マッコイ・タイナー

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マッコイ・タイナー
McCoy Tyner
マッコイ・タイナー(1973年)
基本情報
生誕 (1938-12-11) 1938年12月11日
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ペンシルベニア州 フィラデルフィア
死没 (2020-03-06) 2020年3月6日(81歳没)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ニュージャージー州
ジャンル ジャズ
職業 バンドリーダーピアニスト作曲家
担当楽器 ピアノ
活動期間 1960年-2019年
レーベル インパルス!レコード
ブルーノート
マイルストーン・レコード
共同作業者 ジョン・コルトレーン
公式サイト McCoy Tyner Official Web Site

マッコイ・タイナー英語: McCoy Tyner, 1938年12月11日 - 2020年3月6日)は、アメリカ合衆国ジャズピアニストジョン・コルトレーンのレギュラー・カルテットでの活動や、バンドリーダーとしての活動で広く知られる。

人物・来歴[編集]

ペンシルベニア州フィラデルフィア生まれ。母の勧めで、13歳の時にピアノを始める。地元ジャズ・クラブのハウス・ピアニストとして演奏し、来訪する多くのアーティストと共演した[1]。その後、近所にバド・パウエルが引っ越してきて、大きな影響を受けた。

1955年ジョン・コルトレーンと出会い、1960年にコルトレーンのバンドに加入した。ジミー・ギャリソンベース)やエルビン・ジョーンズドラム)と共にコルトレーンを支え、『コルトレーン』『バラード』『至上の愛』『アセンション』など多くの作品に参加。また、1962年にはバンド・リーダーとしてインパルス!レコードと契約し、初のリーダー・アルバム『インセプション』を発表した。しかし、コルトレーンがフリー・ジャズに傾倒する為、音楽的な方向性の違いから1965年12月にグループを脱退。

1967年ブルーノートと契約し、『ザ・リアル・マッコイ』などのリーダー・アルバムを発表した。ブルーノートからの2作目『テンダー・モーメンツ』(1967年)は、他界したコルトレーンに捧げた曲「モード・トゥ・ジョン」を収録している。

1971年後半には、ソニー・フォーチュンサックスフルート)、カルヴィン・ヒル(ベース)、アル・ムザーン(ドラム)を従えたレギュラー・カルテットを編成し、同年マイルストーン・レコードに移籍した。1972年10月末には来日公演を行い、この折にソロ・アルバム『エコーズ・オブ・ア・フレンド』を録音した[2]。マッコイがリーダーとして残したライヴ・アルバムの傑作は1970年代に集中しており、『エンライトメント』『アトランティス』『ザ・グリーティングス』『パッション・ダンス』などが挙げられる[3]

『The Turning Point』(1992年)で第35回グラミー賞(最優秀ラージ・ジャズ・アンサンブル・パフォーマンス)を受賞した。ヴァーヴ・レコードから発表した『ジャーニー』(1993年)には、ダイアン・リーヴスが参加した。

2020年3月6日、ニュージャージー州の自宅で死去[4]。81歳没。

ディスコグラフィ[編集]

1960年代
  • 『インセプション』 - InceptionImpulse!)1962年
  • 『リーチング・フォース』 - Reaching Fourth(1962年録音)(Impulse!)1963年
  • 『バラードとブルースの夜』 - Nights Of Ballads And Blues(1963年録音)(Impulse!)1963年
  • 『トゥデイ・アンド・トゥモロウ』 - Today And Tomorrow(1964年録音)(Impulse!)1964年
  • 『ライヴ・アット・ニューポート』 - Live At Newport(1963年録音)(Impulse!)1964年(ライヴ)
  • 『プレイズ・エリントン』 - McCoy Tyner Plays Ellington(1964年録音)(Impulse!)1965年
  • 『ザ・リアル・マッコイ』 - The Real McCoy(1967年録音)(Blue Note)1967年
  • 『テンダー・モーメンツ』 - Tender Moments(1967年録音)(Blue Note)1968年
  • 『タイム・フォー・タイナー』 - Time For Tyner(1968年録音)(Blue Note)1968年
  • 『エクスパンションズ』 - Expansions(1968年録音)(Blue Note)1968年
1970年代
  • Cosmos(1968年~1970年録音)(Blue Note)1976年
  • 『エクステンションズ』 - Extensions(1970年録音)(Blue Note)1973年
  • 『アサンテ』 - Asante(1970年録音)(Blue Note)1974年
  • 『サハラ』 - Sahara(1972年録音)(Milestone)1972年
  • 『ソング・フォー・マイ・レディ』 - Song For My Lady(1972年録音)(Milestone)1972年
  • 『エコーズ・オブ・ア・フレンド』 - Echoes Of A Friend(1972年録音)(JVC, Milestone)1972年
  • 『ソング・オブ・ザ・ニュー・ワールド』 - Song Of The New World(1973年4月録音)(Milestone)1973年
  • 『エンライトメント』 - Enlightenment(1973年7月録音)(Milestone)1973年
  • 『サマ・ラユーカ』 - Sama Layuca(1974年録音)(Milestone)1974年
  • 『アトランティス』 - Atlantis(1974年録音)(Milestone)1975年(ライヴ)
  • 『トライデント』 - Trident(1975年録音)(Milestone)1975年
  • 『フライ・ウィズ・ザ・ウインド』 - Fly With The Wind(1976年録音)(Milestone)1976年
  • 『フォーカル・ポイント』 - Focal Point(1976年録音)(Milestone)1976年
  • 『スーパートリオズ』 - Supertrios(1977年録音)(Milestone)1977年
  • 『インナー・ヴォイセズ』 - Inner Voices(1977年録音)(Milestone)1977年
  • 『ザ・グリーティングス』 - The Greeting(1978年録音)(Milestone)1978年(ライヴ)
  • 『パッション・ダンス』 - Passion Dance(1978年録音)(Milestone)1978年(ライヴ)
  • 『カウンターポインツ:ライブ・イン・トーキョー』 - Counterpoints: Live in Tokyo(1978年録音)(Milestone)2004年(ライヴ)
  • Together(1978年録音)(Milestone)1979年
  • 『ホライゾン』 - Horizon(1979年録音)(Milestone)1980年
1980年代
1990年代
2000年代

テレビ出演[編集]

  • 『東京JAZZ 2009』 (NHK BShi)2009年9月30日, 10月1日

脚注[編集]

注釈・出典[編集]

  1. ^ 小川充 編「McCoy Tyner」『スピリチュアル・ジャズ』リットーミュージック〈Jazz Next Standard〉、2006年、74頁。ISBN 4845613247 
  2. ^ 悠雅彦 (2003). 解説 マッコイ・タイナー ソロ・アルバムについて. Echoes Of A Friend (XRCD24). McCoy Tyner. JVC. p. 4.
  3. ^ 「マッコイ・タイナー/アトランティス」『ジャズ“ライヴ名盤”入門!』宝島社〈宝島社新書〉、2006年、154頁。ISBN 4796655719 
  4. ^ “マッコイ・タイナーさん死去 ジャズピアニスト”. 朝日新聞. (2020年3月7日). https://www.asahi.com/articles/ASN3746VMN37UHBI00K.html 2020年3月7日閲覧。 

外部リンク[編集]