オイノーネー

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パリスとオイノーネー

オイノーネー古希: Οἰνώνη, Oinōnē)は、ギリシア神話の女性である。長母音を省略してオイノネとも表記される。イーデー山に住むニュムペーで、河神ケブレーンの娘。レアーから予言の術を[1]アポローンから薬草について学んでいた[2]トロイアの王子パリスがイーデー山で羊飼いをしていた頃の妻で、コリュトスの母。パリスを深く愛していたが後にパリスに捨てられた。

パリスは生まれたときにトロイアに災いをもたらす者として捨てられ、イーデー山で成長し、オイノーネーを妻とした。しかしパリスは3女神がイーデー山にやって来て美の審判を求めたときアプロディーテーの味方をした。そして審判の後オイノーネーを捨てて褒美である世界一の美女ヘレネーを誘拐しようとした。オイノーネーは予言の術によって誘拐をやめさせようとしたが説得できなかったため、もし誰も癒せない傷を負ったら治せるのは自分だけだから、そのときは戻ってくるように言った[3]

その後パリスの誘拐によってトロイア戦争が起こり、パリスはピロクテーテースの弓矢によって癒えない傷を負い、瀕死となった。パリスはオイノーネーに癒してもらうためにイーデー山に戻った。しかしオイノーネーはパリスを怨んで追い返し、パリスはイーデー山を降りる途中で死んだ。オイノーネーは嘆いてパリスの火葬場に走っていき、火葬の炎に飛び込んで自殺した[4]。あるいはパリスを追い返したことを後悔し、薬を持って追いかけたがすでに死んでいたため、首をつって自殺した[5]

脚注[編集]

  1. ^ アポロドーロス、3巻12・6。
  2. ^ オウィディウス名婦の書簡』5。
  3. ^ アポロドーロス、3巻12・6。
  4. ^ スミュルナのコイントス、10巻。
  5. ^ アポロドーロス、3巻12・6。

参考文献[編集]