平泉成

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ひらいずみ せい
平泉 成
本名 平泉 征七郎
(ひらいずみ せいしちろう)
別名義 平泉 征(旧芸名)
生年月日 (1944-06-02) 1944年6月2日(79歳)
出生地 日本の旗 日本愛知県額田郡宮崎村
(後の額田町、現:岡崎市
身長 174 cm[1]
血液型 O型[2]
職業 俳優
ジャンル 映画テレビドラマ
活動期間 1964年 -
配偶者 既婚
著名な家族 平泉陽太(息子)
平泉季里子(娘)
事務所 グリーンランド
主な作品
テレビドラマ
なんたって18歳!
ファイヤーマン
はみだし刑事情熱系』シリーズ
瑠璃の島
CHANGE
MR.BRAIN
家政婦のミタ
あまちゃん
過保護のカホコ
映画
大魔神怒る
書を捨てよ町へ出よう
その男、凶暴につき
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平泉 成(ひらいずみ せい、1944年6月2日[1][2][3][4] - )は日本俳優。本名および旧芸名、平泉 征七郎(ひらいずみ せいしちろう)[1][2][3][4]。一時期の芸名は、平泉 征(ひらいずみ せい)[3][4]

愛知県[3]額田郡宮崎村(後の額田町、現・岡崎市)出身[4][5][6]額田町立宮崎小学校[7]、額田町立宮崎中学校[7]愛知県立岡崎商業高等学校卒業[1][2][3][4]。アミ企画[8]、新倉事務所[3]、北川事務所[9]、ライトハウスを経て[1][2]、グリーンランド所属。

来歴

父は炭焼き職人、母は助産婦。高校卒業後、名古屋市内のホテルにベルボーイとして勤務[10][11]。ホテル勤務時代の先輩の紹介で、市川雷蔵と知り合う[10][11]1964年、市川の紹介で大映京都第4期ニューフェイス[注釈 1]に27人の一人として選ばれる[4][12]

本名で『青いくちづけ』『若親分喧嘩状』などに出演し[4]1966年『酔いどれ博士』にて「平泉征」の芸名で正式にデビューを果たす[10][11]。『大魔神怒る』(1966年)、『ガメラ対大魔獣ジャイガー』(1970年)などの大映特撮映画にも出演[13]。また大映レコード所属の歌手としても活動し[13]、3枚のシングルをリリースしている。

1970年堂本正樹・作『私の可愛いシャワー室』で初舞台を踏む[4]

1971年寺山修司監督『書を捨てよ町へ出よう』に出演[4]。同年秋の大映倒産後にフリーとなり、テレビドラマへ活動の場を移す。大映テレビ制作の『なんたって18歳!』では主演の岡崎友紀の相手役[13]1973年には円谷プロ制作の特撮テレビドラマファイヤーマン』にSAF隊員・千葉太役でレギュラー出演[14]。その後は長らく刑事ドラマや時代劇などで悪役を多く演じた。

1984年、所属事務所の移籍を機に芸名を「平泉成」に改名[4]。以降は中間管理職的な役柄が増え、温かみのある中年や厳格な父親、悪意を底に抱えた人間であったり情けないおじさんであったりと、さまざまな人物像を演じるバイプレイヤーとして活躍[4]北野武監督『その男、凶暴につき』(1989年)、三池崇史監督『新宿黒社会 チャイナマフィア戦争』(1995年)などで刑事・警察幹部役を善悪問わず演じたほか、山田洋次監督『男はつらいよ 拝啓車寅次郎様』(1994年)、森田芳光監督『(ハル)』(1996年)などのごく一般的な夫・父親役で演技の幅を広げた[4]

映画『恋の門』の中で『伝説巨神イデオン』の主人公ユウキ・コスモのコスプレを披露、テレビドラマ『サラリーマンNEO』では老け顔の新入社員役などコミカルな演技にも挑戦。一方、2007年7月30日放送の『はなまるマーケット』で、夏休みを取った岡江久美子の代わりに“助っ人ゲスト”として出演するなど、バラエティー番組などでも活躍している。

人物・エピソード

趣味は、写真[9]ゴルフ[9]。特技は、[3]ギター[3]ケーナ製作[1][2]。『さんまのまんま』出演の際に田中健のケーナを作っていることが世に知られ、その後『アナザーヒーロー』などでも取り上げられた。なお、自身では調律などの都合上、基本的な演奏はできるが、公の場で演奏することはない[15]。また、『華麗なる一族』で共演した木村拓哉にケーナを2本プレゼントしている。

自身が出演した日本テレビ愛の歌』の主題歌を歌う予定だった歌手が降板したため、急遽歌わされることになったのが歌手デビューのきっかけとなった[13]。そのため、レコーディングの際はキーが合わず苦労したと語る[13]

