完全試合
完全試合(かんぜんじあい、かんぜんしあい)とは、野球やソフトボールの試合における記録のひとつで、相手チームの打者を一度も出塁させずに勝利することである[† 1]。パーフェクトゲーム(英: perfect game[† 2])やパーフェクト(西: perfecto[1][2][† 3][† 4])とも呼ばれる。
少なくとも野球(高校生以上)では9イニング27人、ソフトボールでは7イニング21人の打者を全て凡退させて、その時点で勝利する必要がある。安打はもちろんのこと、四死球や失策なども許されない。延長戦[† 5]に突入した場合は、試合に勝つまで継続して走者を出さないことが達成条件となる。コールドゲームによる勝利や、完全を継続したまま引き分けた場合は公式の記録とは認められず、参考記録として扱われる。四死球や失策などで出塁を許しながらも無安打無失点に抑えた場合はノーヒットノーラン、安打で出塁を許しても一人も生還させなかった場合は完封となる。
本項目では、主に野球で達成された完全試合について述べる。
メジャーリーグベースボール
メジャーリーグベースボール(MLB)は、完全試合を以下のように定義している。
An official perfect game occurs when a pitcher (or pitchers) retires each batter on the opposing team during the entire course of a game, which consists of at least nine innings. In a perfect game, no batter reaches any base during the course of the game.
(公式な完全試合は、9イニング以上の試合を通して一人(あるいは複数)の投手が、相手チームの打者を凡退させ続けることで認められる。完全試合においては、試合の開始から終了まで打者は一人も出塁できない。) — MLB Miscellany: Rules, regulations and statistics, MLB.com
この条件を満たした完全試合は19世紀に2度、20世紀に14度、21世紀に7度の計23度が記録されている。1876年に最初のメジャーリーグとしてナショナルリーグが創設されて以来137シーズンで23度ということは、単純計算では6年ほどに一度の割合ということになる。ただし1980年代に入ってからは、それ以前より達成頻度が上がっている[3]。1922年にチャーリー・ロバートソンが達成してから30年以上完全試合が出なかった時期がある一方で、2009年から2012年にかけての4年間で6度も達成されたこともある。特に2012年には1年で3度の完全試合があり、これは史上最多である。完全試合数が達成されやすくなってきている原因としては、三振数が増加傾向にあるため打球がインプレイになりにくくなり、守備のミスによる出塁の機会が減っていることや、1961年以降のエクスパンションによって球団数が16から30まで増えたことで試合数も増加する一方、優れた実力を持つ選手が1球団に集中しにくくなったことなどが挙げられる[4]。
上記の定義のとおり継投による完全試合も認められるが、これまでMLBで達成されたものはいずれも一人の投手によるものであり、継投によるものはない。達成者の顔ぶれを見ても、アメリカ野球殿堂入りした投手もいれば、通算勝利数が50に満たないうえに負け越している投手もいて、彼らの実績は一定していない[3]。2010年にはニュージャージー工科大学准教授のBruce Bukietが数理モデルを用いた分析をしており、その結果によれば通算311勝で殿堂入りのトム・シーバーは完全試合達成の可能性が史上7番目に高かったというが、シーバーも彼より上の6投手も実際には達成できていない[4]。史上唯一となるポストシーズンでの完全試合を1956年のワールドシリーズ第5戦で成し遂げたドン・ラーセンも、殿堂入りはおろかオールスター選出経験すら一度もない投手である[5]。また、同じ投手が複数回達成したこともない。審判員ではテッド・バレットが、完全試合での球審を2度(1999年のデビッド・コーンによるものと、2012年のマット・ケインによるもの)務めたことがある[6]。捕手ではロン・ハシーが、1981年にインディアンズでレン・バーカーの完全試合[7]、1991年にエクスポズでデニス・マルティネスの完全試合[8]の双方に先発捕手として立ち会っており、2度の完全試合達成に関わった唯一の捕手となっている。
