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「モビルスーツ」の版間の差分

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宇宙世紀のモビルスーツ、他
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== 宇宙世紀のモビルスーツ ==
== 宇宙世紀のモビルスーツ ==
『機動戦士ガンダム』をはじめとする「[[宇宙世紀]]」を舞台とする作品におけるMSは、"'''Mobile''' '''S'''pace '''U'''tility '''I'''nstrument '''T'''actical" の略とされ、「戦術汎用宇宙機器意味であ<ref>『ガンダムセンチュリー』みのり書房、1981年9月、銀河出版、2000年3月(復刻版)、13頁、ISBN 4-87777-028-3。</ref>{{Refnest|group="注"|ただ、これは後にサンライズでSF考証を手がけることになる[[森田繁]]が、1980年代初めの同人誌「ガンサイト」やムック「[[ガンダムセンチュリー]]作った略語で、また裏設定の創作を手がけるプロダクション「伸童舎」のメンバーらによる、1990年代以降の関連書籍にも記載されているそれ以前には、単に“機動服”という味を意図した乱暴な和製英語として存在していた。また、劇場版第2『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』のパンフレットに掲載された大河原邦男のイラストに「宇宙白兵戦用重機動宇宙服」という言葉意訳語として掲載されていた}}。
『機動戦士ガンダム』をはじめとする「[[宇宙世紀]]」を舞台とする作品において、モビルスーツの「スーツ (SUIT)」は、"'''S'''pace '''U'''tility '''I'''nstruments '''T'''actical"戦術汎用宇宙機器略とされ{{Sfn|センチュリー|1981|p=13}}{{Sfn|EB一年戦争編|1989|p=36-37}}{{Efn2|[[ガンダムセンチュリー]]で設定されなお、発行直前に公開された劇場版のパンフレットでは、MSの和訳・として「機動宇宙服」{{Sfn|劇場版第1作パンフ|1981}}あるいは「宇宙白兵戦用重機動宇宙服」{{Sfn|哀戦士編パンフ|1981}}表記されていた。}}。なお、モビルスーツという名称に対して、人間が着用する[[宇宙服]]全般(パイロットスーツ含む)を「'''ノーマルスーツ'''」と呼称する{{Sfn|ガンダム大事典アニメック|1981|p=122}}。


[[ミノフスキー粒子]]を戦闘空域で散布する事により、高性能レーダーによる遠距離索敵や遠距離砲撃、ミサイルを封鎖し、そ環境下活躍す有視界戦闘用の機動兵器としてMSは生まれた。[[ジオン公国]]では各兵器メーに対し、ミノフスキー粒子の散布内で戦う機動兵器の開発を依頼中で要求性能を満たした機体として、[[宇宙世紀の企業#ジオニック|ジオニック]]社の[[ザクシリーズのバリエーション#クラブマン|ZI-XA3]]、[[宇宙世紀の企業#MIP|MIP]]社の[[ビグロ#MIP-X1|MIP-X1]]が提出される。こうちZI-XA3は、宇宙空間で戦闘力においてはMIP-X1に劣ったものの、アステロイド要塞やコロニー、月面の何においても高性能を発揮し、総合性能では従型の宇宙戦闘機、陸戦兵器を凌駕。この案ではジオニック社のものが採用され、ZI-XA3MS-01として表向きは非戦闘用の作業して、実戦タイプの開発がスタートす<ref>『ガンダムセンチュリー』みのり書房、1981年9月、銀河出版、2000年3月(復刻版)、34-35頁、ISBN 4-87777-028-3。</ref>{{Refnest|group="注"|一方で、この時、提出されたMIP-X1は後にAMBACシステムを導入した重装甲・重武装の機動兵器である[[モビルアーマー]]として発展している<ref>『ガンダムセンチュリー』みのり書房、1981年9月、銀河出版、2000年3月(復刻版)、54-56頁、ISBN 4-87777-028-3。</ref>。}}。
宇宙世紀0065年、[[サイド (ガンムシリズ)#サイド3(ムンゾ)|サイド3]][[サイド (ガンダムシリーズ)#スペース・コロニー|スペース・コロニー]]国家る[[ジオン公国]]において、レや誘導兵器を使用不能する[[ミノフスキー粒子]]の特殊効果が発見される{{Sfn|DC一年戦争編|1996|p=63}}。公国軍は0071年に同粒子の散布下における新型兵器の開発に着手{{Sfn|EB一年戦争編|1989|p=63}}、国防省は各兵器メーカーに対して開発を命じている{{Sfn|センチュリー|1981|p=34}}いくつかシステムが提示されるが、要求性能を満たすのは[[宇宙世紀の企業#ジオニック|ジオニック]]社の[[ザクシリーズのバリエーション#クラブマン|ZI-XA3]]、[[宇宙世紀の企業#MIP|MIP]]社の[[ビグロ#MIP-X1|MIP-X1]]のみであった{{Sfn|センチュリー|1981|p=34}}。「人型」であるZI-XA3は、テストを視察した[[ザビ家#ギレン・ザビ|ギレン・ザビ]]冷笑を買ったいわるが、総合性能においてMIP-X1や在来兵器を凌国防省はZI-XA3の採用を決定する{{Sfn|センチュリー|1981|p=34}}。0073年に{{Sfn|EB一年戦争編|1989|p=63}}「モビルスーツ」の呼称とMS-01の型式番号を与えられ、表向きは新型宇宙用作業されるが引き続き実戦タイプの開発が命じられる{{Sfn|センチュリー|1981|p=34}}。


0074年2月、ジオニック社は実戦型MSである[[ザクI|ザク (I)]] の試作型をロールアウト{{Sfn|EB一年戦争編|1989|p=63}}。翌0075年の制式採用試験において[[宇宙世紀の企業#ツィマット|ツィマット]]社の[[ヅダ]]を下している(OVA『[[機動戦士ガンダム MS IGLOO]]』より)。ザクIの実用試験を観覧したギレンは、「これこそ今のジオンに必要な兵器だ」と叫び、心の中で開戦を決意したといわれる{{Sfn|ガンダムRPG|1997|p=42-45}}。0078年1月には改良型である[[ザクII]]の量産が開始され{{Sfn|EB一年戦争編|1989|p=63}}、翌0079年1月からのジオン独立戦争([[一年戦争]])の緒戦において当時の主力兵器であった宇宙戦艦を圧倒し、目覚ましい戦果を挙げる。
宇宙世紀0075年になると、ジオン公国軍当局からの依頼により、ジオニック社では汎用作業用機械の延長となるYMS-05A [[ザクI]]を、ツイマッド社はEMS-04([[ヅダ]])を提出。EMS-04は宇宙空間での高い機動力を発揮しながらも試験中に爆発事故をおこし、結局安定した性能を示したYMS-05が採用され、「MS-05 [[ザクシリーズのバリエーション|ザク]]」(後に[[ザクI]])と命名された<ref>『機動戦士ガンダム MS IGLOO 完全設定資料集』エンターブレイン、2007年5月、22頁。ISBN 978-4757734081</ref>。MS-05 ザクIは宇宙世紀0076年5月の教導機動大隊への配備を皮切りに各部隊が編成され、実戦参加も行ったものの、MS-06 [[ザクII]]のロールアウト後はそちらに生産が回され、ルウム戦役以降は主力としてはザクIIが主力として転換されていった<ref>『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション1 ザク編』講談社、1984年4月2日、2006年7月(復刻版)、82頁。ISBN 978-4063721751</ref>。


一方、コロニーを含む地球圏を統治する[[地球連邦軍]]においても、一年戦争以前から公国軍の新兵器の漠然とした情報をもとに、その対抗兵器の開発などを目的とした「RX計画」が進められるが{{Sfn|DC一年戦争外伝|1997|p=50-51}}、首脳陣に軽視され遅々として進んでいない{{Sfn|ガンダムRPG|1997|p=42-45}}。一年戦争緒戦での公国軍MSの威力を目の当たりにした首脳陣は、研究途上のMSの開発および実戦投入を早々に決定{{Sfn|DC一年戦争外伝|1997|p=50-51}}。0079年4月に発動した{{Sfn|EB一年戦争編|1989|p=63}}「[[V作戦]]」の一環として本格化し{{Sfn|EB一年戦争編|1989|p=46}}、[[ガンタンク]]や[[ガンキャノン]]を開発、そして7月には[[ガンダム (架空の兵器)|ガンダム]]の試作1号機がロールアウト{{Sfn|EB一年戦争編|1989|p=63}}。公国軍と比べて非常に短期間で高性能な実用機を完成し得た背景には、以前からのMSに必要な技術の蓄積や、それを支える経済力に優れていたこと、また戦争に反対する何人かの公国軍MS技術者の亡命・協力が挙げられている{{Sfn|MSV連邦軍編|1984|p=68-69}}。その後、ガンダムの簡易型である[[ジム (ガンダムシリーズ)|ジム]]が大量生産され、一年戦争における連邦軍の勝利に貢献する。
一方で、地球連邦軍でも一年戦争開戦直後からMSの開発をスタートし、以前から存在した汎用技術である歩行メカや、その経済力、ジオンからの技術者引き抜きを背景に8か月で実用化に成功<ref>『講談社ポケット百科シリーズ 機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション (3) 連邦軍編』講談社、1984年、2006年7月(復刻版)、68-69頁。(ISBN 978-4063721775)</ref>。[[ガンタンク#RTX-44|RTX-44]]を原機として連邦軍初のMSであるRX-75[[ガンタンク]]を完成させる<ref>『講談社ポケット百科シリーズ 機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション (3) 連邦軍編』講談社、1984年、2006年7月(復刻版)、70頁。(ISBN 978-4063721775)</ref>。続いてRX-78 [[ガンダム (架空の兵器)|ガンダム]]、RX-77 [[ガンキャノン]]を同時に開発<ref>『講談社ポケット百科シリーズ 機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション (3) 連邦軍編』講談社、1984年、2006年7月(復刻版)、73頁。(ISBN 978-4063721775)</ref>。連邦軍は、これらの中でガンダムの簡易量産型である[[ジム (ガンダムシリーズ)|ジム]]を大量に生産し、実戦投入した<ref>『講談社ポケット百科シリーズ 機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション (3) 連邦軍編』講談社、1984年、2006年7月(復刻版)、90頁。(ISBN 978-4063721775)</ref>。


=== モビルスーツの世代別分類 ===
=== モビルスーツの世代別分類 ===
; 第1期モビルスーツ
モビルスーツが登場して以降、その時代背景や技術水準によって様々なタイプのモビルスーツが開発されている。モビルスーツは次のように大別される。
: 一年戦争において、宇宙世紀における主力兵器の座を確立したMSは、その後も発展を続けていく。以下に述べる第5世代までのMSを、その後の[[第2期モビルスーツ|第2期MS]]に対して「第1期MS」と呼ぶ{{Sfn|DC Vガンダム|1999|p=66-67}}。

==== 第1モビルスーツ ====
:; {{Anchors|第1世代モビルスーツ}}第1世代モビルスーツ
:: のちの第2世代MSの登場に際し、それ以前のMSが分類されたものである{{Sfn|ジ・アニメΖ1|1985|p=96-97}}。機体構造は、ジオン公国軍が開発したMSは(フレームレス・)[[モノコック]]、連邦軍のMSは[[モノコック#航空機|セミ・モノコック]]を採用している{{Sfn|センチュリー|1981|p=45}}。後者のほうがやや構造重量が大きいものの、装甲板がいくつかの共通パネルに分割されているため、交換が容易である{{Sfn|センチュリー|1981|p=45}}。
; {{Anchors|第1世代モビルスーツ}}第1世代モビルスーツ
:; {{Anchors|第2世代モビルスーツ}}第2世代モビルスーツ
主に『[[機動戦士ガンダム]]』とその外伝群、および『[[機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY]]』に登場する世代。
:: 新素材の金属である[[ガンダリウム合金|ガンダリウムγ]]が用いられたMSで、0080年代半ばに[[アナハイム・エレクトロニクス]] (AE) 社が開発した[[リック・ディアス]]がその祖とされる{{Sfn|ジ・アニメΖ1|1985|p=96-97}}。これにより機体の重量および剛性の問題が解消され、高性能のジェネレーターやスラスターの搭載を可能としている{{Sfn|ジ・アニメΖ1|1985|p=96-97}}。また、同時期に実用化された[[ムーバブルフレーム]]という装甲とフレームを完全分離した機体構造、および[[全天周囲モニター・リニアシート|全天周囲モニター・リニアシート]]というコックピット・システムの導入を条件とする資料もある{{Sfn|MS回顧録|1999|p=205}}。0087年から0089年にかけて実戦投入され、総生産数は4,000機を超えるとされる{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=38}}。以降も[[ジェガン]]などが、総力戦の主力として不可欠な地位を占めている{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=42}}。

:; {{Anchors|第3世代モビルスーツ}}第3世代モビルスーツ
第2世代以前に開発されたモビルスーツがこれに位置付けられる<ref name="MS回顧録">『機動戦士ガンダム MS回顧録』メディアワークス、1999年10月、205頁。ISBN 4-8402-1373-9。</ref>。ジオン公国軍が開発したザクIを始めとし、[[モノコック]]構造(ジオン公国製)あるいはセミ・モノコック構造(地球連邦製)を基本としている。一年戦争終結までに開発されたモビルスーツのほぼ全てと、[[デラーズ紛争]]期のモビルスーツがこれに含まれる。以後のモビルスーツの基礎を築いた。
:: 第2世代MSの条件を満たしつつ{{Sfn|MS回顧録|1999|p=205}}、可変モビルアーマーでつちかわれた技術をムーバブルフレームを利用してスケールダウンした[[可変モビルスーツ]]を指す{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=42}}。単に可変機能だけでなく、第2世代MSをすべての点で上回ることから分類される{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=42}}。開発の難しさとコストの問題から多くは作られなかったとされ、開発されても実戦投入されなかった機体が相当数あるといわれる{{Sfn|MS回顧録|1999|p=205}}。

:; {{Anchors|第4世代モビルスーツ}}第4世代モビルスーツ
モビルスーツという兵器が登場したばかりのため、様々なタイプのものが製作され運用された。運用されるものの中には後方支援タイプのキャノン搭載タイプや、水中で行動可能なものなどもみられた。しかし、世代が進みモビルスーツの性能が上がるにしたがい、こういった専用のタイプというものは製作されなくなる傾向があり、多岐にわたったMSの進化の道は次第に絞られて洗練されていった。
:: 飛躍的に出力の向上した熱核反応炉と{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=46}}、メガ・コンデンサーによる直結型メガ粒子砲{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=76}}(ハイ・メガ・キャノン{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=46}})を搭載した[[ニュータイプ]] (NT) パイロット対応MSを指す{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=46}}。[[サイコミュ]]の安全性が高く、高度なNT能力をもたないパイロットにも操縦可能な点も条件として挙げられる{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=46}}。[[ネオ・ジオン#アクシズ(ネオ・ジオン)|ネオ・ジオン]]軍が開発した[[ドーベン・ウルフ]]や[[ネオ・ジオンの機動兵器#ゲーマルク|ゲーマルク]]を代表に{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=46}}、0088-0089年の[[第一次ネオ・ジオン抗争]]後半に登場する大型MS群がこれに該当する{{Sfn|MS回顧録|1999|p=205}}。敵対する[[エゥーゴ]]側では、[[サイコミュ#バイオセンサー|バイオセンサー]]を搭載した[[ΖΖガンダム]]がこれに当たるが{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=46}}、同機は第3世代MSの要素も満たしている{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=76}}。第3世代MSと同様に、コストと運用上の問題からそのほとんどがワンメイク機であるが{{Sfn|MS回顧録|1999|p=205}}、以降も戦局を決定する戦闘に投入されている{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=42}}。なお、0093年の[[第二次ネオ・ジオン抗争]]に実戦参加した[[νガンダム]]や[[サザビー (ガンダムシリーズ)|サザビー]]は第4世代MSであるとする説と、第2世代MSとする説がある{{Efn2|第4世代ともいわれるがNT専用の第2世代であるとする資料{{Sfn|MS回顧録|1999|p=205}}、第4世代の傑作機とする資料{{Sfn|ガンダム事典|2007|p=115}}、直結式大出力メガ粒子砲内蔵の有無からνガンダムを第2世代、サザビーを第4世代とする資料がある{{Sfn|ファクトファイル73|2006|p=23-26}}。}}。

