アーピス (ギリシア神話)

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アーピスギリシア語: Ἄπις、Apis)は、古代ギリシア語において「遠く離れている」ないし「梨の木の」を意味した「apios」に由来する名であり[1][2]ギリシア神話史学史の最初期の記述に登場する一人、ないし、複数の人物を指す。英語読みでは、エイピス ([ˈpɪs]) となる。

アーピスという名で言及されている人物が実際には何人だったのかは判然としていないが、特に出自に関する説明の違いから複数の人物がいたように読み取れる。他方で共通している点としては、アーピスがペロポネソス半島における初期の王であり、その名を冠した領土をもっていたこと、また、常にではないが、しばしばエジプト出身の系譜にあったとされることなどがある。以下では便宜上、様々な神話で言及される人物について、それぞれ別人物として扱う。

脚注[編集]

  1. ^ "Apis is the noun formed from apios, a Homeric adjective usually meaning ‘far off’ but, when applied to the Peloponnese (Aeschylus: Suppliants), ‘of the pear-tree’" as cited in Robert Graves' The Greek Myths
  2. ^ Robert Graves (1960). The Greek Myths. Harmondsworth, London, England: Penguin Books. pp. s.v. Endymion. ISBN 978-0143106715 
  3. ^ Pseudo-Apollodorus, Bibliotheca 2.1.1
  4. ^ Pausanias, Graeciae Descriptio 2.5.6–7
  5. ^ Aeschylus, Suppliant Women 249-70
  6. ^ Pausanias, Graeciae Descriptio 5.1.8
  7. ^ Pseudo-Apollodorus, Bibliotheca 1.7.6

参考文献[編集]

 この記事には現在パブリックドメインである次の出版物からのテキストが含まれている: Smith, William, ed. (1870). "Apis". Dictionary of Greek and Roman Biography and Mythology (英語).