2010年に完全試合を成し遂げたダラス・ブレイデンは、自分の前に達成したマーク・バーリーから「これがしきたりかどうかは分からないんだけど、ようこそ(完全試合)クラブへ」と祝福の電話をもらったという[9]。
その他
さまざまな理由で完全試合を逃した例がある。
- 一度は完全試合として認定されながら後に取り消された例
以前は完全試合として認められていながら、条件を満たしていなかったとして後に認定取り消しになった事例が2つある。
- 1917年6月23日のボストン・レッドソックスとワシントン・セネターズとの試合で、レッドソックスの先発投手ベーブ・ルースがセネターズの先頭打者レイ・モーガンを与四球で出塁させたあと、判定への不満から球審に抗議して退場処分となった。その後、2番手として登板したアーニー・ショアが、モーガンの盗塁死のあと試合終了まで26打者を全て凡退させた。これは当初はショアによる完全試合と認定されていたが、1991年にルースとショアの継投によるノーヒットノーランに訂正された[10]。
- 1959年5月26日のピッツバーグ・パイレーツとミルウォーキー・ブレーブスとの試合で、パイレーツの先発投手ハービー・ハディックスはブレーブス打線を9回終了まで完全に抑えたものの、味方打線も無得点だったためそのまま延長戦に入った。ハディックスはその後も後続を完全に抑え続け、延長12回終了まで36打者を連続して凡退させたが、延長13回に先頭打者フェリックス・マンティーヤを三塁手 ドン・ホークの送球エラーで出塁させ、この回でサヨナラ負けを喫した。この試合は当初、最初の9イニングを完全に抑えたため完全試合と認定されていたが、完全試合の要件が変更された1991年に取り消された[11]。
- 9回終了まで完全に抑えながら延長で完全試合を逃した例
達成日 | 投手 | 所属 | スコア | 対戦相手 | 球場 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1959年 | 5月26日ハービー・ハディックス | ピッツバーグ・パイレーツ | 0-1 | ミルウォーキー・ブレーブス | ミルウォーキー・カウンティ・スタジアム | 詳細は上記 |
1995年 | 6月 3日ペドロ・マルティネス | モントリオール・エクスポズ | 1-0 | サンディエゴ・パドレス | ジャック・マーフィー・スタジアム | 10回無死からビップ・ロバーツに初安打 |
- 9回2死まで完全に抑えながら完全試合を逃した例
- 短縮試合[12]により参考記録とされている例
達成日 | 投手 | 所属 | スコア | 対戦相手 | 中断回 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1907年 | 8月 11日エド・カルガー | セントルイス・カージナルス | 4-0 | ボストン・ドーブス | 7 | ダブルヘッダー第2戦が7回で終了した事による。 当時、試合会場のロビソン・フィールドに照明施設が無かったため、 第2戦は7回で終了する事が事前に両チームにより申し合わせられていた。 なお、カルガーはダブルヘッダー第1戦にも先発し、12-0で完投勝利[13]。 |
1907年 | 10月 5日ルーベ・ビッカース | フィラデルフィア・アスレチックス | 4-0 | ワシントン・セネタース | 5 | ダブルヘッダー第2戦が日没により終了した事による。 なお、ビッカースはダブルヘッダー第1戦にも4番手で継投、 延長15回のうち12回を投げ切って4-2で勝ち投手となる[14]。 |
1967年 | 8月 6日ディーン・チャンス | ミネソタ・ツインズ | 2-0 | ボストン・レッドソックス | 5 | レインアウトによる試合終了。 この年のチャンスは8月25日のインディアンス戦でもノーヒッターを記録、 レッドソックス監督のディック・ウィリアムズをして、「雨天終了でなければ、 チャンスは完全試合を達成していただろう」と言わしめた[15]。 |
1984年 | 4月 21日デヴィッド・パーマー | モントリオール・エクスポズ | 4-0 | セントルイス・カージナルス | 5 | ダブルヘッダー第2戦のレインアウトによる試合終了。 パーマーは肘の故障により82年以降勝ち星から遠ざかっており、 これが2年ぶりの勝利であった[16]。 |
学生野球での事例
アメリカの学生野球では次のような記録が残されている。