; {{Anchors|第2世代モビルスーツ}}第2世代モビルスーツ
:; {{Anchors|第5世代モビルスーツ}}第5世代モビルスーツ
:: 小型化された[[ミノフスキー粒子#ミノフスキー・クラフト|ミノフスキー・クラフト]]を搭載し、非変形での単独飛行を可能としたMSを指す{{Sfn|DC Vガンダム|1999|p=66-67}}。0105年に実戦投入された[[機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイの登場兵器#Ξガンダム|Ξガンダム]]と[[機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイの登場兵器#ペーネロペー|ペーネロペー]]がこれに当たる{{Sfn|ガンダム事典|2007|p=120}}。大気圏内でのMSの運用を一変させると考えられていたが、破格の高コストや機体の著しい大型化のために普及していない{{Sfn|MSヒストリカ5|p=32}}。また、0110年にロールアウトした[[ガイア・ギアの登場兵器#ゾーリン・ソール|ゾーリン・ソール]]は、第5世代MSの発展型とされる{{Sfn|ホビージャパン9104|1991|p=31}}。
主に『[[機動戦士Ζガンダム]]』『[[機動戦士ガンダムΖΖ]]』『[[機動戦士ガンダム 逆襲のシャア]]』に登場する世代。
:: なお、第2期MSを第5世代MSに分類する資料もある{{Sfn|ファクトファイル91|2006|p=23-26}}。

; 第2期モビルスーツ
第2世代モビルスーツの条件は[[全天周囲モニター・リニアシート|全天周囲モニター・リニアシート・イジェクションポッド]]の採用、[[ムーバブルフレーム]]の導入とされている<ref name="MS回顧録"/>。一方で、全天周モニターとムーバブルフレーム、装甲材として[[ガンダリウム合金|ガンダリウムγ]]を使用している機体を第2世代モビルスーツとした資料も存在する<ref>『ENTERTAINMENT BIBLE 機動戦士ガンダムMS大図鑑 PART.2 グリプス戦争編』バンダイ、1989年3月、38頁。ISBN 4-89189-018-5</ref>(ただし、装甲についてはチタン複合材を使用する『第1.5世代』ともいうべき機体も複数存在する)。また、ジェネレーターの小型軽量化と高出力化によりビーム兵器の携行が一般的となった。装甲もビームの直撃を避けるため運動性重視のものとなり、それを対ビームコーティング仕様のシールドで補っている。さらにAMBAC機能強化のために四肢とは別にテールスタビレーターやフレキシブルバインダーなどの可動肢を設けた機体も多い。一年戦争終結後に開発され、[[グリプス戦役]]から[[第二次ネオ・ジオン抗争]]に掛けてのほとんどの量産機がこれにあたる。
:宇宙世紀0100年代以降、新規に開発された15メートル級の小型MSを指す{{Sfn|DC Vガンダム|1999|p=66-67}}。宇宙世紀0120年代から少なくとも0150年代までは、第2期MSが主力となっている。開発経緯については、{{See|[[ヘビーガン#設定解説|ヘビーガン(設定解説)]]|[[ガンダムF90 (架空の兵器)#設定解説|ガンダムF90(設定解説)]]}}

; {{Anchors|第3世代モビルスーツ}}第3世代モビルスーツ
; その後のモビルスーツ
: 0169年を舞台とする漫画『[[機動戦士クロスボーン・ガンダム#機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST|機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST]]』では、コロニー間の紛争状態の長期化によってMSの製造や維持が難しくなっており、既存の第1期・第2期MSの数機種を「ミキシング・ビルド」したものが主流となっている。{{main|[[機動戦士クロスボーン・ガンダムの登場兵器#DUST|機動戦士クロスボーン・ガンダムの登場兵器 (DUST)]]}}
第2世代モビルスーツに可変機構を加えた'''[[可変モビルスーツ]]'''がこれにあたる<ref name="MS回顧録"/>。一方で、可変MAの設計思想を導入したTMS(可変MS)を第3世代とする資料も存在する<ref>『ENTERTAINMENT BIBLE 機動戦士ガンダムMS大図鑑 PART.2 グリプス戦争編』バンダイ、1989年3月、42頁。ISBN 4-89189-018-5</ref>。開発の難しさとコスト高から、多くは作られなかったとされている<ref name="MS回顧録"/>。
: 0200年代を舞台とする小説『[[ガイア・ギア]]』では、モビルスーツに代わって「マン・マシーン」と呼ばれる人型兵器が主流となっている。{{main|マン・マシーン}}

: 0223年を舞台とする実写ドラマ『[[G-SAVIOUR]]』ではMSが運用されており、頭頂高は第2期MSよりやや大型の16-18メートル程度となっている。主推進器(スラスター)推力が以前のMSより格段に上昇しており、特殊なシステムを用いずに単独での長時間飛行が可能となっている。また、議会軍の主力MSである[[G-SAVIOURの登場兵器#ブグ|ブグ]]には腰部のフロント・アーマーに外装式推進機を追加装備するためのジョイントが設置されている{{Sfn|小説Gセイバー上|2000|p=211}}。
; {{Anchors|第4世代モビルスーツ}}第4世代モビルスーツ
: また、MSを無人機化したモビル・ウェポン (MW) の運用が試みられている。同型のMS(有人機)を隊長機とし、その司令をもとに自律行動をとる{{Sfn|小説Gセイバー上|2000|p=135-138}}。本編ののちの出来事を描いたゲーム版『G-SAVIOUR』に登場する[[G-SAVIOURの登場兵器#レイブン|レイブン]]は、ほぼ完全な単独自律行動がおこなえる。
[[第一次ネオ・ジオン抗争]]時に台頭した、大火力を備える[[ニュータイプ]]パイロット対応モビルスーツの総称。基本的な条件としては[[モビルアーマー]]クラスの高出力ジェネレータの搭載、並びにジェネレータ直結式の高出力メガ粒子砲を固定武装として有すること、さらに、[[サイコミュ]]の安全性が高く、高度なニュータイプ能力を持たないパイロットにも操縦可能な点が挙げられる<ref>『ENTERTAINMENT BIBLE 機動戦士ガンダムMS大図鑑 PART.2 グリプス戦争編』バンダイ、1989年3月、46頁。ISBN 4-89189-018-5</ref>([[オールレンジ攻撃#インコム|インコム]]や[[サイコミュ#バイオセンサー|バイオセンサー]]といった簡易サイコミュもこの範疇に含まれる)。また、多機能化を追求した結果、総じて大型化する傾向にあり、頭頂高20mを超える機体が多い。変形機構の有無は条件には含まれず、スラスター・デバイスの推力自体は然程向上していない。しかし、ジェネレータの出力そのものが大きいため、モビルスーツとしての機動力は旧世代機を上回る例も少なくない。また、MSZ-010 [[ΖΖガンダム]]のような第3・第4世代双方の機能を有する機体も極一部には存在するが、このような超々高級機は例外とされている。

第4世代モビルスーツは、その攻撃能力面において極めて高い性能(雑誌『ガンダム・ファクトファイル』を始め、ガンダム関連の書籍では「恐竜的進化を遂げた」と形容される事が多い)を発揮したものの、兵器としては末端肥大化した感も否めず、また、コストや運用性の問題から大量生産には向かず、一部のエース・パイロット向けに少数が配備されるに留まっている。また、モビルスーツの技術的限界が見え始めた時期でもあり、[[第二次ネオ・ジオン抗争]]以降は再びシンプルな機体コンセプトへと回帰していく事となる。ただし、攻撃力の側面としてはオプション装備として受け継がれていく。

; {{Anchors|第5世代モビルスーツ}}第5世代モビルスーツ
ミノフスキー・クラフト発振器を搭載し、非変形での大気圏内巡航航行を実現した機体を第5世代モビルスーツと呼ぶ{{Sfn|MSヒストリカ5|p=32}}。
『[[機動戦士ガンダム 逆襲のシャア]]』時点で、想定される第5世代モビルスーツの機能は、[[ミノフスキー粒子#ミノフスキー・クラフト|ミノフスキー・クラフト]]の搭載、宇宙空間との往復能力であった{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=42}}。

小説『[[機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ]]』に登場する[[機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイの登場兵器#Ξガンダム|Ξガンダム]]と[[機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイの登場兵器#ペーネロペー|ペーネロペー]]がこの区分に分類される。

大気圏内でのモビルスーツの運用を一変させると考えられていたが{{Sfn|MSヒストリカ5|p=32}}、破格の高コスト、機体そのものの著しい大型化のせいで普及しなかった{{Sfn|MSヒストリカ5|p=32}}。

小説『[[ガイアギア]]』に登場する[[ガイア・ギアの登場兵器#ゾーリン・ソール|ゾーリン・ソール]]は、『[[月刊ニュータイプ]]』誌上で機体の概要が公開された際はモビルスーツという設定だったが{{Sfn|ニュータイプ8711|1987|p=121}}、文庫化の際に[[マン・マシーン]]へ変更となった{{Sfn|ガイアギア1|p=144}}。『[[月刊ホビージャパン]]』によれば、第5世代モビルスーツの発展型とされる{{Sfn|ホビージャパン9104|1991|p=31}}。

後述の第2期モビルスーツを第5世代モビルスーツに分類する資料もある<ref>『週刊ガンダム・ファクトファイル No.140』デアゴスティーニ、2007年7月、140-1頁。</ref>

==== 第2期モビルスーツ ====
主に『[[機動戦士ガンダムF91]]』『[[機動戦士Vガンダム]]』に登場する世代。宇宙世紀0100年代以降、新規に開発された15m級の小型モビルスーツ群が第2期モビルスーツと呼ばれる{{Sfn|DC Vガンダム|1999|p=66-67}}。宇宙世紀0120年代から少なくとも0150年代までは、第2期モビルスーツが主力となっている。

宇宙世紀0100年代、これまで大型・高機能・複雑化、それに伴うコスト高という進化を続けていたモビルスーツを、[[サナリィ]]の提言により原点に立ち返って見直す風潮が生まれる。これを受け[[アナハイム・エレクトロニクス]]は小型MS「[[ヘビーガン]]」を開発したが、その性能は満足のいくものではなかった。そしてこれまでモビルスーツ開発の主導権を握っていた[[アナハイム・エレクトロニクス]]に対抗して、サナリィが[[ガンダムF90 (架空の兵器)|F90]]という小型モビルスーツを製作し、アナハイムが製作したモビルスーツ([[機動戦士ガンダムF90|MSA-0120]])とのコンペティションにて、F90が次期主力モビルスーツに決定される。これ以降本格的な第2期モビルスーツの時代が到来した。全高は第4世代モビルスーツでは最大20mを超えていたのに対し、15m程度にまで小型化される。[[ミノフスキー粒子#ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉|ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉]]の高出力化、小型化が進み、ビームシールドの装備と単独での長時間飛行が標準的となる。また、このサイズでのIフィールド防御や大容量の携行武器も実装されている。

ただし150年代の連邦軍主力として作られたジェイブスは当時の平均的なMSよりも一回り大きく、さらにザンスカール帝国のMSにもアビゴルやザンネックなどの18〜20m級の機体が存在する。

==== その後のモビルスーツ ====
宇宙世紀0200年代を書いた小説『[[ガイア・ギア]]』では、モビルスーツに代わって、マン・マシーンという機体群が主流となっている。

{{main|マン・マシーン}}

宇宙世紀0223年を描いた実写作品『[[G-SAVIOUR]]』でもモビルスーツの運用が続けられており、性能の向上(特に主推進器推力)と共に全高は0150年代と比較してやや大型の16〜18m程度となっている。

かつてのMSには活動領域や運用にも大きな制限があった。まず活動領域だが無重力下での運用が先に立っていたとはいえ、重力下での機体運動は主に2次元移動に頼らざるを得なかったという。資料や記録によれば初期のMSは(軍事用にもかかわらず)1Gでの飛行は不可能であり、ロケットのアシストによるジャンプが関の山だったとされている。事実、過去の戦争では多くのMSが一方的に航空機からの攻撃で撃破されたこともあるとこの時代では伝わっていて、飛行性能を持つMSに見慣れているこの時代の人間から見ればなんとも奇異だという感想を持たれていた<ref>小説『G‐SAVIOUR 下巻』214ページ 「NEW AGE MOBILE SUIT ~来たるべき新時代のMSとは~」</ref>。

この時代のMSは主推進器推力(スラスター推力)の性能が以前のMSより性能が格段に上昇しており、特殊なシステムを用いずとも単独での長時間飛行が可能とされる。また、セイバーチームが設計を担当した議会軍の主力MSである[[G-SAVIOURの登場兵器#ブグ|ブグ]]には腰部のフロントアーマーに外装式推進機を装備するためのジョイントが設置されており<ref>小説『G-SAIVOUR上巻』211ページより</ref>、それによって宇宙における高速移動や地上における飛行時間の延長、ホバリング動作を行うことが可能となっている。

MSの他にはモビルウェポン(MW)と呼ばれる無人機動兵器の運用が試みられている。実写作品『[[G-SAVIOUR]]』の後を描いたゲーム作品『[[G-SAVIOUR]]』に登場する[[G-SAVIOURの登場兵器#レイブン|レイブン]]はほぼ完全な自律行動を行える無人機である。


