コンテンツにスキップ

宜保翔

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
宜保 翔
オリックス・バファローズ #53
2023年5月5日 京セラドーム大阪
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 沖縄県豊見城市
生年月日 (2000-11-26) 2000年11月26日(23歳)
身長
体重
176 cm
75 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 二塁手遊撃手
プロ入り 2018年 ドラフト5位
初出場 2019年9月6日
年俸 1800万円(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

宜保 翔(ぎぼ しょう、2000年11月26日 - )は、沖縄県豊見城市出身[2]プロ野球選手内野手)。右投左打。オリックス・バファローズ所属。

兄の宜保優も野球選手であり[3]くふうハヤテベンチャーズ静岡に所属している[4]

経歴

[編集]

プロ入り前

[編集]

沖縄県立豊見城高等学校の学生時代にバレーボール部の選手として活躍した実父と、同部の部員時代に沖縄県代表として国民体育大会へ出場した実母の間に出生[5]。豊見城市立とよみ小学校の2年時に、根差部ベースナインで軟式野球を始めた[5][6]長嶺中学校時代には、野球部で遊撃手投手に起用される一方で、生徒会長を務めた[5]

中学校からの卒業後に、KBC学園未来高等学校沖縄総合学科スポーツコース(野球専攻)へ進学。硬式野球部では、2年時の秋から4番打者を任された[6]。レギュラーに定着してからの背番号は6で、主に遊撃を守っていたが、投手として試合に登板することもあった。3年生だった2018年春の沖縄県大会では、興南高校との決勝戦に投手として先発。興南打線を完封したことによって、創部4年目の母校を県大会初優勝に導いた[5][6][7]

未来沖縄高校在学中は甲子園球場での全国大会と無縁であったが、「走・攻・守揃った二刀流選手」としてNPB球団のスカウトから注目。3年生時には、5球団から調査書が届けられるほど高く評価されていた[5]

2018年ドラフト会議では、内野手としてオリックス・バファローズから5位指名を受け[8]、契約金3500万円、年俸500万円(金額は推定)という条件で入団した。背番号は53[9]。未来沖縄高校の出身者では初のプロ野球選手となった。

オリックス時代

[編集]

2019年は、ウエスタン・リーグ公式戦へ100試合以上出場。大城滉二安達了一の相次ぐ離脱で一軍の遊撃手が不足したチーム事情を背景に、シーズン終盤の9月6日には、札幌ドームの対北海道日本ハムファイターズ戦で「8番・遊撃手」としてスタメンで一軍公式戦へのデビューを果たした[10]。9月7日の同カード7回表の第2打席では、堀瑞輝から放った二遊間へのゴロが、内野安打と判定。判定通りであればこの一打が一軍公式戦での初安打になっていたが、日本ハム監督・栗山英樹からのリクエストによるリプレー検証の結果、判定は二塁へのゴロに変更された[11]。この打席を最後に、9月11日付で出場選手登録をいったん抹消[12]。自身の抹消後に安達が一軍公式戦中のアクシデントで脳震盪に見舞われたことから、NPBの定める脳震盪登録抹消特例措置によって、9月23日に再び登録された。同日の対福岡ソフトバンクホークス戦(京セラドーム大阪)に、「8番・遊撃手」としてスタメンへ再び起用。3回裏の第1打席で高橋礼から二塁打を放ったが、二塁から三塁へ走り込んだところ、三塁塁審の梅木謙一からタッチアウトを宣告された。この判定に対して、オリックス監督の西村徳文は、栗山と同様にリクエストを要求。判定自体は覆らなかったものの、一連のプレーが「二塁打と走塁死」とみなされたため、一軍公式戦での初安打が正式に記録された[13]

2020年は、オープン戦で打率.344と好成績を残し開幕一軍入りを期待されていたが、新型コロナウィルス感染拡大により開幕が遅れていた5月17日の練習中に右手首付近の違和感を訴え、大阪市内の病院で右手有鈎骨疲労骨折と診断され開幕を一軍で迎えられなかった[14]。5月21日に有鈎骨の摘出手術を受けた[15]。その後、リハビリや二軍調整を経て9月20日に一軍に昇格し、同日の埼玉西武ライオンズ戦で「2番・遊撃手」で先発出場。2打席目の3回に松本航から左中間適時二塁打を放ち、プロ初打点を記録した[16]。最終的に一軍の試合には10試合に出場し、打率.118。二軍では41試合に出場し、打率.218という成績だった。