- 2006年5月19日 - ハイランド・パーク高校対ノース・ウェスト高校戦 - ハイランド・パーク高校のクレイトン・カーショウが、ノース・ウェスト高校の先頭打者から15人を連続三振に討ち取り、5回終了時点で13-0であった為、マーシー・ルールの適用で5回コールドとなった。マーシー・ルールの下での完全試合は参考記録となるが、カーショウの記録は全米史上初の全打者を三振とする形での完全試合であった事が特筆される[17]。
- 2016年5月12日 - セント・エドワード高校対ジョン・マーシャル高校戦 - セント・エドワード高校のジャレット・エドワーズがジョン・マーシャル高校の先頭打者から15人を連続三振に討ち取り、5回終了時点で10-0であった為、マーシー・ルールの適用で5回コールドとなった[18]。マーシー・ルールの下での記録の為公式には参考記録となるが、オハイオ州はエドワーズの事績を公式記録として認定した[19]。
- 2017年4月11日 - チャタヌーガ・クリスチャン校対ノートルダム高校戦 - チャタヌーガ・クリスチャン校のマシュー・マーサーにより達成。10-0でマーシー・ルールの適用で5回コールドとなる。なお、マーサーは同年4月4日のブレッドソー郡立高校戦でも14-0のスコアで5回コールドでの完全試合を達成しており、2試合連続でマーシー・ルール下の完全試合を達成するという偉業を成し遂げた[20]。
- 1957年8月23日 - 1957年のリトルリーグ・ワールドシリーズ決勝戦 ヌエボ・レオン州モンテレイ(メキシコ)対カリフォルニア州ラ・メーサ戦 - モンテレイの両投げ投手であるエンジェル・マシアス[21]が、ラ・メーサの全18人の打者の内11人を三振に討ち取り達成[22]。リトルリーグ・ワールドシリーズで唯一の完全試合となっている[23][22]。モンテレイの勝利はリトルリーグ・ワールドシリーズで米国外のチームが優勝した初の事例であり、脚本家のW・ウィリアム・ウィノカーは「この事績の衝撃は、1980年レークプラシッドオリンピックのアイスホッケー競技にて米国チームがソ連チームを打ち破った事績(氷上の奇跡)を上回っていた」として、2008年の映画『ザ・パーフェクトゲーム』の脚本を執筆した[23]。マシアスはその後野手に転向し、1962年から1974年に掛けてカリフォルニアリーグやメキシカンリーグ等でプロ選手として活動[21]。1969年にはレイノサ・ブロンコスの優勝に貢献[24]し、引退後はメキシコのアマチュア野球で指導者として活動した[22]。
日本野球
プロ野球
チーム名・球場名は達成当時のもの。
達成日 | 投手 | 所属 | スコア | 対戦相手 | 球場 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1950年 | 6月28日藤本英雄 | 巨人 | 4-0 | 西日本 | 青森市営野球場 | NPB史上最年長記録(32歳1ヶ月)、かつプロ野球史上初(セリーグ初、昭和初、20世紀初、大正生まれ初) |
1955年 | 6月19日武智文雄 | 近鉄 | 1-0 | 大映 | 大阪球場 | 同年8月30日の大映戦でも9回1死までパーフェクトに抑えている。パリーグ初の完全試合。 |
1956年 | 9月19日宮地惟友 | 国鉄 | 6-0 | 広島 | 石川県営兼六園野球場 | 最小投球数(79球)、昭和生まれ初の完全試合 |
1957年 | 8月21日金田正一 | 国鉄 | 1-0 | 中日 | 中日球場 |
|
1958年 | 7月19日西村貞朗 | 西鉄 | 1-0 | 東映 | 駒澤野球場 | |
1960年 | 8月11日島田源太郎 | 大洋 | 1-0 | 阪神 | 川崎球場 | NPB史上最年少記録(20歳11ヶ月) |
1961年 | 6月20日森滝義巳 | 国鉄 | 1-0 | 中日 | 後楽園球場 | |
1966年 | 5月 1日佐々木吉郎 | 大洋 | 1-0 | 広島 | 広島市民球場 | 元々はアテ馬で1回終了時点で交代の予定だった |
1966年 | 5月12日田中勉 | 西鉄 | 2-0 | 南海 | 大阪球場 | 1シーズン2人目の達成を果たした唯一の例 |
1968年 | 9月14日外木場義郎 | 広島 | 2-0 | 大洋 | 広島市民球場 | セ・リーグタイ記録となる1試合16奪三振も記録 |
1970年10月 | 6日佐々木宏一郎 | 近鉄 | 3-0 | 南海 | 大阪球場 | 大阪球場でのプロ野球の完全試合は3度目(最多) |
1971年 | 8月21日高橋善正 | 東映 | 4-0 | 西鉄 | 後楽園球場 | |