=== 動力源・駆動方式 ===
=== 動力源・駆動方式 ===
主動力は[[ミノフスキー粒子#ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉|ミノフスキー・イヨネスコ型核反応炉]]<ref>『データコレクション 機動戦士ガンダム 一年戦争編』角川書店、1996年11月、50-51頁、ISBN 978-4073053149。</ref>。駆動方式においては、一年戦争(宇宙世紀0079)の機体群ではジオン軍機において「流体内パルスシステム」<ref name="g-s35">『ガンダムセンチュリー』みのり書房、1989年9月、銀河出版、2000年3月(復刻版)、35-36頁、ISBN 4-87777-028-3。</ref>{{Refnest|group="注"|流体内パルスシステムとは、動力炉から発生したエネルギーをコンバーターによってパルス状の圧力に変換し、流体パイプに導くことによって関節を駆動させるローター・シリンダー伝達するというものである。これには油圧シリンダーと比較し作動スピードが速く、かつ構造が単純な利点が存在した<ref name="g-s35"/>。}}、連邦軍機においては「[[ミノフスキー粒子#フィールド・モーター|フィールドモーター]]」を使用する方式が採用されている<ref>『ガンダムセンチュリー』みのり書房、1989年9月、銀河出版、2000年3月(復刻版)、40-41頁、ISBN 4-87777-028-3。</ref>。また、この時代のMSはボディ構造はフレームレスのモノコックが一般的である<ref name="g-s35"/>{{Refnest|group="注"|例外的にフレーム構造を採用したケンプファーも見られる<ref>『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 オリジナル・アニメ・ビデオ・フィルムコミック PART.2』旭屋出版、1998年7月、241頁。(ISBN 978-4751101315)</ref>。}}。その後、宇宙世紀0087年のグリプス戦役以降の時代では[[ムーバブルフレーム]]を採用したボディと、フィールドモーターで駆動する方式<ref>『パーフェクトグレード 1/60 RX-178 ガンダムMk-II(エゥーゴ)』バンダイ、2001年11月、組立説明書。</ref>が普及する
主動力は[[ミノフスキー粒子#ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉|ミノフスキー・イヨネスコ型核反応炉]]<ref>『データコレクション 機動戦士ガンダム 一年戦争編』角川書店、1996年11月、50-51頁、ISBN 978-4073053149。</ref>。駆動方式においては、一年戦争(宇宙世紀0079)の機体群ではジオン軍機において「流体内パルスシステム」<ref name="g-s35">『ガンダムセンチュリー』みのり書房、1989年9月、銀河出版、2000年3月(復刻版)、35-36頁、ISBN 4-87777-028-3。</ref>{{Refnest|group="注"|流体内パルスシステムとは、動力炉から発生したエネルギーをコンバーターによってパルス状の圧力に変換し、流体パイプに導くことによって関節を駆動させるローター・シリンダー伝達するというものである。これには油圧シリンダーと比較し作動スピードが速く、かつ構造が単純な利点が存在した<ref name="g-s35"/>。}}、連邦軍機においては「[[ミノフスキー粒子#フィールド・モーター|フィールドモーター]]」を使用する方式が採用されている<ref>『ガンダムセンチュリー』みのり書房、1989年9月、銀河出版、2000年3月(復刻版)、40-41頁、ISBN 4-87777-028-3。</ref>。


=== 推進方式 ===
=== 推進方式 ===
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=== 世代別分類(ガンダムAGE) ===
=== 世代別分類(ガンダムAGE) ===
==== 物語開始前(〜A.G.101) ====
; A.G.101以前(物語開始前
「コロニー国家戦争」終結時に各国家間で'''「銀の杯条約」'''が締結され、MSをはじめとする兵器、及び軍事技術に関わるデータは全て破棄、もしくは封印され当時の先端軍事技術の大半がロストテクノロジー化した。この影響で軍事用MSの開発系譜は長らく断絶する。以後、モビルスーツはその能力を用途別に厳しく制限され、民生用の3種の「MS」=作業重機「モビルスタンダード」、競走機器「モビルスポーツ」、警備用機器「モビルセキュリティ」としてのみ存続することとなる。
: 「コロニー国家戦争」終結時に各国家間で'''「銀の杯条約」'''が締結され、MSをはじめとする兵器、及び軍事技術に関わるデータは全て破棄、もしくは封印され当時の先端軍事技術の大半がロストテクノロジー化した。この影響で軍事用MSの開発系譜は長らく断絶する。以後、モビルスーツはその能力を用途別に厳しく制限され、民生用の3種の「MS」=作業重機「モビルスタンダード」、競走機器「モビルスポーツ」、警備用機器「モビルセキュリティ」としてのみ存続することとなる。
: 民間では省力型MSに相当する工事作業用MS重機'''「モビルスタンダード」'''の開発や「MSグランプリ」なる[[モータースポーツ]]的な競技用にMSのカスタムチューンを行う'''「MS鍛冶」'''と呼ばれる技術者たちがMSの根幹技術を継承。このほか、一部のMS鍛冶は独自に軍事に転用可能な技術の研究を密かに行っていた。

: 「コロニー国家間戦争」に投入されたMSなどの詳細は明らかになっていないが、「自己修復」「自己進化」を行える大型機動兵器が存在していた事が確認されており、A.G.年代の技術水準を大幅に上回っていたと見られる。
民間では省力型MSに相当する工事作業用MS重機'''「モビルスタンダード」'''の開発や「MSグランプリ」なる[[モータースポーツ]]的な競技用にMSのカスタムチューンを行う'''「MS鍛冶」'''と呼ばれる技術者たちがMSの根幹技術を継承。このほか、一部のMS鍛冶は独自に軍事に転用可能な技術の研究を密かに行っていた。
; A.G.101 - A.G.115(フリット編)
「コロニー国家間戦争」に投入されたMSなどの詳細は明らかになっていないが、「自己修復」「自己進化」を行える大型機動兵器が存在していた事が確認されており、A.G.年代の技術水準を大幅に上回っていたと見られる。
: A.G.101年、突如出現し人類を襲い始めた謎の敵性兵器'''「UE(Unknown Enemy)」'''に対抗するべく、開発が継続されていた「モビルスタンダード」が戦闘用に改修され連邦軍の機動兵器として採用されるも、地球連邦の技術力は総じてUEに大きく劣っている。その後、多少の改良が施され主力モビルスーツ・'''ジェノアス'''として配備されるが、UEには相変わらず全く歯が立たなかった。<br />A.G.115年、一人目の主人公'''フリット・アスノ'''が彼の家に代々伝わるコアユニット・'''AGEデバイス'''を解析、協力者たちと共同で造り上げたMS・'''ガンダムAGE-1'''がロールアウト。優秀なMS鍛冶であるアスノ家の叡智を結晶化したAGEデバイスと、AGE-1を戦闘経験の積み重ねで自己進化させる武装製作メカ・'''AGEビルダー'''とを連携させた、進化する兵器システム'''「AGEシステム」'''により、AGE-1は初期時にはUEを通常の方法で倒せる唯一のMSとなった。<br />その後、AGEシステムで生まれた対UE戦闘用の武器はUEの地球侵略拠点・宇宙要塞アンバット攻略に協力した一部のコロニー戦闘勢力が使用したほか、一部パイロットが個人的にAGE-1のデータを基にした専用MSを作ったりするなど、ガンダムのテクノロジーは小規模ではあるが多少ほかのMSにフィードバックされた。

==== A.G.101〜A.G.115(フリット編) ====
; A.G.140 - A.G.142(アセム編)
: この時代、UEは真の名である'''ヴェイガン'''と呼ばれ、彼らが駆るMSも火星移住計画が失敗し連邦から見捨てられた移民団の末裔たち(つまり、普通の人類)が独自に開発・発展させた兵器である事が明らかになっている。連邦軍MSは初期時から多少進化してはいたが、未だに、「コウモリ戦役」時のMSが主力であり、最新鋭機であるアデルも、AGE-1の生産仕様であり、基本設計は四半世紀前の機種である。そのため技術的格差は縮まっているものの、ヴェイガンを掃討出来るだけの軍事力を得るには至っていない。一方、AGEデバイスはフリットから息子のアセム・アスノに受け継がれ、ガンダムAGE-1で蓄積されたデータから新型機・ガンダムAGE-2が開発された。<br />一方、ヴェイガンはXラウンダー専用機の開発を重視し、ゼハート・ガレット専用機・ゼイドラとデシル・ガレット専用機・クロノスを開発した。主力MSは最新鋭機であるドラドに更新されつつあるが、こちらも四半世紀以上前の主力機であるガフランやバクトが現役で稼動している。
A.G.101年、突如出現し人類を襲い始めた謎の敵性兵器'''「UE(Unknown Enemy)」'''に対抗するべく、開発が継続されていた「モビルスタンダード」が戦闘用に改修され連邦軍の機動兵器として採用されるも、地球連邦の技術力は総じてUEに大きく劣っている。その後、多少の改良が施され主力モビルスーツ・'''ジェノアス'''として配備されるが、UEには相変わらず全く歯が立たなかった。<br />A.G.115年、一人目の主人公'''フリット・アスノ'''が彼の家に代々伝わるコアユニット・'''AGEデバイス'''を解析、協力者たちと共同で造り上げたMS・'''ガンダムAGE-1'''がロールアウト。優秀なMS鍛冶であるアスノ家の叡智を結晶化したAGEデバイスと、AGE-1を戦闘経験の積み重ねで自己進化させる武装製作メカ・'''AGEビルダー'''とを連携させた、進化する兵器システム'''「AGEシステム」'''により、AGE-1は初期時にはUEを通常の方法で倒せる唯一のMSとなった。<br />その後、AGEシステムで生まれた対UE戦闘用の武器はUEの地球侵略拠点・宇宙要塞アンバット攻略に協力した一部のコロニー戦闘勢力が使用したほか、一部パイロットが個人的にAGE-1のデータを基にした専用MSを作ったりするなど、ガンダムのテクノロジーは小規模ではあるが多少ほかのMSにフィードバックされた。
; A.G.164 -(キオ編、三世代編)

: この時代のヴェイガンは地球侵略を見越して開発されていた局地専用MSを相次いで投入しているが、Xラウンダー専用機においては既に技術的に性能向上が限界とされている。地球連邦軍はAGE-2をベースにした可変MSクランシェを主力とし、ヴェイガンに劣るとされた機動力の大幅向上に成功した。一方で宇宙においてはA.G.140年代を前後して反連邦勢力が台頭し、連邦正規軍に対抗可能なカスタムMSが出現するようになる。
==== A.G.140〜A.G.142(アセム編) ====
: ここに至り、ヴェイガンの技術の高さの理由が明らかになる。銀の杯条約で破棄された技術が詰められたデータバンク「EXA-DB」の一部を入手したことにより、地球連邦軍を上回る技術を得る事が出来たと語られている。
この時代、UEは真の名である'''ヴェイガン'''と呼ばれ、彼らが駆るMSも火星移住計画が失敗し連邦から見捨てられた移民団の末裔たち(つまり、普通の人類)が独自に開発・発展させた兵器である事が明らかになっている。連邦軍MSは初期時から多少進化してはいたが、未だに、「コウモリ戦役」時のMSが主力であり、最新鋭機であるアデルも、AGE-1の生産仕様であり、基本設計は四半世紀前の機種である。そのため技術的格差は縮まっているものの、ヴェイガンを掃討出来るだけの軍事力を得るには至っていない。一方、AGEデバイスはフリットから息子のアセム・アスノに受け継がれ、ガンダムAGE-1で蓄積されたデータから新型機・ガンダムAGE-2が開発された。<br />一方、ヴェイガンはXラウンダー専用機の開発を重視し、ゼハート・ガレット専用機・ゼイドラとデシル・ガレット専用機・クロノスを開発した。主力MSは最新鋭機であるドラドに更新されつつあるが、こちらも四半世紀以上前の主力機であるガフランやバクトが現役で稼動している。

==== A.G.164〜(キオ編、三世代編) ====
この時代のヴェイガンは地球侵略を見越して開発されていた局地専用MSを相次いで投入しているが、Xラウンダー専用機においては既に技術的に性能向上が限界とされている。地球連邦軍はAGE-2をベースにした可変MSクランシェを主力とし、ヴェイガンに劣るとされた機動力の大幅向上に成功した。一方で宇宙においてはA.G.140年代を前後して反連邦勢力が台頭し、連邦正規軍に対抗可能なカスタムMSが出現するようになる。
ここになってヴェイガンの技術の高さの理由が明らかになる。銀の杯条約で破棄された技術が詰められたデータバンク「EXA-DB」の一部を入手したことにより、地球連邦軍を上回る技術を得る事が出来たと語られている。


=== 動力源・駆動方式(ガンダムAGE) ===
=== 動力源・駆動方式(ガンダムAGE) ===
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== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
* 書籍
* 書籍
** {{Cite book|和書 |date=1981-05-30 |title=ロマンアルバム・エクストラ42 機動戦士ガンダム(劇場版) |publisher=徳間書店 |ref={{SfnRef|ロマンアルバム劇場版|1981}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1981-05-30 |title=ロマンアルバム・エクストラ42 機動戦士ガンダム(劇場版) |publisher=徳間書店 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|ロマンアルバム劇場版|1981}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1984年7月 |title=講談社ポケット百科シリーズ35 機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション3 連邦軍編 |publisher=講談社 |isbn=4-06-107785-6 |ref={{SfnRef|MSV連邦軍編|1984}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1989-02-20 |title=ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】 |publisher=バンダイ |isbn=4-89189-006-1 |ref={{SfnRef|EB一年戦争編|1989}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1989-03-31 |title=ENTERTAINMENT BIBLE .2 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.2 グリプス戦争編】|publisher=バンダイ |isbn=4-89189-018-5 |ref={{SfnRef|EBグリプス戦争編|1989}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1989-06-20 |title=ENTERTAINMENT BIBLE .3 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.3 アクシズ戦争編】|publisher=バンダイ |isbn=4-89189-019-3 |ref={{SfnRef|EBアクシズ戦争編|1989}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1989-06-20 |title=ENTERTAINMENT BIBLE .3 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.3 アクシズ戦争編】|publisher=バンダイ |isbn=4-89189-019-3 |ref={{SfnRef|EBアクシズ戦争編|1989}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1996-11-15 |title=データコレクション2 機動戦士ガンダム 一年戦争編 |publisher=メディアワークス |isbn=4-07-305314-0 |ref={{SfnRef|DC一年戦争編|1996}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1997-04-15 |title=データコレクション3 機動戦士ガンダム 一年戦争外伝 |publisher=メディアワークス |isbn=4-07-305840-1 |ref={{SfnRef|DC一年戦争外伝|1997}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1997-03-01 |title=機動戦士ガンダムRPG |publisher=ホビージャパン |isbn=4-89425-151-5 |ref={{SfnRef|ガンダムRPG|1997}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1998-08-20 |title=ラポートデラックス 機動戦士ガンダム 宇宙世紀vol.1 歴史編 |publisher=[[ラポート]] |ref={{SfnRef|宇宙世紀1歴史編|1998}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1998-08-20 |title=ラポートデラックス 機動戦士ガンダム 宇宙世紀vol.1 歴史編 |publisher=[[ラポート]] |ref={{SfnRef|宇宙世紀1歴史編|1998}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1999-11-20 |title=Dセレクション 機動戦士ガンダム MS回顧録 |publisher=メディアワークス |ref={{SfnRef|MS回顧録|1999}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1999-04-09 |title=ガンダム・エイジ ガンプラ世代のためのガンダム読本 |publisher=[[洋泉社]] |ref={{SfnRef|ガンダムエイジ|1999}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1999-04-09 |title=ガンダム・エイジ ガンプラ世代のためのガンダム読本 |publisher=[[洋泉社]] |ref={{SfnRef|ガンダムエイジ|1999}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1999-06-30 |title=機動戦士ガンダム ガンダムアーカイヴ |publisher=メディアワークス |ref={{SfnRef|ガンダムアーカイヴ|1999}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1999-06-30 |title=機動戦士ガンダム ガンダムアーカイヴ |publisher=メディアワークス |ref={{SfnRef|ガンダムアーカイヴ|1999}} }}
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* ムック
* ムック
** {{Cite book|和書 |date=1981-03-01 |title=機動戦士ガンダム大事典(アニメック第16号) |publisher=ラポート |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|ガンダム大事典アニメック|1981}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1981-09-22 |title=月刊OUT9月号増刊 宇宙翔ける戦士達 [[ガンダムセンチュリー|GUNDAM CENTURY]] |publisher=みのり書房 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|センチュリー|1981}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1981-09-22 |title=月刊OUT9月号増刊 宇宙翔ける戦士達 [[ガンダムセンチュリー|GUNDAM CENTURY]] |publisher=みのり書房 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|センチュリー|1981}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1985-08-25 |title=ジ・アニメ特別編集 機動戦士Ζガンダム |publisher=近代映画社 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|ジ・アニメΖ1|1985}} }}
** {{Cite book|和書 |author=[[皆川ゆか]]|date=2007-11-16 |title=講談社コミックボンボンデラックス 総解説ガンダム事典 ガンダムワールドU.C.編 |publisher=講談社 |isbn=978-4-06-372390-8 |ref={{SfnRef|ガンダム事典|2007}} }}


