冷凍みかん

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駅売店で売られている冷凍みかんの例

冷凍みかん(れいとうみかん)は、みかんを凍らせた食品である。

概要[編集]

学校給食デザートとしても馴染みが深いほか、スーパーマーケットや駅売店などでは冷菓として売られている。

みかんをそのまま凍らせると乾燥してパサパサしてしまうため、急冷と水つけを繰り返して外に氷の膜を作り、乾燥を防ぐ工夫をしている。この膜によってみかんの水分が外に出てしまうことを防ぎ、パサパサしないおいしい冷凍みかんができる。

低温で食べるために甘みをあまり感じられないことから、甘みの強いみかんを利用している。冷凍みかんに限らず、みかんは低温で保存することにより甘みが増す。

すぐに食べない場合、冷凍みかんはビニール袋に入れたりラップに包んだりして冷凍庫に入れておくと、おいしいまま保存できる。

1970年代には「お腹を急速に冷やすため、胃腸の弱い者は腹痛を起こしやすい」とされていたが、一説には単に冷凍技術が未熟であったため、もしくは売店などでの販売段階において一度解凍されたものを再び冷凍していたためともされている。

家庭での作り方[編集]

洗ったみかんを冷凍庫へ入れ、凍らせるだけでよい。さらに、一度凍らせたみかんを再び水にくぐらせてから冷凍庫で凍らせると、冷凍みかん特有の氷の膜を作ることができる。

ただし、家庭用冷凍庫で作った冷凍みかんは温度管理や水分管理が不十分となってしまう場合があり、市販の冷凍みかんと比べると味が落ちるとされている。

歴史[編集]

元々夏場には温くなってしまうため、冬から春頃にしか販売されていなかったみかんを通年販売できる商品にしようという考えから発案され、大洋漁業(現・マルハ)と鉄道弘済会の共同開発で製造された[要出典]。収穫したみかんをそのまま夏まで冷凍することにし、1955年昭和30年)から小田原駅キヨスクで販売するようになったのが始まりである。

昭和30年代から40年代が出荷のピーク(1964年当時は1000万個)となり、学校給食の人気デザートとしての立場を不動のものとした。一方でアイスクリームなど他の食品との競合や、車両への冷房装置搭載が進んだこともあり、店舗での売り上げは減少した。

2006年には、この冷凍みかんを題材とした楽曲冷凍みかん」がGTPによって歌われた。この楽曲が静岡県では静岡エフエム放送 (K-MIX) のヘヴィー・ローテーションでオンエアされて県内では大ヒットし、日本全国でもこの楽曲が流れる機会が多かった。これに連動して食べ物としての冷凍みかんの売り上げも急増し、2005年の売り上げが90万個であったのに対し、翌年には倍以上になった。スーパーマーケットの冷凍みかん売り場でも、この楽曲を流していたところがある。

2010年には、消費者からの要望で冷凍みかんの皮を剥いた「むかん」が八ちゃん堂より発売された。 「むかん」という名前の面白さや手軽さで話題を呼び、ここ数年で売店から大手コンビニに販路を拡大した。

その他[編集]

Jリーグ清水エスパルスマスコットパルちゃんが、日本平スタジアムでの試合開始前に行う「パルちゃんショー」の演目の1つに、冷凍みかんを題材にしたものがある。

落語には、真夏に季節外れのミカンを求める『千両蜜柑』という演目がある。