1973年10月10日 | 八木沢荘六 | ロッテ | 1-0 | 太平洋 | 宮城球場 | カウントが「3ボール」までいかなかった唯一のケース |
1978年 | 8月31日今井雄太郎 | 阪急[25] | 5-0 | ロッテ | 宮城球場 | |
1994年 | 5月18日槙原寛己 | 巨人[25] | 6-0 | 広島 | 福岡ドーム |
備考
- ファウルフライ落球による失策を含む試合を完全試合とするかどうかについて、日本において完全試合はチームの記録ではなく「投手の記録」であると考えている面もあり、日本プロ野球のルール上では曖昧になっているが、1981年のセ・パ記録部申し合わせ事項でファウルフライの失策があっても完全試合は成立することが確認されている。メジャーリーグでは「チームの記録」との側面もあり、失策が記録されれば完全試合とは見なされなかったが、1991年以降は定義が緩和されて完全試合として認められている。
参考
さまざまな理由で完全試合を逃した例がある。
- 無四死球のノーヒットノーラン達成ながら失策で完全試合を逃した例
年月日 | 投手 | 所属 | スコア | 対戦相手 | 球場 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1948年 | 9月 6日真田重男 | 大陽 | 3-0 | 阪神 | 阪神甲子園球場 | 2回に遊撃手・松本和雄が失策 |
2006年 | 9月16日山本昌 | 中日 | 3-0 | 阪神 | ナゴヤドーム | 4回に三塁手・森野将彦が失策[26] |
- 9回終了まで完全に抑えながら延長で完全試合を逃した例
年月日 | 投手 | 所属 | スコア | 対戦相手 | 球場 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
2005年 | 8月27日西口文也 | 西武 | 1-0 | 楽天 | 西武ドーム | 10回無死から沖原佳典に初安打[25] |
- 9回2死まで完全に抑えながら完全試合を逃した例
年月日 | 投手 | 所属 | スコア | 対戦相手 | 球場 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1950年 | 3月15日田宮謙次郎 | 阪神 | 7-0 | 国鉄 | 倉敷市営球場 | 中村栄に初安打 |
1952年 | 6月15日別所毅彦 | 巨人 | 9-0 | 松竹 | 大阪球場 | 神崎安隆に初安打(神崎はプロ通算1安打) |
1962年 | 7月12日村田元一 | 国鉄 | 1-0 | 阪神 | 後楽園球場 | 西山和良に初安打 |
2012年 | 5月30日杉内俊哉 | 巨人 | 2-0 | 楽天 | 東京ドーム | 中島俊哉に2ストライクから初四球 ノーヒットノーランは達成[27] |
- 初回先頭打者に出塁を許し、その後を完全に抑えた例
年月日 | 投手 | 所属 | スコア | 対戦相手 | 球場 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1956年 | 6月 6日小山正明 | 阪神 | 2-0 | 大洋 | 阪神甲子園球場 | 沖山光利に安打 |
1957年 | 7月 6日稲尾和久 | 西鉄 | 2-1 | 阪急 | 平和台球場 | ロベルト・バルボンに本塁打 |
1981年 | 4月11日定岡正二 | 巨人 | 1-0 | 阪神 | 阪神甲子園球場 | 北村照文に二塁打 |
- コールドゲームにより参考記録とされている例[28]
年月日 | 投手 | 所属 | スコア | 対戦相手 | 球場 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1970年 | 9月15日金田留広 | 東映 | 2-0 | ロッテ | 後楽園球場 | 雨天コールドによる試合終了[29]。 |
二軍
日本プロ野球の二軍(イースタン・リーグ、ウエスタン・リーグ)では、4度記録されている[30]。
年月日 | 投手 | 所属 | スコア | 対戦相手 | 球場 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1962年 | 5月27日山崎正之 | 巨人 | 1-0 | 大洋 | 銚子市野球場 | ノーヒットノーラン含めて二軍両リーグ公式戦史上初の無安打無得点試合 |