*分冊百科
*分冊百科
** {{Cite book|和書 |date=2006-02-28 |title=週刊ガンダム・ファクトファイル |publisher=[[デアゴスティーニ・ジャパン]] |volume=第73号 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|ファクトファイル73|2006}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2006-07-04 |title=週刊ガンダム・ファクトファイル |publisher=[[デアゴスティーニ・ジャパン]] |volume=第91号 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|ファクトファイル91|2006}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2010-9-24 |title=ガンダムMSヒストリカ Vol.5 |publisher=講談社 |volume=Vol.5 |isbn=978-4-06-370083-1 |ref={{SfnRef|MSヒストリカ5}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2010-9-24 |title=ガンダムMSヒストリカ Vol.5 |publisher=講談社 |volume=Vol.5 |isbn=978-4-06-370083-1 |ref={{SfnRef|MSヒストリカ5}} }}


* 雑誌
* 雑誌
** {{Cite journal|和書 |journal=ニュータイプ |issue=1987年11月号 |publisher=角川書店 |ref = {{SfnRef|ニュータイプ8711|1987}} }}
** {{Cite journal |和書 |journal=ホビージャパン |issue=1991年4月号 |ref={{SfnRef|ホビージャパン9104|1991}} }}
** {{Cite journal |和書 |journal=ホビージャパン |issue=1991年4月号 |ref={{SfnRef|ホビージャパン9104|1991}} }}


* 小説
* 小説
** {{Cite book|和書 |author=富野由悠季 |date=1988-09-01 |title=[[ガイア・ギア]] |publisher=角川書店 |volume=第1巻 |isbn=978-4-04-410123-7 |ref={{SfnRef|アギア1}} }}
** {{Cite book|和書 |author=[[河原よしえ]] |date=2000-12-30 |title=G-SAVIOUR |publisher=集英社 |volume=巻 |isbn=4-08-630018-4 |ref={{SfnRef|小説Gセバー上|2000}} }}

* パンフレット
** {{Cite book|和書 |date=1981-03-14 |title=機動戦士ガンダム |publisher=松竹映画 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|劇場版第1作パンフ|1981}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1981-07-11 |title=機動戦士ガンダムII 哀戦士編 |publisher=松竹映画 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|哀戦士編パンフ|1981}} }}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2021年4月10日 (土) 09:59時点における版

モビルスーツ (MOBILE SUIT, MS) は、アニメ機動戦士ガンダム』をはじめとする「ガンダムシリーズ」に登場する、架空の兵器の分類のひとつ。

ほとんどの場合、高さ20メートル前後の有人操縦式の人型機動兵器のことを指す。また、題名に「機動戦士」を冠する作品においてはその英訳としても使用される。

設定の経緯

『機動戦士ガンダム』の初期の企画「フリーダム・ファイター」では、前作に当たる『無敵鋼人ダイターン3』や『無敵超人ザンボット3』のようにロボットを登場させる予定はなかった。しかし、スポンサーのクローバーからの要請により、仕方なくロボットを出すこととなった(詳細は「機動戦士ガンダム#企画の経緯」を参照)。それでも今までのような巨大ロボットにはしたくないと考えていたところ[1]、設定協力として関わっていた[2]スタジオぬえ高千穂遙からロバート・A・ハインラインSF小説『宇宙の戦士』に登場する宇宙強化服「パワードスーツ[注 1]を提示され、すぐにメカニックデザイン担当の大河原邦男に「そんな感じで」と依頼した[1]。なお、『宇宙の戦士』はパワードスーツだけでなく、「SFとは何か」ということを研究する題材にもされ、ロボット的な兵器を運用するのにも兵站が必要であるといったリアルさが活かされたという[3]

宇宙での戦闘であれば、まずは長距離戦で始まり、その後は中距離戦、最後には白兵戦となることが想定され、それぞれに特化した3機種がデザインされた。「重機甲型機動歩兵」「重砲兵型機動歩兵」「突撃攻撃型機動歩兵」と仮称された3機種は、それぞれガンタンクガンキャノンガンダムの原型となった。また、宇宙時代の兵器・兵隊であることから「銃」をもたせることにこだわったという[1]。なお、敵メカであるザクは総監督の富野喜幸によるラフデザインはあったものの、当時は主役メカ以外は商品化されることはなかったため、スポンサーの注文もなく大河原が自由にデザインしたという。ただし「モノアイ(単眼)」は富野の要望により取り入れられた[4]

名称は、当初「パワードスーツ」をそのまま使う案もあったが訴訟の懸念もあり、すでに決定していた「機動戦士」という単語の「機動(モービル)」に「スーツ」を付け、間延びを解消するために縮めて「モビルスーツ」とされた[1]

サイズは、当初はパワードスーツと同様に2.5メートル程度が想定されたが、子供にアピールしないとして大型化された。18メートルという身長は、元祖巨大ロボットであるマジンガーZに戻しただけであるが、当時はコン・バトラーV(57メートル)やダンガードA(200メートル)などさらに巨大なロボットが主流であったため、兵器として十分リアルに思えるのではないかと考えられた。また、ほかのメカとの兼ね合いで「絵」として見せられる限界の大きさでもあった[1]

また、MS同士が同じ画面の中で戦う理由付けとして、レーダーを使用不能にするミノフスキー粒子が設定された。

これまでの巨大ロボットでは、多くの場合コックピットが頭部にあったが、MSのコックピットはほとんどが腹部にあるとされた。これについて、『機動戦士ガンダム』の設定考証を担当したスタジオぬえの松崎健一は、「人型」にともなう重心位置の関係で、運動しているときに一番動きの少ない部位であるからとしている。ただし一方で、敵から見た場合には狙いやすく、頭部と腹部のどちらがよいのかは実際にMSを造って乗ってみないと分からないと述べている[5]

宇宙世紀のモビルスーツ

『機動戦士ガンダム』をはじめとする「宇宙世紀」を舞台とする作品において、モビルスーツの「スーツ (SUIT)」は、"Space Utility Instruments Tactical"(戦術汎用宇宙機器) の略とされる[6][7][注 2]。なお、モビルスーツという名称に対して、人間が着用する宇宙服全般(パイロットスーツ含む)を「ノーマルスーツ」と呼称する[10]

宇宙世紀0065年、サイド3スペース・コロニー国家であるジオン公国において、レーダーや誘導兵器を使用不能にするミノフスキー粒子の特殊効果が発見される[11]。公国軍は0071年に同粒子の散布下における新型兵器の開発に着手[12]、国防省は各兵器メーカーに対して開発を命じている[13]。いくつかのシステムが提示されるが、要求性能を満たすのはジオニック社のZI-XA3と、MIP社のMIP-X1のみであった[13]。「人型」であるZI-XA3は、テストを視察したギレン・ザビの冷笑を買ったともいわれるが、総合性能においてMIP-X1や在来兵器を凌ぎ、国防省はZI-XA3の採用を決定する[13]。0073年に[12]「モビルスーツ」の呼称とMS-01の型式番号を与えられ、表向きは新型の宇宙用作業機とされるが、引き続き実戦タイプの開発が命じられる[13]

0074年2月、ジオニック社は実戦型MSであるザク (I) の試作型をロールアウト[12]。翌0075年の制式採用試験においてツィマット社のヅダを下している(OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO』より)。ザクIの実用試験を観覧したギレンは、「これこそ今のジオンに必要な兵器だ」と叫び、心の中で開戦を決意したといわれる[14]。0078年1月には改良型であるザクIIの量産が開始され[12]、翌0079年1月からのジオン独立戦争(一年戦争)の緒戦において当時の主力兵器であった宇宙戦艦を圧倒し、目覚ましい戦果を挙げる。

一方、コロニーを含む地球圏を統治する地球連邦軍においても、一年戦争以前から公国軍の新兵器の漠然とした情報をもとに、その対抗兵器の開発などを目的とした「RX計画」が進められるが[15]、首脳陣に軽視され遅々として進んでいない[14]。一年戦争緒戦での公国軍MSの威力を目の当たりにした首脳陣は、研究途上のMSの開発および実戦投入を早々に決定[15]。0079年4月に発動した[12]V作戦」の一環として本格化し[16]ガンタンクガンキャノンを開発、そして7月にはガンダムの試作1号機がロールアウト[12]。公国軍と比べて非常に短期間で高性能な実用機を完成し得た背景には、以前からのMSに必要な技術の蓄積や、それを支える経済力に優れていたこと、また戦争に反対する何人かの公国軍MS技術者の亡命・協力が挙げられている[17]。その後、ガンダムの簡易型であるジムが大量生産され、一年戦争における連邦軍の勝利に貢献する。

モビルスーツの世代別分類

第1期モビルスーツ
一年戦争において、宇宙世紀における主力兵器の座を確立したMSは、その後も発展を続けていく。以下に述べる第5世代までのMSを、その後の第2期MSに対して「第1期MS」と呼ぶ[18]
第1世代モビルスーツ
のちの第2世代MSの登場に際し、それ以前のMSが分類されたものである[19]。機体構造は、ジオン公国軍が開発したMSは(フレームレス・)モノコック、連邦軍のMSはセミ・モノコックを採用している[20]。後者のほうがやや構造重量が大きいものの、装甲板がいくつかの共通パネルに分割されているため、交換が容易である[20]
第2世代モビルスーツ
新素材の金属であるガンダリウムγが用いられたMSで、0080年代半ばにアナハイム・エレクトロニクス (AE) 社が開発したリック・ディアスがその祖とされる[19]。これにより機体の重量および剛性の問題が解消され、高性能のジェネレーターやスラスターの搭載を可能としている[19]。また、同時期に実用化されたムーバブルフレームという装甲とフレームを完全分離した機体構造、および全天周囲モニター・リニアシートというコックピット・システムの導入を条件とする資料もある[21]。0087年から0089年にかけて実戦投入され、総生産数は4,000機を超えるとされる[22]。以降もジェガンなどが、総力戦の主力として不可欠な地位を占めている[23]
第3世代モビルスーツ
第2世代MSの条件を満たしつつ[21]、可変モビルアーマーでつちかわれた技術をムーバブルフレームを利用してスケールダウンした可変モビルスーツを指す[24]。単に可変機能だけでなく、第2世代MSをすべての点で上回ることから分類される[24]。開発の難しさとコストの問題から多くは作られなかったとされ、開発されても実戦投入されなかった機体が相当数あるといわれる[21]
第4世代モビルスーツ
飛躍的に出力の向上した熱核反応炉と[25]、メガ・コンデンサーによる直結型メガ粒子砲[26](ハイ・メガ・キャノン[25])を搭載したニュータイプ (NT) パイロット対応MSを指す[25]サイコミュの安全性が高く、高度なNT能力をもたないパイロットにも操縦可能な点も条件として挙げられる[25]ネオ・ジオン軍が開発したドーベン・ウルフゲーマルクを代表に[25]、0088-0089年の第一次ネオ・ジオン抗争後半に登場する大型MS群がこれに該当する[21]。敵対するエゥーゴ側では、バイオセンサーを搭載したΖΖガンダムがこれに当たるが[25]、同機は第3世代MSの要素も満たしている[26]。第3世代MSと同様に、コストと運用上の問題からそのほとんどがワンメイク機であるが[21]、以降も戦局を決定する戦闘に投入されている[23]。なお、0093年の第二次ネオ・ジオン抗争に実戦参加したνガンダムサザビーは第4世代MSであるとする説と、第2世代MSとする説がある[注 3]
第5世代モビルスーツ
小型化されたミノフスキー・クラフトを搭載し、非変形での単独飛行を可能としたMSを指す[18]。0105年に実戦投入されたΞガンダムペーネロペーがこれに当たる[29]。大気圏内でのMSの運用を一変させると考えられていたが、破格の高コストや機体の著しい大型化のために普及していない[30]。また、0110年にロールアウトしたゾーリン・ソールは、第5世代MSの発展型とされる[31]
なお、第2期MSを第5世代MSに分類する資料もある[32]
第2期モビルスーツ
宇宙世紀0100年代以降、新規に開発された15メートル級の小型MSを指す[18]。宇宙世紀0120年代から少なくとも0150年代までは、第2期MSが主力となっている。開発経緯については、
その後のモビルスーツ
0169年を舞台とする漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』では、コロニー間の紛争状態の長期化によってMSの製造や維持が難しくなっており、既存の第1期・第2期MSの数機種を「ミキシング・ビルド」したものが主流となっている。
0200年代を舞台とする小説『ガイア・ギア』では、モビルスーツに代わって「マン・マシーン」と呼ばれる人型兵器が主流となっている。
0223年を舞台とする実写ドラマ『G-SAVIOUR』ではMSが運用されており、頭頂高は第2期MSよりやや大型の16-18メートル程度となっている。主推進器(スラスター)推力が以前のMSより格段に上昇しており、特殊なシステムを用いずに単独での長時間飛行が可能となっている。また、議会軍の主力MSであるブグには腰部のフロント・アーマーに外装式推進機を追加装備するためのジョイントが設置されている[33]
また、MSを無人機化したモビル・ウェポン (MW) の運用が試みられている。同型のMS(有人機)を隊長機とし、その司令をもとに自律行動をとる[34]。本編ののちの出来事を描いたゲーム版『G-SAVIOUR』に登場するレイブンは、ほぼ完全な単独自律行動がおこなえる。

動力源・駆動方式

主動力はミノフスキー・イヨネスコ型核反応炉[35]。駆動方式においては、一年戦争(宇宙世紀0079)の機体群ではジオン軍機において「流体内パルスシステム」[36][注 4]、連邦軍機においては「フィールドモーター」を使用する方式が採用されている[37]

推進方式

宇宙空間での移動には、背部ユニット(第1世代MSでは「ランドセル」、それ以降では「バックパック」と呼ばれることが多い)や脚部などに搭載された推進器(スラスター)を使用する。重力下ではこれを利用したジャンプも可能である。

第1世代MSの推進器は基本的に化学燃料ロケット・エンジンであるとされるが[20]、ジオン公国のツィマット社は宇宙戦艦などが搭載する熱核ロケット・エンジンをミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉を利用してMSに搭載できるまでに小型化し、ヅダリック・ドムに採用している。また、この熱核ロケットをジェット化した熱核ジェット・エンジンを陸戦用のドムの脚部に搭載してホバー推進を可能にしている。第2世代MS以降は熱核ジェット / ロケットのハイブリッド・タイプも普及している。また、水陸両用MSは熱核水流ジェットにより水中を航行する。

