東京メトロ丸ノ内線

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東京地下鉄 丸ノ内線
シンボルマーク シンボルマーク
丸ノ内線を走る02系と2000系(四ツ谷駅付近)
丸ノ内線を走る02系2000系四ツ谷駅付近)
基本情報
日本の旗 日本
所在地 東京都
種類 地下鉄
路線網 東京メトロ
起点 池袋駅(本線)
中野坂上駅(分岐線)
終点 荻窪駅(本線)
方南町駅(分岐線)
駅数 28駅(本線25駅・分岐線3駅)
輸送実績 2,491,763千人キロ (2018年度)[1]
路線記号 M、Mb
路線番号 4号線
路線色       スカーレット
開業 1954年1月20日
所有者 東京地下鉄
運営者 東京地下鉄
車両基地 中野検車区中野検車区小石川分室
使用車両 2000系6両、02系6両もしくは3両編成(分岐線のみ)
路線諸元
路線距離 24.2 km(本線)
3.2 km(分岐線)
軌間 1,435 mm標準軌
線路数 複線
複線区間 全区間
電化方式 直流600 V第三軌条方式
閉塞方式 速度制御式
保安装置 新CS-ATC
ATO(全線)
最高速度 75 km/h(本線)
65 km/h(分岐線)
路線図
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丸ノ内線(まるのうちせん)は、東京地下鉄(東京メトロ)が運営する鉄道路線東京都豊島区池袋駅 - 杉並区荻窪駅間を結ぶ本線と、中野区中野坂上駅 - 杉並区の方南町駅間を結ぶ分岐線(通称:方南町支線[注釈 1])から構成される。鉄道要覧における名称は4号線丸ノ内線および4号線丸ノ内線分岐線である。なお、新宿 - 荻窪間と中野坂上 - 方南町間は1972年昭和47年)まで荻窪線(おぎくぼせん)と呼ばれていた。

路線名の由来は、東京駅付近の地名である丸の内より。1970年(昭和45年)の住居表示制度実施より千代田区の「丸ノ内」は「丸の内」へと表記が変更されたが、地下鉄線の表記はそれ以降も「丸ノ内線」のまま変更されていない[注釈 2]

車体および路線図や乗り換え案内で使用されるラインカラーは「スカーレット」(#f62e36、赤)である[3]。分岐線用の車両には誤乗車防止のためラインカラーの赤帯に加えて「ブラック」(黒)の帯が入っている。路線記号は本線がM、分岐線がMb[注釈 3](2016年11月中旬まではm[報道 1])。

概要

路線図
tKBHFa
24.2 M-01 荻窪駅
tBHF
22.7 M-02 南阿佐ケ谷駅
tBHF
21.5 M-03 新高円寺駅
tBHF
20.6 M-04 東高円寺駅
tBHF
19.6 M-05 新中野駅
tKBHFa tSTR
-
3.2
Mb-03 方南町駅
tKRZW tSTR
神田川
tSTR tSTR d
中野車両基地
tv-SHI2g+r tv-STR d
tBHF tSTR
-
1.9
Mb-04 中野富士見町駅
tBHF tSTR
-
1.3
Mb-05 中野新橋駅
tKRZW tSTR
神田川
tKRWg+r
丸ノ内線分岐線(方南町支線)
tBHF
18.5
0.0
M-06 中野坂上駅
tKRZW
神田川
tBHF
17.4 M-07 西新宿駅
tBHF
16.6 M-08 新宿駅
tSTR
新宿線
tBHF
16.3 M-09 新宿三丁目駅
tBHF
15.6 M-10 新宿御苑前駅
tBHF
14.7 M-11 四谷三丁目駅
htSTRe
hBHF
13.7 M-12 四ツ谷駅
tdCONTgq tSTR+r htSTRa d
東京メトロ:銀座線渋谷方面)
12.4 M-13 赤坂見附駅
(永田町駅 )
tKRWg+l tABZlr tSTR+r
銀座線連絡線
tdCONTgq tKRZto tSTR+r tSTR d
東京メトロ:千代田線代々木上原方面)
11.5 M-14 国会議事堂前駅
tSTR
(溜池山王駅 )
tSTR
10.8 M-15 霞ケ関駅
tHST tSTR2
虎ノ門駅
tHST
tSTR+4
新橋駅
tSTR tSTR tHST
日比谷駅
tSTR
9.8 M-16 銀座駅 (銀座一丁目駅 )
tdCONTgq tSTRr tSTR tSTR d
東京メトロ:銀座線(浅草方面)
8.7 M-17 東京駅 二重橋前駅
tSTR tSTR
東海道新幹線 東北新幹線
8.1 M-18 大手町駅
tKRZW tKRZW
日本橋川
7.2 M-19 淡路町駅
(新御茶ノ水駅 小川町駅 )
tCONTgq tKRZto tSTRr
東京メトロ:千代田線(綾瀬方面)
htSTRe
WASSERq hKRZW WASSERq
神田川
htSTRa
tBHF
6.4 M-20 御茶ノ水駅
tBHF
5.6 M-21 本郷三丁目駅
htSTRe
hBHF
4.8 M-22 後楽園駅 (春日駅 )
htSTRa
tCSTRa KDSTa
小石川車両基地
KRWr
CBHF
3.0 M-23 茗荷谷駅
tCSTRe
tBHF
1.8 M-24 新大塚駅
tKBHFe
0.0 M-25 池袋駅 池袋線

本線は池袋駅から東京駅を経て新宿駅まで山手線の内側をU字形に走行し、新宿駅からはそのまま直線的に荻窪駅まで走るルートをとる[注釈 4]。分岐線は、本線の中野坂上駅から分岐し、方南町駅まで至る。分岐線の途中に中野車両基地があり、入出庫を兼ねた運用も存在する。使用車両は2000系6両編成と02系6両編成、分岐線専用の02系80番台3両編成である。

