに提供することである。

栄養成分表[編集]

米国の調査データ[編集]

栄養素 単位 100gあたりの値
g ~ 86.86
エネルギー kcal ~ 82
タンパク質 g ~ 0.07
総脂質 (脂肪) g 0.00
炭水化物 g ~ 2.60
糖類 g ~ 0.96

出典: USDA Food Composition Databases

日本の調査データ[編集]

栄養素 単位 100gあたりの値
g 88.6
エネルギー kcal 73
タンパク質 g 0.1
総脂質 (脂肪) g 0.00
炭水化物 g 2.0
灰分 g 0.2

出典: 日本食品標準成分表2015年版 (七訂) :文部科学省

芸術と白ワイン[編集]

白ワインが描かれた絵画[編集]

中世以来、白ワインはそれを静物画に含めるか、日常生活、パーティーライフ、または余生を表現するために多くの画家に影響を与えてきた。17世紀以降の大量のイギリス、オランダ、ドイツの絵は、貴族とブルジョワ階級のビールの消費に取って代わり、当時の白ワイン消費量が高いことを示している[5]

白ワインはデザイナー漫画家、広告などにも影響を与えた。

漫画のヒロインであるAdèle Blanc-Sec (アデル・ブラン=セック: 辛口白ワインの意)は飲み物で目を覚ました。彼女はまた、アデル/ファラオと復活の秘薬で後世に映画化されている。

文学作品[編集]

多くの作家、詩人、哲学者が一般的にワインを賞賛しているが、その色を含めて引き合いに出すことは非常に稀である。すべての時代の作家が白ワインを使ってその意味を説明してきた。シリアスあるいはユーモアの意図を帯びた白ワインは、あらゆる種類の作品、小説、詩、哲学そのものに存在する。文学で最も一般的に引用されている白ワインは、フランスのシャンパンである。

アンジューの美食家としても知られるフランソワ・ラブレーは、彼が好きなアンジューの白ワインを繰り返し賞賛し、彼の作品中の英雄によって評価されている。

 "跳んで、踊って、巡って、白ワインとロゼを飲み、毎日何もしない。太陽の冠が何だって言うんだ。" - フランソワ・ラブレー

西洋哲学における啓蒙時代ヴォルテールカサノヴァはワインパーティーを祝い、素晴らしいテーブルで酔っぱらった。

 "すべてのゲストは、白ワインや蜂蜜酒のボトルを右手に持っていた。私は...優秀なブルゴーニュの白を飲んだことを知っている。" - カサノヴァ[105]

 "この新鮮なワインから発する気泡。
  我々フランス人にとって、輝かしいイメージだ。" - ヴォルテール

白ワインは、ユーモア、マルセル・パニョルのドラマや、ピエール・デスプロゲのゴシップ・ラジオ・ショーでもユーモアに使われている。

 "もし新鮮ならば、その白ワインを私に注いで。
 - 新鮮ならばだって?そこに触れてみて!北極のブドウ園から来たみたいに冷えてるだろう!" - マルセル・パニョル

 "6月の魚市場では、人はもはや騒がない。人は彷徨い歩く。港の後ろで、農家市場の売店ではチェリートマトは見当たらない。
  人は1本のバジルの枝と1杯の冷えたブルム白ワインがあれば、砂の上でそれらに塩をかけてむさぼり食べる。" - ピエール・デスプロゲ[106]

ミシェル・オンフレはソーテルヌについて本を書いている。ワインおよびその土地について部分的に、その哲学的な反映はブドウ栽培のテーマを上回っている [107]

[編集]

Colour photo illustrating well the song "Ah, the little white wine ...".  A carafe of white wine with a full glass and a corked bottle is placed on vine leaves, themselves on a white tablecloth with red tiles.  The bottle covered with mist gives a feeling of freshness and the play of light and shadow suggests that the scene is set under a Pergola.
ああ! 小さな白ワイン、私たちはペルゴラ (東屋)の下で飲む...

