アヴァロン (映画)

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アヴァロン
監督 押井守
脚本 伊藤和典
製作 ヤヌシ・チェフ
出演者 マウゴジャータ・フォレムニャック
ヴァディスワフ・コヴァルスキ
イエジ・グデイコ
ダリュシュ・ビスクプスキ
バルテック・シヴィデルスキ
音楽 川井憲次
配給 日本の旗日本ヘラルド映画
公開 日本の旗 2001年1月20日
上映時間 106分
製作国 日本の旗 日本
言語 ポーランド語
日本語
製作費 6億円(推定)
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アヴァロン』(Avalon)は、2001年公開の日本映画。おもにアニメ作品の監督を務める押井守実写に挑んだ作品であり、彼の劇場用の実写映画作品としては4作目に当たる。上映時間106分。日本での公開は2001年1月20日

目次

[編集] 概要

題名の由来となっている「アヴァロン」とは、アーサー王伝説に登場する島の名前で、負傷したアーサー王モルガン・ル・フェによって運ばれた場所とされる。

日本ヘラルド映画等、日本の会社が製作しているため日本映画に分類されるが、すべてポーランド国内で撮影されている。このため、言語はポーランド語が用いられ、出演者も総てポーランド人の役者が配役され、日本人の役者は登場していない。作中の銃火器や軍用車輌なども一部を除いてポーランド陸軍が運用する本物である。押井は、ハインドが借りられるのを理由に、それも作品のためというよりは純粋にマニアとして本物に触りたかった為に、ポーランド撮影を選択したという[1]

この作品の公開に際して、押井は「すべての映画はアニメである」という持論を語った。実写として撮影しても、編集や後処理によってコントロールすれば、それはもうアニメである。デジタルでは特にそれが顕著である、と。また、押井は『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』や『機動警察パトレイバー』、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』で語ってきたテーマ、「現実ではなくても、それがその人にとって気持ち良いものならば、それはその人にとっては現実ではないのか?」というテーマに沿って製作したことも明かしている。

元々この映画は押井の他の多くの実写映画と同じく、凍結中の『G.R.M. THE RECORD OF GARM WAR(ガルム戦記)』の「オトシマエ」、つまり書類上の企画を「落とさない」ために作られたものである。解散したデジタルエンジンのスタッフが多く参加しているのもこのため。

アクション映画もしくはSF映画に分類されるが、押井が傾倒しているコンピューターRPGウィザードリィ』の要素が色濃く反映されており、登場人物の名称ならびに職名には、すべて『ウィザードリィ』に登場した用語が用いられている。即ち、押井版『ウィザードリィ』とも言える。

同じ系統の作品には、『クラインの壷』のテレビドラマ版がある。この作品も川井憲次が音楽を担当した。

2009年12月、本作と地続きの世界観でオンラインゲーム「アヴァロン」の新しいフィールドを舞台にした押井監督による実写映画『アサルトガールズ』が公開された。

[編集] あらすじ

近未来、「アヴァロン」という名のオンラインゲームが若者の間で熱狂的な支持を得ていた。プレイヤー達は、専用端末を介して仮想現実空間に接続し、単独またはパーティを組んで、実在の武器や兵器を用いて戦う。ゲーム中でランクに応じたミッションをこなすことで、現実世界で使える報酬を得ることが出来るが、ゲームから抜け出せずに「未帰還者」となる人間を生み出すこともあるため、過激な非合法ゲームとされていた。

「アヴァロン」の凄腕プレイヤー・アッシュは、かつては最強と呼ばれた伝説のパーティ「ウィザード」の戦士だったが、パーティが崩壊して以来、ソロプレイヤーとして「アヴァロン」に参加し続けていた。愛犬と暮らす自室と「アヴァロン」の仮想空間が、今の彼女の日常だった。

ある時、挑発的にもアッシュと同じ戦法でアッシュよりも速いクリアタイムを記録したプレイヤー・ビショップが現れた。その正体をつかめずにいたアッシュは、元「ウィザード」の盗賊・スタンナと再会し、「ウィザード」のリーダーだったマーフィーが、単独でクラスAのステージに現われるという隠れキャラクター「ゴースト」を追い、そのまま「未帰還者」となってしまったことを知る。アッシュは病院に赴くが、廃人となったマーフィーは何も語らなかった。「ゴースト」と「未帰還者」の関連性を探るうち、「アヴァロン」プログラムの供給者とされる「九姉妹」の名に行き着く。

