宇田川優希

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宇田川 優希
オリックス・バファローズ #96
Yuki Udagawa Orix Buffaloes 20220927.jpg
2022年9月27日 京セラドーム大阪
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 埼玉県越谷市
生年月日 (1998-11-10) 1998年11月10日(24歳)
身長
体重
184 cm
94 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2020年 育成選手ドラフト3位
初出場 2022年8月3日
年俸 1700万円(2023年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム 日本の旗 日本代表
WBC 2023年

宇田川 優希(うだがわ ゆうき、1998年11月10日 - )は、埼玉県越谷市出身のプロ野球選手投手)。右投右打。オリックス・バファローズ所属。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

日本人の父親とフィリピン人の母親の間に出生[2]

小学2年生のときに兄の影響で、市内の少年野球チーム「宮本ジャイアンツ」に加入。越谷市立西中学校時代は軟式野球部に所属[3]

埼玉県立八潮南高等学校3年時の全国高等学校野球選手権埼玉大会の3回戦では、正智深谷高校相手に延長15回の末引き分け再試合に持ち込んだ[3]。なお、再試合では正智深谷に敗れた[4]。高校時代は球速143km/h程度で制球に苦しんでいた[5]

仙台大学では、1年春からベンチ入りを果たし、3年春、秋と2季連続で規定投球回に到達。特に春は、5試合(28回1/3)を投げ、2勝1敗、35奪三振、防御率0.64と抜群の安定感を誇った[6]。大学時代の球速は最速152km/h、平均球速は140km/h中盤を記録した[7]

2020年のNPBドラフト会議において、オリックス・バファローズから育成ドラフト3位で指名を受けた(チームメイトである佐野如一も育成ドラフト5位で指名)[8]。宇田川と佐野は支配下枠指名でない場合は入団を拒否して社会人野球に進むつもりである旨を、仙台大学監督の森本吉謙との相談の上で調査書に記載していた。しかし、その裏で宇田川自身、4年でやや調子を落としていたことから支配下で指名されるか不安な気持ちがあり、育成での指名があったときには安堵していたという。しかし、前述の通り入団拒否の意向を示していたため、当初の意向通りに社会人野球に進むしかないのではと困惑し、当日の記者会見では何も言えなかった[5]。そのあとに佐野と話した際、佐野がオリックス入団に強く前向きだったことや、仙台大学の先輩である佐藤優悟からオリックスの環境を教えてもらったことで自身もプロ入りを決断し[5]、指名挨拶で佐野と共に入団の意思を伝えた[9]

11月21日に入団交渉を行い、契約金300万円、年俸240万円(金額は推定)で合意し[10]、12月19日に入団発表会見が行われた[11]

オリックス時代[編集]

2021年の春季キャンプではA-C組の内、リハビリ組に相当するC組に振り分けられた[12]。開幕後はファーム交流戦や練習試合での登板が中心となり、二軍公式戦(ウエスタン・リーグ)での登板は1試合にとどまった[13]みやざきフェニックス・リーグ参加後はフォーム改造に着手した[14]

育成時代
(2022年7月2日、阪神甲子園球場にて)

2022年3月に新型コロナウイルスに感染し、10日間の隔離生活を送った間に筋肉量を大きく落としてしまう。これを機に復帰後、肉体改造に取り組んだところ、常時150km/h台中盤の球速が出るようにストレートの威力が増した[5]。7月に出場辞退者の代替選手としてフレッシュオールスターゲームに出場[15]。課題だった制球面などが改善し、同月27日までに二軍公式戦15試合の登板で防御率1.88という好成績を残すと[16]、28日、東晃平とともに支配下登録を結ぶことが発表された。背番号は96に変更された[17]。31日、黒木優太に代わって一軍に昇格した[18]。9月8日の埼玉西武ライオンズ戦、先発の椋木蓮が右肘違和感により降板となり、2番手の宇田川が緊急登板して2回2/3を無失点で抑え、プロ初勝利を挙げた[19]。当初は点差のある場面での登板が主だったが、徐々に信頼され、終盤は重要な場面も任されるようになった[20]。シーズンでは19試合に登板し、うち失点した試合は2試合のみで防御率0.81、2勝1敗3ホールドの成績を残し[21][22]、オリックスの逆転優勝の立役者となった[20]。ポストシーズンでも同様に起用され、クライマックスシリーズでは2試合無失点[21]日本シリーズでは7戦中4試合に登板し、計5回2/3を投げて10奪三振で無失点、1勝2ホールドの活躍を見せ[23][24]、表彰はされなかったもののファンや野球解説者から「影のMVP」と称された[25][26][27]。12月6日には1700万円で契約を更改した[28]

