スカイ・クロラ

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スカイ・クロラ』(The Sky Crawlers)は森博嗣小説、および同作品を初めとする小説シリーズ、または同作品を原作とするアニメーション映画作品である。本項目では「スカイ・クロラシリーズ」全体についても言及する。

目次

[編集] シリーズ概要

近未来を舞台に、戦闘機パイロットを主人公とする作品。物語の背景に戦争がありながら政治背景や戦況といった説明はほとんど無く、終始淡々とした「僕」を語り部として物語は進んでいく。

シリーズは短編集を含め6巻。2008年現在、ハードカバーから6巻、ノベルス、文庫それぞれ5巻ずつが中央公論新社より刊行されている。ノベルス版の挿絵鶴田謙二

刊行順での1作目は本作『スカイ・クロラ』だが、作中の時系列で最後にあたる内容であり時系列順に並べ替えると『ナ・バ・テア』、『ダウン・ツ・ヘヴン』、『フラッタ・リンツ・ライフ』、『クレィドゥ・ザ・スカイ』、『スカイ・クロラ』となっている。ただ、筆者は「どの巻から読んでも良い」と語っている[1]

タイトルの意味は「空を這う者たち」。本来の読みに従うなら「スカイ・クローラー」であるが、続刊もこのような表記になっている。

[編集] 既刊一覧

[編集] 単行本

すべて中央公論新社より出版。

[編集] ノベルス

すべてC★NOVELSより出版。

[編集] 文庫

すべて中公文庫より出版。

[編集] スカイ・クロラ

「スカイ・クロラシリーズ」の1作目。

新しい基地から移って来た主人公が、何度か出撃を重ねながらも淡々と日々を過ごしていく様子が描かれる。時系列は『クレィドゥ・ザ・スカイ』の後に当たる。

2008年に映画化。詳細は映画を参照のこと。

[編集] 登場人物

函南 優一(カンナミ・ユーヒチ)
本作の語り部であり主人公であるパイロット。一人称は「僕」。エースパイロット
栗田仁郎1名分の欠員を埋めるため、転属してきた。前の基地でも抜きん出た素質を見せていた。
草薙 水素(クサナギ・スイト)
女性指揮官。かつてエースパイロットとして高名だった。一人称は「私」。
土岐野 尚史(トキノ・ナホフミ)
パイロット。優一の同僚で、同室で寝泊まりしている。
湯田川 亜伊豆(ユダガワ・アイズ)
パイロット。
篠田 虚雪(シノダ・ウロユキ)
パイロット。優一の同僚。4人のパイロットの内最古参。口数は少なく、いつも長袖の黒服を着ている。
笹倉 永久(ササクラ・トワ)
整備士。腕がよく、機体にいろんな改良を施す。草薙水素と古くから交友がある。
クスミ、フーコ
娼婦たち。
草薙 瑞季(クサナギ・ミズキ)
水素の妹。パイロット達の間では子供だと噂されている。
三ツ矢 碧(ミツヤ・ミドリ)
水素の部隊が移動した基地での女性エースパイロット。キルドレである事について悩んだり、いろんな文献を読んで調べたりしている。函南にある種の好意を抱く。
山極 麦朗(ヤマギワ・ムギロウ)
男性指揮官。水素の部隊が移動した基地の司令官。中年で気の良さそうな男。
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[編集] 登場兵器

  • 散香Mk-B
  • スカイリイJ2
  • 染赤
  • 泉流


[編集] 映画

スカイ・クロラ The Sky Crawlers
監督 押井守
製作総指揮 石井朋彦
製作 奥田誠治
脚本 伊藤ちひろ
出演者 加瀬亮
菊地凛子
谷原章介
栗山千明
音楽 川井憲次
主題歌 絢香今夜も星に抱かれて…
配給 ワーナー・ブラザース
公開 日本の旗2008年8月2日
上映時間 121分
製作国 日本
言語 日本語
allcinema
Variety Japan
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スカイ・クロラ The Sky Crawlers』のタイトルで、2008年8月2日アニメーション映画として公開された。監督は押井守で、制作はProduction I.G

戦争請負会社の日本人部隊で、戦闘機に乗って戦う若者の物語。「若い人に、生きることの意味を伝えたい」ということである[2]

監督は本作に対して自信があるようで、「成功しなかったら辞める」と冗談交じりに語っている[3]

[編集] 概要

2004年の『イノセンス』以来4年ぶりの押井のアニメ作品。原作者の森には3年以上前からオファーがあり映像化は困難だと考えていたが、飛行機が綺麗な空を飛び回る映像だけでも観たいという思いから映画化が決定した。 押井に監督のオファーが来た経緯は原作者の森が好きな映画に(押井作品と知らずに)『アヴァロン』を挙げたことによる。押井は自分に可能な仕事かと疑問を抱いてオファーを断ったが、少し考えて気が変わり監督を引き受けた。

近年つちかってきた演出手法を封じ、『イノセンス』とはまったく違うシナリオ・演出法を持ってこの映画を若者へ向けたエンターテインメント作品として作ろうと決意したという[4]

