グレープシードオイル

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グレープシードオイル
GrapeSeedOil.png
脂肪組成
飽和脂肪酸
飽和脂肪酸 パルミチン酸: 7%
ステアリン酸: 4%
不飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸 86%
一価不飽和脂肪酸 16.1%
パルミトレイン酸 <1%
オレイン酸 15.8%
多価不飽和脂肪酸 69.9%
ω-3脂肪酸 α-リノレン酸: 0.1%
ω-6脂肪酸 リノール酸: 69.6%
特性
熱量 (カロリー)/100g 3,700 kJ (880 kcal)
発煙点 216°C
ヨウ素価 124-143
けん化価 126 (水酸化ナトリウム)
180-196 (水酸化カリウム)
不けん化物 (%) 0.3% - 1.6%
過酸化物価 2.92 mequiv/kg
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グレープシードオイル
(Oil, grapeseed)
100 gあたりの栄養価
エネルギー 884 kcal (3,700 kJ)
100
飽和脂肪酸 9.6
一価不飽和 16.1
多価不飽和 69.9
ビタミン
ビタミンE
(192%)
28.8 mg
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)

グレープシードオイル英語Grapeseed oil)は、ヨーロッパブドウ種子から得られる油脂、つまり植物油の1種である。ワイン醸造の副産物として豊富に得られる種子を搾ることで生産される。

利用[編集]

調理[編集]

発煙点は216°C。ほぼ無臭で、食材の香りを生かすことができる[1]。さらに透き通った色、淡い味わい、豊富な多価不飽和脂肪英語版といった特徴から、ドレッシングマヨネーズの油として使われたり、ガーリックオイル、ローズマリーオイルといったスパイスハーブを加えたオイルのベースとして用いられる。パンやケーキなどのオーブン調理、パンケーキワッフルには広く用いられている。また同じくヨーロッパブドウを原料として作られることもある、レーズンの風味を長持ちさせるために噴霧される場合もある[2]

生理的熱量は100gあたり3,700 kJ (880 kcal)、15ml(大さじ1)につき500 kJ (120 kcal)である。

化粧品[編集]

皮膚の保湿を目的とする化粧品に適した素材である。淡く薄いグレープシードオイルをアロマテラピーで用いる精油に対してキャリアオイルとして用いると、皮膚に光沢のある膜を残す。キャリアオイルとしては、リノール酸を他のオイルよりも豊富に含んでいる。

剃毛時の潤滑油や頭髪の育毛目的でも使用される。

医学的な利点[編集]

グレープシードオイルは、いくつかの健康上の利点を有している。1993年の研究では、高密度リポタンパク質英語版(善玉コレステロール)を増し、低密度リポタンパク質英語版(悪玉コレステロール)の減少を助ける働きがあると指摘された[3]

抗酸化物質やその他の生物活性物質も含まれており[4]、低温圧搾されたグレープシードオイルにはごく僅かな不溶性物質しか残らない[5]。例えば、十分に多量のレスベラトロールがブドウの種に存在しており、これを抽出して商用とされるが[6]、グレープシードオイルにはほとんど含まれていない。

医学的な問題点[編集]

しばしば多環芳香族炭化水素を有害とされるほどの量を含んでいる。これは乾燥工程において燃焼ガスに直接接触するためである[7]

組成[編集]

種(7、8)とブドウ
グレープシードオイルの脂肪酸組成[8]
脂肪酸 種類 %
リノール酸 ω-6不飽和脂肪酸 69.6%
オレイン酸 ω-9不飽和脂肪酸 15.8%
パルミチン酸
(ヘキサデカン酸)
飽和脂肪酸 7%
ステアリン酸
(オクタデカン酸)
飽和脂肪酸 4%
α-リノレン酸 ω-3不飽和脂肪酸 0.1%
パルミトレイン酸
(9-ヘキサデセン酸)
ω-7不飽和脂肪酸 1%未満

0.8%から1.5%の不けん化物英語版も含み、フェノール類としてトコフェロール英語版ステロイドとしてカンペステロールβ-シトステロールスチグマステロール英語版が含まれている[9]。少量のビタミンEを含むが、サフラワー油綿実油こめ油よりは少ない[10]多価不飽和脂肪酸を豊富に含み、飽和脂肪酸は少量である。

出典[編集]

  1. ^ 【食材ノート】グレープシードオイル脚光 クセなく料理生かす『日経MJ』2018年5月28日(フード面)2018年9月28日閲覧。
  2. ^ Bewley, J. Derek; Black, Michael; Halmer, Peter (2006). The encyclopedia of seeds: science, technology and uses. CABI. ISBN 0-85199-723-6. https://books.google.com/books?id=aE414KuXu4gC&pg=PA305. 
  3. ^ Nash, DT (2004年). “Cardiovascular risk beyond LDL-C levels: Other lipids are performers in cholesterol story”. Postgraduate Medicine 116 (3): 11–5. doi:10.3810/pgm.2004.09.1584. PMID 15460086. 
  4. ^ Joshi, SS; Kuszynski C. A.; Bagchi D. (2001年). “The cellular and molecular basis of health benefits of grape seed proanthocyanidin extract”. Curr Pharm Biotechnol. 2 (2): 187–200. doi:10.2174/1389201013378725. PMID 11480422. 
  5. ^ Nakamura, Y; Tsuji S; Tonogai Y (2003年). “Analysis of proanthocyanidins in grape seed extracts, health foods and grape seed oils”. Journal of Health Science 49 (1): 45–54. doi:10.1248/jhs.49.45. 
  6. ^ Yilmaz, Y; Toledo, RT (2006年2月). “Oxygen radical absorbance capacities of grape/wine industry byproducts and effect of solvent type on extraction of grape seed polyphenols”. Journal of Food Composition and Analysis 19 (1): 41–48. doi:10.1016/j.jfca.2004.10.009. 
  7. ^ Moret, S.; Dudine, A. Conte, L.S. (2000年). “Processing effects on the polyaromatic hydrocarbon content of grapeseed oil”. Journal of the American Oil Chemists' Society 77 (12): 1289–1292. doi:10.1007/s11746-000-0203-5. http://www.springerlink.com/content/n81t122r62782186/fulltext.pdf 2012年11月16日閲覧。. 
  8. ^ Kamel, B. S.; Dawson H.; Kakuda Y. (1985年). “Characteristics and composition of melon and grape seed oils and cakes”. Journal of the American Oil Chemists' Society 62 (5): 881–883. doi:10.1007/BF02541750. 
  9. ^ Oomah, B. D.; Liang J.; Godfrey D.; Mazza G. (1998年). “Microwave Heating of Grapeseed: Effect on Oil Quality”. en:Journal of Agricultural and Food Chemistry 46 (10): 4017–4021. doi:10.1021/jf980412f. 
  10. ^ Herting, D. C.; Drury, E. J. E. (1963年). “Vitamin E Content of Vegetable Oils and Fats”. J. Nutr. 81: 4017–4021. PMID 14100992.