他路線との営業車両による直通運転は行われていないが、赤坂見附駅の国会議事堂前駅側に銀座線との渡り線があり、同線車両の点検整備や留置のために中野工場や中野検車区小石川分室へ回送される列車が通る。過去には同線車両による隅田川花火大会(「花火ライナー」荻窪発浅草行や「新春浅草・荻窪号」)などのイベント臨時列車運行時に利用されることがあった。ただし、銀座線のトンネルは丸ノ内線のトンネルより小さいため、物理的な理由で丸ノ内線の車両が銀座線に入線することはない。

東京地下鉄の路線では銀座線とこの丸ノ内線のみ標準軌で、第三軌条集電方式を採用している。このため、駅や分岐器の前後にデッドセクションが存在するが、丸ノ内線では02系以前から、銀座線より分岐線用に転用された2000形をのぞいて車両に電動発電機 (MG) を搭載することで室内灯の消灯を防止していた。

なお、丸ノ内線の建設以降は郊外各線との直通を行う方針に沿う形で架空線式にて建設されたため、東京の地下鉄としては最後の第三軌条方式の路線となった。

また、茗荷谷 - 後楽園間、御茶ノ水 - 淡路町間の神田川橋梁、四ツ谷駅付近と、地上走行区間がこまめに存在するために、地下鉄でありながら車窓を楽しめることも特徴の一つである。また、地下鉄は用地買収の都合から公道の地下を通す場合が多いが、当路線は私有地の地下を通過している部分が多い。

御茶ノ水駅付近
丸ノ内線の位置

路線データ

建設

本路線は、ほぼすべての区間が開削工法によって建設されているが、霞ケ関 - 赤坂見附間の 230 m ほどの区間は日本の地下鉄としては初めてシールド工法で掘削を実施した[5]。これは霞ケ関駅の付近のトンネルは約15 mと深く、当時の開削工法では建設が困難であったためである。掘削にあたっては、最初に側壁導坑を築造し、それを土台に半円形のルーフシールドマシンで掘削するものである。この構造は「半円形ルーフシールドトンネル」と呼ばれるものであるが、その後は円形シールド工法が主流となったため、この方式による掘削は駅ホーム部で採用例があるのみで、駅間では行われていない。

沿革

1925年大正14年)3月30日内務省が告示した東京都市計画高速度交通機関路線網の5路線[6]のうちの第4号線新宿 - 四谷見附 - 日比谷 - 築地 - 蛎殻町 - 御徒町 - 本郷三丁目 - 竹早町(文京区小日向付近) - 大塚間 20.0 km に位置付けられたルートを前身とする路線である。

このうち新宿 - 四谷見附 - 築地間は東京高速鉄道により計画され、1938年昭和13年)に開業した赤坂見附駅は当初から二層構造となっている。帝都高速度交通営団発足後の1942年(昭和17年)6月に赤坂見附 - 四谷見附(弁慶濠)間 1.2 km の建設に着手したが[7][8]太平洋戦争の戦局悪化により1944年6月に工事中止となっていた[7]。その後1946年(昭和21年)12月7日に従来の計画を改訂した戦災復興院告示第252号「東京復興都市計画高速鉄道網」が告示され、この時の第4号線は中野区富士見町 - 新宿 - 四谷 - 赤坂見附 - 永田町 - 日比谷 - 東京 - 神田 - 御茶ノ水 - 本郷三丁目 - 富坂町 - 池袋 - 豊島区向原町[9]の 22.1 km である。

1949年(昭和24年)12月12日、営団は第4号線のうち池袋 - 神田間 7.7 km の建設を決定し[9]1951年(昭和26年)3月30日、池袋駅東口で起工式が開催された[10]

1953年(昭和28年)11月4日には、国鉄神田駅付近を経由することが予算的、工期的、技術的に困難なことが明らかとなり、大手町を経由するルートへの変更を告示する。

1962年(昭和37年)の都市交通審議会答申第6号において、東京4号線「荻窪および方南町の各方面より中野坂上、新宿、赤坂見附、西銀座(現・銀座駅)、春日町、池袋および向原(小竹向原駅)の各方面を経て成増方面に至る路線」として示された。その後、1968年(昭和43年)の同答申第10号では、終点が成増から池袋へと短縮され、池袋以西は8号線として分離された。

このうち、最初に開業した池袋 - 御茶ノ水間は営団地下鉄(現・東京地下鉄)銀座線大阪市営地下鉄(現・Osaka Metro御堂筋線四つ橋線に次ぐ日本4番目の地下鉄として開業。その後、丸の内経由で新宿方面へ順次延伸され、1959年までに池袋 - 新宿間が全通した。

さらに新宿以西への丸ノ内線の延長線として荻窪線が建設され、1962年までに全線開業し、同線の車庫(中野検車区)への回送線も兼ねた分岐線も同年に全通。当初より丸ノ内線・荻窪線で一体的な運行を行っていたが、1972年に荻窪線を丸ノ内線に編入し、現在の路線網を形成した。

