河内晩柑

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
河内晩柑
Kawachibankan.JPG
河内晩柑
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ムクロジ目 Sapindales
: ミカン科 Rutaceae
: ミカン属 Citrus
学名
Citrus grandis,Citrus maxima
和名
河内晩柑(カワチバンカン)

河内晩柑(かわちばんかん)とは、柑橘類の一種で、ザボンの一品種。美生柑(みしょうかん)、愛南ゴールド(あいなんゴールド)、宇和ゴールド、ハーブ柑、天草晩柑、ジューシーフルーツ、ジューシーオレンジ、灘オレンジ、夏文旦などとも呼ばれる。

概要[編集]

河内晩柑は、熊本県熊本市河内町で発見された自生種で、地名から「河内」と年を越して春を過ぎた夏になって収穫を迎える一番遅い季節の収穫ということから「晩」の柑橘とされ「河内晩柑」と名付けられた。

外観から和製グレープフルーツと称される。名称にもあるように晩生であるが、5月に開花してから翌年の8月や9月まで実がついているという特徴がある。また晩生で越冬する必要があるために、ハウス栽培や冬期も一定以上の気温でほとんど降霜することのない地域での栽培が必要である。そのため、生産地は愛媛県愛南町熊本県天草市などの少数しかない。なお、愛南町は生産量の約半数を占めており、日本一の産地である。そのため、別名である「美生柑」は愛南町の前身の一つである御荘町(みしょうちょう)に由来する。また、愛南町では2007年から「愛南ゴールド」という呼称を総称として用いている[1]

日本における収穫量は、2005年が7,078 トン、2010年が8,822 トンであり、その内訳は愛媛県63%、熊本県35%である[2]

特徴[編集]

国産柑橘の端境期である4月-8月に旬を迎える晩成の柑橘である。文旦の枝代わりということから、夏文旦として知られる品種である。特徴的なのは、樹上で12-15ヶ月間実らせることで、味は甘さと酸味を備えている。日本一の産地である愛媛県の最南端に位置する愛南町は、県内でも温暖な地帯で冬でも霜が滅多に降らないことから、この温暖な気候を生かし、柑橘の中でも特に寒さに弱くデリケートな晩柑が栽培されている。

栽培方法は、樹上で長期間実らせることから、地元でとれる牡蠣(カキ)の殻などを土作りに用いるなど、有機物を活用して健康な樹を育てている。初夏まで樹の上で熟させた晩柑は、収穫する実の横で翌年の花が咲き、小さな実が同居する珍しい現象が起きる。病気を防ぐため花の時期に農薬散布をすると、収穫直前の実にかかってしまうため、この時期の農薬散布は行わない。その結果、見た目が悪くなってしまう。また、「回青(かいせい)」現象といい、この時期まで樹上で熟した実はやや青く色が変わることがあるが、熟した証なので問題はない。

晩柑の収穫まで
  • 草刈り - 4月、春から夏にかけて毎月草刈り作業をおこなう。除草剤は使わず、樹の周りは草刈機で、樹の下は手作業で行う。刈り取った草は全て樹の元に置いて有機物へと変わっていく。
  • 花が咲く - 5月、木成り栽培を行っているため、前年の実が成っている状態で花が咲き実が着く。
  • 農薬散布 - 6月、前年の実を収穫し終わった所から農薬散布を行う。年間6-8回行う。
  • 施肥 - 収穫作業が終わった所から、畑に肥料を撒く。牡蠣殻や有機肥料を投入する。年に2-3回行う。
  • 剪定 - 11月、通常は3-4月に行うが、実が成っているため樹を切ることが出来ない。そこで、この時期には夏・秋芽の摘み取りや樹を切って形を整えたりする。
  • 網かぶせ - 12月、冬風から樹を守るためにすべての晩柑の樹に網を被せる。この作業は、夏の草刈りや農薬散布に続いて大変な作業である。春にはすべての網を樹から外す。
  • 収穫 - 4-8月、1年以上の月日をかけて実った晩柑を収穫する。

脚注[編集]

[1]

  1. ^ 愛南町. “愛南ゴールド(河内晩柑)/愛媛県 愛南町 あいなん農林業ネット” (日本語). www.town.ainan.ehime.jp. 2018年10月5日閲覧。