上記はいずれも推進剤が不可欠であるが、第2期MSでは推進剤が不要(熱核反応炉の燃料は必要)で原理的には亜光速までの加速が可能とされるミノフスキー・ドライブといったミノフスキー物理学系推進器が登場している。

宇宙空間での姿勢制御は、機体各所に配置されたサブ・スラスター(「バーニア」あるいは「アポジモーター」とも呼ばれる)のほかに、人型であることを活かして四肢を動かすことによる反作用を利用した "AMBAC" を併用することで、推進剤の消費を抑えている。

操作

動作の大半はコンピュータが代行しているが、一年戦争の機体においてはフットペダルとレバーを用いてパイロットから制御を行う。飛行方向の制御から武器選択と発射まではスティック部で行える。フットペダルは右方向がスロットル用で左方向はブレーキまたは逆噴射用。ただし、モードセレクターを切り替える事で右ペダルは歩行動作用となる。航行も予め航路設定プログラムが入力されている[38]

さらに同じ1年戦争時期の作品である「機動戦士ガンダム サンダーボルト」でのジオン軍サイドでのリビング・デッド師団で用いられているMSでは「リユース・P・デバイス」と呼ばれているシステムが導入されている。これは操縦桿の代わりに特殊な端子を組み込まれた義手・義足をコネクターに差し込み、挙動を同期させるという特殊な操縦方法で、これを用いたMSが作中に登場している。

U.C.0088年の時代を描いた『ガンダム・センチネル』には「IMPC(Integrated Maneuver Propulsion Control/統合機動推進制御)」と呼ばれる制御システムがデザインされている。IMPCは発進、巡航、空間戦闘、着陸、歩行の五つの基本機動を自動的に制御しており、パイロットは状況に応じスイッチを切り替えるだけで機体がそれに対応した動作を行うため、パイロットの重要性はそのままに操縦の負担が大幅に軽減されている。IMPCは教育型コンピューターに構築されたシステムであり、パイロットの操縦データを入力することでシステムがそれを覚え、動作パターンのアップデートを行っていく。ただし、データにない動作はパイロットが独自に対応しなければならず、データ通りの行動に不満を持つ場合もパイロット自身が操縦して修正しなくてはならない。また、システムのアップデートには熟練パイロットによる操縦データの供給が必須となっており、データ供給を目的とした教導隊も設立されているが、IMPC自体は熟練パイロットから人を堕落させる妖精である「インプ」の蔑称で呼ばれている。動作パターンの構築についてはパイロットの操作を学習する他にも、基本的な動作についてはモビルスーツの教育型コンピューターに人工知能端末を外部接続し、両者を仮想空間上で戦わせることで構築することができる旨が『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者』で語られている。

U.C.0090年代前半(『逆襲のシャア』の時代)にはアームレイカーと呼ばれる球状のコントロールスティックによる操縦方式が浸透した。これはスラスターの噴射からモビルスーツの指の動きまで、全ての操作を手元で行うことができるという物であった。だが、その一方で衝撃によって手が抜けやすく、万一手指を負傷した場合、機体の操作に支障をきたすという欠点があった。それゆえに不評も重なり、数年後の連邦軍機ではアームレイカーの採用は中止されている。また、サイコミュにより操縦をサポートしている機体も存在する。

『逆襲のシャア』の3年後の世界を描いた『機動戦士ガンダムUC』では、コンソールのタッチパネルやレバーに備えられたボタンでの武器の選択、使用、パージを行っている描写が見られる。またフットペダルを踏み込んだり、レバーを前に押し出すとモビルスーツの推進器の出力が上がるようである。しかし、フットペダルとレバーを操作して出力を上げる描写があるのはいずれもユニコーンガンダムで、しかも別々のシーンでこれらの方法が用いられている。よって二つの方法が連動している操作方法なのか、あるいは別の操作方法なのかどうかははっきりとしない。 そして、上記のユニコーンガンダムはNT-Dというシステムが起動してデストロイモードに移行すると、手足による操作からパイロットの意思をダイレクトに機体モーションに反映するインテンション・オートマチックに切り替わる。これはサイコミュの技術発展が成した産物であるサイコフレームが骨格となっているため実現したシステムである。

武装

火器類

MSが携行する火器は、大きく分けて実在の歩兵火器をモビルスーツ大に大型化したものと、ビームライフルに代表されるビーム兵器など架空の兵器とに分けられる(なお、主人公が使う機体はほとんどビーム兵器が使用されている)。ビームライフルやメガ粒子砲などはミノフスキー粒子を圧縮して打ち出す武器で、MSのほとんどはこの武器を通常装備としている。火薬を使用した火器は確実さとエネルギー消費の少なさから、ビーム兵器は破壊力と弾速から用いられる。宇宙世紀においては特にメガ粒子によるビームが用いられる。他にもレールガンが使用されることもある。形態としてはマシンガンアサルトライフルスナイパーライフルバズーカに似たものが多い。生物よりも遥かに強靭なボディを持つモビルスーツは、人間なら両手でなければ到底保持できないようなバズーカなども片手で軽々と扱うことが出来る。

また、手持ちの火器とは別に、小型(と言っても数十ミリ口径のものにはなるが)の機関砲バルカン砲を内蔵火器として装備しているモビルスーツも多数存在する。これらの火器は頭部や胸部に設置されることが多く、主に迎撃・防御用兵器として使用される。ガンダムガンキャノンジム等に搭載されているバルカン砲は口径60mm、発射速度は毎分500〜2000発程度であるという。

この他、機種によっては固定火器として大砲(キャノン砲)や大型ビーム砲、ロケットランチャーなどを装備している場合もある。中にはこうした大型火器の運用を主目的とした、自走砲的な運用がなされるモビルスーツも存在している(例としてガンキャノン・ガンタンク)。これらは一般に支援モビルスーツなどと呼称される。

格闘武装

MSが近接戦闘(白兵戦)を実施する場合、ナイフなどをモビルスーツ大にして熱や高周波で破壊力を増したもの、あるいはビームサーベルのように刃をビーム化したものがいわゆる「斬撃兵装」としておもに使用される。

何らかの理由で携帯武装を使用できない場合、徒手空拳の“素手”による殴打、蹴りをおこなう場合もある。細かい関節が集中するマニピュレーター(手)で拳を作り殴りつけることについては、一部関連書籍において『機動警察パトレイバー』の例等にならいあまり推奨されない緊急戦闘手段である旨解説される場合があり、小説版『ジオニックフロント』でも、ソフィ・フランがジムを相手に格闘攻撃を仕掛けた際、「サーボ機構に負担がかかるため整備班からは止められている」といった発言があることから、モビルスーツによる格闘はそれなりに機体へ負担をかけるというマイナス面があるとされている。

しかしながら、「ガンダムシリーズ」の映像作品劇中ではそういったマニピュレータの強度的問題に関する懸念は全く描写されず格闘戦が展開される。『機動戦士ガンダム』TV版第1話および劇場版Iにおいて、ガンダムが素手でザクIIのマルチプルノズルを引きちぎる描写があった。シャア・アズナブル少佐のMS-06SザクIIは左拳でボディブローをガンダムの右脇腹に叩き込み当該箇所の装甲を撓ませた。また、脱走兵ククルス・ドアンの駆るMS-06ザクIIが追っ手のザクIIを正拳突きで撃破したり(この時ドアンはアムロに「見ておきたまえ。これがモビルスーツの格闘戦だ」と言い放っている)、“黒い三連星”の一員・オルテガのMS-09ドムがミデア輸送機を両手を組んだナックルボムで破壊したりもしている。『機動戦士Ζガンダム』では主人公カミーユのガンダムMK-II3号機がもう1機のMK-IIを連続殴打。『機動戦士ガンダムΖΖ』では主人公ジュドーがゲモン・バジャック駆るゲゼを相手にボクシングのような動きをみせ、逆にゲゼの右2本の腕の連続ジャブを返されノックアウトされてしまう場面があった。『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』では、武器を使い果たしたνガンダムサザビーの頭部に左ストレートの連打を見舞って内部全周モニターの一部を破壊している。『機動戦士ガンダム0083』ではバニングのRGM-79Cジム改がやはり左ストレートでザメルを殴りつけた。『機動戦士Vガンダム』ではワタリーのZM-S08Gゾロがマニピュレータをドリルのように高速回転させたコークスクリューパンチでVガンダムの右腕を破壊している。一方、もともと初期設定でのザクIは、ショルダーアタックを代表とする格闘能力のみで戦うことになっていた。

水陸両用モビルスーツの多くは携帯火器を持たず、その保持のためのマニピュレータも備えず、「アイアンネイル」(ないし「バイスクロー」)と呼ばれる巨大な金属製のかぎ爪を用いた格闘戦を主戦法とする例が大半である。ズゴックがジムの腹部(コクピット)を爪の突きで貫いて倒すシーンが「ジャブローに散る!」で登場する。これは設定上では水中で火薬式の銃砲弾やビームの使用が困難なこと、演出上では半魚人的な化け物としてデザインされた水陸両用MSのキャラクター的特質によるものである。ただ、アイアンネイルの見た目はかぎ爪であるものの、戦場で一定の作業性を持つマニピュレーターとしての機能も有していると設定されている[39]

水中行動時、マニピュレーターの代わりに固定式の格闘武装(大抵は巨大な爪)を装備していることが多い(爪の他にも、ロケットランチャーやビーム砲を腕部に内蔵しているケースも頻繁に見受けられる。従って大抵の場合、こうしたモビルスーツの腕部は「手」としての機能を成さない)。

ただし、またそれ以外では、一方、ライフルのストックで殴りかかるという現実の歩兵戦で多用されている戦法も『機動戦士Ζガンダム』以降は全く使われなくなった。特殊な例としてはグフに装備されたヒートロッドが存在するが、装備した機体の種類は少数に留まっている。その一方で、ショルダーアタック戦法は、マラサイからギラ・ドーガデナン・ゾンへとその無骨な外観とともに継承されている。

遠隔操作兵器

ミノフスキー粒子存在下でニュータイプの強力な感応波によって遠隔操作を行う、サイコミュという技術が開発されている。これによりビットファンネルと呼ばれる遠隔操作用小型兵器が生まれた。また、ニュータイプではない人間(オールドタイプ)でも扱えるようにした、有線式のインコムも存在する(ただし、射程・動きの精密さ等で劣る)。「ガイア・ギア」の時代では、ニュータイプ能力を持たない人間にでもファンネルが使用できるほどに技術が進歩しているが、肉体的・精神的に凄まじい負担がかかる事を覚悟せねばならない。これらは機体から射出・操作し、多数の敵を同時に攻撃したり、逆に一体の敵を死角から取り囲んで集中砲火を浴びせるなど、オールレンジ攻撃を行うことが出来る。

その他の武装

現実世界において中〜遠距離兵器として頻繁に用いられるミサイルは、(モビルスーツで白兵戦を行う意義の関係からか)モビルスーツ用の主武装としてはあまり用いられない。特に宇宙世紀作品群においてはミノフスキー粒子によって、レーダーが使えなくなっている場合が多いためである(このミノフスキー粒子という存在自体が、モビルスーツによる白兵戦を必然のものとするために創作されたものである)。ただし、小型のミサイルを固定火器やオプション武装として装備しているモビルスーツは、世界観、時代を問わず比較的多い。その母艦となる艦船等も対艦、対空ミサイル兵装を普通に装備しており、また使用しているため、「電波妨害」の設定が影響した具体的場面描写は皆無に近い。

まれに戦略兵器として、核兵器あるいはこれに匹敵する破壊力を持った兵器がモビルスーツによって運用されることがある。宇宙世紀では一年戦争初期にザクIIC型が核を運用したが、後に南極条約によってこの種の大量破壊兵器の使用が禁じられた。しかしガンダム開発計画においてガンダム試作2号機が核攻撃用モビルスーツとして開発され、デラーズ・フリートによって核弾頭ごと強奪されたあげく実際に連邦軍艦隊への襲撃に使用されてしまった。核以外でも化学兵器である毒ガスが、一年戦争初期のコロニー攻撃などにおいてモビルスーツによって使用されている。

運用設備

モビルスーツは専用の整備設備を持つ基地、あるいは同等の機能を有する海上空母宇宙戦艦宇宙空母などの艦艇での運用が前提となっている。

前者の例としては『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』での極東方面コジマ大隊基地などが挙げられる。これらはMSのみならず、大型艦船なども入港するため、大規模なデッキが複数存在する場合が多い(『機動戦士ガンダム』のソロモンや、各コロニーなどで描写がなされている)。

後者の例としては『機動戦士ガンダム』のホワイトベースドロス、『Ζガンダム』のアーガマ、『逆襲のシャア』のラー・カイラムなどが挙げられる。これらはモビルスーツを発進させるためのカタパルトや着艦のためのデッキ、および整備のための諸設備を備えている。

飛行能力

飛行に適さない人型であるモビルスーツは基本的に単独での飛行を行うことは不可能であり、単体での機動力が不足する大気圏内などでは空中で運用するための様々な装備が開発されている。ただし、時代設定や作品によっては技術革新により単独での飛行能力を有する場合も存在している。

時折空中戦に近い戦闘が行われる場面が見られるが、それらはあくまでジャンプや滑空、航空機からの自由落下によるものであり、ほとんどの作品でモビルスーツは単独の飛行能力を持たない。空中戦の際には多くの場合、モビルスーツを上に搭載する航空機類であるサブフライトシステムと呼ばれる補助移動手段が使用されている。宇宙世紀0080年代後半に実用化された可変モビルスーツの内、大気圏内で運用する機体は航空力学的に飛行に適した形態に変形することで単独での飛行を行うことが可能となっているが、構造の複雑化や運用コストの増加などが懸念材料となっていた。

その他に、人型を維持した上での単独飛行能力を持たせる挑戦としてグフフライトタイプバイアランなどの複数の機体が開発されている。 これらは機体自体に大きな推力を持たせることで強引に飛行させるという手法が取られていたが、推進剤の消耗が激しく稼働時間に乏しいなどの欠点を抱えており、長距離・長時間の飛行能力をもったモビルスーツは宇宙世紀0100年代にミノフスキークラフトを搭載したMSであるΞガンダムペーネロペーの誕生を待つこととなる。この2機は音速を超える速度で長距離飛行を行える程の高い飛行能力を持つ機体だったが、ミノフスキークラフトの搭載によって大型化し、全高は30mにも迫るほどであった。

モビルスーツに小型化の潮流が訪れると、出力の向上と本体の飛躍的な軽量化、ミノフスキーフライトの普及などにより、ほぼ飛行と呼んで差し支えないほどの機動力を持つようになるが、やはりそれらも基本的には推力による長時間滞空に過ぎないため、長距離移動などの際には引き続きサブフライトシステムなどに頼る状態であった。アニメとして最も未来の宇宙世紀を描いた『Vガンダム』ではV2ガンダムに搭載されたミノフスキードライブが推進剤を用いずに高い機動力を発揮する技術として登場するが、非常に高いコストや過負荷によって高エネルギー状態のミノフスキー粒子がビームとして放出される等の課題が存在している。

