必殺仕事人III

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必殺仕事人III』(ひっさつしごとにんすりー)は、必殺シリーズの第19弾として、朝日放送ABCテレビ)と京都映画撮影所(現・松竹京都映画株式会社)が制作し、1982年10月8日から1983年7月1日にかけてテレビ朝日系列で放映された時代劇。全38回。

藤田まこと演じる中村主水シリーズの第9弾であり、「必殺仕事人」シリーズの第3作目でもある。

目次

[編集] 作品内容

仕事人大集合』で多くの仕事人の犠牲と協力のもと、大仕事を完遂した中村主水、勇次加代、おりくは、再びチームとして組む事となった。

そんなある日の夜、主水たちは「殺し」の現場を目撃されてしまう。この目撃者-西順之助は医師・西順庵の息子であり、西洋医学所に合格するため、日々塾に通って勉強する受験生である。当然、主水たちは裏稼業の掟により順之助を始末しようとするが、仕事人の面々を前にしても臆する事無く、仕事人は正義の味方と憧れる彼の言葉を聞いて、どうしても手に掛ける事は出来なかった。結局、誰にも口外しない事を条件に順之助は助けられた。

その後、ある事件が起こり、その噂を聞きつけた順之助は主水たちの仲間に入りたいと志願するも、「殺しは遊びじゃない」と全く相手にされない。それでも順之助はあきらめず、加代を煽って事件の真相を探ろうとするが、一味の一人に勘付かれてしまい、二人の人相書が市中に貼られてしまった。主水は「これ以上、周りをうろちょろされたら目障りだ」と順之助を殺そうとするが、泣きじゃくる彼を殺す事が出来ない。

「自分たちが殺しのからくり人形にならないために、普通に泣ける人間が仲間にいた方がいいかも知れない」という主水の提案で、異色の受験生仕事人・西順之助が誕生。彼とともに、主水たちは一味を闇に葬った。新たな仲間に加えた仕事人たちの暗闘は続く。

[編集] 制作の背景

「必殺シリーズ」第19作、そして「中村主水シリーズ」の第9作となった本作は、前作「新・必殺仕事人」の続編という作品世界である。

本作も、藤田まこと演ずる中村主水を筆頭に、三田村邦彦演ずる秀、中条きよし演ずる勇次、鮎川いずみ演ずる加代、そして山田五十鈴演ずるおりくが、前作より何ら変わる事無く連続登板。

本作の特徴は、歴代初の試みとして異色の受験生仕事人・西順之助の仕事人グループへの加入である(順之助役には、TBSテレビ3年B組金八先生』第2シリーズで人気を得た、ジャニーズ事務所所属の当時のアイドル・ひかる一平を起用)。当初、三田村邦彦が「太陽にほえろ!」(日テレ)への出演を決めており、必殺の降板も内定、それに伴う新キャラクターとして設定されていたが、ファンからの強い要望で三田村は引き続き出演することになり、「新・仕事人」のメンバー+ひかる一平という形に納まった。

順之助は受験生であり、当然人間としても未熟、仕事人としても未熟な少年である。彼は「世の中が悪いからひっくり返したい」という観念的理想主義者であり、殺し屋らしからぬ「正義のために」「世直しのために」という大義名分を持ち出して殺しをしようと主水たちを怒らせ、時には塾の試験勉強のために平気で裏の仕事を休んだりといった、これまでの歴代の殺し屋たちが少なからず持ち合わせていた、プロ意識という物が大幅に欠如していた。

そのため、主水たちから殴られたり蹴られたりといった、鉄拳制裁される描写が度々見られた(「必殺シリーズ」のチーフプロデューサーを務めた朝日放送の山内久司(当時、現・顧問)の逸話によれば、「この当時、若い人たちの変質があって、一生懸命「必殺」のモラルに拘っている奴を客観的に笑う人物が(メンバーに)欲しかった」とコメントしている)。

同時にこれは、この頃から俄かに増えだした「仕事人=スーパーヒーロー」という若年層のファンに対して、主水たちの怒りを順之助という未熟な存在を通して訴えかけているのだ。

