ピアニスト

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ピアニスト (pianist) は、英語からの外来語で、広義にはピアノ演奏を行う人のこと、狭義には、職業的なピアノ奏者のこと(日本で多く見られる用法)。本記事では狭義、広義のピアニストの両方を解説する。なお、ピアノで伴奏を行う人(伴奏者)のことを、アカンパニスト(accompanist)と呼ぶ場合がある。

ピアニストの歴史

ピアノの直接の原型となる楽器が登場したのは17世紀ごろであったといわれる(ピアノの項参照)が、それ以前から鍵盤楽器は作曲家にとって重要な素養のひとつであり、名オルガニストチェンバロ奏者であった大バッハ以降、鍵盤楽器奏者と作曲家を兼ねた人物は多い。著名な作曲家では、モーツァルトベートーベンショパンリストラフマニノフなどがその例である。
職業的なピアニストの成立としては、フランツ・リスト[1]フレデリック・ショパンを嚆矢とすることが多い。彼らはすぐれた作曲家であり、カリスマ的な人気を誇った演奏家であった他に、多くの弟子を育成し、その後の奏法や教授法に影響を与えた人物でもある。現在でもピアニストの影響関係の系譜をたどってゆくと、リストかショパンにたどり着くことが多い。

職業的なピアニスト

職業的ピアニストとは、もっとも厳密な意味では、ピアノの演奏やピアノ教育などを主たる職業としている者、それによって生活の資を得ている者を指す。ピアノのソリスト伴奏ピアニスト、さらには各種の音楽学校においてピアノ奏法の教授を主として活動している教育家兼ピアニストなども含まれる。クラシックジャズなどのジャンルが比較的数が多いが、ポップスや他の新しいジャンルのピアニストも存在する。 ピアノの演奏を通して演奏会や録音などさまざまな音楽活動を行っているが、いずれも再現芸術としての演奏に力点が置かれているところに特徴がある。

職業的なピアニストになるまで

現在ではクラシックの世界の職業的ピアニストの大半は、幼年期からさまざまな音楽教育を受け、ピアノの演奏に親しみ、長じて音楽学校などに通いながら演奏技術を高め、10代から20代の時期に各地のピアノ・コンクールに出場して地歩を築いてゆく。特にクラシックの場合、競争は激烈で、真の意味での「世界的ピアニスト」の座につくのは、それを希望する者のごく一部分でしかない。また、そのなかで歴史に名をとどめる名ピアニストとなると、数はいっそう少なくなる

ピアノ教育を行うピアニスト

上述の演奏家はほんの少数、ごく一部なのであって、音楽学校や音楽大学を卒業し、初期のピアノ教育[2]や音楽教育を行う職業的ピアニストのほうがはるかに多数存在する。また、ピアノの技術を活かして初等・中等教育の音楽教師となる人も多数存在する。

アマチュアのピアニスト

以上のほかに、pianistという英語の原義どおり、「ピアノを弾く人(弾ける人)」としてのピアニストがいることはいうまでもない。純粋に趣味的に演奏する者は多く、中には趣味が高じてセミプロとして演奏する者もいる。

ピアニストの悩み・問題点

鍵盤のサイズやピアノ全体のサイズ・構造の影響で、掌が大きな奏者の方が比較的有利なので、手が小さい場合は悩まされることも多々ある。基本的に肩、腕の力を抜いて弾くが、鍵盤をつかむ動作のため、ある程度の握力は必要である。また職業的なピアニストの中には力んで弾く等間違った奏法を繰り返している場合、腱鞘炎に悩まされる場合もある。

他の楽器と異なり、ピアノは1台で和声作曲など全てをまかなえる。初期古典派の協奏曲では、独奏楽器と管弦楽との完全な対立が中心になっていたが、ブラームスラフマニノフなど時代が下った作家の作品では、渾然一体となった協奏をどう実現するかに重点が置かれている。

現代の著名なピアニスト

クラシック音楽

五十音順クラシック音楽の演奏家一覧#ピアノ奏者も参照。

日本以外

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日本

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伴奏ピアニスト

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ジャズ・ポピュラー音楽等

生年代順。

1800年 - 1899年
1900年 - 1919年
1920年 - 1939年
1940年 - 1959年
1960年 -
生年不詳、または非公開

脚注

  1. ^ フランツ・リストはホールを使った演奏会や演奏旅行によってピアノ演奏のみで生計を立てることが可能になった初めての人物である(現在の一般の評価からは想像しにくいことではあるが、ショパンが生前、自身で行った演奏会の評判・成功の程度は、あえてリストのそれと比較すれば、かなり小さいものであった)。
  2. ^ たとえば幼児などを対象としたもの。