1995年3月20日霞ケ関駅などで発生した無差別テロ事件「地下鉄サリン事件」の現場となった路線の一つであり、多数の死傷者を出している。

1990年代後半に荻窪から練馬区を経由し、朝霞方面への延伸に関する陳情が東京都議会で出されていたが、計画が具体化することなく結局消滅した。

年表

  • 1942年昭和17年)6月5日:赤坂見附 - 四谷見附間起工式[8]
  • 1944年(昭和19年)6月16日:赤坂見附 - 四谷見附間建設工事中止[11]
  • 1949年(昭和24年)12月12日:第4号線池袋 - 神田間建設決定[12]
  • 1951年(昭和26年)
  • 1952年(昭和27年)11月22日:建設計画を池袋 - 神田から池袋 - お茶の水に変更[13]
  • 1953年(昭和28年)
    • 9月19日:御茶ノ水 - 西銀座(銀座)間建設計画決定[14]
    • 10月30日:経由地を神田から淡路町へ変更認可[14]
    • 12月1日:第4号線池袋 - 新宿間を丸ノ内線と呼称決定[14]
  • 1954年(昭和29年)
  • 1955年(昭和30年)8月29日:西銀座(銀座) - 新宿間建設計画決定[15]
  • 1956年(昭和31年)
  • 1957年(昭和32年)12月15日:東京 - 西銀座(銀座)間 (1.1 km) 開業[17]
  • 1958年(昭和33年)10月15日:西銀座(銀座) - 霞ケ関間 (1.1 km) 開業[18]
  • 1959年(昭和34年)
    • 3月14日:新宿 - 荻窪間および中野坂上 - 方南町間着工[18]
    • 3月15日:霞ケ関 - 新宿間 (5.8 km) 開業、丸ノ内線(池袋 - 新宿間)全線開通[18]
  • 1960年(昭和35年)10月21日:4号線新宿以西を荻窪線と呼称決定[19]
  • 1961年(昭和36年)
    • 2月8日:荻窪線の新宿 - 新中野間 (3.0 km)・中野坂上 - 中野富士見町間 (1.9 km) 開業[19]
    • 11月1日:新中野 - 南阿佐ケ谷間 (3.1 km) 開業[20]
  • 1962年(昭和37年)
    • 1月23日:南阿佐ケ谷 - 荻窪間 (1.5 km) 開業、新宿 - 荻窪間が全通[21]
    • 3月23日:中野富士見町 - 方南町間 (1.3 km) 開業、荻窪線全線開通[21]
  • 1964年(昭和39年)
    • 8月29日:日比谷線霞ケ関 - 東銀座間開通により西銀座駅を銀座駅に改称[22]、銀座線銀座駅と合わせて総合駅化。
    • 9月18日:東高円寺駅開業(新高円寺 - 新中野間)[22]
  • 1968年(昭和43年)5月 - 7月:分岐線用に使用していた100形車両10両を2000形10両に置き換え[23]
  • 1972年(昭和47年)4月1日:荻窪線を丸ノ内線に名称統一[24]
  • 1981年(昭和56年)11月16日:分岐線用車両を2両編成5本から3両編成6本に組み換え、輸送力増強を実施[25]
  • 1988年(昭和63年)10月17日02系営業運転開始[26]
  • 1990年平成2年)7月18日:冷房車両の運転を開始[27]
  • 1993年(平成5年)
    • 4月1日:02系の1編成を用い広告貸切列車「U-LINER」運行開始[28](2005年9月運行終了)。
    • 7月6日:分岐線で2000形車両の営業運転を終了[29]
    • 11月21日:後楽園第二架道橋の架替工事に伴い、始発から7時30分まで茗荷谷 - 御茶ノ水間を運休[30][31]
  • 1995年(平成7年)
    • 2月28日:本線での500形車両の営業運転を終了[32]。旧形車は分岐線用のみに[32]
    • 3月20日:地下鉄サリン事件発生。
    • 7月23日:池袋駅分岐器交換工事に伴い、始発から21時まで池袋 - 新大塚間を運休、新大塚 - 茗荷谷間でB線を使用し2両編成の区間列車(旧形車使用)を運転[33]
  • 1996年(平成8年)
    • 5月28日:西新宿駅開業(中野坂上 - 新宿間)[34]
    • 7月3日:分岐線で同区間専用の02系80番台営業運転開始。
    • 7月18日:分岐線において500形車両の営業運転を終了。丸ノ内線から旧形車が全廃された。7月20日にはさよなら運転が行われた。これにより、線内の冷房化100%達成[34]
  • 1998年(平成10年)
  • 2003年(平成15年)冬:開業50周年を記念して500形などで採用されていた赤い塗装を02系1編成(第50編成)にラッピング。車内および車体の広告はロッテ「ガーナチョコレート」で、車内自動放送開始時にはテーマソングをオルゴールの音色で流していた。翌2004年1月24日に臨時列車に運用され、その後翌2月25日から通常ダイヤに組み込んで運転したが、民営化と同時に運転を終了した。
  • 2004年(平成16年)
  • 2005年(平成17年)
    • 3月:本線6両編成・ワンマン対応改造車運転開始。
    • 9月:可動式ホーム柵設置工事のため、霞ケ関・四ツ谷・新高円寺の各駅で停車位置を変更。
  • 2006年(平成18年)4月28日:池袋 - 荻窪間の各駅で可動式ホーム柵設置工事開始。6月から翌2007年9月まで各駅に順次設置。
  • 2008年(平成20年)
    • 6月14日:池袋 - 荻窪間の各駅(一部駅を除く)にて車載メロディの使用開始。曲名は、荻窪・中野富士見町方面が「街並みはるか」、池袋方面が「舞フラワー」[37]。ただし混雑時には通常通りブザーを使用する。
    • 12月27日:池袋 - 荻窪間においてATO運転開始[報道 5]
  • 2009年(平成21年)3月28日:池袋 - 荻窪間全線でワンマン運転開始[報道 5]
  • 2010年(平成22年)
    • 2月16日:02系リニューアル車(B修車)の営業運転開始[報道 6][38]
    • 5月:分岐線用3両編成列車においてもATO運転開始[4]
  • 2012年(平成24年)
    • 8月30日:茗荷谷駅 - 淡路町駅間で携帯電話の利用が可能となる[報道 7]
    • 11月12日:新中野駅 - 荻窪駅間で携帯電話の利用が可能となる[報道 8]
    • 11月26日:霞ケ関駅 - 赤坂見附駅間で携帯電話の利用が可能となる[報道 9]
    • 12月20日:池袋駅 - 茗荷谷駅間と東京駅 - 霞ケ関駅間、中野新橋駅 - 方南町駅間で携帯電話の利用が可能となる[報道 10]
    • 12月26日:赤坂見附駅 - 新宿御苑前駅間で携帯電話の利用が可能となる[報道 11]
  • 2013年(平成25年)
    • 1月24日:淡路町駅 - 東京駅間で携帯電話の利用が可能となる[報道 12]
    • 3月21日:新宿御苑前駅 - 新中野駅間と中野新橋駅 - 中野坂上駅間で携帯電話の利用が可能となる[報道 13]
  • 2016年(平成28年)11月:訪日外国人旅行者の利便性向上のため、分岐線の方南町(m-03)・中野富士見町(m-04)・中野新橋(m-05)の各駅について、駅ナンバリングが発音上同一であった本線側の新高円寺(M-03)・東高円寺(M-04)・新中野(M-05)の各駅と自動放送による発音上の区別がつくよう、分岐線の路線記号をm(小文字のエム)からMb(エムビー)に変更[報道 1]
  • 2019年(平成31年・令和元年)
  • 2020年(令和2年)6月6日銀座駅と有楽町線銀座一丁目駅との乗り換え業務を開始[報道 16]