1967年 | 5月10日鵜狩道夫 | 広島 | 6-0 | 近鉄 | 広島市民球場 | ウエスタン初の達成者 |
1987年 | 5月30日増本宏 | 大洋 | 1-0 | 日本ハム | 平塚球場 | |
2005年 | 7月 2日加藤康介 | ロッテ | 3-0 | ヤクルト | ロッテ浦和球場 | [31] |
- 9回2死まで完全試合も、危険球退場処分で達成を逃す
- 2007年5月2日、サーパスの近藤一樹 はウエスタン・リーグの対広島戦で9回2死まで走者を一人も出さずに抑えていたが、27人目の打者の會澤翼に対し、頭部へ死球を与えたために危険球退場処分となった。試合はこの後登板した山口和男が28人目の打者の中東直己を二ゴロに抑え、近藤と山口による継投での無安打無得点試合(チーム記録)となった[32]。
独立リーグ
独立リーグのチーム同士の公式戦では2020年現在未記録であるが、リーグ側で公式戦の一環として実施されるNPB3軍との交流戦で、NPB選手による下記の記録がある[33]。
達成日 | 投手 | 所属 | スコア | 対戦相手 | 球場 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
2019年 | 4月16日渡辺健史 | ソフトバンク | 3-0 | 高知 | 高知市野球場 | NPBと四国アイランドリーグplusの交流戦で記録 |
社会人野球
社会人野球の全国大会では都市対抗野球大会で2度、社会人野球日本選手権大会で1度記録されている[34][35]。
都市対抗野球
開催年 | 回 | 投手 | 所属 | スコア | 対戦相手 | 試合 | 球場 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1957年 | 第28回 | 村上峻介 | 二瀬町・日鉄二瀬[34] | 1-0 | 高砂市・鐘化カネカロン | 1回戦 | 後楽園球場 |
2011年 | 第82回 | 森内壽春 | 仙台市・JR東日本東北 | 4-0 | 横浜市・三菱重工横浜 | 1回戦 | 京セラドーム大阪[34] |
日本選手権
開催年 | 回 | 投手 | 所属 | スコア | 対戦相手 | 試合 | 球場 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2017年 | 第43回 | 西村祐太 | JR東日本東北 | 2-0 | 新日鉄住金広畑 | 1回戦 | 京セラドーム大阪[35] |
大学野球
全日本大学野球選手権
全日本大学野球選手権大会では、これまで4度記録されている[36]。
開催年 | 回 | 投手 | 所属大学(所属連盟) | スコア | 対戦校(所属連盟) | 試合 |
---|---|---|---|---|---|---|
1965年 | 第14回 | 芝池博明 | 専修大学(東都) | 6-0 | 東海大学(首都) | 準決勝[37] |
1969年 | 第18回 | 久保田美郎 | 関西大学(関西) | 5-0 | 千葉商科大学(千葉) | 1回戦 |
1976年 | 第25回 | 森繁和 | 駒澤大学(東都) | 2-0 | 近大工学部(広島六) | 1回戦[37] |
2004年 | 第53回 | 一場靖弘 | 明治大学(東京六) | 2-0 | 広島経済大学(広島六) | 2回戦[36] |
東京六大学野球
開催年 | 開催 | 投手 | 所属大学 | スコア | 対戦校 |
---|---|---|---|---|---|
1964年 | 春季リーグ | 渡辺泰輔 | 慶應義塾大学[39] | 1-0 | 立教大学 |
2000年 | 秋季リーグ | 上重聡 | 立教大学 | 7-0 | 東京大学[39] |
2013年 | 春季リーグ | 高梨雄平 | 早稲田大学 | 3-0 | 東京大学[38] |
東都大学野球
東都大学野球では、1部リーグ・2部リーグ・3部リーグでそれぞれ2回ずつ記録されている[37]。
1部リーグ戦
開催年 | 開催 | 投手 | 所属大学 | 対戦校 |
---|---|---|---|---|
1953年 | 秋季リーグ | 河内忠吾 | 日本大学 | 駒澤大学[37] |
1955年 | 春季リーグ | 島津四郎 | 日本大学 | 駒澤大学[37] |
2部リーグ戦
開催年 | 開催 | 投手 | 所属大学 | 対戦校 |
---|---|---|---|---|
1965年 | 秋季リーグ | 渡辺一雄 | 東京農業大学 | 不明[37] |