投球スタイル[編集]

最速159km/hストレートを軸に組み立てる[29]。プロ入り前から、落差の大きいフォークも武器としている[6][30][31]。プロ入り後、平野佳寿の投球を見て、これまで決め球としてしか使っていなかったフォークがカウント球としても使えることを学び[20]、更に捕手の松井雅人からの勧めでストレートに近い軌道で小さく変化するフォークを習得して、2種類のフォークを使い分けるようになった[5]

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2022 オリックス 19 0 0 0 0 2 1 0 3 .667 87 22.1 10 1 12 2 0 32 0 0 2 2 0.81 0.99
通算:1年 19 0 0 0 0 2 1 0 3 .667 87 22.1 10 1 12 2 0 32 0 0 2 2 0.81 0.99
  • 2022年度シーズン終了時

年度別守備成績[編集]



投手












2022 オリックス 19 0 3 0 0 1.000
通算 19 0 3 0 0 1.000
  • 2022年度シーズン終了時

記録[編集]

初記録

背番号[編集]

  • 013(2021年 - 2022年7月27日)
  • 96(2022年7月28日 - )

代表歴[編集]

脚注[編集]

  1. ^ オリックス - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2022年12月6日閲覧。
  2. ^ “ドラフト候補仙台大・宇田川、体重増で152キロ”. 日刊スポーツ. (2020年3月30日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202003300000072.html 2021年3月24日閲覧。 
  3. ^ a b 宇田川 優希さん(神明町)”. 越谷市 (2021年1月1日). 2021年3月20日閲覧。
  4. ^ 八潮南 | 戦歴” (日本語). 高校野球ドットコム. 2021年11月19日閲覧。
  5. ^ a b c d e 米虫紀子 (2022年10月12日). “「育成では行かないと書いていたので…」2年前のドラフトで悩んだ大卒投手がリーグ連覇に貢献するまで「オリックスに来たのは正解だった」”. Number Web. 2022年10月14日閲覧。
  6. ^ a b 仙台大・宇田川優希とは。最速152キロを誇る大型右腕【ドラフト2020】”. ベースボールチャンネル (2021年1月1日). 2021年3月20日閲覧。
  7. ^ 小山内彩希 (2022年10月14日). “【仙台六大学野球】プロ注目の仙台大・宇田川優希 11奪三振 平均球速アップ 直球で三振取れる”. スポーツ報知. https://hochi.news/articles/20200911-OHT1T50085.html?page=1 2022年10月14日閲覧。 
  8. ^ “オリックス育成指名に顔曇る 仙台大コンビW拒否も”. 日刊スポーツ. (2020年10月26日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202010260001086.html 2021年3月20日閲覧。 
  9. ^ “拒否一転…オリックス育成宇田川&佐野晴れて入団へ”. 日刊スポーツ. (2020年11月10日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202011090000517.html 2020年3月20日閲覧。 
  10. ^ “オリックスが育成3位・宇田川、5位・佐野と合意”. サンスポ SANSPO.COM (産業経済新聞社). (2020年11月21日). https://www.sanspo.com/article/20201121-TWVGXKPNCNMMFNFFISZ2NMLANU/ 2021年3月20日閲覧。 
  11. ^ 2019/12/19(土) チーム 新人選手入団発表記者会見”. オリックス・バファローズオフィシャルサイト (2020年12月19日). 2021年3月20日閲覧。
  12. ^ “オリックスの春季キャンプメンバーが発表! 新加入の能見、田城がA組スタート”. BASEBALL KING. (2021年1月28日). https://baseballking.jp/ns/261699 2021年2月1日閲覧。 
  13. ^ オリックス・宇田川優希が現状維持で更改 ファーム1試合登板に「悔しい1年」”. デイリースポーツ (2011年12月2日). 2022年4月3日閲覧。
  14. ^ “オリックス 育成・宇田川 紅白戦で最速151キロ&1回無失点3奪三振 指揮官も「いいと思います」”. Sponichi Annex. (2022年2月11日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2022/02/11/kiji/20220211s00001173642000c.html 2022年8月6日閲覧。 