運行形態

山手線の新宿駅 - 池袋駅間が開いたU字型の路線のため、山手線内部での比較的短距離の流動が多く、支線以外の路線は山手線と似たダイヤ構成になっており、本線と支線の列車は中野坂上駅で相互連絡するようにダイヤが組まれている。全線を通した所要時分は本線で49分40秒、支線では6分25秒となっている。

池袋駅 - 荻窪駅間

平日は新宿駅 - 池袋駅間において、朝夕ラッシュ時約1分半 - 2分間隔(日本一の高密度運転間隔)、日中4分間隔で運行されている。

池袋駅 - 荻窪駅間の直通運転と、池袋駅 - 方南町駅間の支線直通運転を基本とする(日中は概ね20分に1本が池袋駅 - 方南町駅間区間運転)。朝夕と深夜には車両基地への入出庫のため池袋駅 - 茗荷谷駅や中野富士見町駅・新宿三丁目駅・新宿駅・中野坂上駅が始発・終着となる列車が設定されている。

大晦日から元旦終夜運転は池袋駅 - 荻窪駅間の全線で実施される。後楽園駅が最寄りの東京ドームでコンサートイベントが行われることから、2010年代前半よりその対応として、一部時間帯で終夜運転列車を増発している。この増発列車の一部は池袋駅 - 銀座駅間の運転であるため、終夜運転実施時の年1回のみではあるが、銀座駅発着が設定されている(銀座駅では非常渡り線を使用して折り返し)。

車両は2000系02系の本線用6両編成を使用する。

中野坂上駅 - 方南町駅間

平日朝夕ラッシュ時は約4分間隔、日中は6分40秒間隔(うち本線直通20分間隔)で運行されている。

中野坂上駅 - 方南町駅間を往復する列車と池袋駅 - 方南町駅間の本線直通列車が基本的に運転されている。朝夕と深夜には池袋駅 - 中野富士見町駅間の列車、早朝と休日夕方に中野富士見町発方南町行きの列車、入庫の関係で平日終電頃の2本のみ荻窪発中野富士見町行きの列車(中野坂上駅で方向転換を行う)がある。

車両は基本的に分岐線専用車の02系80番台3両編成と本線直通運転用の02系2000系6両編成が使われる。現在運用中の支線専用02系80番台は、開業以来初めて分岐線専用に新製された車両で、本線とのサービス格差をなくす目的で1996年に登場した。それまでは本線との直通列車を除き、銀座線で使われていた100形(1968年5月運用終了)、2000形(1993年7月運用終了)、本線運用から外れた500形(1996年7月運用終了)といったすべて非冷房の中古車両が永らく主力として使用されていた。

運転時分と保安装置

本路線は開業以来、保安装置打子式ATS装置を使用し、最高速度は 65 km/h とし、1981年(昭和56年)11月以降所要時分は本線49分50秒、分岐線7分00秒で運転されてきた。その後、西新宿駅開業時に本線は50分40秒に増加した。

そして、1998年(平成10年)3月7日には全線での新CS-ATC化を踏まえたダイヤ改正を実施し、本線では最高速度を 75 km/h に向上させ、所要時分は本線48分15秒、分岐線6分20秒に短縮した。さらに2001年(平成13年)2月には本線において、ブレーキ操作の信頼性を図るため、定位置停止装置 (TASC) の使用を開始した[39]。続いて分岐線においても2002年(平成14年)11月からTASCの使用を開始している[4]

その後、後述するホームドアの設置に伴い、全線での所要時間に見直しがあり、2007年(平成19年)8月30日のダイヤ改正では1分25秒増加した49分40秒となった[40]。分岐線も現在は6分25秒となっている。

車両

現在の車両

  • 2000系(6両編成)
  • 02系(6両編成)
  • 02系80番台(分岐線専用3両編成)

過去の車両

ワンマン運転とホーム柵の設置

当路線の全駅に可動式ホーム柵(ホームドア)が設置されている。ホーム柵は京三製作所[41]である。

2004年(平成16年)5月8日に分岐線(中野坂上 - 方南町間)にホーム柵を設置し、同年7月31日には中野坂上 - 方南町間で運行される3両編成の区間列車に限ってワンマン運転を開始した[報道 5]

池袋 - 荻窪間については、2006年(平成18年)6月の荻窪駅南阿佐ケ谷駅を皮切りに、翌年9月までに本線全25駅に順次設置され、設置された駅から順次稼動を開始した。ただし、銀座駅御茶ノ水駅は、一度はホーム柵を設置したものの、車両とホームの隙間を調整する工事を行うこととなったため、正式稼働は2008年(平成20年)3月23日からとなった。

ホーム柵設置当初は、車掌が柵の線路側にあるボタンの操作によりホーム柵の開閉を行い(ホーム柵を開けた後車両のドア開放 閉扉時は逆順)、案内放送に「ホームドアを使用しています」を加えた。2007年(平成19年)12月1日より(御茶ノ水・銀座の両駅は翌年3月23日より)、車両ドアと柵が連動して開閉するようになり、車掌は車両側のドアスイッチのみを操作していた。東京地下鉄では本線へのホーム柵設置について、「乗客の安全性向上のため」との見解を示していた。