2002年 | 秋季リーグ | 梅津智弘 | 國學院大學 | 拓殖大学[37] |
3部リーグ戦
開催年 | 開催 | 投手 | 所属大学 | 対戦校 |
---|---|---|---|---|
1955年 | 秋季リーグ | 林茂 | 青山学院大学 | 不明[37] |
1961年 | 春季リーグ | 大石泰章 | 亜細亜大学 | 不明[37] |
首都大学野球
首都大学野球リーグ戦では、これまで2度記録されている。
開催年 | 開催 | 投手 | 所属大学 | スコア | 対戦校 |
---|---|---|---|---|---|
1969年 | 春季リーグ | 上田二郎[40][41] | 東海大学 | 不明 | 成城大学 |
2015年 | 春季リーグ | 丸山泰資[40][41] | 東海大学 | 5-0 | 日本体育大学 |
関西学生野球連盟
関西学生野球連盟のリーグ戦では、2度記録されている[42]。
開催年 | 開催 | 投手 | 所属大学 | 対戦校 |
---|---|---|---|---|
2004年 | 春季リーグ | 染田賢作 | 同志社大学 | 京都大学[42] |
2017年 | 秋季リーグ | 山本隆広 | 関西大学 | 近畿大学 |
高校野球
甲子園球場で行われる高校野球(硬式)の全国大会では選抜高等学校野球大会(春のセンバツ)で2度記録されているが、全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)ではいまだ達成者がいない[43]。明治神宮野球大会(秋季高校野球)でも本大会では達成者がおらず、ノーヒットノーランが一度記録されたのみとなっている[44]。
なお、春、夏、秋のいずれも地方大会では完全試合が複数回記録されているが、特筆に値する事績としては江川卓(作新学院)による1971年・1972年夏の栃木県予選での2年連続2回の達成、岡崎淳二(川越商高)による1989年・1990年夏の埼玉県予選での2年連続2回の達成、参考記録では1993年夏の北北海道大会釧根地区予選で根室高の橘啓介が記録した5回コールド、15連続奪三振による達成[45]などが挙げられる[46]。
選抜高等学校野球大会
開催年 | 回 | 投手 | 所属校 | スコア | 対戦校 | 試合 |
---|---|---|---|---|---|---|
1978年 | 第50回 | 松本稔 | 前橋(群馬) | 1-0 | 比叡山(滋賀) | 1回戦 |
1994年 | 第66回 | 中野真博 | 金沢(石川) | 3-0 | 江の川(島根) | 1回戦 |
全国高等学校軟式野球選手権大会
開催年 | 回 | 投手 | 所属校 | スコア | 対戦校 | 試合 | 球場 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2009年 | 第54回 | 小林雄太 | 名城大付(愛知) | 7-0 | 初芝富田林(大阪) | 1回戦 | 高砂市野球場[48] |
2011年 | 第56回 | 下田巧 | 中京(岐阜) | 4-0 | 河浦(熊本)[47] | 2回戦 | 高砂市野球場 |
リトルリーグ
6回制で行われるリトルリーグでは、ザバスカップ第46回全日本リトルリーグ野球選手権大会で1度記録されているのが確認できる[49][50]。ただし、これ以外にも達成者がいる可能性はある。
年月日 | 回 | 投手 | 所属 | スコア | 対戦相手 | 試合 | 球場 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2012年 | 6月30日第46回 | 伊藤英二 | 仙台東リーグ (東北連盟1) |
1-0 | 広島佐伯リーグ (中国連盟) |
1回戦 | 江戸川区臨海第2球技場 | 18アウトすべてを三振で達成 |
台湾野球
中華職業棒球大聯盟では、ライアン・ベルドゥーゴが唯一の完全試合を達成している。
達成日 | 投手 | 所属 | スコア | 対戦相手 | 球場 |
---|---|---|---|---|---|
2018年10月7日 | ライアン・ベルドゥーゴ[51] | 統一ライオンズ | 1-0 | 中信ブラザーズ | 台南市立野球場 |
キューバの野球
国内リーグ"セリエ・ナシオナル・デ・ベイスボル"では、マエルス・ロドリゲスが唯一の完全試合を達成している。
達成日 | 投手 | 所属 | スコア | 対戦相手 | 球場 |
---|---|---|---|---|---|
