小野泰己

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小野 泰己
阪神タイガース #28
Ono(tigers).jpg
2018年5月12日 マツダスタジアム
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 福岡県北九州市
生年月日 (1994-05-30) 1994年5月30日(24歳)
身長
体重
186 cm
73 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2016年 ドラフト2位
初出場 2017年5月21日
年俸 1,800万円(2018年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

小野 泰己(おの たいき、1994年5月30日 - )は、阪神タイガースに所属する福岡県北九州市出身のプロ野球選手投手)。右投右打。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

小学1年生からソフトボールを始めると、上津役中学校への在学中には軟式野球部に所属していた。

折尾愛真高校への進学後は、1年時の秋からベンチ入りを果たすと、2年秋から事実上エースの座を確保した。しかし、在学中には春夏とも、甲子園球場の全国大会へ出場できなかった[2]。さらに、卒業後のNPB入りを志望していたため、3年秋にはNPBドラフト会議の指名に必要なプロ志望届日本学生野球協会へ提出。ただし、実際にはどの球団からも指名されなかった[3]ため、岩手県花巻市富士大学に進んだ。

富士大学では、2年時の春から公式戦に出場した。北東北大学野球リーグでは、3年の秋季リーグ戦で、登板した4試合ですべて勝利。さらに、防御率0.00で最優秀防御率のタイトルを獲得した。4年の秋季リーグ戦では、登板した5試合で全勝するとともに、防御率0.45でチームの優勝に貢献[4]。MVPと投手部門のベストナインを獲得した[5]。在学中には、リーグ戦で通算22試合に登板。12勝1敗という成績を残した。

2016年のNPBドラフト会議で、阪神タイガースから2巡目で指名[2]。契約金7,000万円、年俸1,200万円(金額は推定)という条件で入団した。担当スカウトは投手・コーチ出身の葛西稔で、入団を機に、この年限りで現役を引退した右投手の福原忍から背番号28を引き継いだ。

なお、ドラフト会議での指名直後には、富士大学のエースとして明治神宮野球大会に出場。上武大学との1回戦で7回1失点と好投したが、味方打線からの援護がないまま敗退した[6]

阪神時代[編集]

2017年には、同期入団の大山悠輔糸原健斗と共に、春季キャンプを一軍で迎えた[7]。150km/h台前半のストレートをキャンプ中に首脳陣から高く評価されたため、キャンプ終了後も一軍に帯同。先発候補の1人として、オープン戦3試合に登板した。しかし、防御率が6.55に達するなど振るわず、公式戦の開幕を二軍で迎えた[8]。同年5月21日の対東京ヤクルトスワローズ戦(神宮)で、先発投手として一軍公式戦にデビュー。自身と同じ境遇(ドラフト2位でNPB入りを果たした大卒の新人右投手)の星知弥と投げ合ったが、2本の本塁打などで4点を失った末に、5回裏の途中で交代した(小野・星とも勝敗は付かず)[9]セ・パ交流戦の期間中に先発ローテーションに定着すると、3試合の登板で交流戦の規定投球回に到達。0勝2敗ながら、全12球団の規定投球回到達投手で10位(チームでは岩貞祐太に次ぐ2位)の防御率2.75を記録した[10]7月13日フレッシュオールスターゲーム草薙球場)では、ウエスタン・リーグ選抜の先発投手として、1イニングを三者凡退に抑えた[11]。後半戦に入っても白星には遠く、8月15日の対広島東洋カープ戦(京セラドーム大阪)では、3回途中降板の末にシーズン7敗目を喫した。一軍公式戦での初登板から7連敗を喫した阪神の新人投手は、小野が初めてである[12]。しかし、8月29日の対ヤクルト戦(甲子園)では、6回2安打無失点と好投。打撃でも3回裏の第1打席で公式戦初安打を放つなどの活躍によって、一軍公式戦13試合目の登板で初勝利を挙げた[13]。レギュラーシーズンでは、オール先発で一軍公式戦15試合に登板すると、7連敗の後に2連勝でシーズンを終えた。なお、チームのレギュラーシーズン2位で臨んだクライマックスシリーズでは、ロングリリーフ要員として調整していた[14]。しかし実際には、登板機会のないまま、チームは横浜DeNAベイスターズとのファーストステージで敗退した。

