マルカンドレ・アムラン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
マルカンドレ・アムラン
Marc-André Hamelin
2003年
2003年
基本情報
出生 1961年9月5日(52歳)
出身地 カナダの旗 カナダ ケベック州 モントリオール
ジャンル クラシック音楽
現代音楽
職業 ピアニスト
作曲家
担当楽器 ピアノ
レーベル ハイペリオン・レコード

{{{Influences}}}

マルカンドレ・アムランMarc-André Hamelin, 1961年9月5日 - )は、フランス系カナダ人のピアニスト。一般にはマルク=アンドレ・アムランと表記されているが、名前のMarc-Andréアンシェヌマンするため、発音はマルカンドレとなる。

概要[編集]

ケベック州モントリオール出身。5歳でピアノの学習を始め、9歳になるとカナダ音楽コンクールの首席を獲得した。父親は、職業は薬剤師であったが、ピアニストとしても辣腕で、まだ幼い息子をアルカンメトネルソラブジの作品に導いた。そして、ルドルフ・ガンツの練習法から編み出したという『対称的練習法(Symmetrical Inversion)』を教えた。これは、レもしくはラ♭を中心として右手と対称的な音形を左手に弾かせるというもので、アムラン曰く、「脳と手が直結する」練習だという。

イヴォンヌ・ユベールやハーヴィ・ウィーディーン、ラッセル・シャーマンらに師事した後、モントリオールのヴァンサン・ダンディ音楽院に学び、フィラデルフィアテンプル大学に進んで名を揚げた。1985年のカーネギー・ホール国際アメリカ音楽コンクールで優勝。

ソフィー=カルメン・エックハルト=グラマッテレオ・オルンスタインニコライ・ロスラヴェッツフレデリック・ジェフスキーなどの比較的マイナーな20世紀の作曲家を、優れた音楽性をもって再発見に努めてきたことで認められており、恐ろしく演奏至難なことで名うてのレオポルド・ゴドフスキーシャルル=ヴァランタン・アルカンのような19世紀の作曲家の作品を、標準的なレパートリーと同じように楽々と弾きこなしている。

苦労の跡を見せない超絶技巧と洗練された演奏様式によって国際的に有名で、多くの人から、コンスタンティン・シチェルバコフと並んで、無上のテクニシャンと認められている。ハイペリオンへ移籍後は音色をじっくりと聞く姿勢もメトネルのソナタ集などで見られ、更なる成熟が多くのファンを狂喜させている。

なお、『ペトルーシュカからの3楽章』、ハンガリー狂詩曲第6番のような『技巧をひけらかすだけの曲』は弾かないと語っており、あくまで取り上げるのは技巧と内容を兼ね備えた曲だけだと公言している(『CD Journal2006年11月号のインタビューより)。

ハイペリオン・レコードに多岐にわたる録音を残しており、ゴドフスキーの《ショパンのエチュードによる練習曲》全集は、2000年度グラモフォン賞に輝いた。《短調による12の練習曲》など、作曲も数多く手懸けている。カナダ政府からはカナダ勲章を、そしてケベック州政府からケベック国家勲章を叙勲された。ジュノー賞Classical Album of the Year - Solo or Chamber Ensemble部門を1996・97・98年、03年および08年に受賞している。

最近の録音では、シューマンのピアノ曲やブラームスピアノ協奏曲第2番などが注目されている。

日本へは1997年(このときはファンによる自主公演)、2000年2003年2004年2005年2006年に来日している。2001年にはブゾーニピアノ協奏曲、2004年にはメトネルのピアノ協奏曲第2番の日本初演を行い、好評を博した。

妻のソプラノ歌手ジョディ・カリン・アップルバウム(Jody Karin Applebaum)とは夫婦で共演したCDを出していたが、現在離婚協議中である。アムランは現在、ボストンのラジオ局WGBHのホストを務めるキャシー・フラーと共に同地に居住している[1]

以前は眼鏡をかけていたが、レーシック手術を受けて以降は外している(2006年「CD Journal」インタビューより)。

編曲[編集]

完全な編曲作品としてはショパンエチュードからOp.10-2,Op.25-4,Op.25-11の3曲を融合させた『トリプル・エチュード』が有名で、難曲を好む学生を中心に人気が高い。この曲はゴドフスキーの構想を引き継いだものと思われる。マイナーな作品をよく取り上げる彼だからこそ成し得た作品である。本人の録音が存在する。

編曲ではないが「ハンガリー狂詩曲第2番」に挿入されている彼独自のカデンツァは比較的よく知られている。 カデンツァ自体が3分と長いのは珍しく、黒鍵グリッサンド、強烈な不協和音の連続が特徴的である。アルカンの影響が随所に見られ、彼の「両手ユニゾンのための大練習曲」作品76-3の引用も登場する。 非常に個性的なカデンツァであるため、カデンツァ自体がまったく別の曲に聞こえるのだが、それでもあまり違和感が無いのは彼の作曲能力の高さを物語っている。 これも本人の録音が存在する。

また演奏する曲の中で彼の持ち味である技巧を駆使して個性的な編曲を入れていることがある。

作曲[編集]

  • 短調のための12の練習曲[1] - 2009年に完成。曲集の名はアルカン作品39を意識したものであり、本人によると曲集全体でアルカンとゴドフスキーへのオマージュとのこと。いずれの曲も大変難易度が高く、演奏至難な作品ばかりである。当初作曲していた1番(「熊蜂の飛行による」)と11番(「タンゴ」)は撤回され、現在のものに差し替えられた。2番、5番、6番、8番、11番、12番はアムランの自作曲。なお、全曲に本人の録音が存在し、発売されている。全曲を通しての初演は、2010年8月にドイツのフズム音楽祭で行われた。
  • ある架空のピアノ交響曲のための序奏-ソラブジを讃えて
  • 小さなノクターン(Clavier magazineのリクエストにより作曲)
  • ミニマル・リスト
  • 主題と変奏「Cathy's Variations」
  • Con Intimissimo Sentimento ~最も親密な思いをこめて~…ピアノのためのオリジナル曲及び編曲集]
  • パガニーニの主題による変奏曲(2011年)
  • ピアノの為のバルカローレ(2013年)
  • 自動演奏ピアノのための作品

三曲とも自動演奏ピアノによる録音が発売されている。

なお、アムランの作品のほとんどはソラブジ・アーカイブから出版されており、入手可能である。また、練習曲集やパガニーニ変奏曲、他はPeters社から出版されている。

外部リンク[編集]

  1. ^ pianomania: What's New With Piano's Pied Piper? Some Words with Marc-André Hamelin