黄金柑

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キミカン
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ムクロジ目 Sapindales
: ミカン科 Rutaceae
: ミカン属 Citrus
: キミカン C. flaviculpus
学名
Citrus flaviculpus
hort. ex Tanaka[1]
和名
キミカン(黄蜜柑)、オウゴンカン(黄金柑)

黄金柑(おうごんかん)は日本の柑橘類「黄蜜柑(きみかん)」の通称である。別名「ゴールデンオレンジ」。

概要[編集]

鹿児島県では、「黄蜜柑」として古く知られるが、詳しい来歴は不明[2]。一説によれば、明治時代から、鹿児島県日置郡東市来町近辺で知られていた[要出典]。日置地区では、フランシスコ・ザビエルが持ち込んだや朝鮮の役により朝鮮半島より持ち帰られたという説がある[要出典]。愛媛県に導入した村松春太郎によってオウゴンカン(黄金柑)と命名され[要出典]、この名の方が通用している。神奈川ではゴールデンオレンジとも呼ばれている。

日本にかぎり、田中長三郎の分類法により、ミカン属157種のひとつ(C. flaviculpus)に数える例もいまだにみられるようだが(ただし分類学ではなくエッセンシャルオイルの研究論文[3]が多い)、近代の研究ではミカン原種を4種程度[4]とみなすので、じっさいには交配種(品種)と考えられる。(参照:ミカン属

日本における2010年の収穫量は137.3 トンで、神奈川県の生産が93.4 トンと全国の68%を占める。次いで静岡県が25.0 トン(18%)、愛媛県13.9 トン、高知県5.0 トンとつづく[5]。主な生産地は、小田原市、湯河原町、沼津など[5]

特徴[編集]

直径4~5 センチメートル, 果重60~80 グラム程度と小ぶりである[6]。果皮は黄色で、むきにくい[7]。独特の芳香があり、甘みも強いが、酸もある。2~4月が収穫期。種なし(自家不和合性が認められる[8])品種のひとつである。

同じく黄色だが一回り大きい日向夏(ヒュウガナツ)と香りが似ているが[6]、やや甘さの要素が勝る。日向夏と同様、黄蜜柑の白い「綿」(アルベド)の部分も食べられる[6]

その皮(低温圧搾油)に含まれる揮発性香味成分は、リモネンが最大(8割方)で、ついでモノテルペン類のγ-テルピネン英語版(1割程度)、微量のトランスβ-ファルネセン英語版ミルセンが検出されており[1]、日向夏のピールから得た低温圧搾油成分プロフィールに似るが含有量の差異はある[1]

愛媛県で育成された「媛小春」の花粉親に、また、神奈川県で育成された「湘南ゴールド」の種子親となった[9][10][6][11]

脚注[編集]

  1. ^ a b c Choi & Sawamura 2001, 和文表題、和文抄
  2. ^ 真子 et al. 2004, p. 36。ここで挙げられる出典は:岩政正男 1976, p. 229, 田中諭一郎 1980, pp. 78-90, 日本果樹種苗協会 2003, pp. 38-45
  3. ^ Choi & Sawamura 2001
  4. ^ Scora and Kumamoto (1983)等
  5. ^ a b 農林水産省(MAFF). “特産果樹生産出荷実績調査”. Feb-2012閲覧。 都道府県別 (平成22年産) Excel
  6. ^ a b c d Choi & Sawamura 2001, p. 48
  7. ^ 真子 et al. 2004, p. 36
  8. ^ Yamamoto, Kubo & Tominaga 2006
  9. ^ 重松幸典; 喜多景治; 薬師寺弘倫; 石川啓; 石川啓 (3 2008). “カンキツ新品種‘媛小春’について”. 愛媛県立果樹試験場研究報告 22: 5-8. ISSN 0389-2867. JGLOBAL ID:200902281400290696.  (pdf)
  10. ^ 真子, 正史、鈴木, 伸一、鈴木, 誠、浅田, 真一「カンキツ新品種'湘南ゴールド」、『神奈川県農業総合研究所報告』第145巻、2004年、 35-41頁、 ISSN 03888231NAID 40006447787、 JGLOBAL ID:200902245650237565。 Agriknowledge (PDF リンク); Agri-kanagawa (pdf)
  11. ^ 農林水産省 (n.d.). “登録品種データベース”. 登録品種データベース. 2012年10月25日閲覧。 媛小春(17067)湘南ゴールド(11469)

参考文献[編集]

  • Choi, Hyang-Sook; Sawamura, Masayoshi (2001). “Volatile Flavor Components of Ripe and Overripe Ki-mikans(Citrus flaviculpus Hort. ex Tanaka) in Comparison with Hyuganatsu (Citrus tamurana Hort. ex Tanaka)”. Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 65 (1): 48-55. doi:10.1271/bbb.65.48. ISSN 1347-6947. 沢村正義 - J-GLOBAL.  JOI:JST.JSTAGE/bbb/65.48 (PDF)
  • Yamamoto, Masashi; Kubo, Tatsuya; Tominaga, Shigeto (2006). “Self- and Cross-incompatibility of Various Citrus Accessions”. Journal of the Japanese Society for Horticultural Science 75 (5): 372-378. doi:10.2503/jjshs.75.372. ISSN 1880-358X.  JOI:JST.JSTAGE/jjshs/75.372 (PDF)
    • 山本雅史, 久保達也, 冨永茂人「カンキツにおける自家および交雑不和合性」 園芸学会雑誌 75巻5号(2006年)
引用文献(孫引きの出典)
  • 岩政正男 『柑橘の品種』 静岡県柑橘農業協同組合連合会、1976年、229頁。 
  • 田中諭一郎 『日本柑橘図譜(続篇)』 養賢堂、1980年、78-80頁。NDLJP:2527169 
  • 日本果樹種苗協会 『特産のくだもの マンダリン類』1巻 日本果樹種苗協会、2003年、38-45頁。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]