本線用車両(6両編成)では2005年(平成17年)2月からホームドア連動・ワンマン運転対応改造を実施してきており、2007年(平成19年)8月までに全編成の対応改造を完了した。この時点でホームドア連動、車上CCTV(ホーム監視用モニター)の設置や自動放送装置車内表示器の改修などが実施された[42]

その後、2007年11月から2009年(平成21年)1月かけてATO運転を実施するための改造工事が実施された。そして、ATO対応改造車が出揃った2008年12月27日からはTASC運転からATO運転への切り換えが実施された[42]。その後、2009年3月28日より、丸ノ内線全線でワンマン運転を開始した[報道 5]。この間、2008年6月14日より車載メロディが使用開始された。

この時点でATO運転を開始したのは本線池袋 - 荻窪間全線と分岐線中野坂上 - 中野富士見町間を走行する6両編成列車とされた。その後、2010年(平成22年)5月には中野坂上 - 方南町間を走行する3両編成の区間列車においてもATO運転が開始され、丸ノ内線全線全列車においてATO運転が実施されている[4]

ワンマン運転開始と同時に車載メロディをわずか1年弱で一旦使用を停止し、池袋 - 荻窪間の各駅にて方面毎別の発車メロディを使用開始したが、この発車メロディはすぐに使用中止となり、再び方面別車載メロディを再開させていた。[要出典]発車メロディの使用中止となった理由は不明である。2012年(平成24年)2月1日より、再び駅別発車メロディの使用を開始した[43]。ただし、四ツ谷駅と池袋駅では放送装置の改修が追いつかなかったため、2月1日の使用開始後数日で使用が休止したが、3月になってから再度使用開始した[44]。また、ラッシュ時には、今まで通りの車載メロディを使用する。ただし、茗荷谷駅では近隣住民からの苦情により、車載メロディ・発車メロディ共に使用を中止していたが[45]、2009年12月21日より早朝・深夜の時間帯(22:00 - 翌日7:30)をのぞき営団時代からの発車ブザーの使用を再開した(早朝・深夜の時間帯は駅員の放送のみ)。これには発車メロディの鳴動システムが流用されており、乗務員が運転台の乗降促進を「車上側」から「ホーム側」に切り替えて操作している。

発車メロディ

本線

前述の通り、2008年6月14日に車載メロディが、また2009年3月28日からのワンマン運転開始に伴い、茗荷谷駅を除く各駅に従来のブザーに代わり発車メロディ(発車サイン音)が導入されている。全てスイッチの制作で、塩塚博福嶋尚哉谷本貴義松澤健、熊木理砂、三留研介・若林剛太、串田亨の7組が作曲を手掛けた[46]

曲名はスイッチの音源リストおよび同社が運営する「鉄道モバイル」による。

駅名 曲名
A線(荻窪方面) B線(池袋方面)
荻窪 1:星の贈りもの【塩塚】
2:ハート畑【福嶋】
南阿佐ケ谷 1:ひかりの反射【谷本】 2:夢行きステップ【福嶋】
新高円寺 1:Blue sky【谷本】 2:ハートスタイル【福嶋】
東高円寺 1:羽根をひろげて【塩塚】 2:駅にサンキュー【福嶋】
新中野 1:Comical Train【谷本】 2:スイートムーン【福嶋】
中野坂上 1:Endless Trip【谷本】 3:角を曲がれば【塩塚】
西新宿 1:ラッキーカード【塩塚】 2:ピアノマン【松澤】
新宿 1:ミツバチの兄弟【塩塚】 2:きらめく小川【熊木】
新宿三丁目 1:ステーションベル【福嶋】 2:ひとやすみ【谷本】
新宿御苑前 1:レインボウ電車【福嶋】 2:駅メモリー【福嶋】
四谷三丁目 1:トレインライト【福嶋】 2:cielo azur(碧空)【三留・若林】
四ツ谷 1:駅ウォーキング【串田】 2:ヒーリング電車【串田】
赤坂見附 2:メトロタウン【熊木】 4:レインシャワー【塩塚】
国会議事堂前 1:ランダムショット【塩塚】 2:東京旅姿【福嶋】
霞ケ関 1:Tokyo Line【谷本】 2:スマイル電車【福嶋】
銀座 3:明日の扉【串田】 4:小鳥の行進【塩塚】
東京 1:らくらく乗降【串田】 2:夢心地【福嶋】
大手町 1:快適乗降【串田】 2:潤い電車【福嶋】
淡路町 1:Safety【谷本】 2:駅スイート【福嶋】
御茶ノ水 1:ハートレール【串田】 2:ジェントルトレイン【福嶋】
本郷三丁目 1:素敵にハート【串田】 2:サニーサイドステーション【福嶋】
後楽園 1:マウンテン【塩塚】 2:サークルゲーム【福嶋】
茗荷谷 1:(ブザー)[* 1] 2:(ブザー)[* 2]
新大塚 1:もうすぐ扉が閉まります【谷本】 2:ドリーム駅【福嶋】
池袋 1:フランソワ【塩塚】
2:キラリトレイン【福嶋】
(車載メロディ) 街並みはるか【谷本】 舞フラワー【福嶋】
  • 上表の数字は各駅の番線、【】内は作曲者を表す。

分岐線

方南町駅のホーム6両編成対応化に伴う2019年7月5日のダイヤ改正時に発車メロディが導入されている(使用するのは6両編成の列車のみ)。全てスイッチの制作で、塩塚と福嶋が作曲を手掛けた[47]。なお、車載メロディは本線と同じ曲を使用する。

