エーオース

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メムノーンを抱き上げるエーオースを描いたアッティカの赤像式杯。紀元前490年-480年頃(ルーヴル美術館蔵)
イーヴリン・ド・モーガンによるエーオースの絵画(1895年)

エーオース古代ギリシア語イオニア方言:Ἠώς, Ēōs)またはヘオースアッティカ方言:Ἑώς, Heōs)は、ギリシア神話に登場する暁の女神である。その名は古典ギリシア語で「暁」を意味し、暁の神格化である。ティーターンの系譜に属し、様々な恋の物語が彼女をめぐって存在する。聖鳥、聖虫は雄鶏日本語では長母音を省略してエオスとも呼ぶ。

概説[編集]

エーオースはその名の通り、暁の女神である。ティーターンであるヒュペリーオーンテイアー女神のあいだに生まれた。兄弟には、同じく自然現象や天体の神格化と言える、ヘーリオス(太陽)とセレーネー(月)がいる[1]。また、同じくティーターンの系譜にあるアストライオスとの間で、三柱のアネモイ)、すなわちゼピュロス(西風・春風)、ボレアース(北風)、ノトス(南風)、そしてすべての星々を生んだとされる[2]

ローマ神話での対応と別名[編集]

ローマ神話では、アウローラが対応する女神である。

アッティカ方言では、ヘオースというが、これも「暁」の意である。叙事詩での定型修飾称号に、「薔薇色の指持つ(古代ギリシャ語: ῥοδοδάκτυλος, ラテン文字転写: rhododaktylos)」や「黄金の腕持つ」あるいは「黄金の御座にまします(古代ギリシャ語: χρυσόθρονος, ラテン文字転写: khrysothronos)」などがある。ἠριγένεια Ἠώςエーリゲネイア・エーオース)とは「早きに生まれた暁」の意味である。ホメーロス«ῥοδοδάκτυλος Ἠώς»すなわち「薔薇色の指もてる暁が」と述べる。こうして、ホメーロスなどの叙事詩では、一日の記述が「ばら色の指をした暁の女神エーオース」などの表現ではじまる。

物語[編集]

ティートーノスとの恋と定め[編集]

エーオースはイーリオスラーオメドーンの子ティートーノスとの間に、英雄メムノーンエーマティオーンをもうけた。エーマティオーンはヘーラクレースに討たれた。メムノーンは、父ティートーノスがイーリオス王プリアモスの兄弟だったため、エチオピア勢を率いてトロイア戦争に参加した。

脚注[編集]

  1. ^ アポロドーロス『ギリシア神話』一巻 II 2
  2. ^ アポロドーロス『ギリシア神話』一巻 II 4。および、ヘーシオドス『神統記』 378-382行

参考書籍[編集]

  • ヘシオドス 『神統記』 岩波書店
  • アポロドーロス 『ギリシア神話』 岩波書店
  • 呉茂一 『ギリシア神話』 新潮社

関連項目[編集]