詩人によって祝われた白ワインは、音楽に合わせられることもあった。歌と関連して最も有名な白ワインはおそらく、"ああ! ジャン・ドレジャック英語版チャールズ・ボレル・クラーク英語版の白ワイン"である。

A touch of champagneは、1890年頃に書かれたハリー・フラッグソン英語版の曲である[108]

I am Drunkは、1895年イヴェット・ギルベールによって作られ、Louis Byrecによって歌われ、スパークリングワインの知識に最高の役割を与えた。

"I come to the wedding of my sister Annette
And, when the champagne is flowing,
I could not hold you, I am tipsy,
and I pinched my little tuft.
I feel flageoler I feel my legsM
I have the heart guil'ret, the pleasing air
I am ready to cavort
When I drank Moet et Chandon".

Illustration showing an old poster for champagne.  It depicts a young woman with short hair, like a pin-up girl, propelled into the air by the outpouring of wine on a champagne cork.  This is an advertisement for champagne from 1915.
シャンパンはしばしば歌われる...

1926年には、Hubert Lapaireの曲 "ソーヴィニヨン"のように、いくつかの品種が歌として言及されている[109]

"I dounn'rais the burgundy vou the Burgundian
And all your sacred champagne wines
for a little keg of sauvignon
Who gilds the cotiau of nout campaign
It is v'louteux it is blondin
It is of the little wine franch'ment kind ...
If bin before St. Martin J'mettrons the throat under the champ'lure"

帰宅中だったボリス・ヴィアンは、彼の歌「メカニカル・ミュージック」の中で、「緑の眼鏡のマスカレード、新鮮なワイン、何の歓声」を祝った。ジャック・イジュラン英語版は彼のアルバム「Champagne」にChampagneという曲を書いた。

"私と一緒に狂気を治療し、私を裏切ったことのない友人を遅れることなく探してください。シャンパン!!"

ことわざ[編集]

白ワインの消費はまた、ことわざにも謳われている。

  • "白そして赤、誰も動かない、赤そして白、みんな失せる" - それは数杯の良い赤ワインのグラスの後で白ワインを飲むことは必然的にいくつかの物理的不快感があることを意味する。[110]
  • "朝には白ワインを飲みなさい。血となる赤ワインは夕方に飲みなさい"は、ブルゴーニュ地方のことわざである。

健康に対する機能[編集]

ブドウ皮の浸漬が短いため、白ワインにはタンニンがほとんど含まれておらず、赤ワインが医学的に興味を引かれているような抗酸化物質はあまり含まれていない。そんな中、モンペリエの研究者チームは、ポリフェノールを豊富に含む白ワインを開発した[111]。現在、このワインの適所は、白ワインの割合が高い地域である北欧への輸出を目的としている。

ワインに一般的に使用されている二酸化硫黄の添加物は、使用量的には有害ではないが、その影響が喘息患者の間で懸念されている[112]。それは難聴の発症を引き起こす可能性があります[113]。その他の人にとっては、深刻なアレルギー反応はない。呼吸困難片頭痛、胃熱感などの症状は、二酸化硫黄不耐性を示している可能性がある。亜硫酸オキシダーゼ (二酸化硫黄分解酵素)の欠乏によって引き起こされる反応は非常にまれである。二酸化硫黄に起因するとされる症状のいくつかが、ワイン中に存在する他の分子起因かどうかを調べるための研究が進行中である[114]

白ワインは、pHが2.8〜3.6の酸性飲料である[115]。この酸度は、歯のエナメル質に対して攻撃的な要素である[116]

さらに、ワインは度数もしくはパーセンテージで表されるアルコールを含む。アルコールは肝硬変の原因となることがある。この疾患は、女性の場合は1日あたり20g、男性の場合は1日あたり40gの定期的な消費摂取で発生する可能性がある[117]。しかし、カリフォルニアでの研究は、非アルコール性肝硬変患者に対しては低用量のワイン摂取が有益な効果を示しており[118]、この効果はビールやリキュールなどの他のアルコール飲料では見られなかった。2010年にさらなる研究が行われ、この効果の原因がワインであることが証明された。

