グレープフルーツ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
グレープフルーツ
Grapefruit 700x490.jpg
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : バラ亜綱 Rosidae
: ムクロジ目 Sapindales
: ミカン科 Rutaceae
亜科 : ミカン亜科 Aurantioideae
: ミカン属 Citrus
: グレープフルーツ C. × paradisi
学名
Citrus × paradisi
和名
グレープフルーツ
英名
grapefruit
断面
グレープフルーツ (raw, white, all areas)
100 gあたりの栄養価
エネルギー 138 kJ (33 kcal)
8.41 g
糖分 7.31 g
食物繊維 1.1 g
0.10 g
0.69 g
ビタミン
チアミン (B1)
(3%)
0.037 mg
リボフラビン (B2)
(2%)
0.020 mg
ナイアシン (B3)
(2%)
0.269 mg
(6%)
0.283 mg
ビタミンB6
(3%)
0.043 mg
葉酸 (B9)
(3%)
10 μg
ビタミンC
(40%)
33.3 mg
ミネラル
カルシウム
(1%)
12 mg
鉄分
(0%)
0.06 mg
マグネシウム
(3%)
9 mg
マンガン
(1%)
0.013 mg
リン
(1%)
8 mg
カリウム
(3%)
148 mg
亜鉛
(1%)
0.07 mg
他の成分
水分 90.48 g
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)

グレープフルーツ(学名:Citrus × paradisi、英名:grapefruit)は亜熱帯を原産とする柑橘類である。グレープフルーツは様々な種類があるが、例えば「ルビー」などのように果肉の色で呼び分けるのが一般的である。

概要[編集]

グレープフルーツの木は、常緑樹であり5-6mの丈のものが多く見られるが、成長を続ければ13-15mにもなる。その葉は15cmほどの長さで細長く、花は5cmほどの大きさで白く4枚の花弁がある。実は10-15cmほどの大きさで黄色く、球形だがでこぼこしている。中の身が白や赤のものも広く栽培されている。pomelo、toronjaや、pamplemousseと呼ばれることもある。19世紀の後半まで主に観賞用として栽培されていたと言う説が有力である。

1750年代西インド諸島バルバドスで発見されたものが最初とされ、ブンタン(英名:pummelo、学名:Citrus grandis)とオレンジ(学名:Citrus sinensis)が自然に交配したもので前者の特徴を多く受け継いでいる。セミノールミネオラ (minneola) はグレープフルーツにタンジェリンを掛け合わせることで、オロブランコ(スウィーティー)はグレープフルーツの4倍体に無酸ブンタンをかけあわせることで生まれた。1800年代にグレープフルーツと呼ばれるようになったが、これはまるでブドウ (grape) のように木になることからつけられた。1830年代にブンタン(英名はシャドック (shaddoc))から別の種、学名をCitrus paradisiとされたが、1950年代になるまで自然交配の結果に生まれた種であるとは認識されていなかった。その後、学名は雑種を示すCitrus × paradisiに変更された。

利用[編集]

主にノートカトンチオテルピネオールに由来する特有の香りがある。

甘さや酸味の他に、ほろ苦さがあるのが特徴(主成分はナリンギンなど)。この苦みを好まない人もおり、生食の際に砂糖をまぶして食べる場合もある。生で食べるほかにジュースや様々な加工食品に用いられる。また、絞り汁はカクテルサワーに用いられ、グレープフルーツ専用の搾り器がある。皮もマーマレードジャムに使われることもあるが、海外輸入の物には品質を維持するために農薬殺菌剤)が使われていることが多い。この農薬をポストハーベスト農薬と呼ぶ(日本では食品添加物扱い)。日本国内で流通するグレープフルーツのほとんどは海外から輸入されたもので、7割近くをアメリカ産が占めている。グレープフルーツの種からは抗菌成分が抽出できる。市販の食用のグレープフルーツの種の発芽率は高く、土に埋めておけば比較的簡単に発芽する。

薬との相互作用[編集]

グレープフルーツの果肉に含まれるフラノクマリン類は、様々な医薬品と相互作用(干渉し、意図しない効果を生み出すこと)がある。1990年に報告された[1]。これは薬物代謝酵素(解毒酵素)のシトクロムP450サブタイプ3A4 (CYP3A4) を阻害する作用によるものである。特にカルシウム拮抗剤という系統の高血圧治療薬などでグレープフルーツの影響を強く受けるものがあることがよく知られている。このほかにシクロスポリンベンゾジアゼピン系、風邪薬でも主作用、副作用ともに効果が効き過ぎることがある[2]。阻害様式は、不可逆的に阻害するために阻害作用は3〜4日続き、グレープフルーツジュースの摂取自体を禁止する必要がある[3]

フラノクマリン類は他の柑橘類にも含まれるが、含有量はグレープフルーツでは品種、柑橘類の種類で異なる。温州みかんにはほとんど含有しないとされている。

果皮には果汁のさらに300倍ものフラノクマリンが含まれる[要出典]

生産[編集]

地域別の生産量[編集]

2011年における地域別の生産量の比率は以下の通りである[4]

順位 地域 比率(%)
1 アジア 31.4
2 北アメリカ 22.9
3 アフリカ 10.4
4 南アメリカ 4.3
5 ヨーロッパ 0.9
6 オセアニア 0.1

国別の生産量[編集]

2011年における国別の生産量は以下の通りである[4]

順位 国名 生産量(千トン) 全世界に占める割合(%)
1 中華人民共和国の旗 中国 3,611 45.7
2 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 1,147 14.5
3 南アフリカ共和国 416 5.3
4 メキシコの旗 メキシコ 397 5.0
5 タイ 379 4.8
6 トルコ 219 2.8
7 インドの旗 インド 196 2.5
8 アルゼンチン 189 2.4
9 スーダン 184 2.3
10 イスラエル 184 2.3
世界計 7,893 100.0

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ David G. Bailey, J. Malcolm, O. Arnold, J. David Spence Grapefruit juice–drug interactions Wiley InterScience: British Journal of Clinical Pharmacology
  2. ^ 大谷道輝、川端志津、假家悟、内野克喜、伊藤敬、小瀧一、籾山邦男、森川亜紀 et al.「グレープフルーツ果肉部分摂取時によるジヒドロピリジン系Ca拮抗薬ニフェジピン及びニソルジピンの薬物動態への影響」、『藥學雜誌』第122巻第5号、2002年5月1日、 323-329頁、 doi:10.1248/yakushi.122.323NAID 110003648447
  3. ^ 奥村勝彦・監修、大西憲明・編著 『一目でわかる医薬品と飲食物・サプリメントの相互作用とマネジメント』 フジメディカル出版、2010年、改訂版、15-18頁。ISBN 978-4-939048-44-9
  4. ^ a b 地理 統計要覧 2014年版 ISBN978-4-8176-0382-1 P,95

関連項目[編集]

外部リンク[編集]