  15. ^ “【フレッシュ球宴】オリックス宇田川優希が最速155キロ「自分のピッチングができて良かった」”. 日刊スポーツ. (2022年7月23日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202207230001104.html 2022年8月6日閲覧。 
  16. ^ “【オリックス】宇田川優希、東晃平の育成2投手を支配下登録へ 上限の登録70人で首位・ソフトバンク猛追”. スポーツ報知. (2022年7月27日). https://hochi.news/articles/20220726-OHT1T51236.html?page=1 2022年7月28日閲覧。 
  17. ^ “【オリックス】育成の東晃平、宇田川優希を支配下登録「ここからが本当のスタートだと思う」”. 日刊スポーツ. (2022年7月28日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202207280000639.html 2022年7月28日閲覧。 
  18. ^ 【7月31日プロ野球公示】オリックス宇田川優希と黒木優太を入れ替え、ロッテ井上晴哉が昇格、ソフトバンクは秋吉亮を登録、森唯斗を抹消”. スパイア (2022年7月31日). 2022年8月6日閲覧。
  19. ^ 【オリックス】執念8投手継投で白星つかむ 緊急登板した宇田川優希プロ初勝利” (2022年9月8日). 2022年9月9日閲覧。
  20. ^ a b c どら増田 (2022年10月5日). “オリックス逆転Vの立役者・宇田川優希 飛躍のキッカケとなった「平野さんの投球」”. BASEBALL KING. https://baseballking.jp/ns/342379 2022年11月2日閲覧。 
  21. ^ a b 喜瀬雅則 (2022年10月30日). “オリックスの「シンデレラボーイ」宇田川優希とヤクルトの「三冠王」村上宗隆から見える育成方針の違い”. 西日本スポーツ. https://www.nishinippon.co.jp/nsp/item/n/1007938/ 2022年11月2日閲覧。 
  22. ^ “好救援のオリックス宇田川優希が初勝利「ピンチでも自分のピッチングができたかな」【日本シリーズ】”. 中日スポーツ. (2022年10月26日). https://www.chunichi.co.jp/article/571114 2022年11月2日閲覧。 
  23. ^ “総力で掴み取った26年ぶり日本一 オリックスの窮地を救った「USJ」”. BASEBALL KING. (2022年10月31日). https://baseballking.jp/ns/345884 2022年11月2日閲覧。 
  24. ^ “「投」のMVPはオリックス・宇田川!「うれしく、ホッとした気持ち」4戦5回2/3を零封、圧巻の10K”. Sponichi Annex. (2022年10月31日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2022/10/31/kiji/20221031s00001173077000c.html 2022年11月2日閲覧。 
  25. ^ 鷲田康 (2022年10月31日). “《26年ぶり日本一》オリックスを支えた3人のリリーフ…”影のMVP”宇田川優希より、ある意味評価すべき39歳ベテラン「比嘉さん」の存在”. Number Web. https://number.bunshun.jp/articles/-/855182 2022年11月2日閲覧。 
  26. ^ “オリックス宇田川の表彰なしにネット疑問の声 4戦、5回2/3を無失点に「影のMVP」「何か賞を…」”. Sponichi Annex. (2022年10月30日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2022/10/30/kiji/20221030s00001173729000c.html 2022年11月2日閲覧。 
  27. ^ “岩本氏も「文句なしでMVP」と称賛 オリックスのニューヒーロー・宇田川優希”. BASEBALL KING. (2022年10月31日). https://baseballking.jp/ns/345897 2022年11月2日閲覧。 
  28. ^ 【オリックス】宇田川優希投手が守護神狙う “球団歴代3位”608%増の年俸1700万円で更改”. スポーツ報知 (2022年12月7日). 2022年12月7日閲覧。
  29. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2022年10月26日). “オリックス・宇田川優希が最速159キロで4K ヤクルト相手に剛腕ぶり発揮” (日本語). サンスポ. 2022年10月31日閲覧。
  30. ^ “仙台大・宇田川優希は落差大きいフォーク武器―今秋ドラフト注目の152キロ右腕”. スポーツ報知. (2020年5月3日). https://hochi.news/articles/20200502-OHT1T50168.html?page=1 2022年8月6日閲覧。 
  31. ^ 【3者連続K】宇田川優希『フォークの落差が素晴らしい』 - YouTube

関連項目[編集]

外部リンク[編集]