クリフ・リー

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クリフ・リー
Cliff Lee
フィラデルフィア・フィリーズ #33
Cliff Lee 33.jpg
フィリーズ時代(2012年)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 アーカンソー州ベントン郡
生年月日 1978年8月30日(36歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
205 lb =約93 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 投手
プロ入り 2000年 ドラフト4巡目(全体105位)でモントリオール・エクスポズから指名
初出場 2002年9月15日
年俸 $25,000,000(2014年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

クリフトン・ファイファー・"クリフ"・リーClifton Phifer "Cliff" Lee, 1978年8月30日 - )は、アメリカ合衆国アーカンソー州ベントン郡出身のプロ野球選手投手)。左投左打。MLBフィラデルフィア・フィリーズ所属。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

短大時代の1998年にドラフト20巡目でボルチモア・オリオールズに指名されたが契約せず[2]アーカンソー大学へ進学した。

エクスポズ・インディアンス時代[編集]

2000年、MLBドラフト4巡目(全体105位)でモントリオール・エクスポズに指名され契約[2]

2002年6月27日にグレイディ・サイズモアブランドン・フィリップスリー・スティーブンスと共にバートロ・コローンの交換要員としてトレードでクリーブランド・インディアンスへ移籍[2]。9月15日にメジャーデビューを果たした。初登板で初先発を任され、6回途中まで投げ、4四球を与えたものの、被安打2、自責点1に抑えるもチームが1点も援護できずに負け投手となった[3]

2003年は9試合の登板に終わったが、2004年は開幕から好調で、5月末では10試合に登板し、5勝0敗という成績を残していた[4]。しかし、6月に入ると月間防御率が5点台にまで落ち、7月と8月は月間防御率が7点台で、6月以降の23試合で被本塁打は28本[4]。最終的にはチーム最多タイの14勝でシーズンを終えたが、防御率は5.43だった。

2005年は、右打者を苦手としていたが、カット・ファスト・ボールで抑えられるようになった[5]。開幕から勝ち星を重ね、最終的にはリーグ2位の18勝と、防御率3点台を残した。勝率は.783を記録し、球団史上、1951年のボブ・フェラー以来のリーグ1位となった[6]

2006年、球団とリーは契約延長の交渉をスプリングトレーニング中から進めていたが、交渉がまとまらずに開幕を迎えた[7]。5月に6試合で1勝4敗と調子を崩したが、6月は5試合で4勝と持ち直し、最終的には2005年ほどの数字は残せなかったものの、チーム2位の14勝を記録した。8月には2007年から3年総額1400万ドル、4年目の2010年は800万ドルの球団オプションで契約延長した[7]

インデアンス時代のリー(2008年)

2007年、スプリングトレーニングで左脇腹を痛め、開幕を故障者リスト入りで迎えた[8]。5月3日にメジャー復帰を果たしたが、制球が悪く[8]、7月16日から7月26日にかけて球団史上ウェス・フェレル以来74年ぶりとなる3試合連続7自責点を記録し[9]、7月26日のレッドソックス戦では地元ファンから容赦ないブーイングを浴び[10]、翌27日にAAA級のバッファローへ降格[11]

復帰戦となった9月2日以降、リリーフとして4試合に登板してレギュラーシーズンを終えた。チームはプレーオフ進出を果たしたが、リーはロースターから外れた[6]。シーズン終了後にはトレードを噂されるようになったが、球団はリーが本調子でないことを理解しており、見返りが期待できないため放出する意向はなく残留[10]

2008年、先発投手の5番手を争う立場となった[10]のスプリングトレーニングでは速球の制球力と怪我をしないことを重点を置き、レギュラーシーズンを迎えた[6]。開幕から好調で5先発した時点での被出塁率.163は99年ぶりの低い数字で、4月は防御率0.96・5勝0敗で月間最優秀投手に選出された[12]。5月7日にかけて6回の登板全てで勝ち投手となり、6月9日にリーグで最初に10勝に到達した[6]7月15日に行われたオールスターではアリーグの先発投手を務め、2回を投げチッパー・ジョーンズの1安打、無失点に抑えた。オールスター後も勝ち星を重ね、8月には5勝0敗を記録し、2回目の月間最優秀投手に選出された。9月1日には両リーグ1番にシーズン20勝に到達し、球団史上1974年のゲイロード・ペリーの大台に到達[13]。最終的に22勝3敗・防御率2.54(共にリーグ1位)を記録し、サイ・ヤング賞カムバック賞を受賞した。

フィリーズ時代[編集]

2009年フィリーズはワールドシリーズ連覇に向け、先発投手を補強するため、ロイ・ハラデイの獲得を試みたが、交換相手で折り合いがつかず交渉は不成立に終わった[14]。その後、リー獲得に向け、ドジャースを上回るトレード要員を提示し[15]、7月29日にベン・フランシスコと共にカルロス・カラスコルー・マーソンジェイソン・ドナルドジェイソン・ナップとの交換トレードでフィラデルフィア・フィリーズへ移籍した[16]。移籍後は球団史上1980年マーティ・バイストロム以来となる最初の先発登板から5戦・5勝を記録[17]ニューヨーク・ヤンキースとのワールドシリーズでは第1戦と第5戦に登板し、いずれも勝ち投手となったが、チームは敗れて連覇は成らなかった。