多くのワイン愛好者にとって健康上のリスク/効用は不確かであるが、白ワインを摂取することは健康上の効用をもたらす。最近の研究では、白ワインは赤ワインよりも心血管疾患に有意に効用があることが判明した[119]。白ワインにも抗酸化物質が含まれているが、赤ワインにはより高いレベルの抗酸化物質が含まれている[120]。白ワインと赤ワインの両方がLDLの酸化防止に有効である[121]

難破船から引き揚げられたワイン[編集]

1907年のシャルル=エドシックの事件で難破し行方不明になった船が1997年に発見され[122]、その中にあったワインが、オークションでは、各瓶275,000ドルで落札され、今まで販売された白ワインのうち最も高価なものになった。

注釈[編集]

参考文献[編集]

  • フランスの旗 Yves Renouil (dir.), Dictionary of Wine, Féret et fils, Bordeaux, 1962
  • フランスの旗 Sopexa, Wine and Spirits of France, Le Carrousel, Paris, 1989, 2-907504-00-2
  • フランスの旗 Collective work, The Vine and the Wine, Éditions la manufacture et la cité des sciences et de l'industrie, 1988, Lyon, 2-7377-0120-1, Part "Vinification in white" written by Denis Dubourdieu, p. 170 and 171
  • フランスの旗 Jean-Luc Berger, The Procedures of Wine-making, The vine and the wine, pages 76–77, No. 155, Science & Vie magazine, September 1986, Éditions Exelsior, Paris, ISSN 0151-0282
  • フランスの旗 Pascal Ribéreau-Gayon, Yves Glories, Alain Maujean, Denis Dubourdieu; Traits of Oenology : Chemistry of Wine, stabilisation and treatments, Dunod, October 2000, 2-10-003948-2

注釈[編集]

  1. ^ 古代アッシリア学の慣例として、シュメール語大文字で、アッカド語イタリックで表記して差別化する。
  2. ^ シュメール語では同音異辞が多いので、頻度の順に数値で表す。
  3. ^ ヴァン・ドゥー・ナチュレル(vin doux naturel)はブドウ果汁をアルコール発酵させている途中で、アルコールを添加して発酵を止めることで作られる。天然甘口ワインとも呼ばれる。ヴァン・ド・リキュール (vin de liqueur)はアルコール発酵させていない果汁にアルコールを添加し、そのまま樽熟成させたもの。リキュールワインとも呼ばれる。杉山明日香『受験のプロに教わるソムリエ対策講座 2016年版』ISBN:978-4898154380 より
  4. ^ 品種を指定する国際コードは右のようなブドウの色を示している: B = 白 (ブラン)、N = 黒 (ノアール)、Rs = ロゼ、G = グレー
  5. ^ 例えば、潜在的なアルコール度数が16%であるムストがあった場合、発酵後に13%のアルコール度数でミューテージを行った時には、差引き3%分の潜在度数を糖類の形で残していることになる。従って、3% × 16.83g/L (1%のアルコール度数上昇に必要なブドウ糖の量) = 50g /Lが糖として残っている。
  6. ^ ワインの凍結温度はアルコール度数の約半分のマイナス温度で示される。 例えば、10%のワインであれば–5°C、12%のワインであれば–6°Cで凍結する。

注釈の主な情報源[編集]

  • フランスの旗 Guide to Grape Varieties, 300 varieties and their vines, Ambrosi, Dettweiler-Münch, Rühl, Schmid, and Schuman; ULMER, 1997 2-84138-059-9, 320 pages
  1. ^ p. 12-13
  2. ^ p. 220
  3. ^ p. 238
  4. ^ p. 230-231.
  5. ^ p. 220-221.
  6. ^ p. 172-173.
  7. ^ p. 96-97.
  8. ^ p. 235-236.
  9. ^ p. 256-257.
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脚注[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]