その後の宇宙世紀0220年代を描いた『G-SAVIOUR』では、大気圏内を描いたゲーム版の描写に出撃や撤退などで推力による単独飛行を行うシーンが見られる他、腰部に追加のユニットを装着することで長時間飛行を行うことが出来るようになっている事が確認できる。

大気圏突入能力

『機動戦士ガンダム』において、ガンダムは単体での大気圏突入を余儀なくされた状況で、耐熱フィルム(テレビアニメ版)あるいは耐熱エアフィールド(映画版)で機体を守り無事生還したが、何も無しで突入したザクはあっけなく燃え尽きてしまっている。なお、漫画版『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』に登場しているガンダムには、本来大気圏突入用の特殊装備は備わっていなかったが、大気圏突入が可能な母艦ホワイトベースの陰に入ることで機体の過熱を防ぎ、奇跡的に大気圏突入に成功したという描写になっている。

『Ζガンダム』においては一般のモビルスーツにバリュートというパラシュートエアバッグを組み合わせたような装置を装着・展開することで大気圏突入を行っている。また、ガンダムMk-IIが乗るスペースシャトル型の盾のようなフライングアーマーや、Ζガンダムデルタプラスのようなウェイブライダー形態への変形機構をもつMSは翼部あるいは盾、および同時に発生する衝撃波によって機体を熱から保護している。またその変形した機体自体がフライングアーマーと同様に他の機体を乗せての大気圏突入することが可能である。

漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム』において、クロスボーン・ガンダムビームシールドで大気圏突入を行っている描写があるが、本来想定されている運用方法ではなく、扱いとしては事故に近かった。しかしこの件により、ビームシールドによる大気圏突入が可能なことが証明されたため、その後の時代設定の作品である『機動戦士Vガンダム』では、ビームシールド使用によるMS単体の大気圏突入が日常的に行われ、宇宙艦船までが艦首にビームシールドを備えて大気圏突入を行うようになっている。

『Gガンダム』におけるモビルスーツ

機動武闘伝Gガンダム』の「未来世紀」世界におけるモビルスーツ (Mobile-suit) は、もとは作業機械として開発されるが、コロニー浮上時の戦乱において武装されるようになり、第一次カオス戦争にて急速に発展する[40]

その後はおもにコロニーの防衛などの役目を担うが、量産機であるため、モビルファイターと比べると能力はかなり劣る[40]。モビルファイターは国家間戦争に代わってコロニー国家の覇権を賭けて行われるイベント「ガンダムファイト」のために作られた機種であり、モビルトレースシステムなど通常のMSとは異なる部分がある[40]。ほかに、「DG細胞」という一種のナノマシンによって作られたデビルガンダムやこれによって作り出されたデスアーミーなどの機動兵器が存在する。

『ガンダムW』におけるモビルスーツ

新機動戦記ガンダムW』の「コロニー歴(アフターコロニー)」世界におけるモビルスーツ (Mobile Suit) は、 "Manipulative Order Build and Industrial Labors Extended Suit" の略で、「建設および工業労働用有腕式拡充型(宇宙)服」の意味である[41]。レーダー技術の発達が進み、従来の誘導兵器を用いた近代戦が衰退する中で[42]これを軍事転用し、開発された新たな機動兵器となる[43]。一方で、世界観で大きな力を持つロームフェラ財団が人型ゆえの憧憬や恐怖、人間臭さを考慮し導入したとする媒体もみられる[44]

なお、自動で敵味方識別及び攻撃等、一切の操作を行えるモビルスーツはモビルドール(MOBILE DOLL, MOBILE Direct Opertional Leaded Laborの略)と呼ばれている。

操作(ガンダムW)

OZ製の一般的なモビルスーツではレバーやペダルを用いて制御を行う[45]。ガンダムエピオンはデータヘルメットによって戦場の様子が投影される仕組みとなっており、スイッチ類で操作を行う[45]

大気圏突入能力(ガンダムW)

ガンダムシリーズは、全機何らかの方法で単機での大気圏突入が可能である。ウイングガンダムウイングガンダムゼロは(ネオ)バードモードへの変形、ウイングガンダムゼロ(EW版)は4翼で機体を包むなどの例が挙げられるが、ガンダムヘビーアームズ改アルトロンガンダムは、特に機体を包んだり変形させたりすることなく、大気圏突入可能である点が特筆に価する。しかし、ガンダニュウム合金は非常に強固であり、EW劇中でウイングガンダムゼロは翼を使わずに大気圏に突入したが大きな損傷はなかった。

『ガンダムX』におけるモビルスーツ

機動新世紀ガンダムX』の「アフターウォー」世界においてはモビルスーツの登場要因や特別な意味づけはなされていない。旧連邦軍は主力機としてドートレスシリーズに一本化し、フラッグシップとしてガンダムタイプを投入。一方革命軍は多種多様な局地戦用のモビルスーツ、モビルアーマーを随時投入していった[注 5]

第7次宇宙戦争における大規模なコロニー落としによって地球が壊滅した後の「アフターウォー」世界において、地球上には旧連邦軍・宇宙革命軍双方のモビルスーツ等が数多く残され、物資として取引される一方、これを武器とする「モビルスーツ乗り」と呼ばれる人々が現れた。彼らは傭兵として活動したり、バルチャーとして両勢力の残したモビルスーツ等の機器を漁ったり、中には盗賊の類となるものもいた。そのためモビルスーツ乗りの評価は非常に低かったようである。これらモビルスーツ乗りが主に搭乗している機種はほとんどが第七次大戦時に開発された量産型モビルスーツがほとんどで、多種多様なカスタムモビルスーツを生み出している。

大戦後革命軍は開発機種をクラウダに一本化し、質と量の両立を図ったのに対し、新連邦はガンダムタイプを再生させたが、ドートレスの後継機開発はやや遅れており、その過程で数多くのユニークな試作機が相次いで開発、投入された。最終的に主力機は大気圏飛行能力を有すバリエントとドートレス・ネオに帰結していったが、戦前と戦後では連邦と革命軍の開発コンセプトが逆転してしまう結果となった。

推進方式(ガンダムX)

明文化された推進方式としては、ガンダムL.O.ブースターにおいては反応炉から得られたエネルギーの推進利用[47]ガンダムグリープにおいて星間エネルギー吸入式プラズマジェットの存在が言及されている[48]

武装(ガンダムX)

宇宙世紀サイコミュと同じような技術「フラッシュシステム」が存在するが、単なる小型兵器を操るだけでなく、機種によってはビットモビルスーツという無人モビルスーツを遠隔操作出来る。

ほかに特殊な兵器としては、マイクロウェーブによるエネルギー伝送を利用したガンダムXサテライトキャノン及びガンダムDXのツインサテライトキャノンがある。

大気圏突入能力(ガンダムX)

ガンダムダブルエックスは、Gファルコンと合体することで、大気圏突入が可能になる。

『∀ガンダム』におけるモビルスーツ

∀ガンダム』の「正暦」世界においてMSは、「マウンテンサイクル」という場所から黒歴史の遺産として発掘されるケースが多々あり、地球に住む人々はモビルスーツを「機械人形」と称する[49]。この時代では月の環境保全を優先した事からムーンレィスにおいても軍事技術の停滞・低下は発生しており、独自開発した機体はスモーとマヒローのみである[49]

動力源・駆動方式(∀ガンダム)

どれほどの期間土中に埋もれていたのかわからない(7800年程度)モビルスーツがそのまま稼働しているが、これはすべての機体が半永久機関を搭載しているという設定である。中でも人類の文明が最も栄えた時代に作られたといわれている∀ガンダムスモーは、縮退炉(いわゆるブラックホールエンジン)が動力源となっている。 発掘等によって複数の時代のMSが混在するが、そのうちスモーと∀ガンダムには「Iフィールド駆動」の採用が明かされている。これは機体周囲に不可視のビーム梁を張り巡らし、それを制御する事で動作させるというもの[50]

武装(∀ガンダム)

核弾頭が禁断の兵器として発掘されるが、月面都市に衝突しそうな小惑星を破壊するために∀ガンダムによって使用される。ほかに特殊な武装としては、ナノマシンによって周囲の物体を分解してしまう∀ガンダム及びターンX月光蝶がある。

『ガンダムSEED』におけるモビルスーツ

機動戦士ガンダムSEED』、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の舞台となる「コズミック・イラ」の世界において、モビルスーツの元となった起源は人類初のコーディネイターであるジョージ・グレンが木星探査船「ツィオルコフスキー」に搭載した外骨格補助動力装備の宇宙服とされている[51]

それ以前にはやはり人間に装着するパワードスーツが戦場で活躍していたが[52]C.E.65年になるとザフトは史上初のMS試作1号機「ザフト[注 6]を完成させる。C.E.70年2月14日の血のバレンタイン事件によって地球軍の核の脅威を認識したザフトがNJを実戦投入したことにより、以降(NJの電波妨害効果によって)有視界での戦闘が主体となり、有視界接近戦用兵器MSが戦闘の主力となることが想定され、MSの研究開発が進められていった[54]

第1次連合・プラント大戦におけるプラント地球連合との対立激化の中で、プラントの軍事組織ザフトは新兵器としてモビルスーツ「ジン」を実戦投入した。その後の両者の衝突においてモビルスーツ1機でモビルアーマー3機ないし5機の戦力に匹敵するとされている[55]。またザフトは、四足獣型モビルスーツであるバクゥラゴゥや水陸両用型モビルスーツグーンゾノを開発しており、それらのモビルスーツは局地での戦闘で大きな戦果をあげている。

これに対抗し地球連合軍もモビルスーツ「G兵器」の開発を行い、それをもとに開発された「GAT-X」シリーズやその量産機種であるストライクダガー等により、両者はほぼ対等のモビルスーツを実戦配備するに至った[56]

動力源・駆動方式(ガンダムSEED)

モビルスーツの動力源やその運用可能時間は重要な問題となっている。コズミック・イラ71年当時のモビルスーツは、宇宙世紀のモビルスーツとは違い核融合炉は実用化されておらず、ザフトの散布したニュートロンジャマーによって核分裂反応炉が使用不可であるため、ほとんどの機体がバッテリー駆動である。そのため機体の稼動時間制限や母艦との連携が非常に重要なファクターになっている。劇中でも多くの機体、取り分けビーム兵器やPS装甲等の高出力の装備を有する機体は幾度となくバッテリー切れによる帰艦を余儀無くされている。

後に、ニュートロンジャマーを無効化するニュートロンジャマーキャンセラー(劇中では「Nジャマーキャンセラー」と省略され表現される)を搭載することにより、核分裂エンジンを使用することが可能になったモビルスーツも登場する。それらのモビルスーツは、バッテリー駆動の機体では搭載できないような大出力の兵器を使用することが可能であるため、他のモビルスーツと比較して格段に戦闘力が高い。

第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦終結後、ユニウス条約により核エンジンの軍事目的における使用が禁止されたため、コズミック・イラ73年(『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』)において、ザフトは母艦からモビルスーツに無線で電力を供給できるデュートリオンビーム送電システムを開発、インパルスを始めとする「セカンドステージモビルスーツ」に採用される。ただし、この頃オーブにおいて核エンジンを動力とするフリーダムがそのままの状態で復元され、実戦でも使用されているが、作中でこの件が問題にされたことはなかった。小説版においては、戦後の混乱の最中、フリーダムの資料は破棄されたものとして扱われている[注 7][57]。『SEED』の劇中でもフリーダム、ジャスティスが核エンジンを搭載していることはザフト内でも秘匿されていたような描写が見られる。

この頃地球連合軍が強奪したガイア等のモビルスーツにもデュートリオンビーム受信システムが搭載はされていたが、地球連合軍にデュートリオンビーム送電システムのノウハウや設備が無かったため、バッテリーのみでの駆動で運用されていた模様である。その後、地球連合軍の核攻撃などでユニウス条約が事実上形骸化したため、核エンジンとデュートリオンシステムという2つのジェレネーターのハイブリッド化によって出力増加と半無限の持続時間の確保が図られ、デスティニー等ザフトの新型モビルスーツに搭載された。クライン派のストライクフリーダム等も、このハイブリッド機構により従来の数倍の出力を得ることに成功している。

現実世界の原子力発電臨界により連続発生する核分裂反応の熱で水を煮沸させタービンを回転させるタイプが主流であるが、コズミック・イラ世界の原子炉ではMHD発電を採用し、炉からの熱エネルギーを電力に直接変換している[58]。艦船の動力源は開戦以前は原子力を採用していたものの、Nジャマーによってそれらが無効化されたため、旧式のガスタービン[59]や太陽光発電を用いたものが散見され、推進器にはレーザー核融合パルス推進を用いているとされる[注 8]

推進方式(ガンダムSEED)

地上において超電導電磁推進により吸入した空気を噴射することで行われるとされ、水を注排出することで水中でも利用できる[60]推進器を導入している。反面、大気圏外の推進方式には不明瞭な点があり、ガス噴射を用いるコスモグラスパーレーザー核融合パルス推進を搭載する「アークエンジェル」を除けば言及はなされていない。設定担当の森田繁は、「何を噴射して推進剤にしているかは決めていないんです」と答えている一方で、大気圏内ならば暖めた空気を噴出しているのではないかとの見解を示している[61]

CE73年になると、光圧を推力に変換するヴォワチュール・リュミエールも登場した。

操作(ガンダムSEED)

コズミック・イラのモビルスーツは、シナプス融合による神経接続によって操縦が行われる[62][注 9]。このため、コズミック・イラのモビルスーツにおいては生体組織を模したバイオ系コンピュータが使用される[63][注 10]コーディネイターの身体能力を基準に造られたザフト製のモビルスーツは、大半のナチュラルでは元々戦闘における運用実績が無いこともあって操作が困難であった。ナチュラルがナチュラル用OSを搭載していないMSを操縦できないのは、インターフェイスの複雑さ故に、常人の脳神経が持つ処理能力ではその膨大なパイロットワークをこなせないからであり、操縦を可能にするにはシステムのイオンポンプを神経接続速度をナチュラルのそれに合わせてやらねばならない[注 9][注 11]ほか、人工知能によるアシスト[64]や予め動作パターンを入力し、システム側がパイロットに対応する[65]等幾つかの補助手段を講じる必要性がある。そのため地球連合軍ストライクの実戦データをもとにナチュラルでも操作できるモビルスーツのOS(オペレーティングシステム)を開発するまで、モビルスーツ普及に支障をきたすこととなる。他の世界観のモビルスーツも人工知能などによる操作補助がなされているとされるが、コズミック・イラ作品群では特にOSなどを重要な要素として描いている。

武装(ガンダムSEED)

地球連合軍では、汎用モビルスーツのバックパックを砲戦仕様のもの(代表例としてはストライクランチャーストライカーザクウォーリアのガナーウィザード、ダガーLウィンダムに装備可能なドッペルホルン連装無反動砲などがある)に換装することで支援機体としての運用性を確保する方法が一般的であるため、地球連合軍による換装システム確立以前の機種であるザウートとその後継機であるガズウートバスターとその量産型バスターダガーカラミティを除けば、支援モビルスーツという分類のモビルスーツ自体がほとんど存在しない。

また、ガンバレルドラグーンシステムといった遠隔操作兵器が登場し、これらは有線ないし無線(量子通信)で操作される。しかし操縦者に超人的な空間認識能力を要求するため、限られた人間にしか扱えなかった。しかし、後にシステムに改良が加えられ、ある程度の普遍化に成功している。