2010年ワールドシリーズで登板したリー(レンジャーズ時代)

マリナーズ・レンジャーズ時代[編集]

2009年12月16日にロイ・ハラデイをはじめとする4チーム、9人の絡むトレードでシアトル・マリナーズに移籍し、契約最終年を迎えることとなった。シアトルは3人のマイナー選手を交換要員として放出した。

2010年は、開幕を腹部の故障で出遅れたものの、前半戦を8勝3敗、うち5完投、防御率は2.34と好調だった。しかしア・リーグ西地区の最下位に沈むマリナーズから7月9日にマーク・ロウと共に交換トレードで同地区首位のテキサス・レンジャーズへ放出された。 同年8月6日のオークランド・アスレチックス戦でメジャー通算100勝目を達成した。また背中の故障に見舞われ失速したが、WHIPは両リーグ1位の1.00を記録。チームのプレーオフ進出に貢献した。タンパベイ・レイズとの地区シリーズでは2度先発し、それぞれ7回無四球10奪三振1失点、9回11奪三振1失点と好投した。ニューヨーク・ヤンキースとのリーグ優勝決定シリーズでは第3戦に登板し、5回2死からホルヘ・ポサダに初ヒットを許すまでノーヒットに封じ込め、8回13奪三振無失点で勝ち投手になった。しかしワールドシリーズでは、初戦は7失点で5回持たずに降板。最終戦となった第5戦でも6回まで無失点ながら7回に先取点となる3失点を許し、負け投手となってしまった。

フィリーズ復帰[編集]

シーズン終了後、FA戦線の目玉として去就が注目されていた。友人のCC・サバシアが在籍するニューヨーク・ヤンキースが大型契約で獲得するか、レンジャーズに残留するかと思われていたが、2010年12月15日、フィラデルフィア・フィリーズが5年総額1億2000万ドルでの獲得を発表した。フィリーズの契約はヤンキースやレンジャースと比べても合計契約金や契約年数も短かったが、本人が契約した理由として「お金より気分よく幸せになれて、ワールドシリーズ優勝の可能性が一番高いチームを選んだ」と語った[18]

選手としての特徴[編集]

ダイナミックなフォームから投げ降ろされる速球(フォーシーム)は、スピードが常時90-93mph(約145-150km/h)[19]で、典型的なフライボールピッチャーだった。ストレート系の失投が本塁打になりやすいのが欠点であったのが[8]、インサイドを強気で攻める投球スタイルに変えてから、2008年はゴロで打たせるケースが増え、フライによるアウトをゴロのアウトが上回り[6]、MLBを代表する左腕投手として評価を上げた。フォーシームツーシームカッターといった速球とチェンジアップナックルカーブを投げる。

抜群の制球力の持ち主で、2010年は212回を投げて185奪三振に対し、与四球は僅かに18であった。1与四球あたりの奪三振数を示すK/BBは10.28という驚異的な数値を示した。

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2002 CLE 2 2 0 0 0 0 1 0 0 .000 44 10.1 6 0 8 1 0 6 0 1 2 2 1.74 1.36
2003 9 9 0 0 0 3 3 0 0 .500 210 52.1 41 7 20 1 2 44 3 0 28 21 3.61 1.17
2004 33 33 0 0 0 14 8 0 0 .636 802 179.0 188 30 81 1 11 161 6 0 113 108 5.43 1.50
2005 32 32 1 0 0 18 5 0 0 .783 838 202.0 194 22 52 1 0 143 4 0 91 85 3.79 1.22
2006 33 33 1 0 0 14 11 0 0 .560 882 200.2 224 29 58 3 8 129 3 0 114 98 4.40 1.41
2007 20 16 1 0 0 5 8 0 0 .385 443 97.1 112 17 36 1 7 66 5 0 73 68 6.29 1.52
2008 31 31 4 2 3 22 3 0 0 .880 891 223.1 214 12 34 1 5 170 4 0 68 63 2.54 1.11
2009 22 22 3 1 0 7 9 0 0 .438 641 152.0 165 10 33 1 3 107 6 0 53 53 3.14 1.30
PHI 12 12 3 1 2 7 4 0 0 .636 328 79.2 80 7 10 0 2 74 1 0 35 30 3.39 1.13
'09計 34 34 6 2 2 14 13 0 0 .519 969 231.2 245 17 43 1 5 181 7 0 88 83 3.22 1.24
2010 SEA 13 13 5 1 3 8 3 0 0 .727 408 103.2 92 5 6 0 0 89 2 0 31 27 2.34 0.95
TEX 15 15 2 0 2 4 6 0 0 .400 435 108.2 103 11 12 2 1 96 1 1 53 48 3.98 1.06
'10計 28 28 7 1 5 12 9 0 0 .571 843 212.1 195 16 18 2 1 185 3 1 84 75 3.18 1.00
2011 PHI 32 32 6 6 2 17 8 0 0 .680 920 232.2 197 18 42 0 6 238 0 0 66 62 2.40 1.03
2012 30 30 0 0 0 6 9 0 0 .400 847 211.0 207 26 28 0 0 207 4 0 79 74 3.16 1.11
2013 31 31 2 1 1 14 8 0 0 .636 876 222.2 193 22 32 0 4 222 1 0 77 71 2.87 1.01
通算:12年 315 311 28 12 13 139 86 0 0 .618 8565 2075.1 2016 216 452 12 49 1752 40 2 883 810 3.51 1.19
  • 2013年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