『なんたって18歳!』では、アドリブを器用に使いこなす岡崎友紀に対して、自身は台本通りにしか芝居をできないことで思い悩んでいた[13]。やがて出番も減少して落ち込んでいたところ、大映時代からの旧知だった監督の湯浅憲明から「明日から台本を持ってくるな。俺の真似をして芝居をやれ。」と助言を受ける。その通りにやると出番が増え、自信を回復した[13]

『ファイヤーマン』では、睦五朗岸田森とともに、九州なまりが残っていた主演の誠直也アフレコでアクセントの指導を行っていた[14]。自身のキャラクターについては、健康的でホットなお兄ちゃんをイメージして演じた[14]。当時は特撮ヒーロー全盛期で、その中にあってスタッフやキャストが新しいことにチャレンジした意欲的な作品に出られたことは幸せだと思うと語っている[14]。のちに『ウルトラマンガイア』にレギュラー出演した際は、久々に円谷作品に帰ってきた感慨があったという[14]。大映出身のため、一番は大映だが、その次は円谷プロが近い感じがあったとのこと[14]

若い頃は『太陽にほえろ!』『Gメン'75』などの刑事ドラマで悪役を演じる機会が多かった[16]。年齢とともに肉が落ち目尻が下がってきたことで悪役が減って行き刑事役が増えてきたという[16]

現芸名にしたのは、占い師から「『征』では運気が悪いから『成』にしなさい」と指摘され、「名前が『平らな泉に成る』になって、穏やかな人間になるという意味かな」と思い直して改名したが、1989年1月7日昭和天皇崩御に伴い、昭和に代わる元号平成」が発表された際、「平泉成を略して平成だ」とのこじつけから一躍時の人となり、取材陣に取り囲まれた経験も持つ[17]

はみだし刑事情熱系』シリーズには長く出演していたが、それでも一般の人には「はぐれ刑事」と呼ばれることがあった[16]

テレビ朝日系人気ドラマ『味いちもんめ』シリーズにおいて、ゲスト出演者の中では唯一2度、登場したことがある俳優となっている。なお、その2回は異なる役柄であり、1度目の出演は1995年の第1シリーズ第6話と第7話の主人公の伊橋(中居正広)の兄(勝村政信)の取引先の相手役、2度目の出演は2011年スペシャルの中心ゲスト登場人物である安達信太郎(山本裕典)の父・安達新造役となっている。

1996年フジテレビ系ドラマ『白線流し』に出演した際には、長瀬智也演じる定時制高校に通う主人公が働く工場「相馬製作所」の「相馬社長」役で出演した。その後、2011年NHK連続テレビ小説おひさま』では、ヒロインの親友の父親役であり資産家の「相馬」を演じることになる。偶然にも、同じ長野県松本地区が舞台になっているドラマで、同じ名前の役柄を演じることになった。

ハスキーな声質と人間味ある演技は、頻繁にものまねの対象となっている(木村拓哉など)。

長男は元俳優の平泉陽太。長女の平泉季里子テレビ朝日でドラマ等の宣伝・編成を担当している[11][注釈 2]

2020年3月25日放送のテレビ朝日『徹子の部屋』に、結婚40年を迎えた13歳年下の妻・里香と共に出演した。

出演

テレビドラマ

NHK

日本テレビ系列

TBS系列

フジテレビ系列

テレビ朝日系列

テレビ東京系列

WOWOW

時代劇専門チャンネル

映画

オリジナルビデオ

  • 必殺始末人III「地獄に散った花びら二枚」(1998年2月25日) - 横山多膳

劇場アニメ

舞台

  • 私の可愛いシャワー室(1970年)
  • 吉ちゃんの黄色いカバン
  • 坊ちゃん

ラジオ

  • CBCラジオ開局60周年記念番組ラジオドラマ還暦刑事(CBCラジオ)
  • 特集 平泉成アワー(2012年7月17日 NHKラジオ第1放送) - 生い立ちや大映時代に始まり、下積み時代、脇役としての俳優論、ケーナ作りなど、合間に朗読や音楽をはさみながら紹介した。
  • 青春アドベンチャーNHK-FM
    • ゴー・ゴー!チキンズ - 鬼社長
    • ゴー・ゴー!チキンズ パート2 - 鬼社長[22]

バラエティ

ドキュメンタリー

教養番組

CM

その他

Jリーグ川崎フロンターレ2010年リーグ開幕戦始球式にゲスト出演。これはフロンターレの練習所・川崎フロンターレ麻生グラウンド近くに平泉が住んでおり、散歩がてら時々麻生グラウンドで選手達の練習を見ているということで実現したものである。その際、フロンターレの選手と共にショートドラマ風の開幕戦告知VTR「開幕トドロキ劇場」に出演している[26]