そのほか、地球連合軍ウィンダムに核ミサイルを搭載しプラント攻撃を図ったが、これはザフトのニュートロンスタンピーダーによって阻止されている。

大気圏突入能力(ガンダムSEED)

フェイズシフト装甲を搭載した一連のガンダムシリーズ、とりわけ核エンジン搭載機は、これを活用することで機体の過熱を抑え、単機での大気圏突入が可能である。

『ガンダム00』におけるモビルスーツ

『00』の主な舞台である24世紀初頭(テレビシリーズでは西暦2307年と西暦2312年)におけるモビルスーツは、21世紀後半、軌道エレベーター建設に際し、その作業に用いる有人機器をイオリア・シュヘンベルグ博士が考案、これが本シリーズにおける後世のモビルスーツの原型となった[66]。イオリアのいた300年前の時代にMSは存在しなかったが、人型汎用兵器の出現を予見し[67]、武力介入に向けて「機動兵器」の開発に着手する。

直接的な源流となったのは作業用機械のワークローダーで、Eカーボンによる防御力の向上により、巨大化した在来兵器よりも高い機動性を持っていたために、主力兵器に置き換わった[66]

西暦2307年時点ではユニオン・AEU・人類革新連盟といった三勢力が独自の設計思想でMSを運用していたが、いずれもバッテリー駆動方式が一般的[68][注 12]。その後、私設武装組織「ソレスタルビーイング」(以下CB)が保有する半永久機関「太陽炉(GNドライヴ)」を搭載したモビルスーツ“ガンダム”が登場すると従来兵器を圧倒[66]。後にCBからの内通者によってその技術も各陣営へと技術が流出し、GNドライヴ搭載機は世界各国に普及していく[66][注 13]。西暦2364年においては戦争が根絶された事から元の作業用機械であるワークローダーが再び導入されている[71]

動力源・駆動方式(ガンダム00)

ソレスタルビーイング(以下CB)が所有するガンダムには太陽炉(以下GNドライヴ)という半永久機関が搭載され推進・動力供給・防御・ジャミングを一手に担う。これによりガンダムが活動を開始した2307年当時、各国が所有するMSを遥かに上回る能力を持っていた。2307年時点の各国のMSの動力源については詳しく言及されていないが、内燃機関や太陽光発電を利用した外部電源方式を採用していた。後に、30基の擬似太陽炉(以下GNドライヴ[T])とそれを搭載する機体(ジンクス)がユニオン・人類革新連盟・AEUに提供されCBのアドバンテージは消失した。

5年後の2312年ではCBがGNドライヴを2基使用したツインドライヴシステムを搭載するダブルオーガンダムの他に、GNコンデンサーで稼動するGNアーチャー等のMSが完成している。またGNドライヴ[T]は連邦によって生産が行われ、主力兵器のほとんどがGNドライヴ[T]搭載機となったが、それを取り扱う施設の問題から場所によって旧世代機のMSも配備され続けている。また、イノベイター勢力が保有するガデッサ等のMSにも搭載されているが、彼等の技術によって改良が加えられ小型化・高性能化されている。

2種類存在するGNドライヴの相違点は、発生するGN粒子の特性・稼働時間の有無・生産性の違いが挙げられる。GNドライヴは「トポロジカル・ディフェクト」と呼ばれる現象を稼働原理としており、活動時間はほぼ無限の半永久機関となっている。反面生産性は皆無でGNドライヴの製造には膨大な時間[注 14]と木星のような高重力下の環境が必要とされる。これに対しGNドライヴ[T]は、電力によりGN粒子を発生させるといういわばGN粒子変換器で、活動時間が有限であるが出力に関しては同等の能力を持っている、また生産性も高く量産にも向いている。GNドライヴ[T]が生成するGN粒子は真紅[注 15]の光を放つ。このGN粒子の放つ光の違いから、GN粒子の光だけでどちらのドライヴを搭載しているかは識別可能である。

また、通常の3倍以上の機体スペックを発揮するトランザムシステム (TRANS-AM) がGNドライヴのブラックボックスに搭載されていた。これはオリジナル特有の能力だったが、後にGNドライヴ[T]でも同システムが発動出来るようになりこのアドバンテージも無くなっている。トランザムシステム発動中は機体スペックを大幅に引き上げるメリットがあるものの、蓄積したGN粒子を大量消費するため発動後の機体性能が大幅に低下する。またGNドライヴ[T]にて同システムを発動しGN粒子を使いきった場合、最悪ドライヴ破損にも繋がるデメリットも存在する。

擬似GN粒子の人体に対する影響はドライヴから放出されているだけなら特に毒性は無く、ビーム兵器用に高圧縮した時のみ毒性が発生する(改良型では無毒化された)。またオリジナルのGN粒子もある特定条件下では強い毒性が発生する性質がある[注 16]

第2世代の段階でGNドライヴを2基搭載するツインドライヴシステムの構想は存在したものの、機体の大型化を招くのと安定度の不安から実現しなかった。後にイオリア・シュヘンベルグ(ヴェーダ)によって送られたトランザムシステムと共にツインドライヴの情報がプトレマイオス側に送られ、これにより実現化の目処が立っていたがドライヴ同士のマッチングの問題が発生、ガンダムエクシアと0ガンダムに搭載されていたGNドライヴによって同調に成功したものの出力が安定していなかったが、後にそれを制御するシステムを備えたオーライザーが完成し、ツインドライヴシステムの全能力が発揮されることになった。

推進方式(ガンダム00)

CBの所有するガンダムはGN粒子を噴射するGNバーニアを用いており、それ以外のモビルスーツは水素や電気を推進剤としている。ユニオンにおいては、水素をフレームに浸透させることで燃料を確保する方式を採用。また、太陽光発電システムから直接電力を受信することでエネルギーを得る機体も存在する(AEUの機体)。一方の人類革新連盟のティエレン宇宙型やティエレンタオツーは燃料タンクを装備しているなど技術的には古いといえるが、水を燃料とするなど他国とあまり変わらない。CBの支援組織「フェレシュテ」が保有するガンダムの一機、ガンダムアブルホールもGN粒子を噴射するGNバーニアと水素を燃料とするプラズマジェットを使い分けることができる。

操作(ガンダム00)

人類革新連盟のモビルスーツは立座型コクピットとなっており、直立状態で操縦を行う。コクピット内にはモニターがなく、パイロットは専用のヘッドマウントディスプレイが取り付けられた専用のスーツを着用しヘッドマウントディスプレイから外部情報を得る。また、宇宙型ではコクピット内は真空になっており、パイロットにはヘッドマウントディスプレイから外部情報と共に空気が送られている。

武装(ガンダム00)

CBのガンダムが使用する武装の大半がGNドライヴ(太陽炉)から供給されるGN粒子を用いたビーム兵器であるのに対し、他の国家群は実弾兵器のみの状態が当初は続いた。しかし、後にCBから内通者が出たことにより、CBのテクノロジーが世界に拡散し、「擬似太陽炉」が開発された。この擬似太陽炉とビームライフルを標準装備した初の量産型MS「GN-X(ジンクス)」が開発され、地球連邦はCBを一旦は壊滅させるほどの大戦果をあげることができた。しかし4年後に活動を再開したCBは再度ガンダムを開発。これに対抗する国家群の兵器の進歩も止まらず、CB側は機体のパワーアップ機構「トランザム」と連動した武装の開発、国家群改め地球連邦は擬似太陽炉の出力と信頼性向上を果たし、ガンダムに勝るとも劣らない大出力ビーム砲を装備した機体、さらにはトランザムを模倣した機体も登場した。MSの分類という点では、国家群のうちユニオンおよびAEUは「ユニオンリアルド、AEUヘリオンなど高機動・可変MSによる汎用性」を重視していたのに対し、人類革新連盟は「ティエレンなど重装甲型MSの大量配備」を重視しており、国家ごとのドクトリンの違いによりMSの系統が決まっていた面が大きい。これらの違いは国家群が地球連邦として統合後、主力MSがGN-X系や、その発展型のアヘッド系に移行したことでほぼ統一された。さらに上位機種として、イノベイドの士官が登場する「ガ」シリーズも開発されたが、こちらは明確に砲撃戦用、格闘専用など役割を明確化している。

遠隔操作兵器として、GNビットと、それを発展させたGNファングが登場する。こちらの制御手段は、ハロなどの機械的バックアップを受けるか、脳量子波を用いて自力で制御するかの2つが判明している。

ほかに特殊な武装としては、CBのメインコンピュータ「ヴェーダ」とリンクする機体全てを制御下に置くガンダムナドレのトライアルシステム及びセラフィムガンダムのトライアルフィールドがある。

運用設備(ガンダム00)

ジンクス系列の機体に搭載されているGNドライヴ[T]はスターターが必要な関係上、専用の設備が必要となるため、MS母艦との連携が必須となる。

大気圏突入能力(ガンダム00)

CB所有のガンダムは、GNフィールドを展開することにより、単機での大気圏突入が可能となる。

『ガンダムAGE』におけるモビルスーツ

機動戦士ガンダムAGE』の「Advanced Generation」世界におけるモビルスーツ(MS)は、物語開始前に地球圏で起った「コロニー国家戦争」を契機に開発された機動兵器。
本作では、この1作品で宇宙世紀作品群で描かれた年月に匹敵する、約100年間の物語を3人の主人公を通して描く構想になっており、MSなどの兵器類も年月の経過に伴い進化を遂げる事になる。以下、各主人公の物語(=編)におけるMSの特徴を記載する。なお、MS登場後は、戦闘用を「モビルスーツ」、作業用を「モビルスタンダード」と分類され、共にMSと略されている。

世代別分類(ガンダムAGE)

A.G.101以前(物語開始前)
「コロニー国家戦争」終結時に各国家間で「銀の杯条約」が締結され、MSをはじめとする兵器、及び軍事技術に関わるデータは全て破棄、もしくは封印され当時の先端軍事技術の大半がロストテクノロジー化した。この影響で軍事用MSの開発系譜は長らく断絶する。以後、モビルスーツはその能力を用途別に厳しく制限され、民生用の3種の「MS」=作業重機「モビルスタンダード」、競走機器「モビルスポーツ」、警備用機器「モビルセキュリティ」としてのみ存続することとなる。
民間では省力型MSに相当する工事作業用MS重機「モビルスタンダード」の開発や「MSグランプリ」なるモータースポーツ的な競技用にMSのカスタムチューンを行う「MS鍛冶」と呼ばれる技術者たちがMSの根幹技術を継承。このほか、一部のMS鍛冶は独自に軍事に転用可能な技術の研究を密かに行っていた。
「コロニー国家間戦争」に投入されたMSなどの詳細は明らかになっていないが、「自己修復」「自己進化」を行える大型機動兵器が存在していた事が確認されており、A.G.年代の技術水準を大幅に上回っていたと見られる。
A.G.101 - A.G.115(フリット編)
A.G.101年、突如出現し人類を襲い始めた謎の敵性兵器「UE(Unknown Enemy)」に対抗するべく、開発が継続されていた「モビルスタンダード」が戦闘用に改修され連邦軍の機動兵器として採用されるも、地球連邦の技術力は総じてUEに大きく劣っている。その後、多少の改良が施され主力モビルスーツ・ジェノアスとして配備されるが、UEには相変わらず全く歯が立たなかった。
A.G.115年、一人目の主人公フリット・アスノが彼の家に代々伝わるコアユニット・AGEデバイスを解析、協力者たちと共同で造り上げたMS・ガンダムAGE-1がロールアウト。優秀なMS鍛冶であるアスノ家の叡智を結晶化したAGEデバイスと、AGE-1を戦闘経験の積み重ねで自己進化させる武装製作メカ・AGEビルダーとを連携させた、進化する兵器システム「AGEシステム」により、AGE-1は初期時にはUEを通常の方法で倒せる唯一のMSとなった。
その後、AGEシステムで生まれた対UE戦闘用の武器はUEの地球侵略拠点・宇宙要塞アンバット攻略に協力した一部のコロニー戦闘勢力が使用したほか、一部パイロットが個人的にAGE-1のデータを基にした専用MSを作ったりするなど、ガンダムのテクノロジーは小規模ではあるが多少ほかのMSにフィードバックされた。
A.G.140 - A.G.142(アセム編)
この時代、UEは真の名であるヴェイガンと呼ばれ、彼らが駆るMSも火星移住計画が失敗し連邦から見捨てられた移民団の末裔たち(つまり、普通の人類)が独自に開発・発展させた兵器である事が明らかになっている。連邦軍MSは初期時から多少進化してはいたが、未だに、「コウモリ戦役」時のMSが主力であり、最新鋭機であるアデルも、AGE-1の生産仕様であり、基本設計は四半世紀前の機種である。そのため技術的格差は縮まっているものの、ヴェイガンを掃討出来るだけの軍事力を得るには至っていない。一方、AGEデバイスはフリットから息子のアセム・アスノに受け継がれ、ガンダムAGE-1で蓄積されたデータから新型機・ガンダムAGE-2が開発された。
一方、ヴェイガンはXラウンダー専用機の開発を重視し、ゼハート・ガレット専用機・ゼイドラとデシル・ガレット専用機・クロノスを開発した。主力MSは最新鋭機であるドラドに更新されつつあるが、こちらも四半世紀以上前の主力機であるガフランやバクトが現役で稼動している。
A.G.164 -(キオ編、三世代編)
この時代のヴェイガンは地球侵略を見越して開発されていた局地専用MSを相次いで投入しているが、Xラウンダー専用機においては既に技術的に性能向上が限界とされている。地球連邦軍はAGE-2をベースにした可変MSクランシェを主力とし、ヴェイガンに劣るとされた機動力の大幅向上に成功した。一方で宇宙においてはA.G.140年代を前後して反連邦勢力が台頭し、連邦正規軍に対抗可能なカスタムMSが出現するようになる。
ここに至り、ヴェイガンの技術の高さの理由が明らかになる。銀の杯条約で破棄された技術が詰められたデータバンク「EXA-DB」の一部を入手したことにより、地球連邦軍を上回る技術を得る事が出来たと語られている。

動力源・駆動方式(ガンダムAGE)

動力源について特別に語られるシーンはほぼ見受けられないが、作業用のモビルスタンダード「デスペラード」については、水素エンジンを搭載している設定となっている。

武装(ガンダムAGE)

ガンダムAGE-1の装備する革新的なビームライフル「ドッズライフル」により、U.EのMSの装甲に対抗する術を得た。このライフルは後に地球側の標準装備として量産され、戦局の打開に貢献した。MSの分類についてはU.E側が様々な役割を持ったMSを多数繰り出すのに対し、地球側は汎用機と、一部それをチューンアップしたエース用の高機動戦闘向けの機体がほとんどであった。ガンダムAGE-1、2、3は戦局に応じて手足を交換する「ウェアシステム」によって機体特性を大幅に変更でき、格闘戦から遠距離砲撃戦、高機動戦闘まであらゆる戦局に対応することが可能であった。

『Gのレコンギスタ』におけるモビルスーツ

ガンダム Gのレコンギスタ』世界におけるモビルスーツ(MS)は、宇宙世紀が終焉を迎えて「リギルド・センチュリー」(R.C.)と呼ばれる時代になってから作られたもの。アニメ本編はR.C.1014年を中心に描かれる。