駅名 A線(方南町方面) B線(池袋方面)
方南町 1:スペシャルゲスト【塩塚】[* 3]
2:希望の電車【福嶋】[* 4]
中野富士見町 1:スタイルブック【福嶋】 2:コサージュ【福嶋】
中野新橋 1:落ち葉の舗道【塩塚】 2:ロッキンメトロ【塩塚】
中野坂上 2(1番線側):ベリル【福嶋】 2(3番線側):ラッキーボーイ【塩塚】
  • 上表の数字は各駅の番線、【】内は作曲者を表す。
  1. ^ 当初は「スペシャルゲスト」(現・方南町駅1番線用)を使用していた。
  2. ^ 当初は「希望の電車」(現・方南町駅2番線用)を使用していた。
  3. ^ 以前は茗荷谷駅1番線で使用していた。
  4. ^ 以前は茗荷谷駅2番線で使用していた。

変電所

  • 荻窪駅付近
  • 新高円寺駅付近
  • 西新宿駅
  • 新宿御苑前駅付近
  • 赤坂見附駅
  • 霞ケ関駅 - 銀座駅間
  • 東京駅付近
  • 御茶ノ水駅付近
  • 茗荷谷駅付近(小石川分室CR内)
  • 池袋駅付近
  • 中野富士見町駅付近(中野検車区内)

駅一覧

  • 駅番号はB線方向(荻窪から池袋の方向)に増加。正式には池袋起点だが、駅番号の若い荻窪側から記す。
  • 駅所在地はすべて東京都内。
  • 四ッ谷駅と後楽園駅の2駅は地上駅で、ほかの駅はすべて地下駅となっている。(茗荷谷駅も地下駅だが、ホームの一部は地上部分に位置している。)

本線

駅番号 駅名 駅間キロ 累計キロ 接続路線・備考 所在地
M-01 荻窪駅 - 0.0 東日本旅客鉄道JC 中央線(快速)(JC 09)・JB 中央・総武線(各駅停車)(JB 04) 杉並区
M-02 南阿佐ケ谷駅 1.5 1.5  
M-03 新高円寺駅 1.2 2.7  
M-04 東高円寺駅 0.9 3.6  
M-05 新中野駅 1.0 4.6   中野区
M-06 中野坂上駅 1.1 5.7 東京地下鉄Mb 丸ノ内線(方南町方面)一部が直通運転
都営地下鉄E 大江戸線 (E-30)
M-07 西新宿駅
東京医大病院前)
1.1 6.8   新宿区
M-08 新宿駅 0.8 7.6 都営地下鉄[* 1]E 大江戸線(新宿西口駅: E-01)
東日本旅客鉄道:JA 埼京線 (JA 11)・JS 湘南新宿ライン (JS 20)
JC 中央線(快速)(JC 05)・JB 中央・総武線(各駅停車)(JB 10)・JY 山手線 (JY 17)
京王電鉄KO 京王線 (KO01)・KO 京王新線 (KO01)
小田急電鉄OH 小田原線 (OH01)
西武鉄道SS 新宿線西武新宿駅: SS01)
M-09 新宿三丁目駅
伊勢丹前)
0.3 7.9 東京地下鉄:F 副都心線 (F-13)
都営地下鉄:S 新宿線 (S-02)
M-10 新宿御苑前駅 0.7 8.6  
M-11 四谷三丁目駅 0.9 9.5  
M-12 四ツ谷駅 1.0 10.5 東京地下鉄:N 南北線 (N-08)
東日本旅客鉄道:JC 中央線(快速)(JC 04)・JB 中央・総武線(各駅停車)(JB 14)
M-13 赤坂見附駅 1.3 11.8 東京地下鉄:G 銀座線 (G-05)、
Y 有楽町線永田町駅: Y-16)・Z 半蔵門線(永田町駅: Z-04)・N 南北線(永田町駅: N-07)
港区
M-14 国会議事堂前駅 0.9 12.7 東京地下鉄:C 千代田線 (C-07)、
G 銀座線(溜池山王駅: G-06)・N 南北線(溜池山王駅: N-06)
千代田区
M-15 霞ケ関駅 0.7 13.4 東京地下鉄:H 日比谷線 (H-07)・C 千代田線 (C-08)
この駅間に日比谷線・千代田線日比谷駅 (H-08・C-09)があるが、丸ノ内線は経由しない[* 2]
M-16 銀座駅 1.0 14.4 東京地下鉄:G 銀座線 (G-09)・H 日比谷線 (H-09)、
Y 有楽町線(銀座一丁目駅: Y-19)[* 3]
地下通路で東銀座駅・日比谷駅・有楽町駅に連絡[* 4]
中央区
M-17 東京駅 1.1 15.5 東日本旅客鉄道:■ 東北新幹線山形新幹線秋田新幹線上越新幹線北陸新幹線
JC 中央線 (JC 01)・JY 山手線 (JY 01)・JK 京浜東北線 (JK 26)
JT 東海道線 (JT 01)・JU 上野東京ライン (JU 01)
JO 横須賀・総武線(快速)(JO 19)・JE 京葉線 (JE 01)
東海旅客鉄道■ 東海道新幹線
地下通路で大手町駅二重橋前〈丸の内〉駅に連絡[* 5]
千代田区
M-18 大手町駅
サンケイ前)
0.6 16.1 東京地下鉄:T 東西線 (T-09) ・C 千代田線 (C-11) ・Z 半蔵門線 (Z-08)
都営地下鉄:I 三田線 (I-09)
M-19 淡路町駅 0.9 17.0 東京地下鉄:C 千代田線(新御茶ノ水駅: C-12)
都営地下鉄:S 新宿線(小川町駅: S-07)
M-20 御茶ノ水駅 0.8 17.8 東日本旅客鉄道:JC 中央線(快速)(JC 03)・JB 中央・総武線(各駅停車)(JB 18) 文京区
M-21 本郷三丁目駅 0.8 18.6 都営地下鉄:E 大江戸線 (E-08)[* 6]
M-22 後楽園駅 0.8 19.4 東京地下鉄:N 南北線 (N-11)
都営地下鉄:I 三田線(春日駅: I-12)・E 大江戸線(春日駅: E-07)
M-23 茗荷谷駅 1.8 21.2  
M-24 新大塚駅 1.2 22.4  
M-25 池袋駅 1.8 24.2 東京地下鉄:Y 有楽町線 (Y-09) ・F 副都心線 (F-09)
東日本旅客鉄道:JA 埼京線 (JA 12)・JS 湘南新宿ライン (JS 21)・JY 山手線 (JY 13)
東武鉄道TJ 東上線 (TJ-01)
西武鉄道:SI 池袋線 (SI01)
豊島区
  1. ^ 都営新宿線・都営大江戸線の新宿駅とは連絡業務を行っていない。
  2. ^ ただし、霞ケ関駅 - 銀座駅間で日比谷線日比谷駅経由を指定した定期券で丸ノ内線にも乗車可能である。
  3. ^ 2020年6月6日から乗換駅指定[報道 16]
  4. ^ 東銀座駅・日比谷駅・有楽町駅とは連絡業務を行っていない。
  5. ^ 大手町駅・二重橋前〈丸の内〉駅とは連絡業務を行っていない。
  6. ^ いったん地上に出る必要がある。
  • 都営浅草線とは乗り換え駅がないが、銀座駅東銀座駅を結ぶ地下通路(およそ450 - 500 m)を使うことで、乗り継ぎ割引は適用されないが乗り換えそのものは可能である。
  • 千代田線南北線都営大江戸線とは異名駅を含めて乗り換え駅が4つずつ存在するが、乗り換えに時間がかかる駅が多い。
  • 四ツ谷駅 - 霞ケ関駅間は当線経由の定期券で複数の異経路乗車が可能である。詳細は東京地下鉄#運賃を参照。