2021年は、7月15日に開催されたフレッシュオールスターに出場した[17]。一軍では前年を上回る33試合に出場したが、打率.160と結果が残せず、一軍定着とはならなかった[18]。二軍では63試合に出場し打率.225の成績だった。

2022年は、一軍では23試合に出場し打率.172、二軍では45試合に出場し打率.265の成績だった。

2023年は、キャンプから一軍定着のアピールを続け、8月2日の楽天ゴールデンイーグルス戦(京セラ)では、2つの適時打を含む猛打賞を記録し、9回にサヨナラ打を決めた茶野篤政と共に初めてのお立ち台に上がった[19]。自己最多の62試合に出場し、先発出場も41試合で、二塁手としてもチームで一番多く守備につき出番を増やした[20][21]

2024年は3月3日のDeNAとのオープン戦で8回表の遊撃守備の際、二塁塁審の白井一行と交錯し転倒[22]。19日に受診したところ、右肩関節前方インピンジメント症候群と診断された[23]。結局、開幕一軍は逃すこととなった。5月3日に初昇格し、22試合に出場して打率.250、0本塁打、0打点という成績を残していたが、6月12日の阪神戦の試合前練習に右肩を痛め、登録抹消された[24]。これ以降公式戦に出場することはなく、10月3日に育成再契約を前提とした戦力外通告を受けた[25][26]

選手としての特徴

[編集]

高校時代に投手としてストレートで最速147km/hを計測し、遠投で116mを記録するほど地肩が強い[2][5]。足も速く、手動計測ながら、本塁から一塁までの到達タイムで最速3秒8を記録。沖縄県の高校野球部対抗の競技大会では、立ち三段跳の部で、2年時から2年連続優勝を果たした。ちなみに、小学生の低学年時には、ヒップホップダンスを学んでいたという[5]

詳細情報

[編集]

年度別打撃成績

[編集]
















































O
P
S
2019 オリックス 8 28 26 0 6 1 0 0 7 0 0 0 0 0 2 0 0 7 0 .231 .286 .269 .555
2020 10 18 17 0 2 1 0 0 3 2 0 0 1 0 0 0 0 7 0 .118 .118 .176 .294
2021 33 28 25 4 4 2 0 0 6 1 0 0 1 0 1 0 1 7 1 .160 .222 .240 .462
2022 23 34 29 0 5 1 0 0 6 2 0 0 3 1 1 0 0 3 0 .172 .194 .207 .400
2023 62 162 147 14 41 5 0 0 46 9 1 2 7 1 6 0 1 25 4 .279 .310 .313 .623
通算:5年 136 270 244 18 58 10 0 0 68 14 1 2 12 2 10 0 2 49 5 .238 .271 .279 .550
  • 2023年度シーズン終了時

年度別守備成績

[編集]


二塁 遊撃
























2019 オリックス 1 0 5 0 1 1.000 8 12 27 2 6 .951
2020 8 11 8 0 1 1.000 2 2 8 1 1 .909
2021 21 19 29 0 5 1.000 7 1 2 0 0 1.000
2022 16 10 33 1 2 .977 3 1 4 0 1 1.000
2023 54 79 110 6 16 .969 7 6 12 0 0 1.000
通算 100 119 185 7 25 .977 27 22 53 3 8 .962
  • 2023年度シーズン終了時

記録

[編集]
初記録

背番号

[編集]
  • 53(2019年 - )