上記の通り、『Gレコ』世界はU.C.系作品世界の延長上にあるため、MSもある程度宇宙世紀の技術を反映した形で作られている(アニメ本編では、「旧世紀の遺物」として、宇宙世紀時代のMSがいくつか登場している)。しかし全ての機体が、「フォトンバッテリー」と呼ばれる動力で稼働する。

R.C.時代では「過剰な技術の進歩は世界の滅亡をもたらす」として新技術の開発はタブー視されていたが、後に公然と破る国家も登場し、更に金星近くの宙域に存在する「ビーナス・グロゥブ」の中核組織「ヘルメス財団」が設計した「G系統」のモビルスーツが戦場に投入された。

動力源(レコンギスタ)

MSは全て「フォトン・バッテリー」と呼ばれる特殊なバッテリーで稼働しており、それを生産・供給しているのは地球から伸びた軌道エレベーターの終点にある「ヘルメス財団」と設定されている。ヘルメス財団以外がバッテリーを製造することは禁止されており、独占供給状態を維持している。また、フォトンエネルギーの出力を放出するフォトン装甲を採用する[72]

搭載MSの中でも主人公機のG-セルフは特にバッテリーの出力が高く、その余剰出力によって機体が青く発光する現象が散見された。

『鉄血のオルフェンズ』におけるモビルスーツ

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の世界におけるモビルスーツ(MS)は、人類存亡の危機を引き起こした「厄祭戦」と呼ばれる大戦争を引き起こした禁断の兵器「モビルアーマー」を倒すために生み出された。作中にはその当時から現存しているものと、アニメ本編の舞台となる約300年後に作られたものの2種が登場する。全ての機体が動力源として「エイハブ・リアクター」と呼ばれる相転移炉を搭載しており、高出力や高機動性とパイロットにかかるGの軽減を達成している。ただし、厄祭戦後はMS自体が貴重な存在とされており、独自にMSを生産ないし維持・運用できるのは資金力・技術力に優れたごく限られた勢力のみで、とりわけエイハブ・リアクターの新造は、地球圏最大の軍事組織「ギャラルホルン」のみが可能とされている。ギャラルホルン以外の軍事組織は、MS本体のみを新造してエイハブ・リアクターは厄祭戦当時のものをレストアして使用している。それ以外の民間軍事会社などは、モビルワーカー(MW)という、装甲車や戦車の延長上にある兵器を所有するに留まっている。

一部のガンダム・フレーム限定でMSには「阿頼耶識(アラヤシキ)システム」と呼ばれる、人間の生体神経とマシンネットワークをダイレクトリンクさせる事で、通常MSの数倍に及ぶ高機動性を獲得出来るユニットが搭載されている。このユニットとパイロットがリンクするには(基本的に取り外せない)インターフェイスを人体に取り付ける事が必要とされる。しかし劇中で普及している手術は不完全な物であり、施術を行われた少年には終生寝たきりになるリスクがあることやナノマシンの練度の低さから適合する年齢が10代限定であるなど倫理的な問題点を有しているので、非人道的なシステムとして一般には周知され忌み嫌われている。劇中後半では肉体が損壊し四肢の組織の壊死も始まっていたパイロットを一種の生体パーツとしてMSに組み込み、歪んだ形で「人機一体」を成し遂げた機体も登場した。最終的には、その実験データを元に厄祭戦のオリジナルの性能を持った阿頼耶識システムが復活している。

動力源・駆動方式(オルフェンズ)

動力源にはエイハブ・リアクターを採用[73]。全てのMSが「高硬度レアアロイ」と呼ばれる頑強な素材で構成されるインナーフレームを持つ。駆動方式は一般的にはモーター駆動だが、ガンダム・フレームはシリンダー駆動を採用しており、より人間に近い動きが可能となっている。

物語開始時点から約300年前に「エイハブ・リアクター」という相対炉が発明され、それが「厄祭戦」という世界規模の大戦争の遠因となったとされている。このリアクターはMS、艦船に搭載される目的で広く普及し、内部で発生させる「エイハブ粒子」の作用によりMSパイロットへのG負荷の軽減、宇宙船内での擬似重力の形成などの副次効果ももたらした。耐用年数も非常に長く、300年前に放棄されたリアクターがそのまま稼働している例も多い。

ただし、エイハブ粒子が電波障害を引き起こしやすいという短所も持ち合わせているため、市街地に持ち込むと都市インフラを麻痺させてしまう。そのため地球では、都市部にリアクター、およびそれを搭載した兵器を持ち込むことを固く禁じている。

この作品における「ガンダム」は、リアクターを2基内蔵して並列稼働させる「ガンダム・フレーム」という骨格を採用したMSを指す。しかしながらリアクターの並列稼働は技術的に困難を伴い、コストも高くなってしまうため、ガンダム・フレームは72機で生産が打ち切られ、番組中の年代では26機の残存が確認されているとされる。

推進方式(オルフェンズ)

エイハブリアクターから発するエイハブ粒子を噴射するエイハブスラスターが存在。この方式ならば新たな推進剤は必要としないが、非力なため姿勢制御等への使用がメインとなる。そのため、主な推進器は高熱によって膨張した水素を噴射する熱相転移スラスターが用いられている[74]

操作(オルフェンズ)

操縦システムに有機デバイスシステム「阿頼耶識システム」を導入しているか否かで大きく異なる。阿頼耶識システムが搭載された機体は、パイロットの脊椎に埋め込まれたコネクターと有線接続するためのインターフェースを有する。パイロットは接続した機体の情報を脳内で処理するためマニュアルを必要とせず、通常の操縦方法より反応速度や操作性が向上し、網膜投影システム等により自身の体のような感覚で機体を操ることを可能にする。ただし、パイロットに必要となる手術の危険性や、基本的に成長期の子供にしか定着しないという特性に加え、MSに使用すれば膨大な情報フィードバックが脳に深刻な負荷をかけ、機体と脳を過度にシンクロさせると肉体に障害を負ってしまうおそれがあるなど、パイロットにかかる負担が非常に大きい。そのため主流となった大戦末期以降は非人道的なシステムとされ、正規にはほぼ忘れられた技術となっていくが、その後も地球圏外の識字率の低い貧困層や犯罪組織において運用される傾向にある。

武装(オルフェンズ)

MS大の機関砲やアサルトライフル、バズーカ砲や滑腔砲などは普及しているものの、ナノラミネートアーマーの普及によって射撃兵装が牽制程度にしか役に立たないため、アニメ第1期終了時点では射撃・砲撃戦用のMSというものは存在しない。登場勢力の中でMSを最も多く運用するギャラルホルンは、機体を全て汎用MS「グレイズ」とその派生機で揃えており、手持ち火器を持ち替えることで多様な任務に対応させている。アニメ第2期ではグレイズの後継機「レギンレイズ」の配備が上級士官向けに始まっているが、そちらの射撃兵装も実弾兵器であるレールガンがオプションで用意されているにとどまる。その他の勢力も、殆どは手持ち火器や簡単な装備追加に留めており、極端な射撃能力の向上は図られていない。

ビーム兵器は厄祭戦時代の対人兵器として設定されており[75]、近接戦は剣や手斧、メイスといったごく一般的な武器で行われている。これらの武器は旧来のシリーズのような赤熱化や超振動などの特別なギミックは備えておらず、力任せに斬りつける、叩きつけるのが基本戦法である。このような戦術が一般化している理由としては、ナノラミネートアーマーという特殊装甲の存在があり、これを打ち破るには物理衝撃を直に与えることが有効とされているためである。ナノラミネートアーマーはMSのみならず戦艦にも装備されるほど普及しており、中には「強襲装甲艦」というジャンルの戦艦が存在する。これは、艦の前面にナノラミネートアーマーを装備した強固な装甲を装備し、それを頼みに敵陣に突入、場合によってはそのまま体当たりを仕掛けることも可能な戦艦である。

大気圏突入能力(オルフェンズ)

本来は単独での大気圏突入能力を持ってはいないが、ガンダムバルバトスが単独での大気圏突入を余儀なくされた状況で、倒したMSを盾にして機体を守り無事生還するという荒業を見せた。

脚注

注釈

  1. ^ 『宇宙の戦士』のハヤカワ文庫版の挿絵に描かれたパワードスーツは、スタジオぬえの宮武一貴がデザインしたものであった。
  2. ^ ガンダムセンチュリー』で設定された。なお、発行直前に公開された劇場版のパンフレットでは、MSの和訳・意訳として「機動宇宙服」[8]あるいは「宇宙白兵戦用重機動宇宙服」[9]が表記されていた。
  3. ^ 第4世代ともいわれるがNT専用の第2世代であるとする資料[21]、第4世代の傑作機とする資料[27]、直結式大出力メガ粒子砲内蔵の有無からνガンダムを第2世代、サザビーを第4世代とする資料がある[28]
  4. ^ 流体内パルスシステムとは、動力炉から発生したエネルギーをコンバーターによってパルス状の圧力に変換し、流体パイプに導くことによって関節を駆動させるローター・シリンダー伝達するというものである。これには油圧シリンダーと比較し作動スピードが速く、かつ構造が単純な利点が存在した[36]
  5. ^ 尚、ガンダムタイプは旧連邦製の既存MSとは装備規格を共通化している[46]
  6. ^ この名称は、バンダイ『1/100 MGフリーダムガンダム』付属解説書の記述による[53]
  7. ^ これは停戦に貢献した三隻同盟のスタッフが戦後に責任を追及されぬよう、アイリーン・カナーバが取り計らったものであるとタリア・グラディスは見解している[57]
  8. ^ 資料によっては核融合炉の実用化がなされていない世界観であるにも関わらず、艦船に核融合炉を採用しているとするものも存在する
  9. ^ a b ガンダムSEED第28話劇中シーンで、キラ・ヤマトが語るところによる。
  10. ^ 設定を担当した森田繁は、作中で「脳幹が高温で溶ける」、「リンゲル液で冷却する」といった旨の台詞は取り入れたものの、掘り下げる事は無かったと語っている[63]
  11. ^ アニメ『ガンダムSEED』第28話ではM1アストレイ側の代謝速度を40%向上させる事で対応させた。第27話においては同じインターフェイスであれば、その操縦能力は高度な脳神経を持つコーディネイターがナチュラルを圧倒する事をエリカ・シモンズが「明々白々なことである」と語っている。しかし映像作品ではない「公式外伝」であるASTRAYシリーズでは、作業目的ならばナチュラルにでも問題なく操作が出来、また訓練よってコーディネイターと遜色ない戦闘を行う事が出来る事が描写されている。
  12. ^ それ以前に内燃機関を採用したMSも存在したが、これも発電した電力で駆動する方式をとっていた[66]
  13. ^ この際に流出したGNドライヴはと呼ばれるもので、ソレスタルビーイングが保有するオリジナルの仕様とは異なり、活動時間に制限を持っていた[66]。この搭載型量産MSであるジンクスは3国連合の国連軍において使用されたあと[66]、地球連邦が誕生した後もジンクスが三代にわたってマイナーチェンジされ量産がなされているが、2312年に上述の殲滅作戦にて鹵獲したガンダムのデータを基に上位機種として完全新型機アヘッドが就役した。このアヘッドもアレハンドロ・コーナー一派が開発を進めていたもので[69]、基本構造が第3世代ガンダムに近くなった[70]。ただし擬似太陽炉搭載型MSは独立治安維持部隊「アロウズ」に優先的に供給されているため、以前の各陣営の主力機体も継続して使用されている。また、上位種を自称するイノベイターと名乗る集団もガデッサやガラッゾといったGNZシリーズという専用機を保有しており、こちらは彼らが掌握した「ヴェーダ」のアクセスレベル7から入手した第3世代ガンダムのデータを流用して建造(こちらはアヘッドとは系統が異なる完全なコピーでありオリジナルのガンダムに限りなく近い性能を持つ)[69]したものである。故に、ジンクス、アヘッドとも異なる系統の機体である。また、今まで開発されたガンダムのデータを全て組み合わせて開発された機体がリボーンズガンダムである。CB内部の裏切者であるアレハンドロ・コーナーは、リボーンズガンダムの母体となった1ガンダムのデータを基に専用機アルヴァアロンを開発させている。
  14. ^ 小説版では20年かかったといわれている
  15. ^ アルヴァトーレとアルヴァアロンは金色、改良型は赤みを帯びたオレンジ色
  16. ^ 本編から15年前のCBで起きた事故ではルイード・レゾナンスとマレーネ・ブラディがガンダムプルトーネに乗るシャル・アクスティカを助けようとしてGN粒子を大量に浴びたために死亡、シャルもその毒性により髪の色が銀白色に変わり、そのほかにも左目の虹彩が変異してしまった(これらは粒子の影響なのか定かではないが)。この毒性に関してはCBの医師であるJB・モレノが研究していた

出典

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参考文献

  • 書籍
    • 『ロマンアルバム・エクストラ42 機動戦士ガンダム(劇場版)』徳間書店、1981年5月30日。 
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    • 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』バンダイ、1989年2月20日。ISBN 4-89189-006-1 
    • 『ENTERTAINMENT BIBLE .2 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.2 グリプス戦争編】』バンダイ、1989年3月31日。ISBN 4-89189-018-5 
    • 『ENTERTAINMENT BIBLE .3 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.3 アクシズ戦争編】』バンダイ、1989年6月20日。ISBN 4-89189-019-3 
    • 『データコレクション2 機動戦士ガンダム 一年戦争編』メディアワークス、1996年11月15日。ISBN 4-07-305314-0 
    • 『データコレクション3 機動戦士ガンダム 一年戦争外伝』メディアワークス、1997年4月15日。ISBN 4-07-305840-1 
    • 『機動戦士ガンダムRPG』ホビージャパン、1997年3月1日。ISBN 4-89425-151-5 
    • 『ラポートデラックス 機動戦士ガンダム 宇宙世紀vol.1 歴史編』ラポート、1998年8月20日。 
    • 『Dセレクション 機動戦士ガンダム MS回顧録』メディアワークス、1999年11月20日。 
    • 『ガンダム・エイジ ガンプラ世代のためのガンダム読本』洋泉社、1999年4月9日。 
    • 『機動戦士ガンダム ガンダムアーカイヴ』メディアワークス、1999年6月30日。 
    • 『電撃データコレクション 機動戦士Vガンダム』メディアワークス、1999年10月15日。ISBN 4-8402-1330-5 
  • ムック
    • 『機動戦士ガンダム大事典(アニメック第16号)』ラポート、1981年3月1日。 
    • 『月刊OUT9月号増刊 宇宙翔ける戦士達 GUNDAM CENTURY』みのり書房、1981年9月22日。 
    • 『ジ・アニメ特別編集 機動戦士Ζガンダム』近代映画社、1985年8月25日。 
    • 皆川ゆか『講談社コミックボンボンデラックス 総解説ガンダム事典 ガンダムワールドU.C.編』講談社、2007年11月16日。ISBN 978-4-06-372390-8 
  • 雑誌
    • 『ホビージャパン』1991年4月号。 
  • パンフレット
    • 『機動戦士ガンダム』松竹映画、1981年3月14日。 
    • 『機動戦士ガンダムII 哀戦士編』松竹映画、1981年7月11日。 

関連項目