蜜柑水

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蜜柑水(左、ハタ鉱泉大阪市都島区=製品)

蜜柑水みかん水(みかんすい)とは、かつて日本国内各地で大正時代から昭和時代にかけて飲まれてきた清涼飲料水。沖縄県等一部地域を除いて全国各地の駄菓子屋などで販売されていた。その殆どのボトラーが零細企業であり、相次ぐ廃業により淘汰された現在では、製造メーカーが非常に少なく、小売ルートであった駄菓子屋の減少も重なり、稀有な存在になりつつある。

概要[編集]

仄かな甘味と酸味を加えた、爽やかであっさり味の清涼飲料水。主な原材料は、砂糖果糖ぶどう糖液糖酸味料香料等。製品名称に蜜柑名を用いるが、蜜柑味ではなく、無果汁である。特定メーカーのブランド商品ではなく、一般名詞的に複数のメーカーから発売され、駄菓子屋などの一般小売店で販売されてきた。

主なメーカーは、中部地方では澤井飲料(静岡県・廃業)、カゴメ食品(愛知県・廃業)。関西地方ではかつて神戸市兵庫区長田区にメーカーが十数社あり、ともに「アップル」の商品名で製造販売していたが、主な小売ルートであった地場の銭湯お好み焼き店が阪神大震災後に激減した影響で軒並み廃業し[1]、唯一残った兵庫鉱泉所(長田区菅原通1丁目)製「アップル」が、現在も年間15万本を出荷して[1]神戸下町のご当地飲料として親しまれている[2]

この蜜柑水とは別に、チルド飲料メーカーエルビー2009年から低果汁入り清涼飲料水「さわやか みかん水」を製造販売している。同商品は元の蜜柑水とは無関係の蜜柑味飲料で、蜜柑果汁を2%加えており、容器は紙パックである[3]

容器[編集]

一般的に王冠で密栓した通常の瓶を用い、洗浄して再使用される。通常、割れるまで使用され、兵庫鉱泉所製「アップル」の場合、約30年にわたって使用している瓶も存在する[1]。個々の飲料水メーカーで使用する瓶形状は異なるが、再利用可能である特性を生かし、廃業した同業者から譲渡された別ブランドの瓶を混用しているケースも珍しくない[1]。一部では、ペットボトルも存在する。

出典[編集]

  1. ^ a b c d 「ますます勝手に関西遺産【アップル】愛ほんわか 下町の味」 朝日新聞デジタル関西、2012年5月7日
  2. ^ 「神戸のカクシボタン 第三十四回 神戸のご当地飲料「アップル」」 岡力、『月刊神戸っ子』2016年10月号、服部プロセス株式会社神戸っ子出版事業部
  3. ^ 「(株)エルビー『さわやか みかん水』新発売」 アサヒビール株式会社・株式会社エルビー、2009年11月27日

関連項目[編集]