2018年には、春季一軍キャンプ中の紅白戦(2月7日)からオープン戦にかけての登板試合で、29イニング連続無失点を記録[15]。このような好調を背景に、一軍公式戦の開幕から先発陣の一角に抜擢されると、4月4日の対DeNA戦(横浜スタジアム)でシーズン初登板・初先発・初勝利を記録した[16]。シーズン5試合目の登板であった5月6日の対中日ドラゴンズ戦(甲子園)では、シーズン初登板からの3連勝を達成するとともに、前年のシーズン勝利数(2勝)を上回った[17]。8月18日の対ヤクルト戦(神宮)では、シーズン2度目の3連勝を自身初の3登板試合連続勝利で達成。この試合の勝利によって7勝3敗という成績を残していた[18]が、以降の試合では勝ち星に恵まれず、4連敗でシーズンを終えた。一軍公式戦全体では、23試合の登板で、7勝7敗、防御率4.77をマーク。全ての登板試合で先発を任されたが、試合の序盤から多くの四球を出す傾向が見られたほか、勝利投手になった試合でも救援陣の好投に助けられる展開が相次いだ[17]

選手としての特徴[編集]

リーチの長さを生かしながらオーバースローで投じるストレートスライダースプリット、100km/h台のスローカーブが武器[19]。右肘を柔らかくしならせる投球フォームが岸孝之東北楽天ゴールデンイーグルス)に似ていることから、「岸二世」とも呼ばれている[20]。阪神入団後の2017年には、この年のセ・パ交流戦最終カードであった東北楽天との最終戦(6月19日・甲子園)で、岸との先発対決が初めて実現。1-0という僅差のスコアで岸に軍配が上がったものの、小野自身も7回1失点という内容で好投した[21]。その一方で、制球の安定性や、走者が塁上にいる局面での投球に課題を残す。

ストレートについては、大学時代に、北関東大学野球のリーグ戦で最速152km/hを計測[22]。阪神への入団直後には、先輩の右投手・藤川球児のように、低めから浮き上がって見える球質のストレートを投げることを目標に挙げている[23]。プロ入り後の最速は154km/h[24]

阪神1年目の春季キャンプでは、一軍監督の金本知憲が「ドラフト1位(で指名する)以上の価値がある」[25]「将来は大エースになるんじゃないか」という表現で小野を高く評価[26]。小野の投球を視察した野球解説者(投手出身の山本昌など)からも、ストレートの球質を絶賛された[22]

人物[編集]

「泰己(たいき)」という名前を付けたのは競馬好きの実父で、競走馬タイキブリザードにちなんでいるという[27]

高校時代に倉野信次(地元球団・福岡ソフトバンクホークスの投手コーチ)のサインをもらって感動したことから、自身も阪神への入団後は、キャンプ期間中でも足を止めてなるべく多くのファンにサインを書くことを心掛けているという。

小野が入学した当時の富士大学には、3学年上に山川穂高、2学年上に外崎修汰、1学年上に多和田真三郎(いずれも卒業後に埼玉西武ライオンズへ入団)がいた。小野自身は、富士大学への進学を決めた理由の一つとして、多和田が明治神宮野球大会でノーヒットノーランを達成した試合を高校3年次にテレビ中継で見たことを挙げている[28]

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2017 阪神 15 15 0 0 0 2 7 0 0 .222 343 78.2 78 6 40 0 5 63 4 0 38 38 4.35 1.50
NPB:1年 15 15 0 0 0 2 7 0 0 .222 343 78.2 78 6 40 0 5 63 4 0 38 38 4.35 1.50
  • 2017年度シーズン終了時

年度別守備成績[編集]



投手












2017 阪神 15 10 15 0 1 1.000
通算 15 10 15 0 1 1.000
  • 2017年度シーズン終了時

記録[編集]

投手記録
打撃記録
  • 初打席:2017年5月21日、対東京ヤクルトスワローズ9回戦(明治神宮野球場)、3回表に星知弥から空振り三振
  • 初安打:2017年8月29日、対東京ヤクルトスワローズ22回戦(阪神甲子園球場)、3回裏に石川雅規から左前安打
  • 初打点:2018年8月18日、対東京ヤクルトスワローズ15回戦(明治神宮野球場)、4回表にマット・カラシティーから一塁ゴロの間に記録

