クリューセーイス

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送り届けられるクリューセーイス。クロード・ロラン、1644年。

クリューセーイス古希: Χρυσηΐς, Chrȳsēïs)は、ギリシア神話の女性である。長母音を省略してクリュセイスとも表記される。クリューセー市のアポローン神官クリューセースの娘で、アガメムノーンの子クリューセースの母。

神話[編集]

トロイア戦争においてギリシア軍がミューシアのテーベ市[1]を攻撃したとき、テーベを訪れていたクリューセーイスは捕らわれ、アガメムノーンの褒賞として与えられた。

クリューセーイスが捕虜となったことを知った父クリューセースはギリシア軍の陣地を訪れ、娘を返してくれるよう求めたが、アガメムノーンは彼女を妻のクリュタイムネーストラーより気に入っていたのでクリューセースを追い返した。クリューセースはアポローンに祈ってギリシア軍に災いをもたらすことを願い、アポローンは疫病を起こして多くのギリシア兵を殺したため、アガメムノーンはしぶしぶクリューセーイスの返還に応じ、オデュッセウスに彼女を父のもとに送り届けさせた。しかし彼女の代わりにアキレウスからブリーセーイスを奪ったため、怒ったアキレウスは戦場に出ることを拒んだ[2]

クリューセーイスは無事に父のもとに送り届けられたが、彼女はアガメムノーンの子を宿しており、クリューセースを生んだ。しかしアガメムノーンの子ではなく、アポローンの子であるとして育てた。

後にタウリストアース王のもとからオレステースイーピゲネイアが逃げてきたとき、彼らがアガメムノーンの子であると知り、子のクリューセースに本当の父親がアガメムノーンであることを明かし、クリューセースはオレステースに協力してトアースを殺した[3]

脚注[編集]

  1. ^ アンドロマケーの父エーエティオーンが支配する町。
  2. ^ 『イーリアス』1巻。
  3. ^ ヒュギーヌス、121。

参考文献[編集]

関連項目[編集]