やがてスタンナが「ゴースト」の出現条件を解いた。クラスAのステージをクリアした際、レベル12以上の司教=高位聖職者がパーティにいること。マーフィーはソロプレイヤーでありながら高位聖職者でもあったため、条件を満たしていたのだ。しかし戦士であるアッシュがそれまでの経験値を捨てて司教に転職し、さらにソロプレイヤーとして高位聖職者まで成長することは非現実的な話だった。現役の高位聖職者とパーティを組む必要があることは明らかだが、「ウィザード」のメンバーだったという過去がその障害になることをスタンナが指摘。アッシュは「九姉妹」との関係を疑いながらもビショップにパーティメンバーの招集を依頼した。

そして始まるクラスAでの戦闘。メンバーにはスタンナも加わっていた。アッシュ・スタンナ・ビショップたちはクラスA最強の敵を倒してステージをクリア、「ゴースト」との遭遇を果たす。

[編集] キャスト

アッシュ: マウゴジャタ・フォレムニャック(吹き替え:財前直見
伝説のパーティ「ウィザード」の元メンバー。
ゲームマスター: ヴァディスワフ・コヴァルスキ(吹き替え:日下武史
アヴァロン専用端末でプレイヤーをガイドする。
マーフィー: イェジ・グデイコ(吹き替え:木下浩之
かつては「ウィザード」のリーダーだったが、現在は廃人状態で病院にいる。
ビショップ : ダリウシュ・ビスクプスキ(吹き替え:大塚明夫
突如アッシュの前に現れた男。高い戦闘技術を持つ。
スタンナ : バルトウォミエイ・シフィデルスキ(吹き替え:山寺宏一
「ウィザード」の元メンバー。
受付の女 : カタジナ・バルギエオフスカ(吹き替え:范文雀
九姉妹のマーフィー : ミハウ・ブライテンヴァルド(吹き替え:大川透
ジル : アリシィア・サプリック(吹き替え:田中敦子
プレイヤーA : アダム・シュズコウスキ(吹き替え:鈴木正和
プレイヤーB : クシシュトフ・シュゼルビンスキ(吹き替え:浜田賢二

[編集] スタッフ

  • 監督:押井守
  • エグゼクティブ・プロデューサー:渡辺繁、香山哲、塩原徹、坂上直行
  • 脚本:伊藤和典
  • 音楽:川井憲次
  • ライン・プロデューサー:アンジェイ・グドフスキ、ヴォイチェフ・ヴィデルスキ
  • 制作担当:ヤヌシ・チェフ
  • 撮影監督:グジェゴシ・ケンジェルスキ
  • 美術:バルバラ・ノバク
  • 衣裳:マグダレナ・テスワフスカ
  • ビジュアル・エフェクト・スーパーバイザー:古賀信明
  • デジタル・アート・ディレクター:林弘幸
  • 美術デザイナー:渡部隆
  • メカニックデザイナー:竹内敦志
  • 音響デザイナー:井上秀司、ランディ・トム
  • 音響監督:若林和弘
  • 特殊造型:品田冬樹

[編集] 評価

マトリックス』の監督ラリー・ウォシャウスキーは本作で押井を「彼は常に新しいスタイルを切り開く監督だ」と表現した。イギリスの映画評論家トニー・レインズは本作を「押井守の最高傑作。最高に刺激的な作品だ」と絶賛した。また、『アバター』、『タイタニック』などの監督で知られるジェームズ・キャメロンは本作を「今まで作られたSF映画の中で、最も美しく芸術的でスタイリッシュな作品だ」と評した。

また押井自身は本作のインタビューにて「映像や音楽に対する理想が一番実現できた作品」と述べた。

[編集] 小説

Avalon 灰色の貴婦人
作:押井守
メディアファクトリー ISBN 4840101574
メディアファクトリー・MF文庫J イラスト:toi8 ISBN 4840107424
エンターブレイン ISBN 4757740689
「308」と呼ばれるアヴァロン世界における傭兵の物語。「灰色の貴婦人」と呼ばれる謎の戦士との出会いを通し、アヴァロンの謎に迫る。
非常に独特な文章が多い。とりわけ、あとがきでも言及されるように武器の記述が非常に詳しい。段落を変えて展開されることもあり、戦闘シーンではアクションと同程度に文量をとる。また、食事シーンも多く生活感にあふれ、「308」の視点から本作の世界を体験するような構成となっている。
映画版では把握しにくい「傭兵」の実態やクラス構成が詳細に記されるほか、舞台となる地域が異なる(住民の特徴や生活環境から日本であると考えられる)など、映画版からの世界の広がりを補完する点が多い。
また、本作では『既視感』(デジャブ)をキーワードに挙げており、映画版の映像表現を内面的な心理描写で巧みに描いていく。

[編集] 脚注

  1. ^ 押井守『押井守・映像機械論[メカフィリア]』大日本絵画、2004年 ISBN 4499227542

[編集] 関連項目

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