1999年12月22日 | マエルス・ロドリゲス[52] | ガジョス・デ・サンクティ・スピリトゥス | 1-0 | レニャドレス・デ・ラス・トゥーナス | エスタディオ・ホセ・アントニオ・ウエルガ |
準完全試合
- 安打・四死球・失策にかかわらず、走者を1人だけ出した完封試合は「準完全試合」と呼ばれる。[1]2018年7月末現在、日本プロ野球の公式戦では完投によるものが46人によって49回[53]、継投によるものが2回記録されている。そのうち、ノーヒットノーランは14回(うち無四球で1失策の試合が2回)である。
日本プロ野球
- 2012年以降
年月日 | 投手 | 所属 | 相手 | 球場 | 許した走者 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
2012年5月30日 | 杉内俊哉 | 巨人 | 楽天 | 東京ドーム | 9回中島俊哉に四球 | 9回2死まで完全投球 |
2012年10月8日 | 西勇輝 | オリックス | ソフトバンク | ヤフードーム | 5回松中信彦に四球 | |
2014年5月2日 | 岸孝之 | 西武 | ロッテ | 千葉マリンスタジアム | 1回井口資仁に四球 | |
2014年8月15日 | 則本昂大 | 楽天 | ロッテ | コボスタ宮城 | 7回加藤翔平に安打 | |
2015年3月28日 | クリス・ジョンソン | 広島 | ヤクルト | MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島 | 7回山田哲人に安打 | |
2018年7月27日 | 山口俊 | 巨人 | 中日 | 東京ドーム | 7回大島洋平に四球 | |
2018年10月14日 | 菅野智之 | 巨人 | ヤクルト | 明治神宮野球場 | 7回山田哲人に四球 | クライマックスシリーズでの記録 |
選抜高校野球
年月日 | 投手 | 所属 | 相手 | 試合 | 許した走者 |
---|---|---|---|---|---|
1991年3月28日 | 和田友貴彦 | 大阪桐蔭 | 仙台育英 | 1回戦 | 4回に四球 |
1992年4月2日 | 吉田道 | 東海大相模 | 南部 | 2回戦 | 5回に安打 |
全国高等学校野球選手権
年月日 | 投手 | 所属 | 相手 | 試合 | 許した走者 |
---|---|---|---|---|---|
1981年8月9日 | 田子譲治 | 鳥取西 | 東奥義塾 | 1回戦 | 1回に安打 |
1982年8月8日 | 新谷博 | 佐賀商 | 木造 | 1回戦 | 9回に死球 |
社会人野球日本選手権大会
年月日 | 大会 | 投手 | チーム | 相手 | 許した走者 |
---|---|---|---|---|---|
2016年11月6日 | 第42回 | 猿渡真之 | 大阪ガス | 鷺宮製作所 | 1回に四球 |
他競技での用法
本来は野球用語であるが、「完全なる勝利」という意味合いで他のスポーツでも使用されることがある。
- サッカーにおいて相手にシュートを1本も撃たせず勝利した試合を完全試合と呼ぶ場合もある。2009年11月8日のJ1リーグ鹿島アントラーズVSモンテディオ山形戦で鹿島がJリーグ史上初となる被シュートゼロで2-0勝利を挙げた試合を日刊スポーツが「完全試合」と表現した[54]。
- プロボクシングにおいても、3人のジャッジがいずれもフルマーク(全ラウンド10点。12回戦なら120点)の判定勝利だった場合に、完全試合と表現することもある[55]。
脚注
注釈
- ^ 日本プロ野球で1950年に初めて達成された際に、同年6月29日付の読売新聞は、用語の説明とともに「投手としては最大の快記録である」と報じた。『巨人軍5000勝の記憶』 読売新聞社、ベースボールマガジン社、2007年。ISBN 9784583100296。p.22~
- ^ アメリカ英語発音:[ˈpɜːrfɪkt ɡeɪm] パーフェクト・ゲイム
- ^ スペイン語発音: [peɾfekto] ペルフェクト
- ^ アメリカ英語発音:[pərˈfɛktoʊ] パーフェクトウ
- ^ この状況は、投げ合いに発展しての両者無得点状態しかあり得ない
出典
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関連項目
外部リンク
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