背番号[編集]

  • 28 (2017年 - )

登場曲[編集]

出典[編集]

  1. ^ 阪神 - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2018年6月16日閲覧。
  2. ^ a b 阪神ドラ2小野が仮契約 高山斬りで1軍アピール 日刊スポーツ 2016年12月5日閲覧
  3. ^ 阪神2位小野、高校時代憧れ本拠甲子園「うれしい」 日刊スポーツ 2016年12月5日閲覧
  4. ^ 阪神ドラ2小野、142球完投で神宮大会出場決めた!最速149キロ10K デイリースポーツ 2016年12月5日閲覧
  5. ^ 阪神2位指名の富士大・小野、新人王獲り宣言「甲子園は憧れ」/ドラフト サンケイスポーツ 2016年12月5日閲覧
  6. ^ 阪神ドラ2の富士大・小野、7回1失点の好投も…援護なく初戦敗退 デイリースポーツ 2016年12月5日閲覧
  7. ^ 2017年春季一軍キャンプメンバーについて阪神タイガース 2017年2月20日閲覧
  8. ^ 阪神ドラ2小野二軍落ち「はい上がって一軍を」日刊スポーツ 2017年3月25日閲覧
  9. ^ 阪神ドラフト2位小野ほろ苦初登板4失点…まだまだ力不足日刊スポーツ 2017年5月21日閲覧
  10. ^ 2017年交流戦 個人投手成績(規定投球回以上)NPB日本野球機構 2017年6月21日閲覧
  11. ^ 2017年度フレッシュオールスター・ゲーム 試合結果NPB日本野球機構 2017年7月14日閲覧
  12. ^ 阪神・小野、球団ワースト51年ぶり更新 新人投手開幕7連敗スポーツニッポン 2017年8月15日閲覧
  13. ^ a b 阪神・小野“13度目の正直”でプロ初勝利、鳥谷V打 2000安打あと9スポーツニッポン 2017年8月29日閲覧
  14. ^ 阪神小野CSではリリーフ待機 金村投手コーチ示唆日刊スポーツ 2017年11月8日閲覧
  15. ^ 阪神・小野“ミスターゼロ”がいざ出陣「勝てる投球したい」スポーツニッポン 2018年11月17日閲覧
  16. ^ 昨季7連敗の阪神小野初勝利、監督に50歳1勝贈る日刊スポーツ 2018年11月17日閲覧
  17. ^ a b 阪神・小野 モヤモヤ3連勝 自己最多星も課題…2戦連続の7四球スポーツニッポン 2018年11月17日閲覧
  18. ^ 阪神・小野“V撃”7勝 高難度のサインプレーで値千金初打点スポーツニッポン 2018年11月17日閲覧
  19. ^ 富士大・小野リーグ終了後プロ志望届 多和田に続く 日刊スポーツ 2016年12月5日閲覧
  20. ^ 【阪神】ドラ2小野に金本監督が石田純一がウットリ…ブルペンで19球「球質は球児」 スポーツ報知 2017年3月16日閲覧
  21. ^ “岸2世”阪神ドラフト2位小野 本家と堂々投げ合い 金本監督「次回ももちろん」 スポーツニッポン 2017年6月19日閲覧
  22. ^ a b レジェンド山本昌が選ぶ沖縄キャンプ新戦力ナンバーワンは? THE PAGE日刊スポーツ 2017年2月6日閲覧
  23. ^ 阪神小野、球児並み 金本絶賛「ドラ1以上の価値」(1) 日刊スポーツ 2017年3月2日閲覧
  24. ^ https://www.nikkansports.com/baseball/news/201805260000823.html
  25. ^ 阪神小野、球児並み 金本絶賛「ドラ1以上の価値」(2) 日刊スポーツ 2017年3月2日閲覧
  26. ^ 阪神2位小野1回完全デビュー「将来的に大エース」 日刊スポーツ 2017年2月23日閲覧
  27. ^ 阪神2位小野は「泰己ブリザード」競馬好き父が命名 日刊スポーツ 2017年1月12日
  28. ^ 精度次第で大化け間違いなしの長身本格派・小野泰己(阪神) VICTORY 2018年8月10日閲覧

関連項目[編集]

外部リンク[編集]