少年の順之助を仲間入りさせた事で作品内容が甘くなったのかと言えば、決してその様な事は無く、実際、自分が恋した女が殺しの標的になり、やむなく始末したことで仕事人家業から足を洗いたいと泣きながら言い出す順之助を主水と勇次が殴り飛ばし「この家業に首まで使った以上は足抜けは出来ない」と厳しく叱責したり(第3話)、主水とおりくを除いた他の3人(秀・勇次・加代)が、足手まといの彼を始末しようと相談する描写も見られ(第9話)、一般的に本作から作品自体が、マイルド路線に変化していった事は事実ではあるが、全体を通してみると前作『新・仕事人』以上のハードな描写も多々見られ、順之助に対する主水らメンバーたちの風当たりの強さ・冷たさも、えげつない物となっている。

リアルなドラマ作りを目指した制作スタッフの姿勢は、依然として変わっていなかったと、評価されてしかるべきであろう。同時に主水・おりくの描写は円熟味を増し、秀と勇次の殺しのシーンも、回を重ねる事に美しさと華麗さを高め、「殺しの映像美」と謳われたのはこの時期からである。

なお、本作の主題歌「冬の花」は、『暗闇仕留人』の主題歌「旅愁」以来の大ヒットを記録。唄った鮎川いずみは、当時の日本有線大賞新人賞の栄冠に輝いた。

[編集] 殺し技

  • 中村主水…悪人を油断させながら、相手の一瞬の隙を付いて、脇差を相手の急所に刺す。
  • 秀…金属製の房が付いた金色の簪で、悪人の首筋を刺す。場合によっては脳天を刺すこともある。
  • 勇次…三味線の三の糸を悪人の首筋目掛けて投げ、首に巻き付け締め上げ、宙吊りにして窒息死させる。
  • 西順之助…エレキテルで高圧電流を充填させたライデン瓶を使い、悪人を感電死させる。
  • おりく…三味線の撥で、悪人の首筋を斬る。

[編集] キャスト

 ※第1話は、順庵と表記

  • 西巴 … 三浦徳子(第1、3、4、6、15、22、24、33話)
  • 塾の先生 … 北村光生(第1~4、14話)

 ※第1話では、先生と表記


  • おりく … 山田五十鈴(第1、2、6、7、12~14、21、33、34話) 

  • ナレーション
語り … 中村梅之助
作 … 山内久司

[編集] 主題歌

挿入歌

[編集] スタッフ

[編集] 放映リスト(サブタイトルリスト)

強調部は、サブタイトルのフォーマット。

  1. 殺しを見たのは受験生
  2. 下駄を履かせたのは両替屋
  3. アルバイトしたのは同級生
  4. 火付けを見たのは二人のお加代
  5. 夢の女に惚れたのは秀 - 長谷直美が悪女役で出演。
  6. 女牢に目をつけたのは主水
  7. 捨て子をされたのは三味線屋の勇次
  8. 窓際族に泣いたのは主水
  9. 年末賞与を横取りしたのはせんとりつ
  10. 子供にいたずらされたのは主水
  11. 恋の重荷を背負ったのは秀
  12. つけ文をされたのは主水
  13. 上役の期待を裏切ったのは主水
  14. 婦女暴行を見たのはおりく
  15. 加代に死の宣告をしたのは主水
  16. 饅頭売って稼いだのはお加代
  17. 花嫁探しをしたのは勇次
  18. 月の船を待っていたのは秀
  19. にせ物に踊らされたのはせんとりつ
  20. 厄払いしたかったのは主水
  21. 赤ん坊を拾ったのは三味線屋おりく
  22. 湯女に惚れられたのは勇次
  23. ギックリ腰で欠勤したのは主水
  24. 三味線二重奏したのは勇次
  25. 殺しを見られたのは秀 - 風祭ゆきが悪女役の姫君で出演。
  26. 嫁の務めを果たしたのは加代
  27. 暴力塾生にいじめられたのは順之助
  28. 相撲取りに惚れられたのは加代
  29. 老眼鏡を買わされたのは主水
  30. スギの花粉症に苦しんだのは主水
  31. 全財産をなくしたのは加代
  32. 誘拐犯の娘に惚れたのは秀
  33. 囮になったのはおりく
  34. 大名になったのは同級生
  35. 金融札に手を出したのはお加代
  36. ニセ占いで体力消耗したのは主水
  37. 芝居見物したかったのはせんとりつ
  38. 淋しいのは主水だけじゃなかった

[編集] 放映ネット局

※途中で打ち切られた局や、しばらくの間放送する他系列ネットの局がある。

[編集] 関連項目

テレビ朝日 金曜22時台(当時はABCの制作枠)
前番組 番組名 次番組
必殺仕事人III