登場曲

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ オリックス - 契約更改 - プロ野球」『日刊スポーツ』。2023年11月29日閲覧
  2. ^ a b 背番号は53 宜保翔オリックス入団合意 「挑戦」誓う」『琉球新報』2018年11月28日。2019年4月4日閲覧
  3. ^ 九共大・宜保優が1イニング5打点 オリックス宜保翔の兄」『Sponichi Annex』2021年9月26日。2023年12月7日閲覧
  4. ^ "ハヤテ223新球団 新入団選手のお知らせ" (PDF) (Press release). ハヤテ223株式会社. 7 December 2023. 2023年12月7日閲覧
  5. ^ a b c d e f g 未来沖縄・宜保 走・投・打・頭の四拍子そろった“沖縄の根尾”」『スポーツニッポン』2018年10月23日。2019年4月4日閲覧
  6. ^ a b c オリックス・バファローズ 宜保翔」『週刊ベースボールONLINE』。2019年4月4日閲覧
  7. ^ 宜保翔選手はオリックス5位指名 KBC未来沖縄 プロ野球ドラフト2018」『沖縄タイムス』2018年10月25日。2019年4月4日閲覧
  8. ^ 2018年度ドラフト会議 契約交渉権獲得選手」『オリックス・バファローズ』2018年10月25日。2019年4月4日閲覧
  9. ^ オリックス5位宜保が仮契約、トリプル3で顔になる」『日刊スポーツ』2019年11月27日。2019年4月4日閲覧
  10. ^ オリックス宜保デビュー戦 無安打に「力んだかな」」『日刊スポーツ』2019年9月6日。2019年9月23日閲覧
  11. ^ オリックス・宜保 まさかの“プロ初安打”取り消し リクエストで判定覆る」『スポーツニッポン』2019年9月7日。2019年9月24日閲覧
  12. ^ 【オリックス】ドラフト5位・宜保が登録抹消「いい経験になった」」『スポーツ報知』2019年9月11日。2019年9月23日閲覧
  13. ^ オリ ドラ5宜保“うれしい?”プロ初安打「二塁打と走塁死」」『スポーツニッポン』2019年9月23日。2019年9月23日閲覧
  14. ^ オリックス宜保が離脱、右手有鉤骨疲労骨折で手術へ」『日刊スポーツ』2020年5月18日。2023年7月30日閲覧
  15. ^ オリックス宜保が右手有鉤骨摘出手術受けリハビリへ」『日刊スポーツ』2020年5月22日。2023年7月30日閲覧
  16. ^ 【オリックス】19歳の宜保翔が適時二塁打で追加点「単純にうれしい」」『スポーツ報知』2020年9月20日。2023年7月30日閲覧
  17. ^ 【オリックス】来田涼斗、本田仁海、太田椋、宜保翔がフレッシュ球宴出場」『スポーツ報知』2021年6月24日。2024年3月21日閲覧
  18. ^ オリックス・宜保「同じことで勝負したら勝てない」 紅林や太田ら同年代内野手に足で挑む」『スポニチアネックス』2021年12月1日。2024年3月21日閲覧
  19. ^ バファローズ・宜保翔選手・茶野篤政選手ヒーローインタビュー 8月2日 オリックス・バファローズ 対 東北楽天ゴールデンイーグルス」『パリーグ.com』2023年8月2日。2024年3月23日閲覧
  20. ^ 【オリックス】宜保翔は倍増1800万円「もっとやれた。勝敗に絡む仕事を」41試合先発も課題」『日刊スポーツ』2023年11月28日。2024年3月23日閲覧
  21. ^ 【オリックス】宜保翔が倍増の1800万円でサイン「頑張って試合に出られるように」来季は地元・沖縄で公式戦」『スポーツ報知』2023年11月28日。2024年3月23日閲覧
  22. ^ 【珍プレー】オリックス宜保翔がボールを避けようとした白井一行塁審と激突 2人ともうずくまる」『日刊スポーツ』2024年3月3日。2024年10月5日閲覧
  23. ^ 大池和幸「【オリックス】右肩に痛みを訴えていた宜保翔が右肩関節前方インピンジメント症候群と診断」『日刊スポーツ』2024年3月20日。2024年10月3日閲覧
  24. ^ 【オリックス】宜保翔が右肩痛で登録抹消…貴重なバイプレーヤーが離脱へ」『スポーツ報知』2024年6月12日。2024年10月3日閲覧
  25. ^ 来季の選手契約について」『オリックス・バファローズ』2024年10月3日。2024年10月3日閲覧
  26. ^ 【オリックス】育成打診の宜保翔「そんなにマイナスに考えないでいこうと」8選手に戦力外通告」『日刊スポーツ』2024年10月4日。2024年10月5日閲覧

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]