分岐線

駅番号 駅名 駅間キロ 累計キロ 接続路線・備考 所在地
Mb-03 方南町駅 - 0.0   杉並区
Mb-04 中野富士見町駅 1.3 1.3   中野区
Mb-05 中野新橋駅 0.6 1.9  
M-06 中野坂上駅 1.3 3.2 東京地下鉄:M 丸ノ内線(池袋方面・荻窪方面)一部が直通運転
都営地下鉄:E 大江戸線 (E-30)

その他

池袋 - 御茶ノ水間が開業した1954年(昭和29年)1月20日当日の池袋駅は見物目的の客が多数押し寄せて大変な混雑となり、営団地下鉄側が臨時出札口を設けて対応にあたるほどで午前10時の時点で池袋駅から乗車した者の数は1万5千人を越えていた。またこの日、神田の商店連合会ではその開通を祝って花火を打ち上げたり神田川に屋形船を運航させたりして大騒ぎだったと当時の新聞に掲載されている[48]

「丸ノ内線建設史」によると、四ツ谷 - 赤坂見附の設計図には、カーブの半径が「182.11」と記載されている。この数値を戦前のヤード・ポンド法に換算すると、ちょうど200ヤードになる。この区間は戦時中の1942年に建設が開始されている(メートル法表記採用は戦後から)。

他の東京メトロ路線では、駅ホームでの接近放送はすべて「まもなく」が文頭に来るが、当路線では「お待たせ致しました」を文頭にした、旧型の接近自動放送が2019年まで使用されていた。またJR線接続駅のうち池袋、御茶ノ水、荻窪で、「国鉄線」を「○○線」と各路線名に言い換えた[注釈 5]国鉄分割民営化当初の台詞を、2019年の更新(後述)まで継続していた[注釈 6]

新宿駅 - 新宿三丁目駅は駅間が300mしかなく、東京メトロの中で一番駅間が短い区間である。

荻窪線として開通した新宿 - 荻窪間は青梅街道の地下に建設されたが、開業当時は地上の青梅街道を、全く同じルートを取る都電杉並線(14系統)が走っていた。しばらくは両線が併存する形となっていたが、荻窪線全線開業の翌年である1963年(昭和38年)に都電杉並線は廃止され、その後地下鉄側に西新宿駅・東高円寺駅が新設されている。

今後の予定

  • 銀座線とともに、走行安定性向上のため第三軌条に給電する標準電圧を600Vから750Vに昇圧することが2016年に発表された。具体的な実施時期は示されていない[49]
  • 無線式列車制御システムであるCBTCの当線への導入を2022年度末に実施する予定である[報道 18]
  • 2018 - 2023年度に、新型車両2000系全52編成を導入する予定である[50]

脚注

注釈

  1. ^ 和久田康雄『日本の地下鉄』[2]に「方南町支線」の表記例がみられる。
  2. ^ なお、千代田線二重橋前駅の副駅名は「丸の内」である。
  3. ^ 丸ノ内線分岐線を意味するMarunouchi branch line[報道 1]の頭文字。ただし特に区別しない場合、分岐線区間もMの路線記号で案内されることが多い。
  4. ^ 池袋駅から淡路町駅付近までは南東方向に、淡路町駅から銀座駅までは南南西方向、銀座駅から中野坂上駅までほぼ北西方向、中野坂上駅から新高円寺駅までは西方向、新高円寺駅から荻窪駅までは北西方向を向くといった経路をとる。
  5. ^ 池袋は「(有楽町線、副都心線、)山手線、埼京線、(西武池袋線、東武東上線はお乗り換えです)」(湘南新宿ラインはアナウンスされず)。御茶ノ水は「中央線、総武線は…」。荻窪は「中央線は…」。
  6. ^ 更新後、御茶ノ水は「JR線は…」に変更され、池袋と荻窪は乗換案内自体を割愛。