獲得タイトル・記録・表彰[編集]

タイトル・表彰[編集]

記録[編集]

  • 年度1位
    • 最高勝率:2回(2005年、2008年)
    • 最多完投:1回(2010年)
    • 最多完封:2回(2008年、2011年)
    • 最小被本塁打率:1回(2008年)
    • 最小与四球率:2回(2008年、2010年)
    • 最小WHIP:1回(2010年)
  • その他
    • シーズン奪三振/与四球:10.2778(2010年)※アメリカンリーグ記録、左投手メジャー記録[20]
    • 4先発登板連続与四球無し(2010年6月)※シアトル・マリナーズ球団記録
    • 38と1/3イニング連続与四球無し(2010年6月)※シアトル・マリナーズ球団記録
    • 月間4完投(2010年6月)※2003年9月のロイ・ハラデイ以来

その他[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Cliff Lee Contracts, Salaries, Cap Hits, & Transactions” (英語). Spotrac.com. 2014年1月4日閲覧。
  2. ^ a b c Cliff Lee Transactions” (英語). Baseball-Reference.com. 2008年11月23日閲覧。
  3. ^ September 15, 2002 Minnesota Twins at Cleveland Indians Play by Play and Box Score” (英語). Baseball Reference.com. 2008年7月23日閲覧。
  4. ^ a b Cliff Lee 2004 Pitching Splits” (英語). Baseball-reference.com. 2008年7月23日閲覧。
  5. ^ 友成那智、村上雅則 『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2006』 廣済堂出版、2006年、116頁。ISBN 978-4-331-51146-6
  6. ^ a b c d e 谷口輝世子「クリフ・リー[インディアンス] 失意からの飛翔」『スラッガー』2008年8月号、日本スポーツ企画出版社、2008年、雑誌15509-8、42 - 44頁。
  7. ^ a b ESPN.com news services (2006年8月8日). “Indians sign Lee to three-year, $14M extension” (英語). ESPN.com. 2010年3月10日閲覧。
  8. ^ a b c 友成那智、村上雅則 『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2008』 廣済堂出版、2008年、118頁。ISBN 978-4-331-51300-2
  9. ^ Withers, Tom (2007年7月27日). “Indians send struggling left-hander Cliff Lee to Triple-A Buffalo” (英語). USATODAY.com. 2008年7月23日閲覧。
  10. ^ a b c 大冨真一郎 「人物クローズアップ クリフ・リー [インディアンス] 手に入れた新境地」『メジャー・リーグ記録集計号 ザ・スタッツブック 2008』、ベースボールマガジン社、2008年、雑誌 20449-11/20、70 - 72頁。
  11. ^ Indians recall RHP Edward Mujica from AAA Buffalo; LHP Cliff Lee optioned to Buffalo” (英語). MLB.com (2007年7月27日). 2010年3月10日閲覧。
  12. ^ Briggs, David (2008年5月3日). “Lee named AL Pitcher of the Month” (英語). MLB.com. 2008年7月23日閲覧。
  13. ^ Herrick, Steve (2008年9月1日). “Dominant Lee breaks 20-win mark Shutout makes lefty first Tribe hurler to milestone since '74” (英語). MLB.com. 2008年10月22日閲覧。
  14. ^ Stark, Jayson (2009年7月26日). “Source: Phils' latest offer rebuffed” (英語). ESPN.com. 2010年3月10日閲覧。
  15. ^ 城ノ井道人 「今夏の10大トレード」 『月刊スラッガー』2009年10月号、日本スポーツ企画出版社、2009年、雑誌15509-10、52頁。
  16. ^ Zolecki, Todd (2009年7月29日). “Phillies land Lee from Tribe Defending AL Cy Young winner, Francisco join champs”. phillies.com. 2010年3月10日閲覧。
  17. ^ Associated Press (2009年8月24日). “Howard's homers provide punch as stoic Lee dominates Mets” (英語). ESPN.com. 2010年3月10日閲覧。
  18. ^ 【MLB】クリフ・リーがヤンキースを蹴った最大の理由”. Sponichi Annex (2010年12月23日). 2014年5月27日閲覧。
  19. ^ http://www.fangraphs.com/statss.aspx?playerid=1636&position=P
  20. ^ http://www.baseball-reference.com/leaders/strikeouts_per_base_on_balls_season.shtml

外部リンク[編集]