おおまかなストーリーや世界観は原作に準拠しているが、ラストも含めて原作と異なる設定も多い。細かな所では函南の下の名前が「ユーイチ」に変更されたり、笹倉が初老の女性として描かれている。なお、エンドロール後にもシーンがある

2008年7月、第65回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門ノミネート[5]。2008年9月、フューチャー・フィルム・フェスティバル・デジタル・アワード受賞[6]

[編集] キャスト

[編集] スタッフ

[編集] その他

  • 声優はキャラクター1人に対し、60~70人のオーディションを行っている。草薙水素の声は監督の強い要望で菊地凛子が採用された。理由は勘であるとのこと[7]
  • 舞台はどこか日本とよく似た国で、作中では讀賣新聞などが登場する。小説での舞台設定は日本であるが、映画ではヨーロッパとして舞台設定し、アイルランドとポーランドでロケハンを行っている。
  • 作品のテーマでもある「終わらない繰り返しの物語」を象徴するように、前後にいくつも繰り返しの演出が見られる。
  • GyaOで配信された予告映像は庵野秀明樋口真嗣行定勲がそれぞれ手がけた。
  • 作中の計器パネルの針は、すべて正確な位置を指しているという。
  • ティーチャーは巨大な父としての存在であり、搭乗する戦闘機「スカイリィ」は男根を象っている。この為、機銃口はプロペラの先端に搭載されている(これは大口径モーターカノンのみで、通常の小口径機関銃は主翼内部に別にある)。
  • 当初監督は交信中の英語の会話はたどたどしい方がリアルだと考えていだが、声優が英語に堪能であるとわかり流暢な英語に変更されている。
  • ヘルメットの英語はコードネームである。
  • エンディング曲は当初、川井憲次が手がけていたが、監督がイメージソングだった絢香の『今夜も星に抱かれて...』(映画の書き下ろし曲ではない)を映像と合わせて聴いたところ、より映画に力を与えると判断した為、そのまま主題歌として採用される。
  • 劇中、少年少女の容貌を持った「キルドレ」であるキャラクターがタバコを吸ったり口にくわえる場面が複数存在する。これに関して、NPO法人の日本禁煙学会は8月10に理事長の作田学名で制作関係会社に対する質問状を送付したことを明らかにした[8]
  • 作品に出てくる戦闘機「散香」は日本九州飛行機試作戦闘機「震電」に、「スカイリィ」はドイツフォッケウルフ高高度戦闘機「Ta-152」に、「泉流」は日本空技廠試作偵察機「景雲」に酷似している。染赤は例がないが、震電のジェット化あるいは米国「XP-55」の改良型かと思われる。

[編集] ゲーム

スカイ・クロラ イノセン・テイセス
ジャンル ドラマチックフライトシューティング
対応機種 Wii
開発元 バンダイナムコゲームス
発売元 バンダイナムコゲームス
メディア Wii用12cm光ディスク
発売日 日本の旗 2008年10月16日
アメリカ合衆国の旗 発売未定
欧州連合の旗 発売未定
オーストラリアの旗 発売未定
価格 日本の旗 7,140円(税込)
対象年齢 日本の旗 CERO:A(全年齢対象) 
アメリカ合衆国の旗 ESRB:Not yet rated
欧州連合の旗 PEGI:Not yet rated
ドイツの旗 USK:Not yet rated
デバイス ヌンチャク
クラシックコントロ-ラ
ゲームキューブコントローラ対応
  

スカイ・クロラ イノセン・テイセス』とは原作や映画版『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』とは違った視点から描かれたWiiフライトシューティングゲームである。開発はエースコンバットシリーズを手がけたスタッフが担当する。ゲームプレイヤーのターゲットとしては押井自身が言っているように若い頃から戦闘機にあこがれていて、最近ではゲームをやらなくなった中年層との事[9]

[編集] ゲーム版スタッフ

  • プロデューサー:加藤正規


[編集] 脚注

  1. ^ 森博嗣. "MORI LOG ACADEMY 2007年6月17日付け記事". 2008年5月27日 閲覧。
  2. ^ "鬼才・押井守、次回作を熱く語る". 朝日新聞社 (2007年6月20日). 2007年6月20日 閲覧。
  3. ^ 「この映画は生まれ変わったつもりで作りました。この作品が成功しなかったら、今度こそ辞めます。」 公開初日の舞台挨拶の監督の発言 (具体的に押井本人が何を辞めるとまでは語っていない)
  4. ^ "『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』(監督:押井 守)製作決定のお知らせ". 株式会社プロダクション・アイジー (2007年6月20日). 2007年6月20日 閲覧。
  5. ^ 世界から応募された長編映画は2429本に及び、最終審査を通過した21本中、3本が日本の作品という快挙であった
  6. ^ 優れたデジタル技術を使った作品に贈られる賞
  7. ^ 劇場用公式パンフレットより
  8. ^ スカイ・クロラの喫煙シーンについて
  9. ^ "押井 守監督の最新劇場映画『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』がWiiで登場 『スカイ・クロラ(仮題)』【映像インタビューつき】". ファミ通.com (2008-3-21). 2008年3月21日 閲覧。

[編集] 外部リンク

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