出典

  1. ^ 東京都統計年鑑平成30年/運輸”. 東京都. 2020年8月12日閲覧。
  2. ^ 和久田康雄『日本の地下鉄』岩波書店〈岩波新書〉、1987年、pp.102-103
  3. ^ 丸ノ内線02系 - 東京メトロ
  4. ^ a b c d レールアンドテック出版「鉄道車両と技術」No.177記事「ATOの技術」参照。
  5. ^ 鉄道図書刊行会鉄道ピクトリアル』2005年4月号臨時増刊「特集: 東京地下鉄」、p103
  6. ^ 大正14年内務省告示第56号 NDLJP:2955926/9
  7. ^ a b 帝都高速度交通営団史、pp.29-30。
  8. ^ a b 帝都高速度交通営団史、p.563。
  9. ^ a b 帝都高速度交通営団史、p.33。
  10. ^ a b c 帝都高速度交通営団史、p.569。
  11. ^ 帝都高速度交通営団史、p.564。
  12. ^ 帝都高速度交通営団史、p.568。
  13. ^ 帝都高速度交通営団史、p.570。
  14. ^ a b c d 帝都高速度交通営団史、p.571。
  15. ^ a b 帝都高速度交通営団史、p.572。
  16. ^ a b c d 帝都高速度交通営団史、p.573。
  17. ^ 帝都高速度交通営団史、p.575。
  18. ^ a b c 帝都高速度交通営団史、p.576。
  19. ^ a b 帝都高速度交通営団史、p.578。
  20. ^ 帝都高速度交通営団史、p.579。
  21. ^ a b 帝都高速度交通営団史、p.580。
  22. ^ a b 帝都高速度交通営団史、p.583。
  23. ^ 帝都高速度交通営団史、p.587。
  24. ^ 帝都高速度交通営団史、pp.591。
  25. ^ 帝都高速度交通営団史、p.600。
  26. ^ 帝都高速度交通営団史、p.606。
  27. ^ 帝都高速度交通営団史、p.608。
  28. ^ 帝都高速度交通営団史、p.611。
  29. ^ 帝都高速度交通営団史、p.612。
  30. ^ 帝都高速度交通営団史、pp.231-232。
  31. ^ 東京地下鉄道南北線建設史』帝都高速度交通営団、2002年、574-578頁https://metroarchive.jp/content/ebook_nanboku.html/2021年1月19日閲覧 
  32. ^ a b “「赤い電車」本線から引退”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1995年3月3日) 
  33. ^ 帝都高速度交通営団史、pp.245-246。
  34. ^ a b 帝都高速度交通営団史、p.616。
  35. ^ a b 帝都高速度交通営団史、p.618。
  36. ^ 「鉄道記録帳」『RAIL FAN』第51巻第11号、鉄道友の会、2004年11月号、26頁。 
  37. ^ 株式会社スイッチ ホームページ Archived 2014年2月22日, at the Wayback Machine.
  38. ^ 丸ノ内線02系大規模改修車が営業運転を開始”. 鉄道ファン・railf.jp. 交友社 (2010年2月17日). 2020年12月25日閲覧。
  39. ^ 『鉄道ピクトリアル』2005年4月臨時増刊号「東京地下鉄特集」
  40. ^ 東京地下鉄発行「東京地下鉄道副都心線建設史」内「運転所要時分の推移」
  41. ^ 2008年3月期決算説明会 (PDF) - 京三製作所
  42. ^ a b 『鉄道ピクトリアル』2009年10月臨時増刊号 鉄道車両年鑑2009年版
  43. ^ スイッチ [@switch_ekimelo] (2012年2月1日). "丸ノ内線の発車サイン音が始まったみたいですね。後で聞きに行ってみます!". X(旧Twitter)より2021年1月29日閲覧
  44. ^ 東京メトロ「丸ノ内線」駅メロディ リニューアル!”. スイッチ (2012年3月22日). 2014年3月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月29日閲覧。
  45. ^ “(各駅停話)茗荷谷駅 発車の曲鳴らさぬ地上駅”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2018年10月15日). オリジナルの2020年5月17日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200517163244/https://www.asahi.com/articles/ASL9F3DZ1L9FUTIL00G.html 2021年1月29日閲覧。 
  46. ^ 東京メトロ 駅発車メロディー & 駅ホーム自動放送 シリーズ[東京メトロ丸ノ内線 駅発車メロディー & 駅ホーム自動放送:TECD-25597] / TEICHIKU ENTERTAINMENT”. 株式会社テイチクエンタテインメント. 2019年7月21日閲覧。
  47. ^ 東京メトロ丸ノ内線分岐線発車サイン音を制作”. 株式会社スイッチオフィシャルサイト. 株式会社スイッチ. 2020年2月27日閲覧。
  48. ^ 朝日新聞昭和29年1月20日夕刊記事
  49. ^ 中期経営計画「東京メトロプラン 2018」” (PDF). 東京地下鉄. p. 16. 2016年3月30日閲覧。
  50. ^ 2020年度(第17期)事業計画(説明資料)” (PDF). 東京地下鉄. p. 13 (2020年3月). 2020年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月1日閲覧。

報道発表資料

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  3. ^ "「営団地下鉄」から「東京メトロ」へ" (Press release). 営団地下鉄. 27 January 2004. 2006年7月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月14日閲覧
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  9. ^ "東西線地下区間の一部で初めてご利用いただけるようになります 東京メトロのトンネル内携帯電話利用可能エリアが拡大します! 丸ノ内線 霞ケ関駅〜赤坂見附駅間 東西線 日本橋駅〜西葛西駅間" (PDF) (Press release). 東京地下鉄. 21 November 2012. 2021年1月30日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2021年1月31日閲覧
  10. ^ "ますます拡大! 東京メトロのトンネル内携帯電話利用可能エリア 平成24年12月20日(木)より半蔵門線・副都心線の一部の駅間でも初めて携帯電話の利用が可能に! 丸ノ内線 池袋駅〜茗荷谷駅、東京駅〜霞ケ関駅、中野新橋駅〜方南町駅間 半蔵門線 三越前駅〜押上駅間 副都心線 雑司が谷駅〜渋谷駅間" (PDF) (Press release). 東京地下鉄. 13 December 2012. 2020年12月12日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2021年1月31日閲覧
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参考文献

関連項目

外部リンク