音楽

シングル

  • 「愛の歌/夜を抱きしめたい」(1967年10月、大映レコード) - 『赤坂泰彦ミリオンナイツ』のコーナー「うさんくさいPOPS」で紹介された。
  • 「憧れの大空/誓いの翼」(1968年3月、大映レコード)
  • 「十和田湖エレジー/夜霧の中でさようなら」(1968年9月、大映レコード) - 「十和田湖エレジー」のみ、姿美千子とのデュエット

脚注

注釈

  1. ^ 正しくはフレッシュフェイス[10]
  2. ^ 父の成が出演した作品を季里子が担当し、職場で親子が顔を合わせたこともあるという[11]
  3. ^ ナレーションのみでの出演。CMにはダウンタウン浜田雅功フランス人の女性モデルと共演している。

出典

  1. ^ a b c d e f 日本タレント名鑑2004』VIPタイムズ社、2004年、312頁。ISBN 978-4990124229 
  2. ^ a b c d e f 『TVスター名鑑2005』東京ニュース通信社、2004年、277頁。ISBN 978-4924566354 
  3. ^ a b c d e f g h 『日本タレント名鑑'82』VIPタイムズ社、1981年、169頁。 
  4. ^ a b c d e f g h i j k l 『日本映画人名事典』 男優編〈下巻〉、キネマ旬報社、1996年、519-520頁。ISBN 978-4873761893 
  5. ^ 岡崎まちものがたり 45 宮崎学区” (PDF). 岡崎市 市制100周年記念サイト. 2020年7月23日閲覧。
  6. ^ 2012年7月16日付中日新聞三河版「こころは三河」
  7. ^ a b 岡崎市総合政策部広報課編『岡崎市制100周年記念誌 新たな100年に向けて』岡崎市役所、2017年7月、36頁。 
  8. ^ 『日本タレント名鑑'80』VIPタイムズ社、1979年、167頁。 
  9. ^ a b c 『TVスター名鑑1992』東京ニュース通信社、1992年、110頁。 
  10. ^ a b c d 特撮秘宝 Vol.2, p. 120
  11. ^ a b c d e TVでた蔵「2011年9月7日放送 徹子の部屋」”. ワイヤーアクション (2011年9月7日). 2015年2月8日閲覧。
  12. ^ “平泉成 改名の理由と経緯を明かす…”. デイリースポーツ. (2015年2月7日). http://www.daily.co.jp/newsflash/gossip/2015/02/07/0007722099.shtml 2015年2月8日閲覧。 
  13. ^ a b c d e f g 特撮秘宝 Vol.2, pp. 121–123
  14. ^ a b c d e f 特撮秘宝 Vol.2, p. 123-125
  15. ^ TVでた蔵「2013年6月9日放送 ボクらの時代」”. ワイヤーアクション (2013年6月9日). 2015年2月8日閲覧。など。
  16. ^ a b c 刑事マガジン 2004, p. 69
  17. ^ 平泉成 改名の理由と経緯を明かす…(2/2)”. デイリースポーツ (2015年2月7日). 2015年2月8日閲覧。
  18. ^ “渡辺源四郎商店・畑澤聖悟の脚本ドラマ「進め!青函連絡船」本日放送”. ステージナタリー. (2016年9月21日). http://natalie.mu/stage/news/202553 2016年10月10日閲覧。 
  19. ^ “ファイナルを彩る豪華ゲスト陣が決定!”. とれたてフジテレビ. (2016年9月2日). オリジナルの2016年9月24日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160924065306/http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2016/160902-i230.html?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+torefuji+(%E3%81%A8%E3%82%8C%E3%83%95%E3%82%B8%E6%96%B0%E7%9D%80%E6%83%85%E5%A0%B1) 2016年9月2日閲覧。 
  20. ^ 庵野秀明(企画・責任編集) 編『ジ・アート・オブ シン・ゴジラ(別冊・完成台本)』カラー、2016年、人-2頁頁。ISBN 978-4-905033-08-0 
  21. ^ 笑福亭鶴瓶、『金メダル男』出演 内村光良監督の手腕に「憧れた」”. ORICON STYLE (2015年11月27日). 2015年11月27日閲覧。
  22. ^ ゴー・ゴー!チキンズ パート2”. NHKオーディオドラマホームページ. 日本放送協会. 2019年5月9日閲覧。
  23. ^ NHKスペシャル 無人の町の“じじい部隊” - NHK名作選(動画・静止画) NHKアーカイブス
  24. ^ 知らないなんて今さら言えない… 平泉成&本仮屋ユイカが“名作文学”を超解説”. テレビドガッチ (2016年4月5日). 2016年10月10日閲覧。
  25. ^ 広瀬すず、一人暮らし熱望も「家事あまりできない」”. ORICON STYLE (2015年9月28日). 2015年9月28日閲覧。
  26. ^ 3/6 新潟戦「ホーム開幕戦イベント開催」のお知らせ”. 川崎フロンターレオフィシャルウェブサイト (2010年2月8日). 2015年2月9日閲覧。

参考文献

外部リンク